1 元気創出!どこでもトークの成果と今後について 2 やまぐち農林漁業ステキ女子について 3 二地域居住の取組について 4 カーボンニュートラル施策の推進強化について 5 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第二十号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 福田吏江子さん。 〔福田吏江子さん登壇〕(拍手) 福田吏江子さん おはようございます。すずらんの会、福田吏江子です。一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 初めに、「元気創出!どこでもトーク」の成果と今後についてお尋ねいたします。 「元気創出!どこでもトーク」は、村岡知事が県内各地に出向かれて、地域の皆様や関係団体、関係企業の皆様から直接御意見を聞くという取組として長く続けられておられます。 私も令和五年八月に、出光興産株式会社徳山事業所大浦地区をお訪ねした「脱炭素化に向けたアンモニアサプライチェーンの構築」をテーマとした、現場でトークや、先月十一月に周南市の離島である大津島での「大津島の活性化に向けて」をテーマとした分野別懇談会に、地元周南市選出県議会議員として御案内を頂いたことから同行をさせていただきました。 特に、大津島での、どこでもトークは記憶に新しいことですが、大津島の皆様が、村岡知事が来島されることを心から喜ばれて歓迎されている様子を拝見し、現地に出向き、直接お会いすることの大切さを改めて感じました。 大津島は、徳山港から南西に約十キロメートルの瀬戸内海海上に位置しており、一日七往復運航されている定期船で行き来することができます。 十月末現在で、高齢化率七七%、人口百七十一名ですが、ここ数年は若い世帯の移住が増え、赤ちゃんの誕生が続いているという喜ばしいことも増えております。 当日は、島内視察や取組の紹介、昼食会、意見交換会という日程で進みましたが、特に取組紹介として発表いただいた生活支援サービスセンター「しまさぽ」の取組では、島民の皆さんが安心して暮らし続けるために、草刈りや庭木の剪定、灯油やお米などの重たい荷物を運ぶなど必要なサービス等を持続的に提供できる仕組み・体制を島民の方と島外に住む出身者の方が中心となって構築されており、島の方と島から離れた出身の方が団体をつくって活動していることは他に聞かない取組であると、知事が感心されていたことを強く印象に残っております。 また、昼食会では、私も島の皆様と一緒に島の特産品を生かしたお弁当を頂きながら、島の状況や暮らしの様子、お困り事など様々なお話をお伺いさせていただきました。 そして、記念撮影の際には、島民の方から応援しているよという温かいお声がけを頂き、大津島での暮らしがよりよくなるように私も頑張ってまいりたいと思いました。 このたびの、どこでもトークへの参加を通して、知事が現地を視察され、意見交換会などで丁寧に地域の皆様からの御要望やお気づきを聞かれて、それら御意見に対して真摯にお答えされ、受け止められたことは、とてもよい取組であると感じております。 また、さらに、当事者の皆様側から出た御意見を聞くことが、本取組の趣旨であると理解しておりますが、それにとどまらず、知事の政策や考えを直接お伝えし、例えば、離島振興のため、このような施策に取り組んでいるということをもっとお伝えをし、そのことについての御意見を聞くという視点も大事ではないかと考えます。 そこでお尋ねいたします。「元気創出!どこでもトーク」について、これまでどのような成果が得られたでしょうか。また今後、どのように取り組んでいかれるのでしょうか、御所見をお伺いいたします。 次に、やまぐち農林漁業ステキ女子についてお尋ねをいたします。 山口県では、農林水産業において、経営者・経営参画者として自身のステキ・スタイルを確立され、その魅力を多様に発信していける女性のことをステキ女子と呼び、きれいに、輝きながら、賢く、稼ぐ、女性農林漁業者のロールモデルとなるステキ女子の育成に取り組まれておられます。 私も、きれいに、輝きながら、賢く、稼ぐ、ステキ女子の皆様から学ばせていただきたいと考え、先日、周南農林水産事務所が主催された周南地域農業女子交流会に参加させていただき、県の事業であるステキ女子活躍推進補助金等を活用して、少しのアイデア、工夫によって生産性や効率性の向上が図られ、職場の環境改善につなげられたこと、さらに売上げが飛躍的に向上した事例を視察いたしました。 当日は、周南市のみならず周防大島町、光市、山口市から若手女性農業者の皆様が参加されており、周南市須金地区において、周南市の特産品である梨、ブドウの直売所の見学やトウガラシ栽培と加工所を見学いたしました。 