1 知事の政治姿勢について 2 中国電力の経営姿勢について 3 下関北九州道路について 4 岩国基地問題について 5 朝鮮学校について 6 その他
副議長(島田教明君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 日本共産党の木佐木大助です。通告に従い一般質問を行います。 質問の第一は、知事の政治姿勢について。 一つは、地方自治法改正問題について伺います。 一番の問題は、政府が国民の安全に重大な影響を及ぼす事態と判断すれば、国が地方自治体に指示ができる指示権を新たに導入をして、地方自治体を国に従属させる仕組みがつくられたことであります。 曲がりなりにも進められてきた地方分権を否定するだけではなく、憲法が保障する地方自治を根本から破壊するものであります。 全国知事会会長の村井宮城県知事は、拡大解釈をすれば、あらゆることを国が指示できるということになりかねない。これは地方自治の本旨に反する真逆の法案ということになると強い懸念、警戒感を示し、岩手の達増知事も、過去に経験したことがない事態の場合、国のトップからのリーダーシップより現場の判断や決断がより重要になってくる。今回の改正案では、かえってそういう危機対応に逆効果になると強い懸念を表明しています。村岡知事の見解をお尋ねします。 また、政府が存立危機事態を含む事態対処法や安保三文書に基づく、特定利用空港・港湾への指示権適用についても、除外するものではないとしていることも看過できません。 アメリカの戦争に自治体を動員するために使われる危険は、極めて重大であります。安保三文書に基づく戦争する国づくりのための立法は断じて許されません。 戦前、団体自治や住民自治がなかったことが、政府が戦争体制を国の隅々にまで貫徹する要因になりました。 政府が行うべきは、地方自治体に権限と財源を十分に保障して、国民の命と暮らしを支える現場の力を強くすることであります。憲法が保障する地方自治を踏みにじることは断じて許されません。知事の見解を伺います。 二つは、統一教会系団体の県施設使用についてであります。 世界平和統一家庭連合、旧統一教会については、昨年十月十三日、文科大臣が教団に対する解散命令を東京地方裁判所に請求をして、今、審理が進められています。 同教団や関連団体による公共施設の使用許可について、村岡知事は五月の会見で、現時点で統一教会の関係団体だからということで、分けて扱いをしようということは方針としては決めているものではないと述べています。 一方で、福岡市は昨年六月、旧統一教会関連団体は伝道目的であることを秘匿して活動する特異性がある。また、市の施設で集会等が行われると、その施設において新たな被害が発生するおそれがあることなどを理由に、市が所有する公の施設について国の見解が示されるまでの間、旧統一教会関連団体からの利用申請に対する許可を保留することに決めています。 文科省は、解散命令を請求した事由に、同教団は、法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為や、宗教団体の目的を著しく逸脱した行為に該当すると説明しています。 山口県も福岡市と同等の対応を取るべきでないでしょうか、伺います。 三つは、政治資金規正法の改正についてであります。 自民党は、真摯に反省するなどと口にするが、自ら引き起こした違法な裏金づくりの真相解明は最後まで拒み続け、公明党と共に抜け穴だらけの政治資金規正法改悪を数の力で押し通しました。民主政治を破壊する許されない暴挙であります。 知事は一人の政治家として、今回の改正をどう評価されているのか、お尋ねします。 自公両党が強行した改正の最大の問題は政治改革の核心である企業・団体献金禁止に一切手をつけず、温存していることであります。 裏金の原資となった政治資金パーティー券購入は、抜け道を使った企業・団体献金にほかなりません。自公両党は、購入者の公開基準を現行の二十万円超から五万円超に引き下げたことを透明性の確保などと言っていますが、複数回開催したり、企業幹部が分担購入すれば、これまでと変わらずに非公開であります。 政治資金規正法は、政治資金パーティーを、対価を徴収して行われる催物と規定しています。 県選挙管理委員会にお聞きしたところ、この対価とは、催物に参加することの反対給付として支払われる金銭、その他の財産上の利益と説明がありました。 県内の政党支部が開催するパーティーでは、参加することで得られる給付は千円に満たないのに、反対給付は一万円というケースもあります。これでは、対価を徴収して行われる催物とは言えないと考えますが、お尋ねします。 また、政党から党幹部に渡されてきた政策活動費は、規正法上に規定のない支出の実態を隠すための脱法的なヤミ金であります。