1 交流人口拡大に向けた取組について 2 遺族会について 3 護国神社について 4 その他
議長(柳居俊学君)松浦多紋君。 〔松浦多紋君登壇〕(拍手) 松浦多紋君 改めまして、皆様、おはようございます。私は、県民の誇りを育む会、松浦多紋でございます。早速ですが、通告に従い一般質問を始めさせていただきます。 まず、交流人口拡大に向けた取組についてです。 本年一月のニューヨークタイムズが選ぶ、二○二四年に行くべき五十二か所に山口市が選定されるという吉報から半年が過ぎようとしています。 湯田温泉や県内の観光地には日本人観光客はもちろん、外国人観光客も増え始め、既にコロナ禍以前以上の活気が戻っていると見聞きいたします。 山口大学経済学部の加藤准教授をはじめとされる研究グループは、五月末に山口市がニューヨークタイムズの行くべき五十二か所に選ばれたことによる県内全体への経済効果について、山口市への観光客数は九十一万八千人余り増え、県内全体への経済効果は八十九億九千万円余りに上ると推計されると試算されたとの報道を伺いました。 経済効果約九十億円のうち、日本人の日帰り旅行者の増加による経済効果は三十一億二千万円、日本人の宿泊者の増加による経済効果は四十億九千万円、訪日外国人観光客の増加による経済効果は十七億九千万円とのことです。 一方で、ニューヨークタイムズが二○二三年一月十二日に発表した、二○二三年に行くべき五十二か所に岩手県盛岡市が選定されたことを受け、岩手大学経済学部の小林教授らの研究グループは、盛岡市への観光客数はニューヨークタイムズの記事掲載後、一年間で約二十万人増加、盛岡市及び岩手県全体の経済効果は約四十一億円と試算されています。 経済効果四十一億円のうち、日本人の日帰り旅行者の増加による経済効果は二十億五千万円、日本人宿泊者の増加による経済効果は十四億八千万円、訪日外国人観光客の増加による経済効果は五億七千万円となっているそうです。 新型コロナウイルス感染症が二類相当から五類に変わったのが昨年の五月、発表されたタイミングによる差もありますが、山口県への経済効果は岩手県と比べ倍以上の経済効果が予測され、今後の取り組み方によっては、さらなる交流人口の拡大につながるものと考えます。 ところで、内外問わず、今の山口県への観光客の増加現象は、ニューヨークタイムズの報道によるものだけが起因しているものでしょうか。私は、コロナ禍の間、山口県が取り組んでこられた様々なキャンペーンなどが結果的に多くの人たちの目に留まり、山口県を訪れるべき場所としてインプットされたことも大きな要因の一つではないかと考えております。 当時の宿泊キャンペーンは、コロナ禍により傷ついた山口県の宿泊施設への支援策として行われた取組ではありましたが、反転攻勢への足がかりにもしっかりとなっていると感じ、山口県の執行部の皆様へ頭の下がる思いでございます。 二○二三年の訪日外国人旅行者数は約二千五百六万人で、コロナ禍前の二○一九年の八割に回復しています。また、二○二三年の訪日外国人旅行消費額は五兆二千九百二十三億円、二○一九年比九・九%の増加で、過去最高を更新しております。 今年の訪日外国人旅行客数は、世界経済や円相場動向等によって大きく左右される見込みと言われていますが、一月から三月の来日数も既に二○一九年を上回っており、今年は三千万人を軽々と超えてくることと思います。 訪日する外国人の訪問地は、東京や大阪、その近郊の千葉県、京都府といった都市部への傾向がありますが、訪問回数が増えるごとに地方への訪問が増えるという心強いデータが存在しています。 実際、国別訪問者の上位一位、二位の韓国や台湾からの来日者におけるリピート者の目的地には、ここ山口県が入っております。 二○二三年の訪日外国人旅行者のリピート率は全体で約六○%以上。いかにリピートする旅行者に対して、山口県を目的地にしてもらうか否かが、今後の山口県の交流の大きなポイントになってくると思います。 一度でも山口県を訪れた方に、帰国後、山口県のよさをいかにPRしてもらうかで、将来の観光における山口県の立ち位置も変わってくると思います。 リピーターが目的地に期待するサービスや環境は、一番目に、充実した体験と伝統的な文化を体験できる機会、主要都市以外の地方の自然、文化、食などを楽しめる機会。 