1 県民一人ひとりの防災力向上の取組について 2 COPD(慢性閉塞性肺疾患)への対策強化について 3 HPVワクチン接種について 4 改正道路交通法の周知に向けた取組について 5 運転免許行政に係る県民サービスの向上について 6 その他
議長(柳居俊学君)上岡康彦君。 〔上岡康彦君登壇〕(拍手) 上岡康彦君 おはようございます。公明党の上岡康彦でございます。早速ですが、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 初めに、県民一人一人の防災力向上の取組についてお伺いいたします。 今年は、元日からマグニチュード七・六の能登半島地震が発生し、甚大な被害の様子は国民の胸に突き刺さり、震災とはこんなにも私たちの生活を粉々に壊してしまうのかと再び悲しみのふちに落とされました。 また、八月八日には、日向灘を震源地とするマグニチュード七・一の地震発生を受け、気象庁は南海トラフ地震の臨時情報、巨大地震注意を初めて発表しました。 あの日、僅か数秒だったものの、いつになく長く揺れる自宅マンションで若干の恐怖を感じたことを覚えています。 比較的震災の少ない山口県に住む我々にとっても、初めて南海トラフ地震を人ごとではなく自分ごととして強く意識した出来事になったのではないかと思っております。 また最近は、台風や頻発する線状降水帯の発生・長期化による豪雨災害も年々その規模が大きくなっているように感じています。豪雨のたびに、これまでに経験したことのないほどの被害が予想されますので厳重な注意が必要ですとのアナウンスを最近よく耳にするなと感じているのは私だけではないと思います。 さて、防災力強化について、東日本大震災の折に、釜石の奇跡を生んだ片田敏孝東京大学大学院特任教授は、自然災害に向き合う姿勢について、防災の抜本的な見直しが必要だと指摘されています。 つまり、激甚化する災害から身を守るためには、もはやハード依存や行政依存ではいけない。行政と住民の共闘による地域社会の力で対応しなければならない。防災は行政サービスではなく、行政サポートだと捉えていくべきとの指摘です。 その上で住民の主体性を引き出すために必要なことは、防災教育とコミュニケーション・デザインだとおっしゃっています。 実際に、座学で防災について勉強するというよりも、防災意識の高い環境に身を置くことで習得するものであって、大人も子供も関係ありません。災害時に、どう避難すればよいのか、大切な人を守るために率先して自分がどうコミュニケーションを取ればよいのか、避難所での生活をどう支えるべきかなど、実際の災害を想定して考える癖をつけること、これが片田教授の言う主体的という意味ではないかと思っております。 釜石の奇跡は、偶然の産物ではなく、片田教授が一貫して地域の子供たちに災害に立ち向かう主体的姿勢の定着を図ってこられたがゆえに生まれた必然の奇跡だったことがよく理解できます。 そう考えると、今後の防災力向上への取組は、地域社会の防災力を向上させることで、様々な災害に対峙しなければなりません。 私は、この視点を生かす今後の取組としては、地域を巻き込んだ避難訓練・防災訓練の充実が重要ではないかと考えております。 予期せぬ災害が起きたときには、自分の身を守る方法を身につけておく必要があります。地域住民が、自分の身を自分で守ることができるようになるため、地域の特性に合った防災訓練を行い、初期消火訓練や応急救命訓練など多様な訓練が受けられれば、様々な状況にも対応できます。 現実に、土のうが作れる人やAEDが使える人、簡単に担架が作れる知識のある人などを増やしつつ、防災力を上げていかねばならないと思います。 そこでお尋ねいたします。行政が行う公助はもちろん必要です。自治体だけでなく、それぞれの地域の学校や企業も防災力を高めることが大切であります。しかしながら、身近な人々の安全を守るためには、一人一人が防災に関する知識を身につけ、取り組む必要性がますます重要になってきたと考えます。 そこで、県内の地域防災力を向上させるためには、個人個人の防災力を高めることが重要と考えますが、県として今後どのように取り組まれるのかお伺いいたします。 