改正は、この政策活動費を規正法に新たに書き込み、ヤミ金を合法化するものでもあります。 政策活動費の領収書や明細書などの公開は十年後としています。規正法違反は、時効が五年のため公開後に不正が発覚しても罪に問うこともできません。 県内でも毎年一千万円程度を党幹部への活動費として支出をしている政党支部もあります。この活動費も政策活動費と同様の扱いとなるのか、改めてお尋ねします。 質問の第二は、中国電力の経営姿勢についてであります。 一つは、景品表示法違反など不祥事への対応についてです。 中国電力は、家庭向けの一部料金メニューに誤解を招く表記があったとして、消費者庁から景品表示法違反に当たると認定をされ、約十六億五千六百万円の課徴金を支払うよう五月二十八日に命じられました。景品表示法違反の課徴金としては、過去最高額だそうであります。 同社は、昨年も関西電力とカルテルを結んで、公正な競争を阻害したことにより、公正取引委員会から七百七億円の課徴金支払いを命じられたばかりであります。経営体質に問題があると思わざるを得ません。県の認識をお伺いします。 同社によると、今回の景品表示法違反で影響を受けたのは約二十六万件、返還総額は約十億円にも上っています。少なくない山口県民が不利益を被ったことは極めて重大です。県民生活を守る立場から不祥事を起こした原因と再発防止の徹底を求めるべきであります。お尋ねします。 二つは、物を言わない株主からきちんと物を言う株主についてであります。 山口県は、中国電力の大株主となった二○一三年度以降、株主総会は欠席をして、議決権行使書は白紙提出する対応を続け、事実上、経営方針に賛同し続けています。これは不祥事を繰り返す中国電力の経営体質を是認していることにほかならないのではないでしょうか。 また、大株主である県が、物を言わぬ株主となっていることが、同社の経営体質に悪影響を与えている面はないのでしょうか。それぞれ見解をお示しください。 関西電力の大株主である大阪市や京都市は、株主総会に脱原発や経営の透明性向上などを共同提案したこともあります。中国電力株は、山口県民の共有財産という立場に立つならば、電力の安定供給や電気料金の低廉化などを願う県民の声を代弁するために物をきちんと言える株主となることが必要と考えます。見解を求めます。 質問の第三は、下関北九州道路についてです。 下関北九州道路のルート素案が五月三十日公表されました。下関市の旧彦島有料道路付近から北九州市小倉北区、北九州都市高速道路日明出入口付近まで約八キロをつなぐルートで、橋梁部は約二キロであります。 下関側に二か所、北九州側に一か所のインターチェンジを設置する費用を含めた総事業費は二千九百億円から三千五百億円と試算されています。 問題の一つは事業費であります。 最大三千五百億円とされた事業費は、四年前の想定であり、昨今の異常円安や国際紛争の影響で資材費は一・四倍以上、労賃は二倍に跳ね上がっています。 事業主体も手法も決まっておらず、着工時期も見通せません。事業費は、想定の二倍以上になる可能性もあります。天井知らずに膨張しても事業を推し進めていく考えなのか、改めてお尋ねします。 問題の二つは、県財政への影響です。 ルート素案には、南風泊港インターから関彦橋間の県道南風泊港線の四車線化が含まれています。これは県事業となり、費用の約二分の一は県負担だと考えますが、お尋ねします。 加えて、下関北九州道路は、中国自動車道と北九州都市高速道路を直結させる計画であります。北九州都市高速道路との接続はルート素案に含まれています。 一方、下関側は、旧彦島有料道路から中国自動車道への接続のため地域高規格道路、下関西道路の建設が計画されています。 下関西道路の延長は約十キロで、そのうち三キロは下関北バイパスの一部として供用されていますが、残り七キロは新規事業となります。 下関北バイパスの建設費は、一キロ百億円かかっており、資材費、労賃の高騰を考慮すると一千億円を上回ると考えますが、これは見当違いでしょうか、お尋ねします。 さらに、旧彦島有料道路は、四十九年前の一九七五年、七十一億円を投じて建設された四・五キロ、片側一車線の一般道であり、高速道路網の一部とするには四車線化など大規模な改修が必要なのではありませんか、お尋ねします。 問題の三つは、代替路としての機能であります。 下関北九州道路には、関門橋、関門トンネルの通行止め時の広域的な代替機能の確保が期待されています。しかし、下関北九州道路の橋梁部は、同じ関門海峡に位置する関門橋とは、西約八キロしか離れていません。風や降雨、降雪や地震という自然現象に対して、下関北九州道路が常に代替路として機能を果たせる確かな根拠はどこにあるのでしょうか、それぞれお尋ねします。 