1 コンビナート企業の競争力強化に向けた港湾整備について 2 AI技術の活用推進について 3 アジア地域をターゲットとしたインバウンド需要の獲得について 4 介護人材確保に向けた取組強化について 5 農業振興について 6 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(島田教明君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第八号まで 副議長(島田教明君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第八号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 坂本心次君。 〔坂本心次君登壇〕(拍手) 坂本心次君 自由民主党の坂本心次です。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 最初に、コンビナート企業の競争力強化に向けた港湾整備についてお尋ねいたします。 我が国は、産業や国民生活に不可欠なエネルギー、原材料や食糧等を海外からの輸入に依存していますが、現在の不安定な国際情勢や円安等の影響により、その価格は高止まりしております。 このような状況下において、県内の基幹産業であるコンビナート企業の競争力強化を図るためには、物流コストの削減に寄与する港湾整備を今まで以上に推進していく必要があることから、県では国際バルク戦略港湾施策の推進に鋭意取り組まれています。 私の地元にある徳山下松港では、大型バルク船舶の入港を可能とするため、下松地区における大水深桟橋、徳山地区、新南陽地区の岸壁延伸や航路・泊地などの施設整備が現在進められているところであります。 特に、大水深桟橋については、姿形が遠くからも分かるようになり、供用開始に向け、企業の期待は大いに高まっています。 また、ソフト面では、やまぐち港湾運営株式会社を核に、企業間連携による石炭やバイオマスの共同輸送の促進に取り組まれているところです。 このように、国際バルク戦略港湾施策については、やまぐち未来維新プランや、やまぐち産業イノベーション戦略に基づいた取組が行われ、成果も着実に得られており、私も評価をしているところです。 こうした中、二○五○年カーボンニュートラル実現に向け、脱炭素化が世界的な潮流となる中、企業において脱炭素に向けた取組が加速しています。 私の地元である周南コンビナート企業各社においても、脱炭素社会に対応した事業構造の転換や技術の開発等を進められています。 こうした企業の努力を後押しするため、県においても脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化等を図るカーボンニュートラルポート、いわゆるCNPの形成を推進されており、その取組が始まっています。 県内コンビナート企業は、エネルギー、原材料等の価格高騰という逆風にさらされながらも、将来の生き残りをかけ、積極果敢に脱炭素に向けた取組を進めています。 県としても、脱炭素化に挑戦する企業を後押しするCNP形成の取組を加速するとともに、国際バルク戦略港湾関連施設の早期完成を目指すなど、引き続き物流コストの削減に寄与する港湾整備を進めていかなくてはなりません。 そこでお尋ねをいたします。県内コンビナート企業の競争力強化に向け、今後どのように港湾整備に取り組んでいかれるのか、県の御所見をお伺いをいたします。 次に、AI技術の活用推進についてお尋ねいたします。 チャットGPTの世界的な流行により生成AIへの注目が大きく高まり、日々のニュースで耳にしない日がないほど存在感を放っております。 生産工場では、AIとロボットアームの連動により、良品・不良品を見分ける画像処理技術の活用、農地では画像認識の機能を搭載したドローンによる農薬散布など様々な分野で導入が進んでいます。 国内のAI市場は、政府の試算によると、一昨年の三千八百八十四億円が二○二七年には一兆円を超える規模まで成長すると予測されています。 我が会派の代表質問でも触れたように、近い将来、人口減少によって労働力の大幅な低下が見込まれており、デジタルの力も活用しながら、これを克服せねばなりません。 中でも業務の効率化を進め、サービスの付加価値を高めるAIの活用は不可欠であります。 しかし、県内の事業者からは、実際にAIを活用したいと思っていても、何に使えるか、どのように使いこなすかと、入り口の段階でちゅうちょするとの声を耳にします。 また、DXに向けた取組の進捗状況について、紙媒体をベースとした業務を行っている、分からない、が回答の約半数を占める調査結果もあるように、いまだDXのとば口にさえ立っていない企業も少なくなく、私はAIの世間の注目度と様々な県内現場への浸透にギャップを感じています。 