1 宇部地域の道路整備への取組について 2 空き家対策について 3 カスタマーハラスメント対策について 4 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(島田教明君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十三号まで 副議長(島田教明君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十三号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 氏原秀城君。 〔氏原秀城君登壇〕(拍手) 氏原秀城君 皆さん、こんにちは。やまぐち県政会の氏原秀城です。それでは、通告に従い一般質問をさせていただきます。 まずは、宇部地域の道路整備への取組についてお尋ねいたします。 道路整備は、県民の安心・安全を支える重要な社会基盤であり、地域ごとの多様な課題やニーズを踏まえ、県内の各地域で整備が進められています。 私の地元である宇部市の道路状況は、広域的な幹線道路である山陽自動車道宇部下関線や山口宇部道路、国道二号線が整備されており、国道二号線は東西を、国道四百九十号線が南北を結ぶ軸となった道路網が形成されております。近年では、山口宇部小野田連絡道路の一部区間として、宇部湾岸道路が整備されたところであります。 ただ、こうした中、この国道二号と百九十号を結ぶ県道宇部船木線における一部の交差点においては、慢性的な渋滞が発生しており、そのうち、県道小野田美東線と交わる山陽小野田市の有帆小学校前交差点については、県での改良工事が完了したところです。また、国道二号茶屋交差点については、現在、国のほうで改良工事が進められているところではありますが、そのほかに県道宇部船木線に係る二か所の交差点においては、長年、慢性的な渋滞が発生している状況であります。 まず、一か所目は、宇部駅前交差点であります。共に国道二号の東側の下岡交差点からつながる県道宇部停車場線と西側の茶屋交差点からつながる県道宇部船木線が合流する交差点であるとともに、国道百九十号と宇部駅前をつなぐ幹線道路を形成する交差点であることから、常時、地域住民の方はもとより、通勤・輸送車両等で交通量が多い交差点でありますが、両県道とも、全線が片側一車線のため、慢性的な渋滞を起こしている状況にあり、令和六年度の山口県道路交通渋滞対策部会においても、宇部市内で旅行速度低下時間数が最も多い箇所と示されています。 二点目は、JA厚南前の交差点です。先ほどの宇部駅前交差点の南に位置する交差点で、厚南地域と宇部市東部の工業団地をはじめとした市東部を結ぶ県道琴芝際波線と市道西宇部妻崎線、及び先ほど同様、国道百九十号線と宇部駅前をつなぐ幹線道路である県道宇部船木線で構成される交差点であります。 こちらも、両県道、市道とも、全線が片側一車線のため、地域住民はもとより、通勤・輸送車両等で交通量が多い交差点であることから、過去から慢性的な渋滞が問題視されている中、昨今の顕著な宅地造成も相まって、さらなる慢性的な渋滞を起こしている状況にあります。こちらも、令和六年度の山口県道路交通渋滞対策部会においても、宇部市内で旅行速度低下時間数が二番目に多い場所と示されています。 両交差点を形成する各県道、市道とも道幅が狭いこと、また、右左折用の車線が一部にしかないことなどが挙げられる中、既存の建築物等の関係上、道路の拡幅が難しいということは承知しているところであります。 しかしながら、この慢性的な渋滞は過去から長年解消されていないものであり、地元住民をはじめ、通行者から、宇部市に対しても早期の渋滞緩和を望む声が上がっております。宇部市としても、県との協議・調整を踏まえた上で、市として先行できることは実施していきたいとの考えも、議会の中で示されています。 国土交通省道路局の資料、道路行政の簡単解説によりますと、道路の基本的な役割は、人や地域を相互につなぎ、日常生活や観光等の人の移動と生活物資や農林水産品、工業製品等の物の輸送を支える、人・地域をつなぐネットワークの機能と、地域・まちの骨格をつくり、環境・景観を形成し、日々の暮らしや経済活動等を支える環境を創出する、地域・まちをつくる空間の機能であると示されています。 また、道路事業の三便益とは、一車両当たりの時間価値、短縮時間、交通量から算出される走行時間短縮便益、道路整備による走行経費の減少、走行距離、交通量から算出される走行経費減少便益、道路整備による人身事故件数の減少、人身事故一件当たりの平均損失額から算出される交通事故減少便益とも示されています。 そして、山口県の道路整備計画、やまぐち未来開拓ロードプランにおきましても、道づくりの基本目標として、「やまぐちの未来を拓くみちづくり~将来にわたって、元気な産業や活気のある地域の中で、県民誰もがはつらつと暮らすことができるやまぐちのみちづくり~」と示されており、さらに、この目標を実現するため、四つの道づくりの方針に沿って、取り組むべき九つの道づくりの方策と具体的な取組が設定されているところです。 