ちなみに、二○二○年七月に国交省と関係自治体で作成された下関北九州道路、第一回説明資料の二十八ページには、強風のため関門橋が通行止めになった日の時間帯別の風速データが示されていますが、比較対象は彦島大橋で、関門橋と比べて風速が低いデータが掲載されています。 海峡部に位置しない彦島大橋と関門橋とは、地形学的にも大きな違いがあり、比較の対象に全くならないと考えますが、この点お尋ねします。 質問の第四は、岩国基地問題についてであります。 一つは、オスプレイの運用問題。 昨年十一月の鹿児島県屋久島沖での墜落事故などを受け、限定的な運用が続けられているオスプレイについて、アメリカ海軍航空システム司令官が、今月十二日の米議会下院の公聴会で、航空機の安全に影響する問題に十分に対処できたと確信するまでは、無制限の運用復帰を認めることはないと述べ、全面的運用開始は、来年半ば以降になるとの見通しを示しました。 ところが、この報道を受けた木原防衛大臣は、事故原因は特定されているなどと述べ、オスプレイの安全性に問題はないと強弁しています。 県は、今年三月八日の本会議において、米軍の全てのオスプレイについて安全が確認されるまで飛行を停止することを国に求めていると明言されました。設計・開発し、約五百機のオスプレイを運用している米軍の司令官が、安全だと太鼓判を押せないのに対して、オスプレイには安全性に問題がないとする政府の対応は許せません。この点、見解を伺います。 二つは、KC130の空中給油の問題です。 昨年十二月に、島根県浜田市上空で、米軍岩国基地所属のKC130空中給油機が空中給油したと見られる問題をめぐり、島根県西部の五市町と丸山島根県知事らは先月三十日、空中給油訓練の中止を米軍に働きかけるよう防衛省に要望しました。 KC130は、島々が点在する瀬戸内海上空でも空中給油訓練を繰り返している疑いが持たれています。 渉外知事会任せではなく、知事自らも訓練中止を防衛省に申し入れるべきでありますが、この点お伺いします。 三つは、大型艦船の寄港であります。 米軍のミゲルキースと見られる大型艦船が五月二十一日、岩国基地に寄港して二十六日出港しました。同艦船は二○二一年十月から二十二年五月の間、四回寄港した際には、その船名や目的が米側から伝えられてきましたが、今回は無通告でした。 岩国市の福田市長は、五月二十八日の会見で、情報提供がなかったことは腑に落ちない。国に遺憾だという思いも伝えていけたらと述べています。山口県としても同様の対応を取るべきですが、この点も伺います。 質問の第五は、朝鮮学校の問題についてです。 昨年四月、こども基本法が施行され、改めて日本国憲法と子どもの権利条約の精神に基づいた子供政策の推進が社会全体の目的となりました。 こども基本法の基本理念には、全ての子供が、一つ、差別されないこと、二、生命・生存及び発達の権利が保障され、平等に教育が受けられること、三、意見表明と活動参加の機会が確保されること、四、最善の利益が考慮・優先されるの四原則が盛り込まれています。 そして、本年二月議会で、県当局も朝鮮学校に通う児童生徒も、こども基本法の対象に含まれていることを明言されました。しかし、朝鮮学校補助金の予算化はいまだにかたくなに拒み続けています。 一つに、高校授業料無償化から朝鮮学校を排除した政府の対応に対しても、日本も批准している国際人権条約の理事会は、是正勧告を繰り返し出しており、これを無視し続けること自体、憲法違反ではないでしょうか。 二つに、同じく、保守県政である愛知県は、国から朝鮮学校補助金の見直しに関する通知を受けても、教育基本法に定められた教育の機会均等の考え方が何より重要だとして補助金を継続しています。この姿勢にこそ学ぶべきではありませんか。 三つに、補助金復活のつもりがないのなら、一つ、差別的取扱いでないと考える理由、二、教育を受ける機会が害されないと考える理由、三つ、最善の利益を害していないと考える理由、これらを明らかにすべきであります。 四つに、県は、県民の理解が得られないと繰り返されますが、県民の理解を得るための努力をするのが県行政の責務ではないでしょうか。何ら広報や県民意識調査も行わない、そして、朝鮮学校を一度も訪問すらしない、この十年間は、子供たちの学ぶ権利を侵害し続けるものであり、それは職務不履行ではありませんか。 五つに、先日、オモニ会との意見交換会が持たれました。どのような感想を持たれたのか。 以上、五点をお尋ねして、一回目の質問といたします。(拍手) 副議長(島田教明君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)木佐木議員の御質問のうち、私からは、事態対処法や安保三文書に基づく、特定利用空港・港湾への指示権適用についてのお尋ねにお答えします。 