このギャップを埋めるためには、事業者等は様々な技術や事例の情報を敏感にキャッチして、自社に最適な方法を見つけ、こうした先端技術の導入により、業務の変革を進めていくことで成長につなげていくことが必要と考えます。 私の地元にある周南公立大学では、今年度から情報科学部を新設し、地域産業を支えるデジタル人材の育成に踏み出しました。県内の他大学においてもDX推進に貢献できる人材育成の取組を始めており、こうした動きも技術を使いこなす人材確保の後押しとなるのではないでしょうか。 折しも、先月開催された、アジアの未来の晩さん会において、岸田総理は、企業のAI開発やDX人材育成に対する支援の重要性などを説いておられます。 私としても、日本、世界の潮流に遅れることなく、AIの活用に向けて県の取組をしっかりと進めていただきたいと思うのです。 そこでお尋ねをいたします。新たな価値の創造に向けたAIの活用推進に、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、アジア地域をターゲットとしたインバウンド需要の獲得についてお尋ねいたします。 昨今、記録的な円安による物価高が国民の消費活動に大きな影響を与える一方で、殊インバウンド消費は、円安が強力な追い風となり、訪日客数はかつてない勢いで伸びています。 政府は、二○三○年の訪日外国人旅行者数六千万人、旅行消費額十五兆円の目標を掲げ、観光立国の実現を目指していますが、一方で我が会派からの代表質問で触れましたように、インバウンド需要は三大都市圏に集中しています。 そのため、岸田政権では、地方中心のインバウンド誘客に向け、地域の多様な観光コンテンツの造成等、地方独自の資源を生かした取組を推進しています。 そこで、外国人観光客のニーズにマッチした観光商品を磨き上げ、本県ならではの観光資源を掘り起こすことにより、本県まで足を延ばしてもらえるような取組を進める必要があります。 また、外国人の琴線に触れるような地方ならではの奥ゆかしいおもてなしにより、本県の魅力を感じてもらうことも大切ではないでしょうか。 こうした中、本県にはアジアからの旅行者が圧倒的に多く、県は、韓国、台湾、香港、中国、ASEANを重点五市場と位置づけ、旅行形態やニーズに合わせて戦略的なプロモーションを展開し、県内宿泊を促進させる取組が進められております。 折しもニューヨークタイムズで、山口市が世界で行くべき五十二か所の三番目に選ばれ、来年の大阪・関西万博でも海外から三百五十万人の来客が見込まれております。 私の地元周南市では、三月に観光地や特産品について、SNSでの情報発信につなげてもらうため、在住外国人を招いたモニターツアーが実施されました。 こうしたインバウンド需要獲得に向けた取組は、地域単位でも着実に広がりを見せていますが、外国人観光客の波が県内全域に届いているとはまだまだ言えません。 そこで、県としても、この機会を逃すことなく、誘客につながるような取組を行い、県内全域にその効果をしっかりと波及させてほしいと考えます。 そして、アジアと地理的に近い地の利も生かし、旅行者の属性やニーズ、傾向等を拾い上げ、重点五市場に実効性のあるプロモーションを展開し、観光客を取り込み、県内への周遊と宿泊につなげていただきたいと思うのです。 そこでお尋ねをいたします。県が重点市場と位置づけ、ターゲットに定めているアジア地域から、そのインバウンド需要を確実に取り込むため、県としてどのように取り組むのか、御所見をお伺いいたします。 次に、介護人材の確保についてお尋ねをいたします。 先般、国の認知症施策推進関係者会議において、認知症高齢者数の推計が公表され、二○二五年に四百七十一万人、六十五歳以上の人口が、ほぼピークを迎える二○四○年に五百八十四万人になると示されました。 全国よりも高齢化率の高い本県において、今後、認知症高齢者数は増え続けていくものと推測されます。 県では、認知症の方が住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、認知症に優しい地域づくりなど様々な施策を進められていますが、今後ますます認知症の方が増加することを踏まえると、訪問介護をはじめとした介護サービスの需要が増えると考えます。 また、少子高齢化や共働き世帯が増えている今日では、仕事を続けながら家族などを介護しているビジネスケアラーが増加しており、二○三○年には約三百万人に達するとも言われています。 こうした中で、年間十万人を超える介護離職者が出ており、生産年齢人口の急減を踏まえると重大な問題でありますが、今後も介護環境が十分に整わなければ介護離職者がますます増加すると見込まれます。 認知症など支援が必要な方が住み慣れた地域で安心して暮らすことができ、かつその家族なども自身が仕事や生活をしながら、自分らしく自分の人生を大切にできることが何より重要です。そのためには介護サービスの充実を図ることが不可欠であり、サービスを担う介護人材の確保を一層強化することが必要と考えます。 