1 仕事と子育ての両立を支援する職場環境づくりに係る制度の周知と浸透について 2 工業用水の安定供給について 3 運転免許証更新に係る利便性の向上及び業務効率化について 4 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第八号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第八号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 福田吏江子さん。 〔福田吏江子さん登壇〕(拍手) 福田吏江子さん おはようございます。すずらんの会、福田吏江子です。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 初めに、仕事と子育ての両立を支援する職場環境づくりに係る制度の周知と浸透についてお尋ねいたします。 今月六日に、山口県健康づくりセンターにて、やまぐち子育て連盟と山口県主催による、こどもや子育てにやさしい休み方改革キックオフシンポジウムが開催されました。 村岡知事による開会挨拶の後、基調講演として、NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事の安藤哲也氏による、休み方改革で、こどもたちの未来を創るをテーマに御講演があり、その後、事例発表として、周南市にあります、株式会社はつもみぢ第十二代蔵元原田康宏氏による、子育てにやさしい職場環境づくり、そして愛知県教育委員会義務教育課課長尾本国博氏による、愛知県のラーケーションの取組が発表されました。 シンポジウム後半では、みんなで考える新しい休み方をテーマに、これまでの登壇者の皆様によるパネルディスカッションが行われました。 私も会場にて拝聴いたしましたが、休み方を変えると会社も子育ても変わるという村岡知事の思いや、山口県としての目指す社会の姿が伝わるシンポジウムであったように思います。 厚生労働省や内閣府のデータによりますと、共働きの世帯は増加の傾向が続き、夫婦のいる世帯全体の約七割に当たるとのことです。山口県においても、共働き世帯の割合は上昇しております。 このような社会変化の中で、山口県は、男女で育児・家事を分担し、共に希望に応じてキャリア形成と育児・家事の両立が可能となる社会を目指し、やまぐち″とも×いく″応援企業登録制度による育休取得の推奨に取り組まれております。 ユニセフ、国連児童基金が二○二一年に発表した報告書、先進国の子育て支援の現状には、日本の育児休業制度は世界一位という評価が報告されております。これは、OECD、経済協力開発機構とEU加盟国を対象に、各国の保育政策や育児休業政策を評価し順位づけしたものです。 子育て支援策全体としての日本の総合順位は四十一か国中二十一位でしたが、父親の育児休業が世界で最も長いことから、育休に関するランキングで一位となりました。また、父親と母親に認められた育休期間がほぼ同じ長さである唯一の国であるとのことです。 しかしながら、総合順位で四十一か国中二十一位と全体の真ん中辺りまでランキングが下がっている要因の一つに、父親の育休取得率が低いということが分析されております。 父親の育休は制度導入後から少しずつ取得率は高まってきておりますが、取得することになかなか伸び悩んでいる理由として、職場に迷惑をかけるのではないか、誰かの業務負担が重くなるのではないかという心配があるという声をお聞きいたします。 さらに収入やキャリアのことも含めて、男性が育休を取ることにまだ不安もあるのだと感じます。 男性育休の取得率について調べている中で、興味深いデータを見つけました。 それは、山口県警の男性育休の取得率が約七割であるということです。 警察組織といえば、圧倒的な男性社会で、安心・安全のため昼夜問わず事件・事故に対応されていることから、失礼ながらあまり家庭を顧みないというイメージを持っていたため、大変驚き、また感動いたしました。 その推移を見ますと、山口県警の男性育休取得率は、令和元年で四・二%、令和二年一二・二%、令和三年一四・四%でありましたが、令和四年では四五・四%と急増し、令和五年十二月末時点で六七・三%まで向上されています。 さらに、育休期間も二週間以上の取得が約七割とのことです。 山口県警で育休取得が急増した背景には、育児休業支援要員派遣制度の導入があるとのことで、この制度のおかげで取得しやすくなったことは、育休取得率の向上や働きやすい職場環境整備におけるエビデンスの一つとして、一般にも広く有用であると思いました。 国においても、両立支援・女性活躍・働き方改革に関する支援制度として、厚生労働省のくるみん認定やえるぼし認定、両立支援等助成金、働き方改革推進支援助成金などのメニューがあります。 例えば、くるみんは、次世代育成支援対策推進法に基づき、子育てサポート企業として厚生労働大臣の認定を受けることができる制度です。