国は、事態対処法に定められた事態への対処については、法律で必要な規定が設けられているため、このたびの地方自治法の改正で規定された補充的な指示の行使は想定していないとし、特定利用空港・港湾における円滑な利用に関する枠組みについても補充的な指示の行使は想定していないとされています。 補充的な指示は、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態に対して、個別法の規定で対応できない場合の特例として、必要最小限の範囲で行使するとされており、地方自治の本旨に十分配慮し、運用されるものと考えています。 なお、地方自治体の権限については、地方分権改革が引き続き進められており、財源については、先週、閣議決定された骨太の方針において、一般財源総額の確保等により、地方行財政基盤の持続性を確保・強化するとされたところです。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(島田教明君)永富総務企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)地方自治法改正問題に係る御質問のうち、県の見解についてのお尋ねにお答えします。 このたびの地方自治法の改正で盛り込まれた国の補充的な指示については、全国知事会として、地方自治の本旨に影響を及ぼすことのないよう様々な要請等を行ってきたところです。 それを踏まえ、国会において、この補充的な指示を、目的を達成するために必要最小限のものとすることや、事前に関係地方公共団体等と十分に必要な調整を行うことなどの附帯決議も行われたところです。 県としては、国の補充的な指示については、全国知事会の要請や国会での附帯決議を十分に踏まえ、地方公共団体の自主性・自立性に配慮しながら、適切に運用されるものと考えています。 次に、政治資金規正法の改正に対する評価についてのお尋ねにお答えします。 このたびの法改正は、政治団体の収支報告の適正の確保及び透明性の向上により、政治に対する国民の信頼の回復を図ることを目的とされたものであり、国会において様々な観点から議論が行われ、先般、成立したものと承知しています。 今回の法改正に基づき、詳細な内容については引き続き検討が行われるとされておりますので、今後も政治への信頼回復に向けた取組が国において進められるものと考えています。 副議長(島田教明君)佐藤総務部長。 〔総務部長 佐藤茂宗君登壇〕 総務部長(佐藤茂宗君)統一教会系団体の県施設使用についてのお尋ねにお答えします。 公の施設の使用許可については、地方自治法第二百四十四条第二項において、地方公共団体は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならないと規定されています。 また、同条第三項では、地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならないとされています。 これらを踏まえ、県としては、旧統一教会系団体の施設使用については、施設の利用目的等を精査の上、関係法令や施設の使用許可基準等に照らして、個々に慎重に対応することとしており、福岡市と同等の対応を取ることは考えていません。 次に、中国電力の経営姿勢に関するお尋ねのうち、株主としての対応についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、県の株主総会への対応が、同社の経営体質を是認し、悪影響を与えているのではないかとのお尋ねです。 株主総会への対応方針については、県は、株主の立場として、これまで一貫して、株式の所有と会社の経営とを分離して考え、経営への関与・参画は行わないとの基本姿勢を堅持し、対応してきました。 このような基本姿勢の下、県は株主として中立的な態度を明示するため総会を欠席し、議決権行使書は白紙で提出しているところであり、御指摘は当たらないと考えています。 次に、物言う株主となることが必要ではないかとのお尋ねです。 県としましては、これまでの基本姿勢を踏まえ、株主として、中国電力の経営方針に関して意見を述べることは考えていません。 次に、朝鮮学校についてのお尋ねにお答えします。 まず、国連の是正勧告を無視し続けることは、憲法違反ではないかとのお尋ねです。 県としては、国際条約などが求める子供の人権や学ぶ権利については、尊重すべきものと考えていますが、本県の朝鮮学校への補助金は、県民との相互理解の増進を目的として交付してきたものであり、これを予算計上していないことが、憲法違反であるとの御指摘は当たらないと考えています。 次に、愛知県の姿勢に学ぶべきではないかとのお尋ねについてですが、それぞれの自治体の判断によるものと考えています。 