参加者の皆様は、ステキ女子活躍推進補助金を活用して、どのように働きやすい環境づくりに取り組まれたかを実際に目の当たりにすることで、御自身の経営改善に役立てようと積極的に質問されていました。 このステキ女子活躍推進補助金は、農林漁業経営体の経営発展に向けた女性による新たな取組に活用できる補助金ですが、ソフト事業に対して補助率三分の一以内、下限が十万円、上限が百万円となっております。 しかしながら、このたびの交流会を通して、ソフト事業のみならず、食品加工所における調理器具などのハード事業や、補助事業費の下限を五万円に下げてほしいという御意見をお聞きいたしました。 特に、就農される女性で加工に取り組みたいという意見が多い中で、加工所での調理器具は比較的高価で、作業効率にも影響するため、補助金の内容に含めてほしいというお話をお聞きいたしました。 実際に、見学会の場でも現在使われている調理器具より、もっと一度に大量に作れる調理器具のサイズに変えたいが、何十万とすることから難しい状況であること、一度の作業量が上がることで効率性や生産性が向上し、自分も休みを取ることができるという実情もお聞きしました。 補助金の在り方については、活用されている当事者や現場のお声を聞きながら、柔軟な制度運用となるよう要望いたしますとともに、引き続きステキ女子を育成する取組の強化に力を入れていただきたいと考えます。 女性農林漁業者のロールモデルとなるステキ女子の皆様が、この山口県でさらに御自身の能力を発揮され、農林水産業における経営の発展に向けて取り組みやすくなることを願います。 そこでお尋ねいたします。山口県内における農林漁業の魅力アップを図り、高齢化が進む農山漁村への若い世代の定着を目指す、やまぐち農林漁業ステキ女子の育成にどのように取り組まれていかれるか、御所見をお伺いいたします。 次に、二地域居住の取組についてお尋ねいたします。 二地域居住とは、国土交通省において、主な生活拠点とは別の特定の地域に生活拠点を設ける暮らし方と定義されて、これまで地方への人の流れを創出・拡大する手段として促進されてきました。 この二地域居住の制度について、このような関係人口の拡大、地域の担い手の創出という視点のみならず、災害時の避難先として、被災者のその後の生活再建の選択肢となるという視点も含めて、災害が比較的少ない山口県の強みを生かす二地域居住の取組を検討できないかと考えました。 そのきっかけは、能登半島地震で、余震が続く中での避難生活と生活再建の困難な状況が報道されている中で、ある被災者の方が言われた「地震と豪雨災害と二度の災害に襲われ、もう地元に住めないのかと心が折れそうになる中で、ふだんからの関わり、地域住民との交流がある他の居場所があると、居住地が被災したときも避難先として安心に思う」という言葉が印象に残ったことです。 国土交通省の移住・二地域居住等促進専門委員会の中間取りまとめ(二○二四年一月)の中で、二地域居住先等が災害時の避難先としてある仕組みづくりについて示されております。 これは、二地域居住先が円滑な避難先となることや、関わりを持つ地域への支援など、災害時の支え合いの基盤となるという考えです。 あわせて、二地域居住等による支え合いという役割の周知や、二地域居住等受入れを進める自治体における仕組みづくりや情報発信が必要ということも示されております。 どこでもトークで事例紹介された周南市大津島での「しまさぽ」の取組も、島内と島外地域の方が一緒になって、地域の維持や活性化、関係人口の創出や拡大、地域経済の活性化、災害時の支え合いの基盤づくりといった効果を生む二地域居住の一つの形とも言えるのではないでしょうか。 また、中間取りまとめで紹介されている鳥取県智頭町の疎開保険の取組は、災害時にストレスの多い被災地から疎開する宿泊場所を食事とともに提供するもので、災害がない年の場合は、智頭町自慢のお米や野菜などの特産品をお届けし、また、智頭町内での民泊やアクティビティーが体験できるものとなっており、災害支援を切り口とする地域間交流、物流による地域おこしとして成果を出されています。 そこでお尋ねいたします。県として、二地域居住の促進について、どのように考えているでしょうか。また、県による二地域居住に係る事項を内容に含む広域的地域活性化基盤整備計画の策定について、どのようにお考えでしょうか。御所見をお伺いいたします。 次に、カーボンニュートラル施策の推進強化についてです。 まず、(一)徳山下松港港湾計画の見直しについてお尋ねいたします。 徳山下松港港湾計画は、平成二十六年三月に改訂され、平成四十年代前半を目標年次としております。 現在、改訂から十年経過いたしましたが、その間、社会的背景として大きく変化したことは、カーボンニュートラルの出現であると思います。 前回の改訂後に起こった新たな転換を受けて、既定の港湾計画においてもカーボンニュートラルの影響による見直しが必要なこともあるのではないだろうかと考えました。 