討論
────────────────────── 討 論 議長(柳居俊学君)これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、持ち時間の範囲内において発言を許します。 藤本一規君。 〔藤本一規君登壇〕(拍手) 藤本一規君 日本共産党を代表して反対討論を行います。 本会議に上程された六議案のうち、議案第四号に反対し、残り五議案には賛成します。 反対する議案第四号は、山口県立高等学校等条例の一部を改正する条例です。 本議案は、山口県立厚狭高校と田部高校を再編統合し、県立厚狭明進高等学校とするための条例改正です。 二○二二年十月から十一月に行われた厚狭高校と田部高校の再編統合に対するパブリックコメントでは、計画の発表から実施までの期間が早過ぎること、この統合により旧豊浦郡内の高校が二校になることから、田部高校と厚狭高校の再編統合には絶対に賛成できないという意見が出されました。 また、二二年十月二十一日、下関市菊川ふれあい会館で行われた地域説明会では、田舎から高校がなくなることへの懸念があるなどの意見も出されました。 県教委は、交通の利便性を考慮して県立高校再編整備計画を決めたと繰り返しますが、田部高校のある下関市菊川町から厚狭高校に向かうバスはありません。JR山陽線を経由しても長時間の通学時間が強いられることは明らかです。両高校の再編統合は、交通の利便性を考慮した計画だとは言い難いものです。 また、先ほど引用したパブリックコメントの中には、一学年、四から八学級を望ましい学校規模だとする県教委の基準について、最大値は妥当であるが、最小値に関しては、特色のある学校や中山間地域等において、一学年、二から三学級としてよいと思われるなどの意見がありました。 また、再編統合の進め方についても、機械的に一学年、三学級以下であるから再編すると繰り返しており、高校教育の質の確保・向上を図る、特色ある学校づくりに沿っているか疑問に思えてならないなどの意見があったことは極めて重要です。 中国・四国の各県では、高校再編の基準を見直し、小規模校や特色ある高校を存続させる動きが広がっています。 山口県教育委員会が固執する、望ましい学校規模の抜本的な見直しを強く求め、本議案に反対いたします。 意見書案第一号 地方財政の充実・強化を求める意見書には賛成いたします。 さて、請願です。請願第一号 上関町に計画されている「中間貯蔵施設」に反対の意思表明を求めることについてを不採択とした委員長報告に反対いたします。 請願者である、いのち・未来うべの代表、岡本正彰さんは、本請願で自らの思いを次のようにつづっています。 いのち・未来うべの代表をしている私は、脳性麻痺アテトーゼ型の重度障害者である。福島原発事故の際、障害者が健常者と比べ、はるかに避難が困難な事実を当事者の立場で検分した結果、原発反対運動に加わった。能登半島地震でも福祉避難所の多くが機能不全のままであり、自閉症児がおられる御家族は避難所を変わるたびに子供がパニックになるという不安を抱えているという事実が、四月十五日NHK、EテレのハートネットTVで放送された。原発事故が加わることは、この状況が見通せないほど長く続くことを意味する。上関町は高齢者率が高いし、隣接する平生町には、医療法人光輝会、光輝病院二百十二床、光輝病院介護医療院四百九十八床、介護老人保健施設はとがみね四十床があり、柳井市には国立病院機構柳井医療センターがあり、重度障害児のセンター内訪問学級がある。中間貯蔵施設に事故が起きた際、これらの自力で避難することが困難な要配慮者をどのような方法で避難させるのだろうと書かれてあります。 私は、三十年来、いのち・未来うべの岡本正彰代表と親交を深めています。 重度障害を抱える岡本さんの原子力施設、とりわけ中間貯蔵施設に対する懸念は、正当であると私は考えます。 よって、本請願を不採択とした委員長報告に反対いたします。皆様の良識で、本請願が採択されることを切にお願いいたします。 次に、請願第二号です。柳井・周南地域の再編統合の白紙化と周防大島高校県立大学附属高校化に関することについてを不採択とした委員長報告に反対いたします。 本請願は、周防大島町で行われてきた県教育行政に対し、遺恨を訴えるものだと思います。 まず、二○○七年に行われた久賀高校と安下庄高校を周防大島高校に再編統合したことについてです。 本請願は、周防大島高校久賀校舎の福祉科の廃止とそれに代替する福祉専攻科の設置、周防大島高校の地域創生科の設置再編は、毎年定員割れの状況になっており、再編が失敗であることは明白であり、行政の意思決定における責任の所在が問われると指摘しています。 次に、昨年末に決定された柳井・周南地区の高校再編についてです。 本請願は、再編は市町村のにぎわいの創出の弊害、岩徳線の存亡や保護者・生徒たちに将来にわたり経済性や利便性に影響を及ぼすことから、これらを検討材料として住民に情報提供せずして決定した経緯は、不適切で情報公開の観点から公平・公正性に欠けるものであり、民間では考えられない非効率な様態であり、周防大島高校再編の二度の失敗を教訓として慎重に検討する事案であると指摘をしています。 次に、周防大島高校、山口県立大学附属高校化についてであります。 本請願は、周防大島高校の山口県立大学附属高校化に際しては、将来予想も含め、地域内外の通学者の利便性を考慮した設置場所を検討することとしています。 県教委は、生徒のためを錦の御旗に、周防大島町での高校再編統合等を進めてきましたが、肝腎の地域住民の理解が不十分なままの提案だったことが、この請願で顕在化しています。 将来に、遺恨を残す結果となった周防大島町での高校再編統合等に対して、県教委の猛省を求めたいと思います。 私は、この問題の元凶は、県教委の県立高校再編の基準、望ましい学校規模は四学級以上にしている点にあると考えます。 広島県の県立高校再編の基準は、一学年一学級規模の全日制高校において、新入生二十人未満か全校生徒六十人未満が二年続いた場合です。 私は、山口県が広島県と同様の基準を設けていたならば、久賀高校と安下庄高校の再編あたりから見直すことができたのではないかと思います。 たとえ統合されても、周防大島高校は県立のまま、広島県の場合だったら維持されたのだと思います。 加えて、今議会の文教警察委員会で、周防大島高校の福祉専攻科の来年度からの募集停止が提案されました。 請願は、介護福祉士の需要は増しているとし、久賀校舎の福祉科を廃止したことは、高齢化社会対応との調整の中で、県行政として総合的に判断すべきと指摘しています。この指摘そのものは、周防大島高校の福祉専攻科を廃止すると判断した県教委に対する指摘だと受け止めるべきだと考えます。 県教委の一学年、四学級以上という県立高校再編基準の抜本的な見直しを求め、本請願を不採択とした委員長報告に反対いたします。皆様の良識で、本請願が採択されることを切にお願いし、討論といたします。(拍手) 議長(柳居俊学君)これをもって討論を終結いたします。