次に、朝鮮学校補助金を予算計上しないのであれば、差別的取扱いでないと考える理由、教育を受ける機会が害されないと考える理由、最善の利益を害していないと考える理由を明らかにすべきとのお尋ねです。 本県の朝鮮学校への補助金は、県民との相互理解の増進を図ることを目的としたものであることから、これを予算計上しないことについて、こども基本法の基本理念に照らし、理由を明らかにすべきとの御指摘は当たらないものと考えています。 次に、県民の理解を得るための努力をするのが県行政の責務であり、広報や県民意識調査、学校の訪問を行わないことが職務不履行ではないかとのお尋ねです。 県としては、朝鮮学校をめぐる様々な状況を総合的に勘案し、補助金の支給は県民の理解を得られないと判断しているものであり、御指摘は当たらないと考えています。 次に、オモニ会との意見交換会において、どのような感想を持ったかとのお尋ねです。 県としては、学校の実情等について、保護者等から直接お話をお聞きできる機会であったと考えております。 副議長(島田教明君)鈴森産業労働部理事。 〔産業労働部理事 鈴森和則君登壇〕 産業労働部理事(鈴森和則君)中国電力の経営姿勢についての御質問のうち、景品表示法違反など不祥事への対応に関する二点のお尋ねにまとめてお答えします。 お示しのように、中国電力に対し、昨年三月に独占禁止法に基づく排除措置命令等が行われ、本年五月に景品表示法に基づく課徴金納付命令が行われました。 県は、関係法令上の監督権限を有しないことから、お尋ねのような認識や対応についてお答えする立場にはありませんが、中国電力には社会を支える電力の供給に携わる企業として、適正な事業運営に努めていただきたいと考えています。 現在、中国電力は、監督権限を有する国の業務改善命令等に従い、法令遵守の徹底などの再発防止策に取り組むとともに、不適切な料金表示に係る契約者に対する返金手続を行っているところであり、今後の中国電力及び国の取組を注視してまいります。 副議長(島田教明君)大江土木建築部長。 〔土木建築部長 大江真弘君登壇〕 土木建築部長(大江真弘君)下関北九州道路についての数点のお尋ねにお答えいたします。 まず、事業費についてです。 下関北九州道路は、関門橋や関門トンネルと環状道路網を形成することにより、地域間の連携や日常的な交流を促進し、関門地域の自立的な発展を支える重要な基盤です。 また、能登半島地震など、近年頻発する大規模災害時等にも機能する信頼性の高い道路網を構築する観点からも、県としては、その整備が必要と考えています。 当該道路の事業費は、今後改めて検討されることとなりますが、事業の実施については、必要性や整備効果などを総合的に勘案して判断するものと考えています。 次に、県財政への影響についてです。 まず、県道南風泊港線の四車線化に係る県の負担割合については、事業手法が決まっていない現時点では、お示しすることはできません。 次に、下関西道路については構想段階であり、ルートや構造等が定まっておらず、事業費についてお示しできる状況にはありません。 次に、旧彦島有料道路の四車線化などの大規模な改修については、今後、必要に応じて改めて検討していくこととなります。 次に、代替路としての機能についてです。 まず、風、降雨、降雪、地震という自然現象に対して、常に代替路として機能を果たせる確かな根拠はあるのかについてです。 通行止め等の規制は、自然現象のみならず、道路及びその周辺の状況に応じて行われるものです。 このため、それぞれの自然現象に対して、お尋ねの確かな根拠を示すことは困難ですが、下関北九州道路の整備により、代替機能が強化され、道路ネットワークの信頼性の向上が図られるものと考えています。 次に、過去の資料における風速データに関して、彦島大橋と関門橋とは、地形学的に大きな違いがあり、比較対象にはならないのではないかについてです。 彦島大橋の風速データについては、下関北九州道路の計画段階評価において、海上部の構造形式を設定する際の基礎資料とするため、想定されるルート帯近傍のデータの一つとして記載したものです。 副議長(島田教明君)田中総務部理事。 〔総務部理事 田中康史君登壇〕 総務部理事(田中康史君)岩国基地問題についての三点のお尋ねにお答えします。 まず、オスプレイの運用についてです。 日本国内のオスプレイについては、本年三月十三日に、国からその段階的な運用再開について説明を受けており、その際、県として安全対策に万全を期すなど、地域住民に与える影響を最小限とするよう国に要請したところです。 お示しの公聴会での発言について、国に照会したところ、詳細は米側に確認中であるが、墜落事故を受けた日米間の確認作業の中では、特定された事故原因や当該原因に対応した各種の安全対策について共有されており、各種の措置を講じることにより、安全に飛行を行うことが可能との回答を得ています。 