その取組の中には、「暮らしやすいまちづくりを支援します!」「渋滞対策を推進します!」「安心・安全な交通環境の確保を図ります!」など、このたびの質問に関する県の姿勢が示されているところです。 こうしたことからも、お示しさせていただいた二か所の交差点については、様々な課題があることは承知しておりますが、道路の拡幅等による早期の渋滞緩和策を設けるべきだと考えます。 そこでお尋ねいたします。宇部市街地の道路交通の円滑化を図る観点から、宇部駅前交差点とJA厚南前交差点について、県としての渋滞緩和の必要性の御認識、これまでの取組状況、そして、宇部市との協議・調整を含めた県としての今後の方針について、御所見を伺います。 次に、空き家対策について、二点お伺いいたします。 空き家対策自体は、主に市町が対応する案件でありますが、現状と今後の推移を考えますと、県としても関係箇所との相談や連携・要望など、より関与が必要になる課題だと考えますので、このたび、質問させていただきます。 令和六年四月の総務省による令和五年住宅・土地統計調査住宅数概数集計結果によりますと、令和五年十月一日現在における日本の総住宅数は六千五百二万戸、二○一八年と比べ二百六十一万戸、率にして四・二%の増加で過去最多となっています。 こうした中、総住宅数のうちの空き家は九百万戸と、平成三十年の八百四十九万戸と比べ五十一万戸の増、また、総住宅数に占める空き家の割合も一三・八%と、平成三十年から○・二ポイント上昇し、過去最高を更新、三十年間で約二倍となっています。 また、空き家数のうち、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家も三百八十五万戸と、平成三十年と比べ三十七万戸増加しており、総住宅数に占める割合も五・九%となったとされています。 こうした傾向は山口県も同様で、令和五年の総住宅数は七十三万戸と、平成三十年の七十二万戸と比べ○・八ポイント上昇している中、総住宅数に占める空き家の割合は一九・四%、賃貸・売却用や二次的住宅を除いても一一・一%と、平成三十年時の一七・六%、九・九%と比べ、増加傾向にあります。 こうした中、増加し続ける空き家対策として、令和五年十二月に空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律が施行されました。 法改正の主なポイントは、所有者等の責務として、空き家等の所有者等について、空き家等の適切な管理の努力義務に加え、「国又は地方公共団体が実施する空家等に関する施策に協力するよう努めなければならない」と明記されました。 また、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれがある空き家等を管理不全空家等とすると規定され、特定空家等に加えて管理不全の空き家についても自治体から指導・勧告の対象となりました。 さらに、管理不全空家等について、所有者が自治体から管理・修繕等の勧告をされた場合、住宅用地特例が解除され、土地の固定資産税の軽減措置が受けられなくなりました。 しかしながら、こうした法改正も、その趣旨をしっかりと県民に周知し、理解促進につなげてこそ、その効果が発揮するものであります。そのためにも、市町や法律関係の士業の方々としっかり連携を図って進めていかなければならないと考えます。 そこで、一点目としてお伺いいたします。空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律が施行され半年以上が経過しましたが、これまで県として、市町との連携を含め、どのような対応や支援をされてきたのか、また、今後の取組へのお考えについて、御所見をお伺いいたします。 二点目は、成年後見・家族信託の推進についてです。 民間のシンクタンクの推計によると、認知症の人の保有する住宅の数を推計したところ、二○一八年時点で二百十万戸、二○二一年時点で二百二十一万戸、そして二○四○年時点では二百八十万戸と、今後も高齢化の進展とともに増加が見込まれるとの試算が公表されました。 こうした実情を踏まえると、今後ますます、認知症の方が介護施設等への入居に伴い自宅が空き家等になってしまうことが想定されます。 そして、認知症になって意思能力を失ってしまった場合、自力で御自宅を売却することは基本的にできなくなります。 もちろん、この空き家が適切に管理されていればよいのですが、放置したままになると、将来的に特定空家等につながるおそれもあります。 こうした事象を事前に想定、または発生した場合に活用できるのが、成年後見や家族信託になります。 