次に、COPD、慢性閉塞性肺疾患への対策強化についてお尋ねいたします。 この質問は、今年二月定例議会の一般質問で、同僚の猶野議員が、慢性閉塞性肺疾患いわゆるCOPDへの対策強化についてとの項目で質問をしておりますが、今回は続編ということで、改めて対策の強化充実と、さらなる施策の推進についてお伺いいたします。 COPDは、主にたばこの煙などを長期に吸入することで、酸素を取り込む肺胞、つまり肺の中で気管支につながる袋が炎症を起こして、気管支が狭くなったり、肺胞が破壊されることで呼吸がしにくくなる病気で、肺気腫や慢性気管支炎の総称であります。重症化すると呼吸器不全に陥り、酸素ボンベを持ち歩かなくてはならないなど生活に支障を来します。 また、一度壊れた肺胞は元には戻りませんので、以後は治療を継続しながら自分の肺をいたわりつつ生涯付き合っていく必要があります。 二○二一年の調査では、日本人男性の死因九位、世界の死因三位に挙げられ、国内で約五百三十万人と推計されるCOPD患者のうち、治療を受けているのは僅か二十二万人とも三十六万人とも言われていますが、いずれにしても、その多くが未治療であることは間違いありません。 また、要介護状態に陥りやすくなる、フレイルとの関連などの指摘も既に二月議会で御案内のとおりでありますが、COPDは重症化する前に適切な治療を行えば、進行を遅らせたり症状の改善も可能だとされています。 厚労省では、多数の有識者や専門家により、国の健康増進計画である、健康日本21を二○○○年に策定されました。 二○一三年度からスタートした健康日本21(第二次)の疾患にも取り上げられ、認知率を向上させることや、喫煙率・受動喫煙率を下げることも目標に掲げられております。 新世紀の道しるべとなる健康施策、また二十一世紀において日本に住む一人一人の健康を実現するための新しい考え方による国民健康づくり運動について、様々な議論が重ねられてきております。 その中で、日本のこれまでの健康づくりの実績や世界の公衆衛生活動の成果を踏まえ、いわゆる健康寿命を延伸するための具体的な方策について、日本呼吸器学会が、昨年二○二三年五月三十一日に、健康に関連する様々な団体に対する提言として取りまとめたものが、COPD死亡率減少プロジェクト、通称木洩れ陽2032であります。 ここでは、COPD対策として、まず令和三年度の統計で、人口十万人当たり十三・三人のCOPD死亡率を令和十四年(二○三二年)には十・○人まで減少させるという目標を掲げ、引き続き認知度の向上を行うことに加えて、COPDの発症予防、早期発見、治療介入、重症化予防など総合的に対策を講じていくことが重要だと強調されています。 そこで、COPDの発症予防、早期発見、治療介入、重症化予防に向けては、医療機関と行政が連携し、未診断患者や潜在的な、知らなくて未治療の患者を減らすための体制強化が重要だと考えます。 私が話を伺った呼吸器内科の医師も、死亡率減少の新たな目標を達成するためには、自治体や医療機関、医師会、薬剤師会、理学療法士会などの多職種連携、つまりチーム医療による働きかけが必要だとして、COPDスクリーニングチーム養成や、早期治療導入・継続チームの養成のためのワーキンググループの組織編成を訴えておられます。 実際に、自治体による受診勧奨が効果を上げているという調査もあります。さらに呼吸器の専門医不足を解消するために、かかりつけ医や看護師、薬剤師、理学療法士などの医療従事者を対象としたCOPD研修会を開催し、ハイリスク者への早期受診勧奨やCOPDの早期診断・早期治療介入を推進しようと企画されています。 しかし、こうした多職種連携は、特定の病院や県医師会だけで実現できることではありません。県は診療体制の強化に向けた取組に対し、より積極的に関与すべきと考えます。 一方、本年度は、県医師会との連携のほか、普及啓発や小学生、中高生向け喫煙防止リーフレットの作成費用、イベントや県民講座の開催費用など、たばこ対策促進事業として四百五十万円強の当初予算がついています。 