例えばですが、港湾統計年報を基に県が作成した徳山下松港バイオマス取扱量の推移を見ますと、平成三十年十六万トンであったバイオマス取扱量は、令和四年に百二十七万トンになっているなど、カーボンニュートラルに向けた取組の広がりは着実に出てきていることは御承知のとおりと思います。 県の徳山下松港港湾脱炭素化推進計画には、徳山下松港が引き続き石炭供給拠点としての役割を果たすことと併せて、需要が急増するバイオマスの供給体制の整備や、将来的に需要拡大が予想される水素、アンモニア等の次世代エネルギーの供給体制の構築に向けた取組など、西日本エリアの次世代エネルギー供給拠点港として、背後企業の国際競争力の維持・強化を支えるとともに、背後圏と一体となった徳山下松港のさらなる発展を目指すと示されております。 その中で、港湾脱炭素化推進計画と港湾計画の整合を図るとともに、今後、取扱貨物量の急増や新たな貨物の取扱い等、状況が大きく変化した場合には、必要に応じて港湾計画の見直しを行うこととしているとお示しされていること、さらに令和五年三月に改定された山口県地球温暖化対策実行計画等や関連各企業等が策定される脱炭素化に向けた計画と整合を図っていく必要があることも併せて示されております。 そこでお尋ねいたします。カーボンニュートラル施策が推進される中で、今後の徳山下松港港湾計画の見直しについては、どのようにお考えでしょうか。御所見をお伺いいたします。 (二)の徳山下松港の新たな用地の確保についてです。 近年、バイオマスなど取扱貨物量の増加から、徳山地区晴海埠頭では船舶の滞船──滞る船と書き、船を港湾などに停泊させることを指しますが、その滞船が特に著しい状況にあります。 このことは、令和六年三月に策定された県の徳山下松港港湾脱炭素化推進計画の中にも記載されており、取扱貨物量の増加に伴い、慢性的な船舶の滞船や横持ち輸送が発生しており、物流コスト及びCO2排出量の増加につながっているため、港湾施設・機能の拡充による物流の円滑化によるCO2排出量の削減が課題となっていると述べられているとおりです。 周南市が、独自に調査した数値では、滞船の時間が二○二三年でおよそ五千時間、二○二四年には、さらに滞船が増加する見込みと聞いております。 このままでは、荷主にとって生産性も低く、他の港へと船が逃げてしまう可能性もあり、将来的な損失は計り知れない状況なのだと考えます。これは、徳山下松港特有の問題であるともお聞きしております。 特に最近は、労働者不足から夜通し作業ができる状況ではないこと、晴海埠頭は公共バースなので、いろいろな貨物の種類がある中で、先に到着した船舶から泊まり、それぞれの船がそれぞれのタイミングで入ってくること、これらに対応するバースとヤードが足らないことなど、様々な要因が重なって滞船という事象として表面化しているのだとお聞きしました。 既に、バースとヤードが不足してきていることを考えますと、将来カーボンニュートラルを進めるに当たっては深刻な用地不足に陥るのだと思っております。 このことにつきましては、整備に大変な時間を要することからも、このたびは(二)として通告をしておりましたが、質問ではなく要望に変えさせていただき、現在の港湾計画に沿った港湾整備と埋立てが、計画的に着実に推進されることを要望としてお願いさせていただきます。よろしくお願いいたします。 次の質問に入ります。 最後に(三)菅野ダムの運用高度化についてお尋ねいたします。 工業用水の確保については、六月定例会一般質問においても質問させていただきましたが、周南地域における工業用水の節水は企業活動に影響する大きな課題と認識していることからも再度質問いたします。 周南市に位置する菅野ダムは、利水容量が九千百二十万立方メートルで、十一月十九日現在での貯水量は八千八十四万六千二百立方メートル、貯水率八八・六%となっております。 しかしながら、洪水期の六月十五日から九月三十日の間は、利水容量を七千四百二十万立方メートルに制限されております。 この時期は、特にユーザー企業の自主節水が開始されやすい状況にあると認識しております。 そして、利水容量の引下げは、治水の観点から台風や大雨に備えての対策として必要なことであるということも理解しているところです。 しかしながら、複数のユーザー企業の方に工業用水の自主節水についてお話をお聞きする中で、「周南地域は、すぐに節水になるが、近年、気象予測の精度も上がってきており、台風なども前もって分かることから、水がたまったら放流してすぐに水位を落とすのではなく、AIなどを駆使して、できるだけ水位を高くできないでしょうか、運用の見直しを検討いただきたい」という御意見を頂きました。 