二番目に、質の高いサービスとして、丁寧な対応と行き届いたサービス、スマートフォンで使用できる多言語対応の観光案内や交通機関の乗り継ぎ案内のアプリや、クレジットカードや電子マネーなど、海外で慣れているキャッシュレス決済への対応。 三番目に、快適な環境として、あらゆる場所で清潔感と安全性の確保、高齢者や障害者でも快適に過ごせるよう、バリアフリー設備の充実、無料Wi─Fiスポットの普及、アクセスがよく快適に移動できる交通機関の充実。 四番目に、個々のニーズに合わせた旅行として、興味や予算に合わせ様々な旅行プランの選択肢、パッケージツアーよりも自分たちのペースで自由に旅行できる個人旅行、環境に配慮したエコツアーや地域住民との交流プログラムなどの持続可能な旅。 そして五番目に、過去の旅行体験に基づいた情報として、以前訪れた場所の最新情報やお勧めスポット情報や、同じような興味を持つ人のブログやSNS投稿、過去の旅行履歴や興味・関心に基づいた個別の旅行プラン提案と言われています。 実際、山口県におきまして、以前から取り組んでいることもありますが、さらなる充実と、官民が手を取り合い充実していかなければいけないことが多々あると思います。 そこで、数点質問をさせていただきます。 キャッシュレス決済導入への取組についてです。 外国人観光客が目的地に期待するサービスとして挙げられているものの一つが、クレジットカードや電子マネー、いわゆるキャッシュレス決済の充実です。 総務省の情報通信メディア白書では、二○二二年における山口県でのキャッシュレス決済利用率は二八・一%と、全国平均三二・四%を下回っているそうです。 山口県では、二○一九年から、やまぐちキャッシュレス化実現事業として、県全体のキャッシュレス化向上に取り組んでいただいております。導入における支援補助金や地域連携の強化や情報発信の多言語化、そして外国人観光客向けのキャッシュレス決済導入支援の強化。キャッシュレス決済に対して前向きな取組をされていらっしゃいます。 しかし、事業者は決済した際、利用手数料がかかってしまうことで二の足を踏んでしまう状況になっていると伺います。利用手数料に対して上限を定め補助金を捻出するなど、キャッシュレス決済先進県になることで、外国人旅行者も国内都市部からの観光客の利便性が向上し、交流人口の拡大につながると考えます。 あわせて、再来年のデスティネーションキャンペーンで来られる方々の山口県への印象も変わってくることと思います。 そこでお尋ねいたします。山口県として、外国人観光客の利便性向上のため、キャッシュレス決済のさらなる導入に向けて、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお聞かせください。 次に、Wi─Fi環境の整備についてです。 「おいでませ ふくの国、山口」による誘客促進関連で、多くのデジタル技術を活用した取組を始められています。 それらの多くは、スマートフォンを活用し行えるサービスだと思いますが、特に海外からの旅行者にとって、旅先での通信データ取得は滞在先のホテルのWi─Fiサービスか、「やまぐち Free Wi─Fi」のような環境に頼ることが大半だと思います。 令和二年十一月定例会におきまして、私は、「やまぐち Free Wi─Fi」についてインバウンド含め、設置数拡大、設置場所の提言を行いました。 令和二年時点で九百四十九か所に設置されていたポイントを、設置目標として令和三年三月末までに千二百か所を目標としているとの御答弁を頂きましたが、令和六年四月現在、千百八十一か所にとどまっているとのことです。 コロナ禍であったとはいえ、もう少しスポットが増えていてほしかったというのが本音の部分です。 外国人を含む旅行者に対し、誘客促進関連で取り組もうとされている様々なデジタルプランに支障を来す事態は避けていただきたいと考えます。 「やまぐち Free Wi─Fi」が、「やまぐち Free Wi─Fi Premium」になり、「やまぐち Free Wi─Fi Plus」と、名称もサービスも機能も進化しており、利便性も高くなっているはずです。 しかし、せっかくアップグレードされているサービスなのに、設置に協力していただいている方や団体にとって、設置に向けたハードルが下がらなければ、設置台数の大幅な増加にはつながらないと考えます。 