1 公共施設の窓口でのキャッシュレス決済の導入について 2 未来を見据えた農業振興と脱炭素化への取組について 3 宇部港の港湾機能の強化について 4 次世代モビリティサービスの推進について 5 台湾向けの観光プロモーションの成果と今後の展開について 6 横断歩道上の交通事故防止対策について 7 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(島田教明君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 日程第一号から第二十号まで 副議長(島田教明君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 高井智子さん。 〔高井智子さん登壇〕(拍手) 高井智子さん 自由民主党の高井智子です。通告に従い質問をさせていただきます。 最初に、公共施設窓口でのキャッシュレス決済の導入についてお伺いいたします。 師走に入り、寒さの本格化を迎えていますが、同時に、澄み渡る空気の中で美しく輝くイルミネーションを楽しむ季節も到来しています。 気温の低下と引換えに得られるこの特別な期間に、今年も山口市亀山公園や周南市御幸通りをはじめ、県内各地で様々なイベントが開催されています。 私の地元宇部市ときわ公園、新川地区においても、年明けまで、とてもきれいな景色を体感できますので、ぜひ多くの方々に御覧いただきたいと思います。 さて、こうした地域に活気をもたらすイベントは、年間を通じて、県内各地の公園や県立美術館・博物館といった県有施設でも多く開催されますが、支払い窓口などで生じる混雑や、事務に追われ奔走する職員さんを目にするたびに、にぎわいをうれしく思う反面、混雑から生じるお年寄りやお子さんの負担を軽くできないだろうか、もっと効率的に対応できないだろうかという思いに駆られます。 既に、デジタル化によって様々な工夫がされていることは承知しておりますが、こうした課題を解消できる手段の一つとして私が御提案したいものが、支払い窓口でのキャッシュレス決済の導入です。 昨年、経済産業省が示した資料によりますと、キャッシュレスを好んで利用したい国民層は、六七・六%に達していることに対して、行政機関の窓口でのクレジットカードやコード決済などのキャッシュレス決済の利用はいずれも一割にも満たない実態が明らかにされています。 一方で、コンビニでのコード決済の利用は七割以上であるとのデータと比較すると、公共施設でのキャッシュレスの導入を促進していく必要性を感じます。 もちろん、このデータは全国的な傾向であり、そのまま本県に当てはめることはできませんし、高齢者層をはじめ、現金払いを好まれる方々にも十分配慮が必要ですが、同省はキャッシュレス決済によってレジ業務に要する時間を現金より三五%短縮できるとの見立ても示しており、利用者の利便性向上と業務の効率化が実現できる取組だと考えます。 また、ポイント還元サービスが社会全体に浸透している現状を踏まえますと、公共施設の利用促進にもつながるのではないでしょうか。 キャッシュレス決済の導入には、機器の設置や手数料の発生、通信手段の確保など様々な課題があるため、これまで窓口への導入が一部の施設に限られていたものと認識していますが、今後、デジタル社会の進展により利用者のニーズがさらに高まると考えます。 また、レジ業務等の効率化で余った労力をほかのサービスの向上にもつなげられますし、深刻化する人手不足への対応策としても有効と考えられることから、県有施設窓口における使用料や入館料などの支払いについて、キャッシュレス決済の導入をさらに進めていただきたいと思うのです。 県内市町が有する公共施設窓口でも、キャッシュレス決済の導入は、一定程度取り組まれていますが、一部の市町では対応に苦慮しておられ、ノウハウや人員不足だという声も届いておりますので、県有施設において率先して導入を進め、市町に横展開する形で進めていただけると大変心強く思います。 そこでお尋ねいたします。使用料や入館料などの支払いが生じる公共施設の窓口におけるキャッシュレス決済の導入について、今後どのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、未来を見据えた農業振興と脱炭素化への取組についてお伺いいたします。 