成年後見は認知症などで判断能力が不十分となった人を支援する制度で、本人が認知症などで判断能力不十分になった後に、家庭裁判所に申し立て、家庭裁判所によって後見人が選ばれる法定後見と、本人が認知症などで判断能力が不十分になる前に、本人自らが後見人を選び、公正証書で契約をしておく任意後見の二種類がありますが、これらは共に将来的に財産管理や生活支援を任せる仕組みであります。 また、家族信託は、財産管理方法の一つで、あらかじめ信頼できる家族や親族などと信託契約をし、財産管理を任せるとした任意後見に似た仕組みとなっています。 ただ、こうした制度も、個々の実情、手続の煩雑さ、費用面などから、誰にでも有効かつ万能なわけではありません。 その一例として、判断能力のない空き家等の所有者が別の市町に居住しているため、空き家所在地の市町は成年後見の申立てが行えず、空き家の処分につながらなかったとしたものです。 現時点では特例なことかもしれませんが、今後、少子化や未婚者の増に伴い、身寄りのない方が増え、こうした事態が増えることも想定されます。 こうした制度を利用していただくことは、少なからず空き家問題の解決につながるものだと考えます。 そのためにも、先ほどの質問同様、こうした制度をしっかりと県民に周知し、理解促進に努めていかなければなりませんし、そこには市町や法律関係の士業の方々としっかり連携を図る必要があるとともに、必要に応じて国に対し法の改正などの要望も行っていかなければならないと考えます。 そこでお伺いいたします。空き家対策の一つとしての成年後見・家族信託の推進について、県として普及啓発をはじめとした市町や法律関係の士業の方との連携などのお考えについてと、空き家の所在地と所有者の居住地が異なる場合において、空き家所在地の市町から成年後見の申立てを可能とする法整備の必要性のお考えについて、県としての御所見をお伺いいたします。 最後に、カスタマーハラスメント対策についてお伺いいたします。 カスタマーハラスメントにつきましては、これまでも我が会派の大内議員が取り上げさせていただいているところでありますが、六月議会の御答弁の中で、国がカスタマーハラスメントを含む職場のハラスメントに関する全国調査を昨年度実施したところであり、県としては、現時点では実態調査等を行うことは考えていませんとのことでした。 五月十七日に、この国が実施した、令和五年度職場のハラスメントに関する実態調査の報告書が、有識者で構成する検討会に示されました。 この報告書は、昨年十二月に全国の従業員三十人以上の企業・団体を対象に、七千七百八十の企業・団体からの回答からなる企業調査と、全国の企業・団体に勤務する二十歳から六十四歳の男女労働者八千名からの回答をはじめとした労働者等調査から構成されています。 この調査結果によると、企業調査における過去三年間で企業におけるカスタマーハラスメントの相談件数が多かった業種としては、医療・福祉が五三・九%として最も高く、次に宿泊業・飲食サービス業、不動産業・物品賃貸業となっており、該当すると判断した事案の内容としては、継続的な執拗な言動が七二・一%と最も高いとされています。 また、行為者と被害者の関係では、顧客本人やその家族等から自社従業員への行為が九割以上を占め、その損害や被害の内容としては、通常業務の遂行への悪影響が六三・四%と最も多く挙げられています。 こうした中、カスタマーハラスメントに関する取組については、一般消費者との接触頻度が高い医療・福祉、金融・保険業、宿泊業・飲食サービス業などにおいて、取組を実施している割合が他の業種よりも高く、また、そうした企業では取組を進める上での課題として、迷惑行為に対する従業員等の精神的なケアが難しいとの回答が他の業種よりも多かったと示されているとともに、様々なハラスメントのうち、カスタマーハラスメントのみ相談件数が増加したとの回答二三%に対し、相談件数が減少しているとの回答約一一%と、件数が増加傾向にあると報告されています。 ただ、そうした中、カスタマーハラスメントの予防・解決の取組の実施の有無については、最も高い従業員が千人以上の規模でも約七○%と、三割以上の企業でカスタマーハラスメントの予防・解決の取組が実施されていない状況であることが示されています。 次に、労働者等の調査結果によりますと、過去三年間に勤務先でカスタマーハラスメントを受けた割合は、パワハラに次ぐ二番目で、業種では接客頻度が高い生活関連サービス業・娯楽業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業と続き、その内容については、やはり継続的な執拗な言動が五七・三%と最も高く、次いで、威圧的な言動の五○・二%とされています。 さらに、一度以上経験を受けた割合を男女別に見てみますと、男性と女性での大きな差は見られなかったものの、セクハラ、プライバシーの侵害、個人の属性に関する言動等、明らかに業務内容と関係のない顧客等からの言動については、女性のほうが男性よりも割合が高く、その他の項目については、男性のほうが割合が高かったと示されています。 