討論
────────────────────── 討 論 議長(柳居俊学君)これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、持ち時間の範囲内において発言を許します。 河合喜代さん。 〔河合喜代さん登壇〕(拍手) 河合喜代さん 日本共産党を代表して反対討論を行います。 本会議に上程された二十一議案については、全て賛成し、継続審査中の六議案のうち、二〇二三年度山口県一般会計歳入歳出諸決算と同工業用水道事業会計決算の二議案に反対します。 二三年度山口県一般会計歳入歳出諸決算に反対する理由の第一は、コロナ禍と物価高騰で苦しめられている県民の暮らしとなりわいへの支援策が不十分であったということです。 一昨年十二月の物価指数は、前年同月比四・四%増、特に光熱・水道費は一六・八%も上昇していました。生活保護世帯を含む低所得者世帯にとっては死活問題です。二三年度予算には物価高騰対策事業として約六十九億円計上されましたが、家計を直接支援する施策は全くなく、そうした施策が必要でした。 第二は、山口県の未来を見据えたとき、喫緊の課題である少子化や人口流出を食い止めるための施策が大変乏しかったことです。 若者が結婚して家庭を持ち、子供を望む家庭では産み、育てていく。以前は当たり前だったことが、もうけ最優先で働く者を犠牲にする新自由主義経済によって、困難になっています。 こんなときこそ、住民福祉の増進をイの一番の仕事とする地方自治体の出番でした。県内十九市町は、住民のニーズに応えて、子供医療費助成制度の拡充に取り組み、二三年度は下関市が十月から対象年齢を通院は中学校卒業まで、入院は高校卒業まで広げました。上関、田布施、平生三町は対象年齢を高校卒業まで拡充しました。現在では県内十五市町は高校卒業まで完全無料、下関、岩国、山陽小野田の三市も中学校卒業まで無料としています。 ところが県は、二三年度も対象年齢は小学校未就学児、所得制限、一部負担金ありという水準に固執されました。対象年齢は二十年間も据え置き、一部負担金導入という改悪まで行っています。 今議会では、本県の制度は、国の医療保険制度を補完し、一定の福祉医療の水準を確保することを目的として、基準を定めて助成しているものであり、将来にわたって持続可能な制度とするため、現行水準を維持することが基本である旨の答弁もありました。やらない理由ばかり繰り返す県の対応には怒りさえ覚えます。 小中学校の給食費無償化も、県内では岩国市、萩市、和木町のほか、阿武町も二三年度から無償化しました。下関市は半額以上を市が支援しています。 第三は、一方で、相も変わらず不要不急の大型公共事業、大企業への過度な支援が目立つことです。 二三年度予算には、往時より減少したとはいえ、八百八十六億円の投資的経費が計上されています。多くは道路や橋梁、港湾、河川の維持管理、防災対策など必要な事業もありますが、橋梁部を含め、延長約八キロで約二千九百億円から約三千五百億円をはるかに超える事業費が見込まれる下関北九州道路や四百億円以上要する木屋川ダムかさ上げ事業など、不要不急の事業も含まれていました。 以上、三つの理由をもって、二三年度山口県歳入歳出諸決算に反対いたします。 次に、請願についてです。 請願第一号は、使用済核燃料中間貯蔵施設の上関町への建設に反対することを求めるものです。 使用済核燃料中間貯蔵施設について、中国電力は先月十四日、立地可能性調査に係るボーリング掘削作業を終えたと発表しました。その前日の十三日、知事は定例記者会見で、この中間貯蔵施設について、原発稼働で発生する使用済核燃料は、原発敷地内で貯蔵するのが基本的な考え、原発の建設を計画しながら、他の地域から使用済核燃料を受け入れることは負担として大きいという趣旨の発言をされました。 同月二十一日、建設予定地に近い柳井市平郡島の連合自治会は、初めて行った中間貯蔵施設の建設に関するアンケートで七二%が計画に反対の意思が示されたことを踏まえ、村岡知事に対し、中間貯蔵施設の建設に反対を表明するよう求める要望書を提出されました。 使用済核燃料を再利用する再処理工場も高速増殖炉の建設のめども立っておらず、核燃料サイクルが破綻しているのは明らかであり、原発に未来はありません。 請願の趣旨、知事の発言、予定地に近接する住民の民意を尊重し、本請願は採択されるべきです。議員各位に賛同を呼びかけます。 請願第三号は、県立新南陽高校いじめ重大事態に関する調査と処分を求めるものです。 今年八月に改訂された、いじめの重大事態の調査に関するガイドラインには、対象児童生徒、保護者への説明における基本的な姿勢として、一、調査の目的について理解を得るとともに、調査事項や調査組織の構成等について認識のすり合わせなどを行うことが円滑な調査の実施につながる、二、この事前説明は、一方的に説明をすれば足りるということではなく、対象児童生徒、保護者が何を求めているか、どういったところに疑問を持っているかなど真意をよく聞き取りつつ、調査の目的や調査方法、見通しなどについて丁寧に説明し、共通理解を図ることが必要である、三、事前説明を通じて信頼関係を築き、その関係を維持しながら調査を進めていくことが求められる、などとあります。 今後は、対象生徒の保護者の真意をよく聞き取り、信頼関係を築き、丁寧に説明を行いながら、第三者委員会での調査を開始することを要望します。 請願第四号は、特別支援学校の過大・過密、教室不足の解消を図るため、学校建設の国庫補助率の引上げを求めるものです。 県教委は、二〇二一年に総合支援学校の教室不足の解消に向けた集中取組計画を策定し、対策を進めていますが、同計画では、二〇一九年時点で七十五あった教室不足を二〇二四年度末に二十にするという不十分な計画です。 また、六十分を超える通学バス問題を指摘しましたが、総合支援学校を増やすことでしか、この問題は解決しません。 寄宿舎の問題も指摘しましたが、学校建設の国庫補助率の引上げは当然のものだと思います。難関校に進学する教育に力を入れるより、総合支援学校の整備にこそ力を傾注すべきです。 請願第六号は、子供たちに行き届いた教育を求めるもののうち、一、小中学校、高校での三十人以下学級の早期実現、二十人学級を展望して少人数学級をさらに前進する、二、複式学級の解消をさらに進める、三、正規の教職員を増やすよう国に要請する、四、特別教室や体育館にエアコンを設置することを求めるものです。 いじめ、不登校など子供たちの問題行動が増加している本県にとって、小中学校での三十人学級はとりわけ急がれています。 また、文教警察委員会の審査で、教育委員会は新設する下関西高附属中、岩国高附属中で三十人学級にする意向を示しました。せめて、県立高校を一学級三十五人以下にすることは当然の責務ではないでしょうか。 現在、小中高・支援学校で八十一人もの教員未配置があることは看過できず、採用教員を増やすことは急務です。 安全・安心な給食を無償で提供すること、複式学級を解消することも求められています。 特別教室や体育館へのエアコン設置も強い願いです。本会議で災害時に避難所として使われる体育館へのエアコン設置を要望しましたが、設置済みのほとんどが移動式のスポットクーラーであることが分かりました。体育館へのエアコン設置率は、県立高校一・六%、総合支援学校が〇・七%でした。猛暑と災害が激しくなりつつある今日、体育館へのエアコン設置を求めることは当然です。 以上の理由により、請願第三号、四号及び六号は採択されるべきものであり、不採択とした委員長報告に反対し、日本共産党県議団を代表しての討論といたします。(拍手) 議長(柳居俊学君)これをもって討論を終結をいたします。