委員長報告
議長(柳居俊学君)産業観光委員長 猶野克君。 〔産業観光委員長 猶野克君登壇〕(拍手) 産業観光委員長(猶野克君)産業観光委員会を代表いたしまして、本委員会においてなされた所管事項に係る発言のうち、その主なものについて御報告を申し上げます。 まず、産業労働部関係では、 産業脱炭素化の推進について、 やまぐち産業脱炭素化戦略が策定されて一年が経過したが、これまでの取組の成果をどう認識しているか。また、国の新たな動きを踏まえつつ、今後の本県の産業脱炭素化をどのように考えていくかとの質問に対し、 県内のコンビナート企業群では、アンモニアサプライチェーンの構築や、企業間連携によるアンモニア混焼実証などの取組が着実に進展している。県としては、コンビナートの燃料転換等によるCO2の排出削減など、本県産業界が直面する課題に対応していけるよう、戦略に基づく取組により、しっかりと後押しをしていく。 また、GX2040ビジョンなどの国の新たな方向性を的確に捉え、積極的に支援策を取り込みながら、二○五○年カーボンニュートラルを原動力とした本県産業の成長・発展という目標に向け、取組を推進していくとの答弁がありました。 これに関連して、 ○ 中小企業における産業脱炭素化の支援について ○ コンビナート企業群の取組の進捗状況と県の支援について ○ 西部石油株式会社が取り組むGX西部の進捗状況について ○ 水素社会推進法の概要について などの発言や要望がありました。 次に、県内企業の人材確保・定着について、 人手不足が深刻化する中、賃上げや働きやすい職場環境づくりを進めるとともに、特に若者を念頭に置いた企業の魅力拡大や情報発信にどのように取り組むのかとの質問に対し、 県では、今年度から、五月を県内企業人材確保促進月間として、魅力ある職場環境づくりや新しい働き方の実践・定着等について、企業へ要請を行った。 また、賃金引上げや育児休業の取得促進、共育てしやすい職場環境づくりに取り組む中小企業を支援するとともに、若者に選ばれる企業となるためのセミナーや相談会の開催、仮想空間上で若者と企業が交流できる環境整備などにより、今後とも企業の人材確保・定着に向けた取組を支援していくとの答弁がありました。 このほか、産業振興関連では、 ○ 今後の産業労働行政の推進について ○ マツダの認証不正について ○ 電気・ガス代補助の再開について ○ 海外展開推進室の取組実績と今後の取組について ○ 台湾の関係団体と締結した覚書に基づく取組の進捗状況等について ○ 企業誘致実績の現状の評価と企業の投資意欲について ○ 県や市町の産業団地の現状について ○ 半導体関連産業の戦略的な誘致等について ○ 国のコロナ対策終了後の中小企業に対するフォローアップについて ○ 経営力再構築伴走支援プラットフォーム形成事業の取組内容について ○ 中小企業の賃上げに向けた経営安定・強化と価格転嫁に係る対策について ○ やまぐち社会起業塾の成果と専門家への相談環境の整備等について ○ 創業・事業承継に対する支援について ○ 海外ビジネスサポートデスクの成果等について 雇用・人材育成関連では、 ○ 山口しごとセンターのこれまでの取組成果について ○ 県内企業の賃上げの状況について ○ 山口県奨学金返還支援制度創設奨励金の周知等について ○ 未来につなぐやまぐち共育て応援事業の周知等について ○ 女性の働きやすい環境づくりに向けた支援について ○ 女性・シニア新規就業促進事業の周知等について ○ 企業や市町の意見・ニーズを踏まえた県内就職の促進について ○ 外国人労働者の円滑な雇用促進に向けた周知等について などの発言や要望がありました。 次に、観光スポーツ文化部関連では、 デスティネーションキャンペーンを見据えた観光振興の取組について、 二年後に本県でキャンペーンが開催されるが、観光客の本県への誘客や県内全域への周遊を目指して、どのようなプロモーションを展開していくのかとの質問に対し、 本県への誘客に向けては、本県の認知度を高める情報発信として、観光キャッチフレーズ「おいでませ ふくの国、山口」を浸透させるため、スペシャルアンバサダーに就任いただいている石川佳純さんが出演する、絶景、体験、グルメをテーマにした観光動画を制作し、SNS等で発信するなどメディアプロモーションを展開する。 また、県内周遊の促進に向けては、幸福感あふれる山口の旅を連想させるような、デジタルのおみくじを引いて、ランダムに観光スポットを訪れていただくキャンペーンや、フグ料理など山口の特色ある食の食べ歩きを促すキャンペーンなど、様々な取組を行っていくとの答弁がありました。 次に、インバウンド需要の獲得について、 アジア重点五市場の旅行会社を招請して実施した視察ツアーの手応えや課題について伺う。 また、大阪・関西万博等を見据え、欧米豪市場をターゲットにした取組も必要だと感じるが、どのようなアプローチを展開する予定かとの質問に対し、 参加した旅行会社からは、宿泊施設の空き状況の確認など、既に具体的な問合せが入っており、これまでより、多くの旅行商品が造成される手応えを感じている。 一方で、多言語に対応できるガイドが少ない、大人数の外国人への対応が難しいといった、観光地ごとに個別の課題も浮き彫りとなった。 今後は、こうした意見を観光事業者等へフィードバックし、市町と連携しながら、旅行商品化に向けて観光素材を磨き上げるとともに、旅行会社に対しては、観光プロモーターを通じてフォローアップを行い、積極的なプロモーションを展開していく。 また、欧米豪市場については、海外メディア等を対象とした視察ツアーを実施するほか、観光情報の広告媒体への掲載やターゲティング広告等を活用したプロモーションを展開していくとの答弁がありました。 このほか、観光振興関連では、 ○ 山口ならではのアウトドアツーリズムの推進について ○ 観光分野におけるデータ分析について ○ 観光周遊バスを活用した二次交通の充実について ○ 物産振興の取組について ○ 市町の観光振興の取組について 交通政策関連では、 ○ 国際チャーター便の誘致推進について ○ 新モビリティーサービスの導入推進について 国際交流関連では、 ○ 姉妹提携都市との交流について スポーツ推進関連では、 ○ 県東部地域県立武道館(仮称)の実施設計について ○ サイクル県やまぐちプロジェクトの取組について ○ 運動部活動の地域移行について 文化振興関連では、 ○ 瑠璃光寺五重塔の受入れ環境整備について ○ 文化観光の推進について ○ 文化部活動の地域移行について などの発言や要望がありました。 終わりに、請願について御報告申し上げます。 本委員会に付託された請願第一号については、上関町における中間貯蔵施設について、現在はあくまでも施設が立地可能かどうか、その調査が行われている段階であり、地元上関町では、建設の是非について判断をされていない状況である。中間貯蔵施設について、様々な意見があるが、立地可能性調査を進めている中国電力においては、地元の意向を踏まえながら、引き続き丁寧な対応をしていただきたい。いずれにしても、県民の安心・安全の確保の観点から、立地可能性調査の動向を注視している状況に変わりはなく、請願が求めるような意思表明をする状況にはないとの意見があり、採決の結果、賛成なしにより、不採択とすべきものと決定いたしました。 以上をもちまして、本委員会の報告といたします。(拍手)