十一月には、改訂版リーフレットを三万部作成し、市町の住民の目につく場所、医療機関や検診機関、イベント会場、さらには健康経営企業や学校にも教材として配布するなど、県の普及啓発活動の取組は評価しております。 県では、今年三月、第三次健康やまぐち21計画を策定され、新たにCOPDが項目として追加されたところです。COPDの対策として、認知度の向上による早期発見・早期介入や、かかりつけ医や健診による早期発見・早期治療の推進が示されており、こうした対策を推進するためには関係団体との連携強化が不可欠ではないかと考えます。 また現在、県医師会では、専門医不足を補うために、非専門医や医療従事者向けに研修を開催することとしており、かかりつけ医や健診での早期発見・早期治療につなげることに大きく寄与するものではありますが、負担が大きく、今後も継続していくためには、県の支援も必要になるのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。全国ワースト二位という不本意な本県のCOPD死亡率改善のため、診療連携体制の強化をはじめとしたCOPD対策の一層の充実が必要であり、また、関係団体等との連携が不可欠となりますが、県ではどのように連携して取組強化につなげていかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、HPVワクチン接種についてお伺いします。 HPVワクチンの接種は、子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルスの感染を防ぐためのもので、子宮頸がんは若い女性が罹患するがんのうち、乳がんに次いで多いがんとされています。 発見が遅れると、子宮の摘出手術が必要になることもあるため、欧米ではマザーキラーとの異名もあります。 HPVワクチンは、二○一三年四月に小学校六年生から高校一年生相当の女子を対象に、公費負担による定期接種がスタートしたものの、接種後の疼痛や運動障害などを訴える声が相次ぎ、同年六月から九年間、二○二二年四月に再開されるまでの間、積極的な勧奨を差し控えておりました。当然ながら、その間に定期接種の対象だった年代の接種率は大きく低下しました。 その後、積極的勧奨の再開を機に、差し控えの影響を受け、公費負担での接種機会を逃してしまった一九九七年度から二○○七年度生まれの女性の救済に、キャッチアップ接種として救済措置が取られることになったのであります。 定期接種の対象年齢でなければ、個人負担が最大で約十万円程度の接種費用がかかりますが、公費負担での接種が可能となるこのキャッチアップ接種には、接種率の向上への大きな期待を寄せておりました。 ところが、このキャッチアップ接種制度も来年三月末、つまりあと半年で措置終了となってしまいます。筋肉注射で三回の接種が必要なHPVワクチンは、接種の間隔を数か月空けねばならず、三回目の接種が終わるまでには約半年かかります。すなわち、今年九月中に一回目の接種が終わってなければ、措置期間中に間に合わないということになるわけであります。 ちなみに、県医師会によれば、二○二二年度に初回のキャッチアップ接種を受けたのは、全国で対象者の六・一%、山口県では七・二%だったそうであります。まだまだ低調だと言わざるを得ません。 また、昨年度までの対象者のうち、未接種者は六割相当の約四万人と推定し、統計上の数字とした上で、この四万人中約五百二十人が子宮頸がんにかかり、うち約百三十人が死亡すると八月一日の定例記者会見で発表しています。極めて大きな数値だと受け止めております。 ここで私が問題視していることは、厚生労働省が今年実施した調査によれば、対象者の四八・五%が、この制度を知らないと答えていることであります。福岡市にある九州中央病院の衛藤貴子婦人科部長の言葉を借りれば、「HPVワクチンを知らないために接種機会を失う人がいるのは社会の責任だ。周知を進めるべきだ」と新聞取材に答えられておりますが、全く同感であります。 子宮頸がんは、ワクチン接種によって防げる数少ないがんとして知られており、またワクチンの種類によって原因ウイルスへの感染を防ぎ、がんになるリスクを八○%から九○%も防げることが判明しております。 