このことについて、どのような解決方法があるだろうかと私なりに調べてみましたところ、国土交通省の、ダム運用高度化による流域治水能力向上と再生可能エネルギー増強の加速化プロジェクトにおいて、長時間降雨予測と流入量予測に高度技術を導入するダムの運用高度化により治水機能の強化や水力発電の増電を図るハイブリッドダム施策の社会実装の加速化への提案がなされていることを知りました。 このプロジェクトの報告書によりますと、アンサンブル気象予測技術を利用することで、平常時は利水容量の水位を高く維持する弾力的な管理を行い、洪水予測時には、ダム流域への正確な流入量予測などから貯留容量を最大化する事前放流を数日から一週間程度前から実現することができるとあります。 このことは、治水にとっても利水にとっても、より効果的な管理ができると考えます。 このプロジェクトの考え方に基づいて、現行の洪水期における貯水量制限の見直しと工業用水の安定供給への柔軟な運用を検討できないかと考えました。 カーボンニュートラル社会を見据えた工業用水確保にも資する菅野ダム運用高度化を求めたいと考えます。御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問といたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)福田議員の御質問のうち、私からは、「元気創出!どこでもトーク」の成果と今後についてのお尋ねにお答えします。 本県は、人口減少、少子高齢化に伴う人手不足や、中山間地域における生活機能の維持・確保、またデジタル化、脱炭素化への対応など、県政の各分野で様々な課題に直面しています。 これに的確に対応し、その解決を図っていくためには、現場の課題やニーズ等をしっかりと把握をし、それを県の施策に反映させながら県づくりを進めることが重要です。 そのため、私は、知事に就任して以降、毎年、「元気創出!どこでもトーク」を開催し、各地域・各分野で活躍されている方々との意見交換を通じて、現場が抱える課題や御提案を伺ってきたところです。 具体的には、県政運営の指針である、やまぐち未来維新プランの策定等に際しては、県内八地域で、どこでもトークを開催し、県づくりのビジョンに係る私自身の考えを説明しながら、今後の施策展開に係る意見や県への期待を伺いました。 また、農林漁業や子育て支援等の関連行事に併せて、関係の皆様から御意見を伺う分野別の、どこでもトークも開催をしており、先日は離島訪問に併せ、地元市長も交えて、島民の皆様と、島の課題や振興策について意見交換を行ったところです。 加えて、昨年度からは、県が取り組むプロジェクトに関連する現場に赴き、現地の状況の視察や体験等とともに、関係者の皆様と意見を交わす、現場でトークも実施しています。 このように様々な形で開催をしている、どこでもトークで伺った御意見・御提案については、県が実施する様々な取組へと生かしています。 現場でトークを例に挙げますと、コンビナートの脱炭素化をテーマとした際に、企業から伺った課題については、国に要望した結果、速やかな対応が図られましたし、アウトドアツーリズムの推進に関しては、地域の新たなコンテンツづくりへつながるなどの成果が出ているところです。 私は、各地域・各分野の現場を重視するとの考えの下、今後も継続して「元気創出!どこでもトーク」を開催し、私自身の考えを丁寧に説明しながら、現場の声をしっかりと伺い、それを取組に反映させる形で県づくりを前に進めていきます。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)大田農林水産部長。 〔農林水産部長 大田淳夫君登壇〕 農林水産部長(大田淳夫君)やまぐち農林漁業ステキ女子についてのお尋ねにお答えします。 農山漁村女性が、農林水産業の成長や地域の活性化を牽引していくためには、若い世代の定着を図り、女性にとって働きやすく、暮らしやすい環境を整備するなど、女性のさらなる活躍を推進することが重要です。 このため県では、経営発展に向けた実践活動に取り組む若手女性農林漁業者を、やまぐち農林漁業ステキ女子として登録し、女性が働きやすい環境の整備や、ステキ女子を応援する体制づくり、女性のアイデアを生かした新たな実践活動などを支援しているところです。 まず、女性が働きやすい環境の整備については、経営者であるステキ女子からの要望が多かった、自ら出荷調整や価格設定ができる産直ECサイトの活用セミナーを開催するほか、専門家の派遣などを行っています。 また、法人等で雇用された女性従業員が働きやすくなるよう、家庭に配慮した勤務時間の見直しや、女性用の更衣室、トイレの設置などを支援しています。 次に、ステキ女子を応援する体制づくりとして、アイデアや経験等を学び合う交流会を通じたネットワークの構築や、企業等と連携したマルシェの開催、女性農林漁業者が活躍する動画配信などの広報に取り組んでいます。 