県としては、オスプレイを含む航空機の安全性については、専門的な知見を有する国の責任において確保されるべきものと考えており、引き続き、国からの情報収集に努めるとともに、問題があれば地元市町と連携し、国や米側に対し、必要な対応を求めてまいります。 次に、KC130の空中給油についてです。 浜田市上空における岩国基地所属機の空中給油について、国に照会していますが、米軍機の個々の運用の内容や飛行ルート等については、米軍の運用に関する事項であるため、防衛省として必ずしも承知していないとの回答にとどまっており、事実関係が確認できていない状況です。 一方、県では、どのような名称や形態の飛行訓練であれ、住民に不安や危険を及ぼすような訓練は行われてはならないと考えており、これまでも、渉外知事会のほか、地元二市二町とで構成する山口県基地関係県市町連絡協議会を通じて、そのような訓練が行われないよう国に要望しているところです。 いずれにしても、県としては航空機の運用や飛行実態等について、引き続き地元市町と連携して状況を把握し、問題があれば国や米側に対し必要な対応を求めてまいります。 次に、大型艦船の寄港についてです。 今回の寄港について、艦船の名称や寄港目的が明らかにされなかったことから、岩国市において、事前に十分な情報提供を行うよう国に要請したことは承知しています。 県においては、これまでも国に対し、艦船が寄港する際には、その必要性や目的、基地での運用などについて事前に情報提供を行うよう要望していますが、先般の政府要望においても、改めて国に強く求めたところであり、国からは事前の情報提供に努めるとの回答を得ています。 県としては、基地の運用について、今後とも地元市町と連携して状況把握に努め、住民の生活環境に影響が及ぶなど、問題がある場合は、国や米側に必要な対応を求めてまいります。 副議長(島田教明君)秋本選挙管理委員長。 〔選挙管理委員長 秋本泰治君登壇〕 選挙管理委員長(秋本泰治君)政治資金規正法についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、政治資金パーティーについては、政治資金規正法第八条の二において、対価を徴収して行われる催物で、対価に係る収入の金額から、経費の金額を差し引いた残額を、当該催物を開催した者の政治活動に関し支出するものと規定されているところでございます。 次に、政策活動費の具体的な取扱いについては、国において検討されるものと認識をしております。 副議長(島田教明君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再質問を行います。 地方自治法の改定について、国民の安全に重大な事態を及ぼすと判断すれば、自治体を国に従属させる仕組みをつくるものであり、その要の一つは、治安立法であります。 既に、これまで安倍自公政権の下で、二○一三年には特定秘密保護法、一五年に安保法制、一七年に組織犯罪処罰法改正、共謀罪、二一年に土地利用規制法、二二年に経済安保法、二四年に経済秘密保護法など、自公政権が着々と進めてきた、戦争する国づくりとセットで治安立法がつくられてきました。 災害やコロナに乗じて、地方自治破壊の仕組みを導入することは断じて許されません。改めて見解を伺います。 政治資金規正法について一点伺います。 これまでは、県の報告で公開されていた収支報告書の要旨も公開されなくなるのでしょうか。この点を改めて選管委員長にお伺いします。 下北道路です。 下関北九州道路については、事業費が天井知らずに膨張しても推進するという姿勢が改めて示されました。 二年前の十一月議会で取り上げた際は、県は既存の道路の維持管理や補修について、また、下関北九州道路の整備についても、いずれも必要な事業として考えていると答弁されています。 そこでお尋ねですが、県管理道路には全県的にも歩道がない、凸凹だらけだ、白線が消えて判読できない、路肩の草がぼうぼうに生えている。そして、側溝には蓋がないなどの箇所が幾らでもあって、改修を要望しても予算がないと長年放置をされています。 既存の道路の維持管理や補修など、絶対に必要な事業を満足にできない山口県土木建築部に新規の巨大事業を推し進めていく体力はないと考えますが、改めて答弁を求めます。 旧彦島有料道路から中国自動車道を結ぶルートとして、下関西道路が想定されています。下関市の資料では、その一部として高規格幹線道路、綾羅木・形山道路が構想されていますが、県作成の文書では確認できませんでした。 実は、この道路計画は、鹿島、大成、大林など、大手ゼネコンと日本製鉄、みずほ銀行など、財界中枢の巨大企業がつくる、日本プロジェクト産業協議会なるものが二年前に作成した、下関北九州道路の早期事業化を目指してと題するパンフレットに登場しています。 