県としては、接種対象者に向けた様々な啓発活動やワクチン接種が可能な医療機関の情報を提供するなどの取組については新聞報道等で承知しておりますが、宮崎市では独自にキャッチアップ接種についての公費負担での接種期間を延長する方針を決めるなど、対策の強化を図る自治体も出てきております。 予防接種法により、ワクチン接種の実施は、費用負担も含め市町の責務と規定されていることから、その接種事業に助成することは県の立場上困難であることは承知しておりますが、先日は県内の子宮頸がん検診の受診率が、二○二二年は三四・九%にとどまり、全国最下位だったとの報道もありました。 対象年齢となる中学生や高校生のほか、その親への周知という意味では、まだまだ改善・検討の余地があるようにも感じております。 そこでお伺いいたします。県内の女性の健康を向上させるため、今後のHPVワクチン接種対策の強化について、どのように取り組まれるのかお伺いいたします。 次に、男性へのHPVワクチン接種について伺います。 どちらかといえばHPVワクチン、子宮頸がんは、女性が予防のために接種するものというイメージが強いのですが、実は男性にもその効果は認められています。 男性が、HPVワクチン接種による感染予防をすることで、当然、性交渉によるHPV感染からパートナーを守り、子宮頸がん予防にもつながりますが、性別に関係なく、中咽頭がん、肛門がん、尖圭コンジローマなどの原因と考えられているHPVへの感染予防にも期待ができます。 ところが、男性の接種には、ハードルが高いのが現状です。理由は、費用の問題であります。 男性がHPVワクチンを接種する場合も女性と同じく3回接種する必要がありますが、約六万円の費用を全額自己負担しなければなりません。こちらも独自に助成を行っている自治体が増えつつありますが、まだ少数です。 確かに、予算確保の問題もありますが、各自治体が男性のワクチン接種を推進することで、さらなる効果が見込めるはずですし、健康県やまぐちの構築には必要な措置だと考えます。 国が議論を始めるのを待っているより、積極的な県の働きかけが大事ではないでしょうか。県の御所見をお伺いいたします。 次に、改正道路交通法の周知に向けた取組についてお伺いいたします。 本年五月十七日、参議院本会議で改正道路交通法の採決が行われ、全会一致で可決・成立いたしました。今年の十一月一日から施行されます。自転車等の交通事故防止を図るための規定を整備したもので、自転車運転中のながらスマホや酒気帯び運転に対し罰則が科せられることになりました。 また、これらの違反を三年以内に二回繰り返した人には、自転車運転者講習の受講を命令できるようにする道路交通法施行令の改正も同日施行されます。 このほか、自転車の運転者が一定の違反行為をした場合には、いわゆる青切符を適用するなどの取締りの導入を盛り込んだ改正法も決定され、二年以内に施行される予定となっています。 今回の改正により、自転車の交通違反に対する取締りが今後大きく変わることになります。 例えば、自転車での信号無視、一時不停止や携帯電話を使用しながらのながら運転、あるいは自転車運転であっても酒気帯び運転など、対象となる百十三の違反行為のうち重大な事故につながるおそれのある違反については、重点的な取締りが行われることになります。 具体的には、信号無視、一時不停止、携帯電話を使用しながら運転すること、右側通行などの通行区分違反、例外的に歩道を通行できる場合でも徐行などをしないこと、自転車の通行が禁止されている場所を通ること、遮断機が下りている踏切に立ち入ること、傘を差したりイヤホンをつけたりしながら運転するなど、都道府県の公安委員会で定められた遵守事項に違反する行為などです。 もちろん、酒酔い運転や酒気帯び運転、携帯電話を使用しながら事故につながるような危険な運転をした場合などは、少なくとも赤切符が適用され刑事罰の対象となります。 まだ、よく知られていないためなのか、かなり重い法改正であることがまだ認知されていないように感じます。 