討論
議長(柳居俊学君)前東直樹君。 〔前東直樹君登壇〕(拍手) 前東直樹君 公明党の前東でございます。会派を代表いたしまして、全ての議案に賛成の立場から、また、請願各号には不採択とすることに賛成の立場から討論を行います。 最初に、議案第一号 令和六年度一般会計予算についてであります。 当初予算の編成を前にした十月下旬より、私ども公明党も企業・団体との政策懇談会を開催いたしまして、四十六団体から多くの御要望を頂きました。 また、必要に応じて、じっくり要望を伺う機会をさらにつくるなど、現在も現場の声を政策に反映するため、取組を継続しているところであります。 こうして頂いた要望も踏まえまして、公明党山口県議団といたしましては、コロナ感染症により変化した社会や経済活動の再生に加え、深刻な少子高齢化による各業種の人手不足対策の強化や新たな観光振興など、本県の特性や強みを国・市町と連携してさらに引き出すとともに、こども家庭庁発足より一年となり、こどもまんなか社会の実現に向けた教育環境の整備や、障害者やLGBT等、一人の人を大切にする多様な社会の実現に向けたさらなる取組を期待し、令和六年度の予算要望として合計百六項目にまとめ、一月に村岡知事に提出をいたしました。 新年度予算におきましては、各般にわたる要望に随所に反映していただき、県の予算編成を評価しているところでございます。 さて、今回の新年度予算は、村岡知事の政策の柱である三つの維新をさらに進化させ、県政の最重要課題である人口減少の克服に向けて、果敢に挑戦する取組を挙げられております。 特に、少子化対策の抜本強化については、これまで三歳未満児のうち、国の無償化対象とならない第三子以降について、独自の保育料軽減支援を実施してまいりましたが、今回さらに、支援対象を所得制限を設けずに第二子以降まで拡大することとしたことをはじめ、保育士の独自加配による保育の質の充実、保育の担い手確保等、子育ての支援策を実施。 また、不妊治療における経済的負担の軽減として、生殖医療に係る自己負担と、これを併用した先進医療に係る経費を助成する、全国でもトップ水準となる支援制度を創設するとともに、あわせて、結婚の機運醸成及び出会いの場を提供するなど、結婚、妊娠・出産、子育ての希望をかなえる環境づくりに取り組むとされています。 また、国のこども・子育て支援加速化プランに呼応し、県独自の施策と併せて、児童手当の抜本的拡充、高等教育の修学支援の対象拡大とともに、新規に特定妊婦等に対する支援拠点の設置や、障害児や発達の気になる子供への支援体制の整備、子供の居場所づくりに向けた市町等への支援など、国制度を活用した支援の強化を盛り込んでおります。 公明党といたしましても、今回の予算要望において、切れ目のない伴走型子育て支援のさらなる推進、困難を有する子供への支援の充実等、重点項目を掲げておりましたが、このたびの予算案は、知事の子育て支援に対する本気度がうかがえる内容であり、公明党として全面的に賛同し、応援をさせていただきます。 さらに、共育て社会を実現させる取組の推進については、本県の課題であります男性の育休取得の促進と、夫の育児時間を増やし、夫婦が共に育児に関わる共育て社会の実現に重点を置くものであります。 この点、今回、やまぐち″とも×いく″応援企業、すなわち、ともに、もっと、いくじに、くわわって、いく企業を応援する制度を新たに創設するとともに、先日、十九の市町の首長とやまぐち″とも×いく″共同アピールを発表するなど、既に積極的な取組を開始されています。 本県の現状は、二〇二一年の総務省の調査結果において、地方公務員の一か月を超える男性育児休業取得率は全国最下位。六歳未満の子供を持つ夫の育児時間は全国第四十六位と厳しい状況にあります。 多くの若い世代が共働きを希望する今の社会にあって、女性だけが何役もこなさなければならない現状を変え、男性が夫として、父親として、積極的に関わることのできる環境をつくっていけるかどうか。 子育てしやすい山口県、子育てに積極的な山口県として、女性を中心とした若者に、山口県が大きく変わった実感を持ってもらえることが、移住・定住の促進、雇用の場の創出等と併せて、県外流出に歯止めをかける社会減対策にもつながっていくものと考えます。 かく言う私自身も、山口の子育て世代の男性の一人として、県政に関わる立場にありながら、よもや妻にワンオペを強いて愛想を尽かされることのないように、心して取り組んでまいります。 加えまして、今回の予算案には、人口減少の克服に向けた取組と併せて、大きな政策の柱として、社会経済情勢の変化への対応が上がっております。 まずは、自然災害への対応であります。 改めまして、このたびの能登半島地震で亡くなられた方の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 また、現地の復旧・復興に尽力し、支援に取り組まれている皆様に敬意を表するものであります。 災害は「いつ起こるか分からない」から「いつでも起こり得る」へ。ボランティア元年と言われた一九九五年の阪神・淡路大震災から、二〇一一年の東日本大震災、二〇一六年の熊本地震、そしてこのたびの能登半島地震。度重なる豪雨災害を加えると、毎年のように自然災害が発生しております。 そのたびごとに、経験と反省を重ね、新たな取組が行われるなど、防災対策も復旧・復興の在り方も工夫が重ねられてまいりました。 しかしながら、それでもなお毎回のように足りない部分、取り組むべき課題等が浮き彫りとなり、国民の暮らしと安全を守るため、なお一層の努力と工夫が求められております。 今回の予算案では、防災・減災のハード対策の継続的推進とともに、地震・津波被害想定や国土強靱化地域計画の見直し、災害福祉支援センターの設置等のソフト対策事業についても取り組むこととされております。 今までの被災者の苦悩や悲しみが、再び我が山口県で繰り返されることのないよう、実践的でリアルに想像力を持って進められるよう、強くお願いをするものであります。 同様に、新たな感染症危機への備えについても、このたびの新型コロナ感染での苦しい経験を生かし、対策に取り組んでいくことを願います。 新型コロナは昨年五月に五類に引き下げられ、日常の社会経済活動を取り戻しつつあるものの、いまだ続く物価高騰への対策については、光熱費、食材費、公共交通への支援、飼料・肥料対策等、必要な支援を継続するとともに、賃上げ・収益力向上への支援として、初任給等引上げ応援奨励金や中小企業物流DX支援補助金を創設するなど、本県独自の追加対策が今回の予算案に盛り込まれることとなりました。 このたびの令和六年度一般会計予算が、安心で希望と活力に満ちた山口県の実現のため、大きく力を発揮するものと評価し、公明党といたしましても、知事と共に県政発展に尽力してまいります。 なお、請願各号については、既に国政の場において取組が進められ、あるいは現時点では引き続き推移を見守るべきものである等との、所管の各委員会での議論を踏まえ、改めて不採択とすることに賛成の立場であることを申し添えまして、公明党を代表しての討論とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)これをもって討論を終結いたします。