従業員の雇用環境の向上が図られるだけでなく、くるみん認定は、現在、就職活動をしている学生や求職者の方にとっても企業選びをする中の指標の一つにもなっており、特に、女子学生を中心に評価されてきているというアンケート調査もありました。 そして、企業としても人材確保につながるだけでなく、この認定を受けると、こども家庭庁のくるみん助成金などの助成金の活用もでき、さらに仕事と子育ての両立を図るための環境整備に取り組むことができます。 毎月、労働局から県に対して案内リーフレットのお渡しをするなど、くるみんやえるぼしの周知の御協力を頂いているというお話もお伺いいたしましたが、山口県内におけるくるみん認定企業数は、令和六年五月三十一日現在で三十六社四十五件であり、より高い水準の取組を行い、プラチナくるみんの認定を受けた企業数は六社六件となっております。 このように国においても、県においても様々な支援や補助金制度のメニューがありますが、制度が充実していても、その制度が広く知られず活用されないままであれば、社会や職場の状況は変わりません。 さらに、制度が周知されていくことだけでなく、各事業所に合った職場環境づくりを構築していくためには、具体的に指南していくことも必要なのかもしれません。 このたびのシンポジウムのパネルディスカッションの中で、子育てをされている家庭のところには情報提供があるように思う。行政支援メニューをみんなが分かって有効に活用できるように、意識の啓発や情報提供を経済団体等を通じて各企業にも情報提供していくこと、子育てに直接関係する人以外にも伝えて、みんなで発信していくことが必要という意見もありました。 そこでお尋ねいたします。仕事と子育ての両立を支援する職場環境づくりに係る制度の周知と浸透について、どのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。 次に、工業用水の安定供給について、大きく三点のお尋ねをいたします。 まず一点目は、工業用水を活用した企業誘致についてです。 工業用水は産業の血液と言われ、特に製造業の企業の皆様の生産活動に欠かせないことから、瀬戸内工業地域に属する本県の産業の発展には、その安定供給が必要不可欠であると認識しております。 また、本県が誘致に力を入れております半導体・蓄電池関連産業におきましても、その進出には工業用水の確保が欠かせません。工業用水が地域内へのさらなる投資を生む産業政策の要であるとも考えます。 その工業用水の安定供給のため、日夜業務に務められている企業局の皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。 山口県の工業用水として三つの特徴が挙げられております。たっぷり、安い、きれいです。 給水能力は一日当たり百七十三万トンで、これは日本一の給水能力となっております。 また、急峻な地形を利用して送水コストを削減できていることから、料金も全国平均単価の約半額である十二・一四円であり、さらにその水質は環境省から上水道並みの水質と指定され、幅広い分野での使用が可能となっております。 これらの工業用水の特徴は、本県への企業誘致に当たり大きな強みとなっていると理解しているところです。 現在、県のホームページ上でも企業誘致の募集をかけられておりますが、工業用水を活用した企業誘致について、これまでの実績と併せまして、今後どのような見通しを持たれているのか、御所見をお伺いいたします。 次に、二点目として、渇水対策についてお伺いいたします。 各水系の河川、ダム等から取水された用水は、導水路や分水池、配水場などの施設を経て、工業用水や上水原水として供給されております。 これら各施設において、日々の点検や補修、計画的な改修を実施され、水の安定的な供給に努められている中ですが、気象の影響によるダム貯水率の変動は免れません。台風の到来等がなく、降水量が少ない状況が生じることもあります。 昨年度、周南地域において、令和五年八月二十九日から令和六年四月二日の午前十一時の解除までの期間に、菅野系工業用水の自主節水が実施されました。 気象の影響から自主節水時期が続き、特に令和五年十一月二十九日から令和六年二月二十日までの期間では、工業用水六五%、上水三○%の自主節水が実施され、菅野ダムの貯水率は二九%まで低下いたしました。 他の水系でもある程度の自主節水が実施されたとお聞きしておりますが、特に菅野系工業用水で六五%の自主節水となったことに対して、その渇水対策を全庁的に取り組まれたとお伺いしております。 このことについて、周南地域のある企業の工業用水担当の方からも、企業局の皆様の御努力があって、昨年、生産ラインを止める前に何とか乗り切れました。感謝をお伝えくださいというお話を承りました。 