設置に向けた初期投資とランニングコストを県が補助することで、スポットの大幅な拡大につなげることができ、国内からの旅行者はもちろん、海外からの旅行者も、より便利に県が取り組もうとしているデジタル技術の活用につながると考えます。 そこでお尋ねいたします。「やまぐち Free Wi─Fi」のスポット増加に向けて、今以上に取り組んでいくべきと考えますが、県の御所見をお聞かせください。 また、昨今、レンタルWi─Fiを駅や空港、ショッピングセンターなどで受け取るという、新しいサービスが全国に普及しつつあります。全国三十二都道府県に設置されているレンタルWi─Fiサービスです。 東京では四十七か所、千葉県や神奈川県、愛知県や大阪府などの都市圏には十か所以上の設置が進んでいます。 ちなみに、借りた場所とは異なる場所での返却が可能な点もレンタルWi─Fiのメリットの一つです。 フリーWi─Fiとは違い、利用者個人での支払いが発生しますが、海外からの旅行者がフリーWi─Fiのスポットを気にすることなく、Wi─Fi環境を利用できるサービスとして注目されています。 使い方は至って簡単で、ウェブで申込みを行い、設置されている場所で受け取り、すぐにモバイルWi─Fiが使用可能となります。 現在、山口県では、山口宇部空港と岩国錦帯橋空港にのみ設置されており、旅行者の利便性を高めるためには、より多くの場所に設置される必要を感じます。 例えば関釜フェリー発着の下関港国際ターミナルやJRの主要駅、湯田温泉などの温泉街など増設できれば、旅行者が期待するWi─Fi環境の充実が可能になると思います。 設置者による初期投資がかかるシステムですが、手数料収入も見込めるサービスとなっております。導入に向けたトライアルも可能なサービスです。 そこでお尋ねをいたします。「やまぐち Free Wi─Fi」のスポット増加と並走して、レンタルWi─Fiの充実に補助金を活用するなどし、今以上のWi─Fi環境の底上げも急務だと考えます。県の御所見をお聞かせください。 次に、山口宇部空港国際線誘致推進事業についてです。 二○二三年の訪日外国人旅行者数は、先ほども述べました約二千五百六万人で、国別旅行者の内訳は、一位が六百九十五万人の韓国、二位が四百二十万人の台湾、三位が二百四十二万人の中国、四位が二百十一万人の香港、五位が二百四万人のアメリカ、その後は六位タイ、七位フィリピン、八位オーストラリア、九位シンガポール、十位ベトナムと続き、日本近隣のアジアからの訪問者が目立ちます。 山口宇部空港国際線誘致推進事業に今年も取り組まれ、韓国との国際定期便の誘致の推進、韓国、台湾、中国、香港、ASEANとの国際チャーター便の誘致の推進に取り組まれることは、二○二三年度のアメリカ、オーストラリアを除く国別訪日観光客上位全ての国とエリアを対象にされ、実現に向けて期待をしている次第です。 また、山口県が世界から注目されている以上、一日も早い両事業の達成が必要と思います。 あえて言わせていただければ、国際定期便は韓国のみならず、台湾との定期便も視野に入れ取り組んでいただきたいと思います。 歴代台湾総督の十九名中、四分の一以上の五名が、山口県の御出身であることは皆さん御承知のとおりだと思いますが、台湾統治に深く関わられ様々な貢献をされています。 そのような歴史背景から、台湾の方の山口県に対するイメージは良好な上、昨年七月の台南市との分野別覚書締結や、直近では、本年二月、やまぐち和牛燦の輸出開始や、大好評だった四年ぶりのチャーター便運航など、台湾との交流は円熟期に入っていると言っても過言ではないと思います。 定期便を就航させることで、交流を進めたいというオファーを頂いた台湾のシリコンバレーと言われる、新竹市にある半導体産業企業の山口県への企業誘致にも期待することができます。 チャーター便はスポットでの運航のため、高い搭乗率が期待できますが、定期便となると利用者の安定した確保が継続的に予測できなければ運航にたどり着けないかもしれません。 そのためには、島根県も巻き込んだ広域での台湾の観光キャンペーンの実施や、県立高校の修学旅行に台湾という選択肢を準備するなどして、定期便利用者の拡大を図ることも可能ではないでしょうか。 また、台湾の方に対して、今以上の山口県の観光PRを行い、目的地が山口県であるという考え方を持っていただけるようになるための取組も必要だと思います。 