こうした中、カスタマーハラスメントに対する対応としては、三七・四%が上司に引き継いだと最も割合が高い中、次に高い三二・一%は謝り続けたと報告されています。 さらに、勤務先のハラスメント対策への取組評価が高いほど、社内の上司や同僚に相談したとの割合が高いものの、何もしなかったと回答した理由の五六・一%は、何をしても解決にならないと思ったからと示されています。 カスタマーハラスメント防止の条例化をめぐっては、東京都が二月、条例案を早期に提出する方針を発表されたことを皮切りに、全国に広がっております。 三重県においても、全国で悪質なカスタマーハラスメントが問題となっている中、連合三重やUAゼンセン三重県支部から要望・要請等を踏まえ、カスタマーハラスメントに対応するための条例制定に向けて、有識者会議を設置する方針を六月十日の県議会一般質問で明らかにされており、県内企業を対象とした実態等調査を実施するとともに、七月に庁内幹部による防止対策推進会議、八月に経済団体や労働組合、学識者などで構成された防止対策検討懇話会を開催しております。年度内にも一定の方向性を示してもらうとの考えを示されているなど、カスタマーハラスメント対策に積極的に取り組まれておられます。 また、東海地方では愛知県、中国地方においても鳥取県が六月にカスタマーハラスメント防止対策に向けた協議会や県内企業の実態を調べるなど、積極的に取り組まれています。 六月十日の三重県議会における知事の言葉をお借りしますと、外国では、物を売る人も買う人も平等、決してお客様は神様ではない。日本では、お客様は神様であるという売る側の気持ちが買う側のほうに伝わってしまっていることが、買う側は自分が神様なんだと勘違いしている。こうした風潮は変えていかなければならない。子供は大きくなってお客様にもなるが、店員にもなるかもしれない。そのとき、そういうのを我慢しろとは私は言えない。こういう社会を子供たちには残していけない。パワハラやセクハラは法律によって昔より減ってきた。一番大事なのは、ハラスメントは絶対に許さない、組織一丸となって戦っていくことではないかと御答弁されています。私も全くそのとおりだと考えます。 村岡知事におかれても、六月十一日の定例記者会見で、カスタマーハラスメント対策について、社会全体で大きく問題視されている。それに対してしっかりと守らなければいけないものを、我々としてどのように組み立てていけるのかということは考えていく必要があると思いますので、他の自治体の例ですとか取組についてもよく研究をしながら、どういったことができるのかということを考えていくことは必要と述べられています。 六月十三日、UAゼンセン山口県支部は大内議員と共に、山口県に対してカスタマーハラスメント防止条例制定等を求める要請を行っているところです。 山口県としても、より一層の働きやすい職場づくりは、若者の雇用と定着、県外転出の抑制にもつながるのではないかと考えます。 日本の産業を担う労働者を適切に守る対策は必要かつ重要です。ただ、企業側が幾らカスタマーハラスメントの取組を積極的に進めたとしても、顧客側のカスタマーハラスメントに対する理解や認識が深まらなければ、その予防の効果にも限界があります。 そのためにも、カスタマーハラスメント対策に向けては、より真剣に官民挙げて取り組んでいかなければならないと考えます。 そこでお伺いいたします。カスタマーハラスメント対策について、労働者が安心して働くことのできる環境の整備に向け、県として、県内企業に対する支援・促進の現状と今後の方針をお伺いするとともに、県内におけるカスタマーハラスメントの実態把握の実施や、その防止に向けた条例・ガイドラインの制定など、労働者を守るための対策を進めるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 以上で、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(島田教明君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)氏原議員の御質問のうち、私からは空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律への対応についてのお尋ねにお答えします。 本県の空き家率は全国平均を上回っており、世帯数が減少傾向にあることから、今後も空き家の増加が見込まれています。 また、放置された空き家は、倒壊の危険や景観の悪化など周辺の生活環境に悪影響を及ぼすだけでなく、町全体の魅力低下につながることから、その対策は喫緊の課題であると認識しています。 このため、私は、やまぐち未来維新プランの重点施策に、空き家対策の推進を掲げ、実施主体である市町と連携しながら、空き家の適正管理や利活用の取組を一体的に進めているところです。 