今年は、平年より遅い梅雨入りとなりましたが、雨も続いており、昨年のようにはならないことを願っておりますが、周南地域は、エリアとしての給水能力が一日当たり七十二万一千八百トンと県全体の給水能力の約四○%を占める量を有しており、その影響は大きいと考えます。 先ほど質問いたしました工業生産活動の発展や企業誘致の促進という視点からも、自主節水による企業活動への影響をより小さくしていくことは、重要な取組であると考えます。 例えばですが、台湾のTSMC工場では、台湾国内の環境に関する法令等を遵守した上で、工場で必要な水量を確保するために、下水処理水等を再利用した再生水を供給水として利用しております。 また、韓国のサムスン電子も、韓国政府と下水処理水を半導体工場の工業用水として供給する覚書を二○二二年十一月に締結するなど、世界中で気候変動の影響や工業の発展に伴う水リスクへの対策が進んでいます。 水リスクへの対策としては、ほかにも、上水の余剰分の転用あるいは海水の淡水化による対策も考えられます。 そこでお尋ねいたします。渇水対策について、これまでどのような対策を取られたでしょうか。また、その対策によりどのような効果を上げられたでしょうか。今後の工業用水の安定供給に向けた渇水対策について、御所見をお伺いいたします。 三点目として、持続可能な工業用水道事業の実現についてお伺いいたします。 工業用水道施設は、全国的に一九五○年代から高度経済成長期にかけて建設されており、本格的な施設更新時期を迎える中で、老朽化対策や耐震化、浸水対策などの施設強靱化対策、デジタル技術やAIの活用による維持管理の高度化・効率化、複数事業の広域化による安定供給体制の強化など、様々な課題に直面しております。 このことは、山口県企業局の工業用水道事業施設整備十か年計画改定版において、それぞれの対策について示され、適切な維持管理に向けて取組を進められていると理解しているところです。 しかしながら、現在、経済産業省において、各工業用水事業者に対して新たな実効性のある計画策定を促すため、現行の工業用水道施設更新・耐震・アセットマネジメント指針の改定を予定されていると同時に、持続可能な工業用水道事業の実現に向けた今後の方策についての検討が行われ、この秋をめどに取りまとめを行うこととされています。 その検討においては、地域一体となって、経済・産業の在り方を踏まえるとともに安定した供給体制の確保が実現できるよう、しっかりとユーザー企業も巻き込んだ新たな計画の検討・策定をすることが指摘されております。 持続可能な工業用水道事業の実現に向けて、企業局として特に重視されていることやユーザー企業の皆様との情報共有、地域振興政策との連携、民間活用についてどのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。 最後に、運転免許証更新に係る利便性の向上及び業務効率化についてお伺いいたします。 令和四年二月から、山口県、京都府、千葉県、北海道の四道府県にて、運転免許のオンライン更新時講習モデル事業が実施されております。 これは、優良運転者と一般運転者の方に限り、スマートフォンやパソコンから場所や時間を選ばずに、三十分の優良運転者講習や六十分の一般運転者講習が受講できるもので、免許証の更新をされる方の利便性の向上や更新業務の効率性向上が期待されております。 警察庁では、令和六年度末までに全国でオンライン講習を受講できるように、本格導入に向けて進められているとのことです。 令和六年三月十五日付の日本電気株式会社、NECによる警察庁へ提出された、更新時講習、優良運転者講習及び一般運転者のオンライン化に係る調査研究報告書において、山口県のオンライン講習受講率は、優良区分で一八・二%、一般区分で三三・六%と報告されております。 いずれの道府県においても、オンライン講習の受講率は増加傾向にありましたが、特に山口県でのオンライン講習受講率が一番高い結果が出ております。このことについて、報告書内では、山口県の受講率が高いのは広報の仕方などが違うことも影響していると考えられるという見解が出されております。 山口県警の広報や更新はがきの案内の記載が分かりやすいといった工夫の成果が出られているのだと受け止めました。今後、導入が進む他の都道府県の見本となる取組に努めていただきたいと考えます。 さらに、四道府県におけるオンライン講習受講者数の年代別、性別別の全体グラフでは、二十代から五十代において男性よりも女性のオンライン講習受講者が多く、また全体の中でも三十代と四十代の女性の受講数が多い結果が見られます。 この背景には、オンライン講習受講でよかった点の回答から、曜日を問わず、隙間時間に受講ができること、育児・妊娠中・産後に助かったという意見が全体の三五%を占めていることから、女性の受講者にメリットがあったと推測いたします。 時間帯別利用状況では、年代が高くなるにつれて日中帯の九時から十七時までの利用率が高く、年代が若いほど二十時から二十三時までの夜間帯での利用率が高くなっています。 