国際定期便運航の対象国を韓国、台湾という国別来日観光客上位二か国を目指すことは、山口県にとって有益なことだと考えます。 今年度の取組は、韓国との国際定期便誘致の推進となっておりますが、台湾との定期便も視野に入れた取組をお願いいたします。 そこでお尋ねいたします。国際定期便運航や国際チャーター便の運航実施は早ければ早いほど効果も高く、観光、経済での交流人口の増加につながり、県益につながります。山口宇部空港国際線誘致推進事業に対する現状と今後の取組に対する県の御所見をお聞かせください。 次に、遺族会についてです。 第二次世界大戦後の日本は、焼け野原と化した街、壊滅的な経済状況、そして多くの国民の命の喪失という、想像を絶する混乱状態にあり、戦死した軍人・軍属は約二百三十万人、民間人約八十万人に上り、その遺族たちは深い悲しみと苦難の中にありました。 当時の政府は、遺族たちの生活支援や精神的な支えとなる組織を必要としておりました。しかし、GHQによる軍国主義の解体政策の影響で、国家神道と密接に関係していた神社を中心とした従来の慰霊顕彰活動は制限されました。 こうした状況の中で、山口県で一九四六年(昭和二十一年)八月に日本で最初の遺族会が誕生し、一九四七年(昭和二十二年)十一月、各地で立ち上がっていた遺族会の代表者たちが東京に集まり、現在の一般社団法人日本遺族会である日本遺族厚生連盟を設立されました。 日本遺族厚生連盟は、遺族の権利擁護と福祉向上のために、恩給・扶助料の増額要求、生活相談、就職支援、医療支援、慰霊祭・追悼式の開催などの活動に取り組みました。 その後、日本遺族厚生連盟は、一九五三年(昭和二十八年)に財団法人となり、日本遺族会に改称されました。全国各地にも支部が設立され、遺族会の活動は全国に広まった次第です。 しかしながら、来年の戦後八十年という時間の経過とともに、遺族会は高齢化に起因する会員減少が顕著に進み、組織運営の担い手不足が深刻化しています。 また、会費収入や補助金の減少により、財政難に陥っている遺族会が多くあり、活動内容のマンネリ化や情報発信不足となり、さらに遺族会の運営を引き継いでくれる若い世代である後継者不足という問題に直面しています。 これらのことは近い将来、各地域の遺族会で執り行っていかれる、戦没者に対する招魂祭や慰霊祭などの開催に支障を来すであろう事態が容易に予測できます。各地区で先導者となってそれらの行事に取り組んでいただいていた遺族会の確実な存続と運営を、県として今以上に支えていくべきだと考えます。 現在、遺族会が抱える課題に対して、慰霊祭や講演会に加え、交流事業や情報発信事業など、より幅広い活動に対して助成金を支給するといった財政支援、遺族会活動に協力していただけるボランティア育成などの人材支援、招魂祭や慰霊祭における活動への運営支援、遺族会活動に関する情報を集めたサイトの開設による情報発信支援など、新たな支援が必要だと思います。 そこでお尋ねいたします。山口県は、遺族会に対して、長寿社会課が主体となって手厚い取組をしっかりしていただいておることは承知しておりますし、感謝をしております。 しかし、戦後から八十年を迎えようとしている現在、遺族会に対し先ほど申し上げたような支援も必要だと思います。山口県は、御遺族、遺族会に対しどのように寄り添い、遺族会の活動に対しどのように支援をお考えか、御所見をお聞かせください。 平和な社会を築いていくための重要な役割を果たしています遺族会への支援がさらに充実され、遺族会の活動が存続、活発化することを願っています。 次に、護国神社についてです。 護国神社は、国家のために殉難した人の霊──英霊を祭る神社です。 一八六九年(明治二年)の明治維新後、戊辰戦争で戦死した兵士たちの霊を慰めるために招魂社が各地に創建され始めたのが起源です。 その後、西南戦争、日清戦争、日露戦争など様々な戦役で亡くなった人々の霊も祭られるようになり、一九三九年(昭和十四年)に招魂社から護国神社に改称されました。 護国神社は、全国に約八百社あり、それぞれ祭られている英霊の数や歴史は異なります。 靖国神社は、全国の護国神社の頂点に位置し、全国の護国神社から合祀された英霊が祭られています。 