具体的には、所有者の意識醸成や主体的な取組を促すために、市町や司法書士会等の関係団体と連携し、空き家セミナーや相談会等を実施するとともに、リーフレットや利活用事例集等を作成し、様々な広報媒体を活用して幅広く情報発信に取り組んでいます。 こうした中、昨年十二月に施行された、いわゆる改正空家法においては、所有者等が国や自治体の空き家に関する施策に協力する努力義務が定められるとともに、管理不全空家等に対する市町からの指導・勧告が可能となるなどの規定が追加されたところです。 これを受け、県では、法改正の趣旨や新たな制度を周知するため、関係部局、県警本部及び市町で構成する、山口県空き家対策連絡会等を通じ、関係機関等と情報共有を図っています。 また、法改正の内容を踏まえ、さらなる適正管理や利活用の重要性について、セミナーや様々な広報媒体を通じて県民に周知し理解を促すとともに、相談会に専門家を派遣して直接相談できる機会を提供しているところです。 私は、引き続き、こうした取組を通じ所有者に対する意識啓発を図るなど、市町や関係団体と連携した空き家対策の充実に努めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(島田教明君)大江土木建築部長。 〔土木建築部長 大江真弘君登壇〕 土木建築部長(大江真弘君)宇部地域の道路整備への取組についてのお尋ねにお答えします。 県では、国などの関係機関と連携・協力しながら、交通状況や地域の実情に応じて、バイパスの整備や交差点の改良など、効率的かつ効果的な手法により渋滞対策を推進しているところです。 お尋ねの二か所の交差点を含む宇部駅周辺においては、住宅や商業施設等が多く立地していることから、交通量が多く、渋滞が発生している状況です。 このため、県では、渋滞に加え、幅員が狭く、歩道のない区間があるなど交通安全上の課題がある、県道琴芝際波線の対策を行うこととし、地域の皆様の御意見も伺った上で、厚東川からJA厚南前交差点間の整備に取り組んでいるところです。 この整備に当たっては、JA厚南前交差点において、県道と接続する市道西宇部妻崎線との事業調整を図るなど、引き続き、宇部市と連携しながら、対策を進めていくこととしています。 また、宇部駅前交差点についても、今後、効率的かつ効果的な渋滞対策の手法について、宇部市と協議・調整を行っていく考えです。 次に、空き家対策に関する成年後見・家族信託の推進について、二点のお尋ねにお答えします。 まず、市町等との連携についてのお尋ねですが、国の実態調査によると、空き家の半数以上は相続を契機に発生しており、空き家の発生を予防するためには、生前から、また、判断能力があるうちから、住宅の所有者やその家族に、住宅を空き家にしないとの意識を持って必要な準備を進めるよう促すことが重要です。 このため、県では、司法書士会等の関係団体と連携し、成年後見制度や家族信託を含めた事前の備えについて、県が作成した、空き家ガイドブックや国土交通省等が作成した、住まいのエンディングノート等を活用して、周知を図るほか、市町が実施する空き家相談会に専門家を派遣し、所有者が直接相談できる機会を提供しているところです。 次に、空き家所在地の市町から成年後見の申立てを可能とする法整備の必要性については、現時点では、空き家対策の主体である市町から県に対し、具体的な相談や要望がない状況ですが、いずれにしても、国において判断されるべきものと認識しています。 副議長(島田教明君)高林産業労働部長。 〔産業労働部長 高林謙行君登壇〕 産業労働部長(高林謙行君)カスタマーハラスメント対策についてのお尋ねにお答えします。 カスタマーハラスメントは、従業員の尊厳や心身を傷つけ、貴重な人材の損失につながるおそれがあるなど、企業にとっても職場全体の生産性に影響を及ぼす可能性があることから、企業が自主的にカスタマーハラスメントの対策に取り組むことが重要です。 このため、県では、全ての労働者が安心して働くことができるよう、企業を対象とした労働セミナーにおいて、カスハラ対策の必要性の啓発を行うとともに、各種労働問題に電話等でお答えする労働ほっとラインにより相談対応等を行っています。 一方、国においては、本年の骨太の方針の中で、カスハラについて法的措置も視野に入れた対策強化が盛り込まれるとともに、先月開催されたハラスメントに関する検討会においても、労働者保護の観点から、カスハラ対策を事業主へ義務づけることが適当であると取りまとめられたところです。 こうしたことを踏まえ、現在、国の労働政策審議会において、法制化等について検討が行われていることから、県としては、現時点では実態調査や条例制定等を行うことは考えておりませんが、今後とも国の動向も注視しながら、企業の自主的な取組が進みますよう、カスハラ対策に取り組んでまいります。