委員長報告
議長(柳居俊学君)産業観光委員長 猶野克君。 〔産業観光委員長 猶野克君登壇〕(拍手) 産業観光委員長(猶野克君)産業観光委員会を代表いたしまして、本委員会における議案の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 審査に当たりましては、関係議案及び所管事項全般にわたり、執行部に説明を求め、質疑、検討の結果、議案第一号、第九号、第六十六号、第七十三号及び第八十三号のうち本委員会所管分並びに議案第三号、第十五号、第六十七号及び第七十九号の議案九件については、全員異議なく、いずれも可決すべきものと決定いたしました。 次に、審査の過程における発言のうち、その主なものについて申し上げます。 まず、産業労働部関係では、 産業戦略の推進について、 半導体・蓄電池産業の集積強化をはじめ、脱炭素関連や産業人材の育成・確保などの予算が計上されているが、こうした予算の下、産業戦略をどのように進めていくのかとの質問に対し、 産業戦略関連の来年度予算については、全体では三百億円を超える規模となっており、このたび、十一億円の造成を行うこととしているやまぐち産業イノベーション基金も有効に活用しながら、事業を安定的、計画的に推進する。 また、デジタル化や脱炭素化、人手不足や物価高騰の長期化など、企業を取り巻く環境は厳しい一方、コロナ禍後、社会経済活動は回復基調にある状況も踏まえ、今回、やまぐち産業イノベーション戦略を改定し、プロジェクトの再編も行っているところであり、この好機を逃すことなく、取組を強力に進めていく。 さらに、本県の基礎素材型を中心とした高度な産業集積や高い技術力がある強みを最大限に生かすことを産業戦略の基本に、イノベーションの支援施策の積極的な活用を図りながら、市町や関係支援機関などとも緊密に連携し、官民一体となって戦略に掲げるプロジェクトを積極的に進めていくとの答弁がありました。 次に、共育て社会について、 男女ともに仕事と育児・家事の両立可能な共育て社会の実現に向け、どのように取り組むのかとの質問に対し、 人口減少に伴う労働者数の減少など、地域経済への影響を改善していくには、若者に魅力的な雇用の場を提供することに加え、子供を産み育てやすい環境づくりを進めることが重要である。 このため、育児休業の取得促進や共育てサポートサービスの創出など、働きやすい職場環境づくりを推進する事業者を支援する取組を進めることとしている。 男女が家事・育児を分担し、希望に応じたキャリア形成との両立が可能となる、また、地域全体で子供を育てることが当たり前となる社会を実現することで、県内企業が安定的に人材を確保し、持続的に成長、発展していけるよう取り組んでいくとの答弁がありました。 このほか、産業振興関連では、 ○ 半導体・蓄電池産業の集積に向けた支援等について ○ 自動車産業の低炭素化に向けた支援について ○ 脱炭素化に向けた企業間連携に係る独占禁止法上の問題への対応について ○ GX移行債に基づく大規模な先行投資支援に向けた動きについて ○ 西部石油株式会社山口製油所の跡地を活用した脱炭素化の取組等について ○ 企業誘致の推進について ○ 産業団地の整備等について ○ 県内事業者の物流DXに向けた取組への支援について ○ DXの推進に向けた支援について ○ 中小企業の金融の円滑化と経営改善に向けた支援について ○ 海外展開の推進について ○ ヘルスケア関連産業創出事業の取組について 雇用・人材育成関連では、 ○ 若者の県内定着に向けた取組等について ○ 賃金見直しによる人材確保・定着支援事業の概要について ○ 西部石油株式会社山口製油所の石油精製機能停止に伴う従業員の再就職支援について ○ シニアの就業支援について ○ メタバースを活用した県内企業の魅力発信について などの発言や要望がありました。 次に、観光スポーツ文化部関係では、 インバウンド需要獲得に向けた取組について、 観光周遊バスの実証運行など、観光二次交通の充実にどのように取り組むのか。 また、新たなグルメメニューの開発など、食という要素に着目した取組も必要と考えるが、今後、どのように取り組んでいかれるのかとの質問に対し、 新たな観光周遊バスの実証運行については、宿泊状況や観光消費額等のデータ収集により、効果を検証しながらノウハウを蓄積し、定着化を目指す。 さらに、外国人観光客の満足度を高め、快適に県内を周遊できるよう、市町や観光事業者等と連携し、観光周遊バスをはじめとした二次交通の充実に積極的に取り組んでいく。 また、食の取組については、県北部地域で新たに三つのグルメメニューを開発し、販売を開始した。引き続き、専門家のサポートの下、ワークショップを開催することとしており、東部地域でのメニュー開発についても検討していくとの答弁がありました。 次に、県の新たな観光キャッチフレーズ「おいでませ ふくの国、山口」の浸透について、 本県に目が向けられているこの機会に、もっと積極的に、「ふくの国、山口」やシンボルマーク「ふくだるま」などを使ってもらえるよう、市町や観光事業者に直接アプローチをしていく必要があると考えるが伺う。 また、これらをもっと浸透させ、この大きなチャンスを誘客へとつなげるため、今後どのように取り組んでいくのかとの質問に対し、 観光キャッチフレーズのロゴデザイン等については、申請等により使用できる制度を設けており、先般、発表された、「ふくだるま」をパッケージに用いたお菓子の事例も紹介しながら、ロゴデザイン等の活用を市町や事業者へ直接働きかけていく。 また、スペシャルアンバサダーの石川佳純さんに出演いただくメディアプロモーションや、幸福感あふれる山口の旅を連想させる新たな誘客促進キャンペーンなどを展開し、誘客につなげていくとの答弁がありました。 このほか、観光振興関連では、 ○ アウトドアツーリズムの推進について ○ 物産振興の取組について ○ 観光PRにおける若手職員の意見の積極的な活用について ○ ビジットやまぐち推進事業の概要について 交通政策関連では、 ○ JR美祢線及び山陰本線の復旧について ○ 持続可能な交通システム実現加速化事業の取組について ○ バス・タクシー運転士確保対策連携事業の概要について 国際交流関連では、 ○ 在外山口県人会活動促進事業の概要について ○ 若者同士の交流促進について スポーツ推進関連では、 ○ 新たな拠点整備によるスポーツ医科学の推進について ○ 部活動の地域移行に向けた取組について 文化振興関連では、 ○ 瑠璃光寺五重塔の透明パネル工事の進捗状況について ○ 文化観光の推進について ○ 持続可能な文化財による文化観光推進事業の取組について などの発言や要望がありました。 終わりに、請願について御報告申し上げます。 本委員会に付託された請願第二号から第五号については、上関町における中間貯蔵施設について、現在はあくまでも、施設が立地可能かどうか、その調査が行われている段階であり、施設についての具体的な計画もなく、地元上関町では、建設の是非について判断をされていない状況である。中間貯蔵施設について、様々な意見があるが、立地可能性調査を進めている中国電力において、地元の意向を踏まえながら、引き続き、丁寧な対応をしていただきたい。いずれにしても、県民の安心・安全の確保の観点から、立地可能性調査の動向を注視している状況に変わりはなく、請願が求めるような意思表明をする状況にはないとの意見があり、採決の結果、賛成なしにより、不採択とすべきものと決定いたしました。 以上をもちまして、本委員会の報告といたします。(拍手)