先ほど起源について述べさせていただきましたが、実は山口県では、明治二年に創建された東京招魂社──明治十二年に靖国神社に改称されますが、先立つこと四年前の一八六五年(慶応元年)に高杉晋作の発議により藩命で創建された桜山招魂社をはじめとして、明治元年までに十六社もの招魂社が県内各地に創建されました。 その後も、県内には招魂社建立が相次ぎ、昭和二十年までに二十二社の官祭招魂社が創建されました。これらの招魂社は、合併された一社を除いて、全て現在も社地が維持され祭祀が続けられています。 歴史的に山口県はどこよりも早く、戦死者を慰霊するだけでなく、戦争の悲惨さを後世に伝え、平和の尊さを守るための学びをさせていただいていた県とも言えます。 そんな護国神社ではありますが、老朽化が深刻化しており、その維持管理が課題となっています。 私の地元防府市護国神社は、一九六四年(昭和三十九年)の全面改築から六十年が経過し、社殿も傷み激しく老朽化し、早急な改修が必要となっています。 同様に県内にある護国神社の多くが、完成から長い年月がたち、同様の問題を抱えているのではないでしょうか。 しかし、参拝者や寄附金の減少により運営が困難になっているため、改修費用を捻出することが難しく、お困りになっているのが現状です。今後、護国神社維持のためには、護国神社が持つ意義をしっかり学び、今、護国神社が抱えている諸問題の解決に向き合っていただける人材を育成することが急務ではないかと考えます。 護国神社に対する御意見は様々あるとは思いますが、文部科学省は、護国神社を含む戦没者追悼施設への訪問をしてもよいとしており、実際に、護国神社を教育現場で活用している都道府県は幾つかあります。 明治以前から招魂社が創建された山口県の歴史や様々な背景、そして今の護国神社が持つ平和への役割を含め、他県以上に率先して学ぶべきものだと強く感じています。 そこでお尋ねいたします。護国神社を教育現場で扱うことで戦没者への慰霊の気持ちを育むことができ、国の歴史や文化を学ぶことができます。また、戦争の悲惨さや平和の尊さをしっかりと学ぶことができます。 子供たちの自主的な判断を尊重した教育プログラムとして組み入れることはできないものでしょうか。身近にある護国神社などを活用した国の歴史や文化、戦争の悲惨さと平和の尊さを学ぶ、平和に関する教育に対する教育長の御所見をお聞かせいただき、私の一般質問とさせていただきます。 最後まで御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)松浦議員の御質問のうち、私からは、交流人口拡大に向けた取組に関する、「やまぐち Free Wi─Fi」のスポットの増加に向けた取組についてのお尋ねにお答えします。 インバウンド需要のさらなる高まりが期待される中、本県を訪れる外国人観光客の満足度を高め、リピーターの獲得につなげていくためには、観光客が安心して快適に県内を周遊できる受入れ環境の整備が重要です。 このため、私は、これまでも、「やまぐち Free Wi─Fi」の導入や多言語コールセンターの設置、宿泊施設の高付加価値化に向けた取組等を進めてきたところです。 このうち、「やまぐち Free Wi─Fi」の導入促進については、市町と共に継続して取り組んできた結果、県が目標としてきた千二百か所に整備をほぼ達成し、一定の成果が上がったものと考えています。 このため、今後は、外国人観光客からもニーズの高い通信速度の高速化や接続時間の無制限化といったサービスの質の向上を図ることとし、通信事業者が進めている最新機器への更新を市町や観光事業者等へ働きかけてまいります。 加えて、多言語化によるパンフレットやホームページ等を通じ、アクセスポイントや使用方法を分かりやすく情報提供することで、外国人観光客の利用促進にも取り組んでいきます。 私は、今後も、市町や観光事業者等と緊密に連携し、外国人観光客の安心、快適な県内周遊に向けて、Wi─Fi環境の整備など受入れ環境の充実に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)道免観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 道免憲司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(道免憲司君)交流人口拡大に向けた取組についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、キャッシュレス決済導入への取組についてです。 