今回の法改正の背景には、自転車事故の増加が指摘されていますが、警察庁によると、全国の交通事故の発生件数は毎年減少している一方で、自転車が関係している事故の占める割合は増加傾向が続いているようであります。 令和二年以降の数値を見ても、自転車関連事故件数は増加し続けており、昨年、令和五年は七万二千三百三十九件の自転車事故が発生しておりますが、全交通事故に占める構成比はおよそ四分の一の二三・五%にも上っています。 さらに、令和四年のデータで言えば、六万九千九百八十五件の自転車関連事故のうち、死亡や重傷事故につながった七千百七件の約四分の三に当たる七三・二%の五千二百一件で自転車側に前方不注意や信号無視、一時不停止といった交通違反が確認されたという報告が出されています。自転車利用者には、こうした事故の実態をしっかりと認識していただきたいと強く願うものであります。 そこで、警察本部長にお伺いいたします。近年、自転車の利用は健康意識の高まりとともに、手軽でエコな乗り物として通勤、買物などでも利用者が増えつつあります。 また、災害時の自転車の活躍など多彩な広がりを見せる反面、自転車側に過失のある事故が増加しつつあります。 県内における自転車事故防止に向けては、このたびの改正道交法の趣旨や罰則規定など、注意を促す上で、まだまだ県民への周知徹底が必要だと考えますが、どのように取り組まれるのかお伺いをいたします。 最後に、運転免許行政に係る県民サービスの向上についてお伺いします。 私は、今年六月、五年ぶりに運転免許証の更新を総合交通センターにていたしましたが、ここ数年のうちに運転免許証の交付に係る業務の効率化が随分と図られてきたことを実感いたしました。 私は、令和三年六月議会の代表質問で、混雑の回避や利便性向上のために、優良運転者講習のオンライン化について質問をいたしました。 当時、山口県を含む四道府県が、全国導入に先駆けたモデル事業として令和四年二月からスタートした事業でしたが、現在では優良ドライバーだけでなく一般の方の免許更新にもオンライン講習が可能になっております。 ちなみに、あえて説明する必要はありませんけれども、私、優良・ゴールド免許での更新で、オンライン講習を受講いたしましたことを申し添えておきます。 そして、総合交通センターに伺った当日も相変わらずの混雑ぶりではありましたが、私が会場に入ってから新しい免許証を受け取って会場を出るまで僅か四十分というスピード更新でしたので、本当にびっくりいたしました。私の周辺の方々のオンライン講習に対する評価が高いのもうなずけます。 また、令和四年九月議会の代表質問では、運転免許行政のデジタル化について、今後どのように進められるのかお伺いしたところ、自動申請受付機の導入、そして、運転免許証とマイナンバーカードの一体化を推進するとの答弁を頂いたところであります。 現在、自動申請受付機は、令和四年度から五年度にかけて、予算措置並びに機器類の調達と接続試験を行い、今年度中の運用開始を目指しておられます。 さらに、現在は、総合交通センター、岩国警察署、下関警察署の県内三か所で実施している運転免許証の即日交付施設の拡充についても言及され、令和七年春には周南総合庁舎内に、令和八年には萩市の萩トレイルセンターにも即日交付施設を拡充する予定になっております。 これにより、県内の大半の皆様が即日交付施設へのアクセスが格段によくなり、どこのエリアであっても約三十分程度でアクセスが可能になると思われます。 私の住む周南地域でも待ち遠しいとの県民の声を聞いておりますし、恐らく、萩・長門地域の皆様も首を長くして待っておられると思います。 山口県警察では、こうしたデジタル化の推進による混雑の緩和や業務の効率化、また施設の拡充等による窓口業務の合理化や利用者の負担軽減など、県民の利便性向上に資する取組を計画的に着実に推進してこられ、高く評価しております。 しかし、しばしば聞く県民の大きな声として、手数料支払いのキャッシュレス化と日曜窓口の増加があります。 手数料支払いのキャッシュレス化は、時代の流れでもあり、じきに形になると思いますが、日曜窓口が開設されているのは、まだ総合交通センターのみであります。 