しかしながら、介護人材は現在でも大きく不足しており、やまぐち高齢者プランの介護人材の需給推計によると、本県では二○二六年には二千七百四十九人、二○四○年には二千八百十六人の介護人材が不足すると見込まれ、介護人材の確保は喫緊の課題となっています。 介護職は、給与などの処遇に対して、精神的・身体的負担が大きいなどマイナスのイメージがあるように思います。介護人材の不足を解消するためには、職業イメージの向上に加え、多様な人材の参入促進など様々な取組を進めていく必要があると考えます。 そこでお尋ねをいたします。さらなる介護サービスの充実を図るために必要な介護人材の確保について、県では今後どのような取組でいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、農業振興についてお尋ねをいたします。 農政の基本理念や政策の方向性を定め、いわゆる農政の憲法とも言われる食料・農業・農村基本法の改正案が今国会で可決、成立し、二十五年ぶりに改正されることとなりました。 世界の食料需給の変動や地球温暖化の進行など、近年の農業・農村をめぐる諸情勢を受け、基本理念を食料安全保障の確保、環境と調和の取れた食料システムの確立、農業の持続的な発展、農村の振興へと見直すとともに、関連する基本施策を定めるものであります。 今後の農政の方向性を示す重要な指針になるものであり、改正法の趣旨に沿って日本の農業施策の充実強化が図られるものと期待をしております。 こうした中、本県農業を取り巻く環境に目を向けますと、全国平均を上回るスピードで進展する高齢化による農業従事者の減少や担い手不足、また、近年の世界情勢の不安による燃油や肥料等の農業生産資材価格の高騰など、非常に厳しい状況が続いております。 私の地元である周南市鹿野地域でも、高齢化による農業従事者の減少や担い手不足の問題は喫緊の課題と認識をしており、高齢を理由に離農された後、後継者がいないことから耕作放棄地になってしまった農地が幾つも見受けられます。 県では、担い手支援日本一を掲げ、新規就農者を継続的に確保・育成し、定着を促す取組を積極的に進められており、毎年百名を超える新規就業者を確保されております。 また、近年の農業生産資材価格の高騰に対しても、緊急的な支援として肥料価格等高騰対策を措置されるなど、その時々において現場の声にしっかりと呼応した対策を講じられておられることに、私としても心強く感じております。 しかしながら、こうした取組にもかかわらず、本県の基幹的農業従事者の平均年齢は七十二・三歳と全国で一位であり、農業従事者の減少や担い手不足の影響は、今後さらに顕著に現れてくるとともに、農地の保全もより一層困難になってくるものと考えており、本県農業の将来に非常に強い危機感を抱いております。 本県農業が、将来にわたって持続的に発展していくためにも、さらなる担い手の確保や耕作放棄地の拡大防止に向けた取組など、これまで以上に様々な角度から対策の充実強化が必要だと考えます。 そこでお尋ねいたします。担い手対策をはじめとして、十年後、二十年後を見据えた本県農業の振興にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 以上で、私の質問は終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(島田教明君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)坂本議員の御質問のうち、私からは、コンビナート企業の競争力強化に向けた港湾整備についてのお尋ねにお答えします。 本県経済の屋台骨である瀬戸内海沿岸の基礎素材型産業をはじめとする基幹産業が、国際競争を勝ち抜くためには、お示しの物流コストの削減や脱炭素化に寄与する港湾の整備を進めていくことが極めて重要です。 このため、私は、やまぐち産業イノベーション戦略に、企業の国際競争力強化に資する港湾の機能強化を掲げるなど、ハード・ソフトの両面から港湾の整備に取り組んでいるところです。 とりわけ、全国有数のコンビナートを抱える徳山下松港において、国際バルク戦略港湾施策により、当面のベースエネルギーである石炭に加え、企業の脱炭素化に向けた取組により取扱量が急増しているバイオマスについても対応できるよう施設整備を進めています。 具体的には、一括大量輸送による安価かつ安定的なエネルギー供給に向け、国や関係企業と連携して、下松地区の大水深桟橋や徳山地区及び新南陽地区の岸壁延伸等の整備に取り組んでおり、このうち大水深桟橋については、国において今年度中の完成を目途に工事が進められているところです。 また、大型船舶の入港を可能とする施設の整備効果をさらに高めるため、これまで石炭を対象にしていた共同輸送の取組をバイオマスにも拡大するなど、やまぐち港湾運営株式会社を核とした企業間連携の取組等をより一層推進してまいります。 