また、オンライン講習は対面での講習と比較して便利だったかというアンケート調査では、四道府県全体で八三・五%の方が便利だった、一三・三%の方がやや便利だったと回答されており、特に山口県においては、優良運転者の九八・二%、一般運転者で九八・六%の方が、更新手続全体にかかる時間が短縮されたと感じたと回答されております。 また、同様に山口県において、次回もオンライン講習を利用して更新手続をしたいかという設問に対しては、優良運転者の九九・一%、一般運転者の一○○%の方がそう思うと回答されております。 しかしながら、全体的な今後の運用改善やシステム改善に関わる要望として、運転免許更新自体を一部または全てオンライン化してほしい、動画を全画面にできるようにしてほしい、動画が見切れる、講習の内容について分かりづらいなどの意見もあり、引き続き、改善のための受講者の皆さんの声を聞いていく検証が必要であると考えます。 そこで、このたびモデル事業として実施されたオンライン講習について、山口県としてどのような成果があったとお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。 また、私ごとではありますが、私もこのたび運転免許証の更新をさせていただきました。このたびは山口県総合交通センターにて手続をいたしましたが、たくさんの方が更新手続のために来庁されておりました。センター内では誘導もしっかりとされており、スムーズに更新手続を進められたのですが、来庁時においても、申請書類の作成や受付などの更新手続をオンライン化、あるいはデジタル化できないかと考えます。 私自身、実際に更新手続の中で紙の書類に必要事項を記入し、その提出をいたしましたが、紙の書類を多くの来庁者の分、処理していくのはとても膨大な作業ではないかと感じました。 オンライン化あるいはデジタル化によって、更新手続を行う側にとっても、また業務に当たられる側にとっても、効率化を図ることができるのではないかと考えます。 運転免許証更新に係る利便性及び業務効率化についてどのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。 結びに、県議会議員として当選させていただいてから約一年となりました。諸先輩議員の皆様、議会事務局の皆様、県庁職員の皆様、当選同期議員の皆様、多くの皆様のお力添えの下、この場に立たせていただいていることに心から感謝を申し上げまして、一般質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)福田議員の御質問のうち、私からは、仕事と子育ての両立を支援する職場環境づくりに係る制度の周知と浸透についてのお尋ねにお答えします。 若者の多くが共働きを前提とした人生設計を考えており、こうした若者の希望にかなう就業環境を実現するためには、仕事と子育ての両立に向けた環境整備が促進されるよう、企業における働き方改革を推進することが重要です。 このため、私は、これまでも県内の労使団体、金融機関、大学、国、県などで構成する、やまぐち働き方改革推進会議を立ち上げ、私自ら会長となり、優良企業やイクボスを表彰するなど、様々な普及啓発を進めてまいりました。 また、新たな取組である、次世代の主役となる子供たちを社会全体で共に育てる″とも×いく″の推進においても、県内全ての市町長の参加の下、県と市町が一丸となって取り組むことを共同でアピールし、県内全域における機運の醸成を図ったところです。 さらに、″とも×いく″の取組を広げていくため、育休取得を推奨する企業の登録制度や、男性育休の取得実績に応じて支給する奨励金等、様々な施策を講じており、これらの支援策の周知と浸透を図ることにより、企業の職場環境づくりを力強く後押しすることとしています。 具体的には、経済団体等を通じ、県の支援制度の情報を確実に企業に届けるとともに、本年一月に開設した″とも×いく″ポータルサイトでの企業の取組の紹介や、県広報誌などを活用した情報発信により、県民に幅広く周知しているところです。 また、働き方改革支援センターによるアウトリーチ支援や、育休取得促進に関する相談に応じる民間アドバイザーの養成、経営者の意識改革に向けたセミナーの開催等を通じ、効果的な推進を図ります。 さらに、国においては、育休取得実績等が一定の要件を満たす企業が対象となる認定制度があることから、双方の制度の相乗効果が発揮できるよう労働局と連携しながら、企業の自主的な取組を促進してまいります。 私は、今後とも市町や関係機関と連携し、仕事と子育ての両立が可能となる職場環境づくりを通じた働き方改革の推進に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)高林産業労働部長。 〔産業労働部長 高林謙行君登壇〕 産業労働部長(高林謙行君)工業用水を活用した企業誘致についてのお尋ねにお答えします。 