過去五年の平均値で見ますと、日曜日の申請者は約三万人、平日の申請者は約六万人です。つまり、全体の約三割が日曜日に更新手続を行っているという実態であります。 そこでお伺いいたします。こうした実態を基に、運転免許業務に係る県民サービスの向上について、今後どのように取り組んでいかれるのか、警察本部長に御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)上岡議員の御質問のうち、私からは、COPD、慢性閉塞性肺疾患への対策強化についてのお尋ねにお答えします。 COPDは、初期症状を自覚しづらく、高齢者に多い疾患で、気づかないうちに呼吸障害が進行し重症化すると、生活の質に大きな影響を与えるのみならず、死にもつながることから、その対策は県民の健康寿命の延伸を図る上で極めて重要です。 このため県では、これまでCOPDの認知度向上や発症予防に向けてリーフレットの配布や公開講座等を通じて県民に啓発するとともに、市町や学校医、学校薬剤師等と連携し、二十歳未満の者に対する喫煙防止の健康教育等に取り組んできたところです。 こうした中、本県の高齢化の進行に伴い増加が見込まれるCOPD患者への適切な対応が重要な課題となっていることから、私は今年三月に策定した保健医療計画と健康やまぐち21計画に、新たにCOPD対策を追加し、医療の視点を加えた総合的な対策に取り組むこととしました。 このCOPD患者への対応においては、症状が軽い段階での発見が重要であるとともに、受診後も長期にわたるきめ細かな治療や管理を要するため、今年度から新たに、医師、看護師、栄養士等の多職種が連携して、早期発見、早期治療、重症化予防の取組を推進しているところです。 まず、早期発見については、保険者や県医師会等と連携し、健診機関やかかりつけ医等が潜在的な患者の把握に活用できるよう、簡易チェック票を作成したところであり、今後は症状が軽いうちに、できるだけ早く診断につなげるツールとして普及を図ってまいります。 次に、早期治療及び重症化予防については、県医師会と連携し、早期発見した患者を早期治療につなげるための専門医療機関リストの作成や、様々な専門職がチーム医療について学ぶ研修会の開催などに取り組むこととしています。 また、各保健所において、こうした取組を、地域の医療関係団体や市町、地元企業等で構成する地域・職域連携推進協議会等で共有し、圏域ごとの連携体制の強化に活用するなど、患者を地域で支える仕組みづくりを進めてまいります。 私は、引き続き、県医師会等の医療関係団体や市町等との連携によるCOPD対策の一層の充実に努め、人生百年時代に向けた健康寿命の延伸に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)佐藤総務部長。 〔総務部長 佐藤茂宗君登壇〕 総務部長(佐藤茂宗君)県民一人一人の防災力向上の取組についてのお尋ねにお答えします。 自然災害の被害を最小限に抑えるためには、県民一人一人が防災に関する知識を身につけ、災害時に自ら判断し、主体的に適切な行動を取ることができる自助の取組が重要です。 議員お示しのとおり、各市町においては、地域の特性に応じた避難訓練のほか、消火器操作や放水体験等の初期消火訓練、簡易担架の作成、AEDを活用した応急救命訓練など、災害時に取るべき行動を学ぶための実践的な訓練が行われているところです。 県においても、毎年実施している総合防災訓練において、各地の消防団や自主防災組織の協力も得ながら、住民が主体となって行う避難所運営訓練や物資搬送訓練などを市町と一体となって行っています。 さらに、地域の実情を踏まえた訓練の充実強化を図るため、訓練や研修の企画・運営等をサポートする自主防災アドバイザーを養成し、各地に派遣しているところであり、今後も市町や地域の取組を積極的に支援してまいります。 また、個人の防災力を向上させるためには、知識の習得も必要であることから、災害時の心構えや具体的な行動を記載した、防災ガイドブックを作成、配布するとともに、避難のタイミングや避難先等を書き込む避難カードを活用し、家族ぐるみでの防災学習の機会を提供しています。 