討論
議長(柳居俊学君)有近眞知子さん。 〔有近眞知子さん登壇〕(拍手) 有近眞知子さん 自由民主党会派を代表して、討論を行います。 我が会派は、提出されている全ての議案に賛成し、請願六件をいずれも不採択とすることに賛成をいたします。 新年度の予算を審議する今定例会において、知事は、私ども自由民主党会派からの県政運営に関する代表質問に対し、何としても人口減少に歯止めをかけるとの強い決意を述べられました。また、県政が直面する重要課題について、次年度の具体的な対応方針を示されました。 そこで、議案第一号 令和六年度一般会計予算について、賛成の立場から意見を述べさせていただきます。 まず、予算の大きな柱である少子化対策の抜本強化についてです。 このたびの予算は、若者や子育て世代にとって負担の大きい、三歳未満児の保育料について、所得制限を設けずに、第二子以降分を支援するものや、不妊治療に御苦労をされている方の治療費支援により、その負担軽減を図るものなど、妊娠・出産、子育てへの切実な願いに、しっかりと寄り添った支援策を、全国的にも高い水準で構築されたものであり、我が会派としても高く評価するところです。 その実施に当たっては、市町や医療機関との緊密な連携や、子育て家庭をサポートするネウボラの活用はもちろん、事業実施に伴い需要の増加が見込まれる、保育現場への影響にも十分に配慮していただくことが欠かせません。執行部におかれては、支援が円滑にスタートし、対策の効果が、対象となる方へくまなく行き渡るよう、きめ細かに施策を推進していただくようお願いいたします。 このたびの少子化対策は、予算に限りがある中にあって、県民生活にとって新たな支えとなる、より踏み込んだ対策として、若者や子育て世代の声にしっかりと耳を傾けながら構築され、これまでにない支援制度をスタートさせるものであり、妊娠・出産、子育てに向き合う方々への大きな支えになるものと考えます。 一方で、本県には優れた子育て環境があると県民の皆さんに思っていただくためには、学校教育や学童保育などの質の向上も非常に重要な課題です。教員の皆さんが多忙のあまり児童生徒と向き合う時間が十分に取れないという状況では、豊かな子育て環境とは言えません。 この新たな支援制度の構築をきっかけとして、今後さらに、子育て家庭だけでなく、社会全体で共に子育て環境を充実させていく取組を強力に推進し、一度県外に出た若い世代にも、我が子はふるさとで育てたいと思っていただけるような子育て環境を実現する、その第一歩としていただきたいと思います。 次に、県外流出に歯止めをかける社会減対策の充実、持続可能な社会の実現についてです。 知事は、コロナ禍を経て、再び増加に転じている若者の県外流出に、これまで以上に強い危機感を持ち、県内定着・還流に向けて、さらに踏み込んだ対策を実施すると述べられました。 企業の初任給引上げの支援や、県内高校生・大学生の進学・就職促進に向けた取組、移住の促進など、その対策は多岐にわたっています。 しかし、社会減を食い止めることは決して容易なことではありません。 山口県の未来には、地元を盛り上げたい、山口県で頑張っていきたいという子供たちと、県外に出てチャレンジしたいという子供たち、そのどちらも必要です。 大事なのは、そんな子供たちの意思を尊重し、全力で応援することであり、そんな包容力のある県であり続けることが、社会減に歯止めをかけるための何よりの対策になると信じています。 また、当面、いや応なく人口減少が進む中、地域の機能維持や活性化を実現していくため、知事は、デジタルを活用した豊かな社会づくりに取り組むと述べられました。 はや三年が経過する本県のデジタル改革は、まずはやってみるという、いわゆるスモールスタートによる機動的なサービス創出が着実に根づき、芽を出しています。 次年度は新たに、自動運転の実証・実装にも取り組まれますが、公共交通の確保は、人口減少下で、多くの市町が抱える課題であり、自動運転技術に対する県民の期待は、非常に大きいものがあります。都市部と中山間地域とでは、対応する技術や運用方法も大きく異なると思いますが、事業効果が県下にくまなく行き渡るよう、取組を進めていただきたいと思います。 このように、今後さらに、デジタル改革を前に進められ、様々な分野で課題となっている人手不足を補い、あるいは中山間地域におけるサービス格差の是正などに、大きな成果を出されることを期待しています。 観光振興については、かねてより申し上げてきたインバウンド需要の取り込みや県内周遊について、しっかりと予算を措置していただいており、知事の強い意気込みが感じられるものとなっています。県民の皆さんが施策効果を実感できるように、スピード感ある取組を進めていただくよう、よろしくお願いします。 また、今回、山口市の観光が海外から注目されていますが、ここで誇るべきは、我々の日常生活の中に、我が国の歴史や伝統文化が、個性豊かに息づいていることです。それこそが、厚みある地域の魅力そのものであり、後世に受け継いでいく努力の重要性を改めて申し上げておきたいと思います。 このほか、当初予算では、物価高や賃上げについても、引き続き、きめ細やかな支援策が盛り込まれています。 経済は今、根深いデフレマインドがようやく払拭され、緩やかなインフレへと局面が変化し始めています。家計や企業の投資意欲が上向き、我が国が強い経済を取り戻す、その環境が整いつつあるわけですが、物価上昇が賃上げへと反映され、経済の好循環が実現するまでの間、県民生活や事業活動をしっかりと支えていかなければなりません。そのための予算措置であり、支援策の効果を県民の皆さんに速やかに行き渡らせると同時に、地域経済が自立的な成長へと向かうよう、産業戦略の推進や、中堅・中小企業の生産性向上などの取組も、強力に進めていただきたいと思います。 本会議においては、能登半島地震を踏まえた本県の防災・減災、国土強靱化に関し、多くの質疑が行われました。高齢の方や小さなお子さんも含め、多くの方が、今も厳しい状況の中で避難生活を送られていることを思い、一日も早い復旧・復興を願ってやみません。 県が、防災・減災などについて、迅速に、当面必要な予算措置をされたことは、県民の安心の確保のため、極めて妥当な対応です。今後、避難所運営の在り方や、被災時の学びの継続など、能登半島地震における課題を踏まえた検討を進め、本県の防災にとって必要とされる改善点をしっかりと洗い出していただくよう、改めてお願いいたします。 以上、令和六年度一般会計予算に対して、賛成の立場からるる意見を申し述べました。このたびの予算は、私ども自由民主党県連が、多くの関係団体等からお聞きした切実な要望に対しても、可能な限りの措置がされ、前向きな取組が多く盛り込まれた予算であり、その効果が早期に発現することを期待しています。 知事はじめ執行部におかれては、この予算により、県政最大の課題である人口減少に目に見える成果を出せるよう、令和六年度の県政運営に全庁一丸となって取り組んでいただくことを切にお願いいたします。 私ども自由民主党会派といたしましても、安全で安心して暮らせる、未来に希望が持てる山口県を築き上げるため、県政をしっかりと支え、時に直言もしながら、共に県政の多くの課題にひるまず、真正面から向き合っていく決意であることを、改めて申し上げます。 最後に、本定例会には、請願第一号から第六号が提出されています。 これら請願六件に対する我が会派の意見は、先ほどの委員長報告で述べられたとおりです。議員の皆様におかれましても、何とぞ御理解を賜りますことを我が会派からもお願い申し上げ、自由民主党会派の賛成討論といたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手)