さらに、女子会などで出された意見を踏まえ、運用を行ってきた、お示しのステキ女子活躍推進補助金については、これまでに延べ三十一経営体が利用しており、女性の実践活動を支援するため、引き続き活用を推進していきます。 県としては、今後とも、女性が働きたくなる魅力ある農林水産業の実現に向け、高齢化の進む農山漁村への若い世代の定着を図る、やまぐち農林漁業ステキ女子の育成に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)永富総合企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)二地域居住の取組についてのお尋ねにお答えします。 都市部の若者を中心とする地方移住への関心の高まりや、テレワークによる新しい働き方の普及などを背景に、都市と地方のそれぞれに生活の拠点を設ける二地域居住が注目されています。 二地域居住は、地方にとっても、地域の担い手の確保や空き家の解消、さらには、新たな発想を取り入れたビジネスの創出など、地域の課題解決や地域経済の活性化に資するとともに、将来の移住につながることも期待できるところです。 現在、県では、関係人口の創出に向けた取組を積極的に進めていることから、これを着実に進めることを通じて、本県への二地域居住の促進も図っていくこととしたいと考えています。 具体的な取組として、まず、情報発信については、県内には二地域居住者の活動拠点ともなる魅力あるコワーキングスペースや、テレワーク・ワーケーション施設が各地域にあることから、引き続き本県の専用サイトを通じて、施設の積極的なPRを行っていきます。 また今後、本県の暮らしの魅力や地域資源等を活用して、都市部の住民と地域の継続的な関係を創出することにも取り組んでいきたいと考えており、そうした取組を二地域居住の促進にも生かしていきます。 さらに、国において、二地域居住の促進に向け、地域との往来に必要な交通費の支援等、個人負担の軽減などについての検討が進められていることから、こうした施策の動向を市町とも共有しながら、必要な取組を検討してまいります。 お尋ねの広域的地域活性化基盤整備計画の策定については、市町が定める特定居住推進計画と調整しながら策定することが必要となることから、二地域居住促進に係る市町の意向を踏まえて対応を検討したいと考えています。 議長(柳居俊学君)大江土木建築部長。 〔土木建築部長 大江真弘君登壇〕 土木建築部長(大江真弘君)カーボンニュートラル施策の推進強化についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、徳山下松港港湾計画の見直しについてです。 港湾計画は、港湾の開発、利用及び保全を行うに当たっての指針となる計画で、おおむね十五年後の港湾の姿を見据え、必要となる港湾施設の規模や配置等について、港湾管理者が港ごとに策定するものです。 現在の徳山下松港の港湾計画は、石炭バルク輸送船舶の大型化や、共同輸送に対応した物流機能の強化を図るため、岸壁や航路等の施設の整備に向けて、平成二十六年に改訂したものです。 県では、現在、この港湾計画に沿って、国際バルク戦略港湾施策により、当面のベースエネルギーである石炭に加え、取扱量が急増しているバイオマスにも対応した施設整備を進めているところです。 また、企業は、水素・アンモニアの活用等、さらなる脱炭素化に向けた取組を進めており、これらを踏まえ、県としても、港湾脱炭素化推進計画と現行の港湾計画との整合を図りながら、必要となる港湾施設の整備について検討を行うなど、脱炭素化に向けて取り組んでいくこととしています。 県としては、脱炭素化に向けた技術の進展を踏まえた企業の取組の具体化や、取扱貨物の変化等の動向を注視し、今後、港湾計画の見直しが必要となった際には、適切に対応してまいります。 次に、菅野ダムの運用高度化についてです。 県では、流域住民の生命・財産を守り、地域産業の発展に資するため多目的ダムを整備し、ダム操作の基本原則を定める操作規則を作成した上で、これに基づき適切に運用しているところです。 お尋ねの、ダム運用高度化による流域治水能力向上と再生可能エネルギー増強の加速化プロジェクトにおいて、国は、降雨予測の精度向上と、降雨予測の不確実性のリスクを考慮したダム運用について課題があることから、徹底的に試行を重ねた上で、ダム運用高度化技術の開発や標準仕様の策定、ルールづくり、リスク管理手法などの検討・開発を進めるとされています。 ダムの運用高度化については、ダムの有するポテンシャルの最大限の活用が図られ、流域全体の治水機能の向上や、カーボンニュートラル等の施策への貢献につながるとされており、県としては、菅野ダムへの適用について、国の動向等を注視しながら、企業局等とも連携し、その可能性について検討することとしています。