今年度は、県民に防災についての理解をより深めていただくため、防災行動を具体的かつ視覚的に認識できる動画を作成、公開するとともに、災害に対する基本的な備えを学ぶことができるシンポジウムを開催することとしています。 県としては、今後とも市町や関係機関等と緊密に連携しながら、県民一人一人の防災力を高めることにより、地域防災力の充実強化に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)HPVワクチン接種についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、HPVワクチン接種対策の強化についてです。 子宮頸がんの原因となるウイルスであるHPVの感染を予防するためには、ワクチン接種が有効であることから、その促進を図っていくことが重要です。 このため、県では、令和四年度の定期接種勧奨の再開とキャッチアップ接種の開始以降、全ての対象者への個別通知について、実施主体である市町に要請するとともに、県医師会と連携したワクチン接種の必要性や安全性に関する情報の発信など、接種促進に向けた周知啓発を図ってきたところです。 一方で、こうした取組にもかかわらず、市町や県医師会等によると、いまだに接種率が伸び悩んでいる実態が報告されており、子宮頸がん予防に向けた県民のHPVワクチン接種に対する理解が広まっていない状況となっています。 このため、県では、今年度、市町や県医師会等と連携し、一人でも多くの対象者やその家族がワクチン接種を自分のことと認識し、大切な命を守るために接種をしていただけるよう様々な啓発活動を展開しています。 具体的には、若い女性が身近に感じられる、県内在住の女子高生タレントを起用したSNS動画の配信や、対象世代の保護者が子供の接種体験を話す特集記事のタウン情報誌への掲載などに取り組んでおり、医療機関からは、最近では接種に訪れる方が徐々に増えつつあるとの声を聞いています。 また、現在、全国知事会等を通じて、ワクチン接種についての周知啓発の強化による社会全体への意識づけや、公費負担によるキャッチアップ接種の期間延長について要望しているところです。 次に、男性に対するHPVワクチンの接種についてです。 男性に対するHPVワクチンなど、任意の接種に対する経費負担につきましては、予防接種の実施主体である市町が、ワクチンによる予防効果や住民のニーズ、自治体の財政状況などを総合的に勘案した上で、それぞれの政策判断に基づき独自の助成を行っています。 こうした予防接種は、国の責任において、接種効果などを踏まえた適切な財政措置などの制度設計が行われるものであり、現在、男性へのワクチンの定期接種化について方針を示すよう全国知事会等を通じ要望しており、市町に対しては、引き続き、国の検討状況などを情報提供してまいります。 県としましては、将来の子宮頸がんなどへの罹患防止に向け、今後とも市町や県医師会等と連携し、ワクチンの効果や正しい知識について周知啓発を図り、さらなる接種促進に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)熊坂警察本部長。 〔警察本部長 熊坂隆君登壇〕 警察本部長(熊坂隆君)まず、改正道路交通法の周知に向けた取組についてお答えいたします。 全国的に自転車利用のニーズが高まる一方、自転車関連事故が増加している情勢を踏まえ、議員お示しのとおり、本年五月、自転車への交通反則通告制度の導入や、運転中の携帯電話使用等の禁止に関する規定、酒気帯び運転を自動車と同様に禁止・処罰する改正道路交通法が成立しました。 そのような中、県内でも本年発生した人身交通事故に占める自転車事故の構成率は前年を上回っており、過去五年の交通死亡事故を見ると、自転車利用者の八割近くに信号無視等何らかの違反が認められるところでございます。 こうした実態を見ましても、自転車事故の防止に関して改正道路交通法の効果が期待されるところであり、改正の趣旨や内容を広く県民に周知する必要があります。 