企業誘致は、県経済の活性化や雇用の創出など、将来にわたり多面的な効果をもたらし、産業力の強化につながることから、従来から積極的な誘致活動を展開しています。 具体的には、全国トップの給水能力を誇る工業用水をはじめ、アクセス性の高い道路、港湾、空港などの優れた産業インフラについて、大都市圏で開催する企業立地フォーラムや県ホームページなどにより情報発信を行っています。 とりわけ、本県ものづくり産業を代表する基礎素材等の生産活動を支える工業用水は、県が重点成長分野に位置づけている半導体関連産業にとっても不可欠なインフラであることから、経済専門誌等への広告など様々なPRを行っています。 こうした活動により、過去十年に大手化学メーカーや自動車部品工場の増設など、約十件の工業用水を活用する企業の誘致を実現しています。 また、工業用水を必要とする投資計画のある企業から、現在も複数の引き合いがあるため、事業用地に加え、工業用水に係る支援制度等を紹介するなど、本県への立地に向けた働きかけを行っているところです。 県としては、引き続き、一社でも多くの企業誘致が実現できるよう、市町や関係機関と連携し、工業用水をはじめとした立地環境の優位性を生かした誘致活動に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)米原企業局長。 〔企業局長 米原圭太郎君登壇〕 企業局長(米原圭太郎君)工業用水の安定供給に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、渇水対策についてです。 企業局では、これまで、工業用水を安定的に供給するため、渇水による水不足が慢性化している地区において、様々な対策を行ってきました。 具体的には、周南地区において、下松市からの応援給水や、島田川工業用水道の整備などにより、水系を越えた広域的な供給体制を構築し、効果的に運用しています。 また、宇部・山陽小野田地区では、厚東川ダムの放流水を宇部丸山ダムに貯水するシステムを構築し、限られた水資源を有効に活用しているところです。 とりわけ、昨年度、渇水が深刻だった周南地区においては、渇水対策を強化するため、関係機関等で組織する利水運用対策周南支部を設置し、緊密に連携しながら、菅野ダムの貯水量の温存等に努めたところです。 こうした対策により、ユーザー企業の生産活動等に支障を及ぼす事態を防ぐことができたものと考えています。 企業局としては、今後とも、関係機関等と緊密に連携し、引き続き、ダム貯留水の確保に努めるとともに、水系を越えた広域的な水運用を実施するなど、渇水対策に取り組むこととしています。 次に、持続可能な工業用水道事業の実現についてです。 企業局では、工業用水を安定的に供給するため、ユーザー企業等としっかり協議を重ね、外部有識者の意見等を聴取して策定した経営計画に基づき、様々な取組を進めているところです。 お示しのとおり、現在、国において持続可能な工業用水道事業の実現に向けた今後の方策について検討されているところであり、企業局としては、こうした国の動向も注視しながら、工業用水の安定供給に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)阿久津警察本部長。 〔警察本部長 阿久津正好君登壇〕 警察本部長(阿久津正好君)オンライン講習、その他の運転免許行政のデジタル化に関する二点の御質問にお答えいたします。 運転免許行政のデジタル化は、県民の皆さんの利便性向上や業務の効率化を進める上で非常に重要であることから、その実現に向け各種取組を推進しております。 議員お示しのオンライン講習については、あらかじめ受講すれば、県総合交通センターや警察署で講習を受講する必要がないことから、受講率は増加傾向にあり、本年五月末現在、優良運転者の約二○%、一般運転者の約三五%が利用されております。 受講者の方々からは、手続の時間が短縮された、次回もオンライン講習で受講したいといった声を多く頂くなど、県民の利便性の向上につながっているものと受け止めております。 他方で、議員お示しのとおり、様々な御意見、御要望の声もあることから、例えば、手続を分かりやすく説明する案内動画を作成するなど、さらなる利便性の向上に努めております。 次に、議員お示しの受付手続のデジタル化に関しては、これまでの計画に基づき、全国共通の自動申請受付機の本年度中の導入と運用開始に向け、諸準備を進めております。 この導入により、申請における手書き記載が大幅に削減されることなどから、時間短縮によるさらなる利便性の向上と業務の効率化が期待できるものと考えております。 県警察といたしましては、今後のオンライン講習の全国運用や運転免許証とマイナンバーカードの一体化を見据えつつ、利便性のさらなる向上と業務の効率化に向け、知事部局等とも連携し、運転免許行政のデジタル化を推進してまいります。