さらに、脱炭素社会の実現に向けては、令和三年から関係企業等と意見交換を重ね、本年三月に徳山下松港の港湾脱炭素化推進計画を策定・公表したところです。 今後は、この計画に掲げる、西日本エリアの次世代エネルギー供給拠点港としてのさらなる発展を目指し、関連技術の進展等も踏まえ、中長期的な視点でエネルギー受入れ施設やCO2を分離・回収するCCUS関連用地の整備など、港湾機能の高度化等を図っていく考えです。 また、県内の主要港湾においても、臨港道路や泊地の整備など、各港の特性に応じた施設整備を進めるとともに、カーボンニュートラルポート形成に向けて、順次、港湾脱炭素化推進計画を策定していくこととしています。 私は、今後とも、国や関係企業等との連携を図りながら、本県企業が国際競争を勝ち抜くための産業基盤となる港湾の整備に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(島田教明君)永富総合企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)AI技術の活用推進についてのお尋ねにお答えします。 生産年齢人口が減少し、人手不足が深刻化する中、業務効率化や生産性の向上、また、新たな価値創出につながるAI技術の積極的な活用が、産業をはじめとする各分野で強く求められています。 とりわけ生成AIは、これまでのビジネスや生活を大きく変える可能性を有しており、本県においても遅れることなく活用を進める必要があります。 そのため、県では、お示しのあったAIに対する期待とともに、その導入に不安を抱く方々がいることも念頭に置きながら、県内事業者等においてAIの活用推進が図られるよう、きめ細やかな支援を行っていきます。 具体的には、「Y─BASE」を核として、生成AIを中心に、その学習機会や実証環境の提供、人材育成など、現場への導入に向け様々な取組を進めます。 まず、学習機会の提供として、生成AIの技術特性やビジネスでの活用事例、リスク回避方法など、実践的な活用ノウハウを学べるセミナーなどをAI関連企業等とも連携して開催します。 次に、実証環境の提供については、来月から「Y─BASE」のDXコンサルにおいて、生成AIのアカウントの無償貸出しを開始し、セキュリティーが確保された安全な環境の中で専門的知見を有する技術スタッフの伴走支援を受けながら、導入に向けた様々な実証を行うことができるようにします。 人材育成については、AIの導入効果を上げていくため、AIとビジネスの二つの領域のスキルを併せ持つ人材の育成を進めることとし、今年度、AIを活用した企画スキルやビジネスノウハウ等を習得できるプログラムを新たに開講します。 県内大学とも連携を図りながら、AIを活用し、新たなサービス等を生み出すことができる人材の育成を着実に進めていきたいと考えています。 さらに、こうした取組に加え、デジタル実装推進基金を活用し、人手不足が深刻な製造業や運輸業など産業分野を中心に、AIを活用した業務改革や新規事業創出の取組などへの支援も行っていきます。 県としては、県内事業者等が、生成AIをはじめとするAI技術を効果的に活用し、それを持続的な成長へとつなげていけるよう、AIの活用推進に向けた取組を今後も積極的に進めてまいります。 副議長(島田教明君)道免観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 道免憲司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(道免憲司君)アジア地域をターゲットとしたインバウンド需要の獲得についてのお尋ねにお答えします。 本県においては、地理的に近いアジア地域からの外国人観光客が大半を占めており、今後も増大が見込まれることから、こうした地域からのインバウンド需要を確実に取り込み、県内全域に波及させていくことが重要です。 このため県では、お示しのとおり、韓国、台湾、香港、中国、ASEANを重点五市場に位置づけ、豊かな自然や歴史、多彩な食などの魅力的な観光資源を生かしながら、県内周遊の促進につながる戦略的なプロモーションに取り組むこととしています。 具体的には、重点五市場に配置した観光プロモーターと連携し、国際旅行博への出展や情報発信会の開催等により、本県の認知度向上を図るとともに、現地旅行会社を招いた視察ツアーや商談会等を実施し、誘客拡大につなげていきます。 とりわけ、今月上旬には、重点五市場から、コロナ禍以降最多の三十二社の旅行会社を招聘し、県内三十四事業者等との商談会を開催するとともに、観光地の視察やサイクリング等のアウトドアツーリズムに重点を置いた体験ツアーを行い、好評を博したところです。 今後、観光プロモーターを通じた継続的なフォローアップを行い、旅行者の属性やニーズ、傾向等に応じた、県内全域の周遊と宿泊につながる旅行商品の造成を現地旅行会社に働きかけていきます。 