山口県は、この綾羅木・形山道路をどう位置づけているのか伺います。 中電の経営姿勢については、鈴森理事からも答弁ありました。 昨年度は、カルテル犯罪の主犯として公取から七百七億円の課徴金、今年度は恥ずべき景品表示法違反で過去最高額の十六億五千六百万円、こんな経営姿勢を果たして放置できるのか。最大株主としての責任が今、問われています。 ガバナンスもコンプライアンスも崩壊した中電の経営姿勢の背景には、何をやっても三千四百万株の大株主山口県は、中電の経営方針をもろ手を挙げて賛成してくれるとたかをくくらせてきたことではないでしょうか。 山口県は、真摯に反省をし、少なくとも棄権すべきでした。改めて見解を求めます。 基地問題です。 中四国防衛局は二十一日、米海兵隊のオスプレイが七月二十八日から八月七日、米軍岩国基地を拠点に訓練をすると岩国市に伝えてきました。離島防衛など想定した日米共同訓練の一環であります。 オスプレイは普天間から岩国基地に飛来をする陸上自衛隊オスプレイやKC130も参加するとのことですが、改めて詳細を明らかにしてください。 米海軍の司令官が、無制限の運用を認めることはないと断言している一方で、海兵隊や自衛隊のオスプレイが岩国基地を拠点に激しい訓練をやる、こんなことが放置をされれば、県民の命や安全、暮らしは守られません。直ちに中止を申し入れるべきでありますが、この点も伺います。 日本政府は、米軍自体が無制限の運用復帰は認めないとしているにもかかわらず、陸自オスプレイは岩国に揚陸をされて、暫定配備の木更津に飛んでいく暴挙も行っていました。事故原因は特定されたとする、その根拠は何か改めて伺います。 最後に、朝鮮学校の問題では、この十年間、県の担当職員すら一度も朝鮮学校を訪れもしない、あまりにもむごい対応ではないでしょうか。 今問われているのは、山口県政が、こども基本法の基本理念である差別の禁止にあらがって、これからも恥ずべき官製ヘイトを続けていくのか、こういうことであります。 山口県の対応は、人間の尊厳をうたった憲法十三条や、法の下の平等──憲法十四条だけではなく、憲法九十八条二項「日本国が締結した条約及び国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする」と明記をされた日本国憲法違反でもあります。 この点について答弁を求めて、再質問を終わります。(拍手) 副議長(島田教明君)永富総合企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)地方自治法改正についての再質問にお答えします。 今回の改正は、地方自治を破壊するもので見解を伺うとのお尋ねですが、このたびの地方自治法の改正で規定された国の補充的な指示については、国において個別法で指示ができず、国民の生命等の保護のために特に必要な場合に限定的に行われるものであり、地方自治の本旨に背くものではないとされています。 どこまでも補充的に行われる指示であり、地方分権一括法で構築された国と地方の関係の基本原則の下、適切に運用が行われるものと考えています。 副議長(島田教明君)大江土木建築部長。 〔土木建築部長 大江真弘君登壇〕 土木建築部長(大江真弘君)木佐木議員の下関北九州道路についての二点の再質問にお答えいたします。 まず、県に新規巨大事業を推し進める体力はあるのかについてです。 県では、歩道の設置や既存の道路の維持管理については、必要な予算を確保し、緊急性、重要性の高い箇所から順次行っています。 一方、下関北九州道路などの事業についても、近年、頻発する大規模災害時にも機能する信頼性の高い道路網を構築する観点からも必要と考えています。 下関北九州道路については、現時点、事業主体や整備手法は定まっておりませんが、県としてはいずれも必要な事業と考えております。 次に、綾羅木・形山道路の位置づけについてです。 お尋ねの綾羅木・形山道路については、下関西道路の一部と認識しております。 副議長(島田教明君)佐藤総務部長。 〔総務部長 佐藤茂宗君登壇〕 総務部長(佐藤茂宗君)中国電力の株主総会の対応に関する再質問にお答えします。 先ほど御答弁しましたとおり、県はこれまで一貫して、株式の所有と会社の経営とを分離して考え、経営への関与・参画は行わないとの基本姿勢を堅持し対応してきました。 こうした考えの下、株主総会への対応については、株主として中立的な態度を明示するため総会を欠席し、議決権行使書は白紙で提出しているところであり、棄権については、県民の貴重な財産である株式を保全する観点から適切ではないと考えています。 次に、朝鮮学校に対する県の対応は、憲法違反ではないかとの再質問にお答えします。 