外国人観光客の利便性の向上を図り、観光消費の拡大につなげていくためには、キャッシュレス化の促進を図ることが重要であり、県では、宿泊施設へのキャッシュレス決済端末の導入等を支援してきたところです。 今後は、市町や関係団体等と連携し、事業者に向けた導入メリットに関する研修会の開催やコーディネーターによる相談対応を通じ、キャッシュレス決済の普及促進に努めてまいります。 次に、Wi─Fi環境の底上げについてです。 お尋ねのレンタルWi─Fiの充実については、民間事業者が外国人観光客のニーズに応じて取り組むべきものと考えており、県としては、今後、「やまぐち Free Wi─Fi」の質の向上を図ることにより、Wi─Fi環境の底上げにつなげてまいります。 次に、山口宇部空港国際線誘致推進事業についてです。 県では、海外から本県への誘客促進や山口宇部空港の利便性向上を図るため、空港利用促進団体や現地に配置している観光プロモーターと連携し、これまで実績のある韓国や台湾に対して、国際線の積極的な誘致活動を行っているところです。 その結果、今年一月には、韓国の仁川国際空港、二月には台湾桃園国際空港と山口宇部空港とを結ぶチャーター便の運航が、高い搭乗率で実現しました。 この実績を生かし、さらなる国際便の誘致を推進するため、先月、韓国の航空会社や旅行会社に対して、知事によるトップセールスを行ったことなどにより、九月に山口宇部空港と仁川国際空港とを結ぶチャーター便を運航する計画が進められているところです。 今後、さらに国際便を誘致し、その定着を図るため、現地旅行会社等に対する商談会や視察ツアーの実施などによるインバウンド需要の獲得や、県民向けプロモーションの実施などによるアウトバウンド需要の喚起を図ることとしています。 こうした取組により、韓国については、チャーター便の高い搭乗率での運航実績を積み重ね、国際定期便の誘致を目指すこととしており、台湾については、引き続き、チャーター便の誘致に取り組んでまいります。 県としては、今後とも、関係団体や現地プロモーターと連携し、本事業の実施により、山口宇部空港への国際線の誘致を推進してまいります。 議長(柳居俊学君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)遺族会についてのお尋ねにお答えします。 戦後七十九年が過ぎ去ろうとしており、多くの方々が戦後生まれとなられた今日、平和と繁栄の礎となられた数多くの戦没者の方々を広く県民が追悼し、平和の誓いを新たにすることは大変重要であると考えています。 地域の遺族会が参画されている山口県遺族連盟は、長きにわたり戦没者の顕彰や御遺族の援護に当たってこられたところであり、御遺族が高齢化する中、戦争の悲惨さや平和の尊さを後世に伝えていく重要な役割を果たしておられます。 このため、県では、県遺族連盟の取組が将来にわたり継続されるよう、運営費等を補助しているところであり、引き続き、同連盟の意向を尊重しながら、その活動を支援してまいります。 県としては、今後とも、市町や関係団体と連携し、戦没者の慰霊と御遺族の援護の推進に努めてまいります。 議長(柳居俊学君)根ヶ山副教育長。 〔副教育長 根ヶ山耕平君登壇〕 副教育長(根ヶ山耕平君)護国神社についてのお尋ねにお答えします。 子供たちが戦争について学ぶことを通じて、平和を尊重する心や態度を育むため、各学校では、平和に関する学習を教育課程に位置づけ、例えば、児童生徒が修学旅行などで広島や沖縄を訪れ、平和記念資料館を見学したり、語り部の方から戦争体験談を聞いたりするなどの教育活動を行っています。 その教育活動の一環として、児童生徒が、歴史や文化を学ぶことを目的として、神社等の宗教的施設を訪問してもよいとの見解を国は示しており、本県においても、総合的な学習の時間等を活用し、地元の護国神社等を訪れて、創建の由来や歴史を学び、平和についての理解を深めている学校があるところです。 県教委といたしましては、引き続き市町教委と連携し、様々な施設等も活用しながら、各学校における平和に関する教育を推進してまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時十六分休憩