また、県内外の交通拠点と錦帯橋などの主要観光地を巡る観光バスを運行するとともに、JR西日本等と連携し、鉄道が乗り放題となるレールパスと体験やグルメなどを組み合わせた旅行商品をアジア向けの旅行予約サイトに掲載し、県内周遊につなげていきます。 さらに、羽田空港や東京駅など、首都圏等の主要交通拠点において、外国人向けのポスターやデジタルサイネージ等にQRコードを掲載し、本県への交通手段や観光モデルコースを紹介するウェブページに直接アクセスできるようにするなど、実効性の高いプロモーションを行っていきます。 県としては、今後とも、市町や観光事業者等と緊密に連携しながら、戦略的なプロモーションを展開し、アジアからのインバウンド需要を確実に取り込み、県内全域にその効果が波及するよう積極的に取り組んでまいります。 副議長(島田教明君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)介護人材確保に向けた取組強化についてのお尋ねにお答えします。 高齢化が進行し、認知症高齢者をはじめとする要介護者の一層の増加が見込まれる中、介護サービスを担う人材の確保はますます重要になっていることから、県では介護職員の処遇改善や、福祉・介護の魅力発信、多様な人材の参入促進等に取り組んでいるところです。 具体的には、まず介護職員の処遇改善については、国の介護報酬改定に伴う加算制度の活用により、賃金の改善が図られるよう施設管理者向けの研修等を通じて、事業者に対する制度の周知や助言を行い、制度の活用促進に努めています。 また、人材育成やキャリアに応じた処遇、ICT機器の導入など、就業環境の改善に積極的に取り組む事業所を働きやすい介護職場として認証し、ウェブサイト等で広くPRしているところです。 次に、福祉・介護の魅力発信については、福祉・介護職への興味・関心を高める動画を制作し、SNSを通じた訴求力の高い広報を展開するとともに、イベントの開催や小学生親子を対象としたバスツアー、中高生等を対象とした職場体験などの取組を進めているところです。 また、多様な人材の参入促進として、介護福祉士を目指す学生や外国人留学生への修学資金の貸付けのほか、県福祉人材センターにおける他業種からの転職希望者等を対象とした研修機会の提供や、就業相談、職業紹介など、求職から就職までの一貫した支援を行っています。 さらに、新たな取組として、令和五年九月に、ベトナム・ビンズン省との間で介護分野における協力に関する覚書を締結したところであり、今後、介護施設における介護留学生の受入れ促進を図るため、施設向けの事業説明会やベトナムでの現地説明会の開催等を進めてまいります。 県としては、今後とも、こうした取組を通じ、市町や関係団体等と緊密に連携しながら、介護人材の確保に積極的に取り組んでまいります。 副議長(島田教明君)大田農林水産部長。 〔農林水産部長 大田淳夫君登壇〕 農林水産部長(大田淳夫君)農業振興についてのお尋ねにお答えします。 担い手の減少や高齢化が進行する中、将来にわたって本県農業を持続的に発展させていくため、県では、これまで、新規就業者の確保に向けた取組や、担い手への農地の集積を積極的に推進してきたところです。 しかしながら、お示しのように、今後も担い手不足や耕作放棄地の発生が懸念されることから、持続可能な本県農業の実現に向け、新規就業者等の確保・育成や耕作放棄地の拡大防止の充実強化に一層取り組むこととしています。 まず、新規就業者等の確保・育成については、希望者が円滑に就業できるよう、相談から定着まで、一貫したきめ細かな支援を行うとともに、就業者の受皿を支援する定着支援給付金の対象に、農作業を受託する農業サービス事業体を加え、就業者の定着や技術習得を促進します。 また、新規就業者等の初期投資の負担軽減を図るため、今年度から新たに中古ハウスなどの遊休資産を利活用する仕組みを構築し、コーディネーターの派遣を通じ、後継者がいない農家から第三者への経営継承を促進します。 次に、耕作放棄地の拡大防止に向けては、まず、市町や農業委員会、農地中間管理機構の連携による農地の出し手と受け手のマッチングを促進し、将来の営農計画の策定を支援することにより、耕作放棄地の新たな発生を防止します。 また、国事業を活用し、農地中間管理機構が一時保有し再生した耕作放棄地を、新規就業者等に貸し付けることで農地の有効活用を促進します。 さらに、このたび、宇部市に国と県が支援した飼料製造施設が完成し、畜産農家からの需要の高い飼料の製造が可能となったことから、少ない労働時間で栽培できる子実用トウモロコシなどの飼料作物の生産を一層拡大し、効率的な農地利用につなげます。 県としては、今後とも、市町や関係団体等と連携しながら、十年後、二十年後を見据えた本県農業の振興に向け、担い手の確保・育成や耕作放棄地の拡大防止に積極的に取り組んでまいります。