その取組について、まず、本年十一月一日から施行される自転車の酒気帯び運転及び携帯電話使用等に関する罰則規定につきましては、現在行われています秋の全国交通安全運動において、キャンペーン等を通じて改正内容を周知するチラシを配布したり、デジタルサイネージやSNSを活用したりするほか、自転車販売店や酒類を提供する飲食店等への周知徹底等に取り組んでまいります。 また、公布から二年以内に施行される交通反則通告制度の適用に関する規定につきましては、交通安全教育の場において、制度の内容や制度の対象となる違反を説明するなど、交通安全教育の充実を図ってまいります。 特に、自転車利用の多い中学生、高校生に対しては、学校関係者と連携し、ヘルメットの着用を含め、交通事故の悲惨さや交通ルールの大切さを体験させるほか、通学路等を中心に指定した自転車指導啓発重点路線等における指導取締りを通じ、法改正の趣旨や内容を周知してまいります。 こうした周知活動は、計画的かつ継続的に行うことが重要であり、県警察といたしましては、関係機関・団体と連携し、その方法や内容等に創意工夫を凝らしながら、広く県民に浸透させるように努めてまいります。 次に、運転免許業務に係る県民サービスの向上に向けた取組についてお答えいたします。 運転免許行政のデジタル化や即日交付施設の拡充は、県民の利便性向上や業務の効率化を進める上で極めて重要であり、これまで関係機関と連携を図りながら、実現に向けた各種施策を推進してきたところでございます。 まず、本年十二月に導入する自動申請受付機は、申請者が運転免許証を受付機にかざすと、これまで申請者が手書きで記載している箇所の大半が自動的に印字されるなど手続時間が大きく短縮されます。 また、これまで窓口の職員が個別に確認していた更新期間の確認などの業務も、受付機が自動的に判別することから、申請者、警察職員双方の負担軽減につながるもので、現在、運用に向けて使用方法の検討等を進めているところでございます。 次に、令和七年三月には、運転免許証とマイナンバーカードが一体化された、いわゆるマイナ免許証を保有できる制度が開始されます。 この制度では、従来どおり運転免許証のみの保有のほか、マイナ免許証のみの保有と、マイナ免許証と運転免許証の両方を保有する選択肢が追加され、マイナ免許証保有者の方は、住所等の変更手続がワンストップ化され、転居先の自治体に届け出れば警察における住所変更の手続が不要となります。 この一体化の申請手続については、当面、総合交通センターで開始し、その後、順次窓口を拡充する予定としており、運用開始に向けて総合交通センターでは、窓口改修や機器類の整備を進めているところでございます。 さらに、即日交付施設の拡充については、令和七年度当初に周南地域、令和八年度には萩地域に拡充し、現在の総合交通センター、岩国、下関に加え、県内五か所となる計画でございます。 これにより、多くの免許更新手続をされる方が、三十分程度でアクセス可能となるなど、申請者の利便性が飛躍的に向上するものと考えており、関係機関と連携しながら諸準備を進めているところでございます。 このほか、免許窓口を縮小した幹部交番の地域では、出張型の運転免許手続を実施するなど、できる限り県民の利便性を確保するための施策も進めてまいります。 このような取組を推進する中、議員お示しの日曜日における総合交通センターの免許窓口では、更新申請者が毎週六百から七百人、平日の約二・五倍と多くの方に利用していただいている現状です。 そのため、県民のニーズの高い総合交通センター以外の施設での日曜窓口の拡充に向け、閉庁日を平日にシフトするなど、職員の業務負担にも配慮しつつ実現に向けた検討を進めているところでございます。 県警察といたしましては、今後、本格的に運用開始となる各種免許手続のデジタル化の実現に向けての諸準備や、日曜窓口の拡充等、諸課題に対する対策を推進するとともに、各種媒体を活用した分かりやすい広報を計画的に実施し、県民サービスの向上に資する取組を一層進めてまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は午後一時の予定でございます。 午前十一時三十二分休憩