こちらも先ほども答弁しましたとおり、県としては国際条約などが求める子供の人権や学ぶ権利については尊重すべきものと考えていますが、本県の朝鮮学校への補助金は県民との相互理解の増進を目的として交付してきたものであり、これを予算計上していないことが憲法違反であるとの御指摘は当たらないと考えています。 副議長(島田教明君)田中総務部理事。 〔総務部理事 田中康史君登壇〕 総務部理事(田中康史君)岩国基地問題についての再質問にお答えします。 まず、日米共同訓練の詳細についてのお尋ねです。 国からの情報提供によりますと、本年七月二十八日から八月七日までの間、陸上自衛隊と米海兵隊等による共同訓練が、大分県の日出生台演習場等において実施されるとのことです。 岩国基地は、日出生台演習場等で実施される戦闘訓練や兵たん訓練等に参加する米海兵隊航空機の航空基盤としてのみ使用され、航空機の駐機、飛行、整備等が実施される予定であり、参加予定の航空機は米海兵隊のMV22オスプレイ六機程度、KC130空中給油機二機程度であり、また陸上自衛隊のV22オスプレイ一機程度が給油等のために一時的に飛来予定と聞いています。 次に、オスプレイの訓練を直ちに中止するよう申し入れるべきだとのお尋ねです。 今回の日米共同訓練は、国の専管事項である外交・防衛政策の一環として行われるものであり、地方自治体として、その是非を論ずる立場になく、県として中止するよう申し入れる考えはありません。 県としては、住民の安全で平穏な生活を確保する立場から、国から情報提供があった際に、安全対策に十分配慮することなどを要請したところであり、問題があれば地元市町と連携し、国や米側に対し必要な対応を求めてまいります。 次に、オスプレイの事故原因を特定されたとする根拠は何かとのお尋ねです。 本年三月のオスプレイの段階的な運用再開に際し、国から日米間の確認作業の結果、事故原因は特定されており、特定された原因に対する安全対策によりオスプレイの運用を安全に再開できるとの説明を受けています。 副議長(島田教明君)秋本選挙管理委員長。 〔選挙管理委員長 秋本泰治君登壇〕 選挙管理委員長(秋本泰治君)再質問にお答えします。 今回の政治資金規正法の改正についてですが、国からは改正後の具体的な取扱いについて示されていないところです。 副議長(島田教明君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再々質問を行います。 中電の経営姿勢。 株主総会は、昨日終了しまして、上関への核ごみ中間貯蔵施設建設について、原発の本体建設に加えて、今回初めて中電の事業計画に盛り込まれました。 これは、知事が三月二十二日の記者会見で表明をした原発本体の建設計画とほかのエリア、すなわち関西電力の核のごみが貯蔵されるという二つが一つの自治体にあるというのは全国にない、非常に大きな負担だとした、まさに県民の思いを代弁した知事の立場とも真っ向から逆らうものではないでしょうか。 それでも、議決権行使書を白紙委任して中電の核ごみ中間貯蔵所も造りますよと。しかも、上関原発本体もやるということを、どういう理屈で、もろ手を挙げて賛成したのか、改めて説明を求めたいと思います。 最後に、朝鮮学校問題。 毎月、県庁前で、宗教者をはじめとして、思想信条を超えた広範な県民が朝鮮学校関係者と一緒に補助金再開を求めて行動しています。もう百四十九回です。これ八月の夏休みには、毎年恒例の朝鮮学校の校長さんと学校関係者の意見交換会が行われます。これには、ぜひ佐藤総務部長も参加するよう検討していただきたい。この点、前向きに答弁を求めて、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(島田教明君)佐藤総務部長。 〔総務部長 佐藤茂宗君登壇〕 総務部長(佐藤茂宗君)中国電力の株主総会への対応に関する再々質問にお答えします。 先ほど御答弁しておりますとおり、県はこれまで一貫して、株式の所有と会社の経営とを分離して考え、経営への関与・参画は行わないとの基本姿勢を堅持し、対応してまいりました。 こうした考えの下、株主総会への対応については、株主として中立的な態度を明示するため、総会を欠席し、議決権行使書は白紙で提出しているところであります。 次に、朝鮮学校に関して、意見交換会に私も参加するべきではないかというお尋ねでございます。 県としましては、朝鮮学校への補助金に関する申入れ等に対しまして、組織として真摯に対応しているところでございます。 副議長(島田教明君)本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ───◆─・──◆──── 副議長(島田教明君)以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。 午後二時三十七分散会