現在、地球温暖化や気候変動の影響が深刻化しており、農林水産業分野でも、これらへの対応が求められています。 本県では、バイオマスエネルギーや再生可能エネルギーの活用を通じて、温室効果ガスの削減に努めていると承知しておりますが、農業、林業の現場における具体的な脱炭素化の取組を一層加速させる必要があります。 例えば、堆肥やバイオガスの生産を通じた資源循環型農業の推進、森林のCO2吸収能力を高めるための適切な管理、漁業における低燃費型船舶の普及などが考えられます。 また、二○二五年三月に施行されるヘンプの法改正は、日本の農業と地域産業に新たな可能性を開く大きな起点となるのではと期待をしております。 ヘンプとは、中毒性の低い産業用大麻のことですが、古来より神社のしめ縄や神職の装束などに使われてきました。 成長が早く、土壌改良効果や環境負荷の少ない作物として知られており、持続可能な農業の実現に寄与する重要な資源です。 ここでは、ヘンプ栽培の主なメリットと、これからの農業の可能性について御紹介させていただきます。 まず、ヘンプ栽培の大きなメリットとして多用途性が挙げられます。ヘンプは、繊維、種子、茎の全てが利用可能であり、衣料品、建材、バイオプラスチック、食品など幅広い産業分野で需要があります。 また、成長過程で大量の二酸化炭素を吸収するため、グリーンカーボンニュートラルとして環境保全にも貢献します。 農薬や化学肥料をほとんど必要とせず、害虫にも強いため、環境負荷が少ないことも大きな特徴です。さらに、土壌を浄化する効果があり、休耕地や汚染地の再生にも活用できます。 次に、地域経済の活性化が期待されます。ヘンプ産業は、農業だけでなく、製造業や流通業を巻き込む形で雇用を創出します。特に、農村地域における新たな収益源として注目されており、若い世代の農業参入を促す可能性もあります。 ヘンプシードやオイルは、健康食品として市場での需要が拡大しており、高付加価値商品として輸出も期待されています。 これからの農業において、ヘンプは循環型農業の中心的な存在となる可能性があります。例えば、ヘンプを栽培することで出る副産物をバイオマス燃料として活用し、資源を効率的に循環させるモデルが考えられます。 また、気候変動や人口減少といった農業の課題に対して、ヘンプ栽培は収益性を高めると同時に、持続可能な農業を実現する鍵となるでしょう。 一方で、規制と社会的認識の改善、適切な栽培技術の確立、流通インフラの整備といった課題も存在します。これらを乗り越えることで、ヘンプ産業は本県の農業と地域経済を活性化する可能性を秘めていると考えます。今後の施行に向けて、農業者の声にしっかりと耳を傾け、現場の実情に即した柔軟な対応をお願いいたします。 そこでお尋ねいたします。これからの農業にヘンプなど新たな品目の導入が農業の活性化につながることが期待される中、山口県の未来を見据えた農業振興と脱炭素化への取組について、県の御所見をお聞かせください。 次に、宇部港の港湾機能の強化についてお伺いいたします。 宇部港は、山口県を代表する港湾の一つであり、二○一一年には徳山下松港とともに、国際バルク戦略港湾に選定されました。以来、国内外の物流拠点として、山口県内の産業を支える重要な役割を果たしてきました。特に、セメントや石炭といったバルク貨物の輸送を担い、県内外の経済活動に大きく寄与しています。また、企業誘致や雇用創出にも貢献するなど、地域経済に欠かせない存在であります。 しかしながら、近年の物流環境の変化により、宇部港を取り巻く状況は大きく変わりつつあります。 まず、船舶の大型化が進む中で、宇部港の既存施設がこれに十分対応しているかが課題となっています。先般、国際バルク戦略港湾施策の一環で航路を整備していただいたところですが、今後も船舶の大型化を見据え、宇部港の港湾計画に基づき、引き続き施設整備を行っていく必要があると考えます。 また、国際的な港湾間競争も激化しています。近隣諸国を含むほかの港湾に対する競争力を維持し、さらに向上させるためには、港湾コストの低減や効率的な物流ネットワークの構築に取り組んでいくことが必要不可欠です。 宇部港の背後地域に存在する企業群の特性や、宇部港が国際バルク戦略港湾として選定されてきた意義も踏まえつつ、県として積極的に取組を進めていただきたいと思います。 なお、取扱貨物量を増加させることが、港湾コストの低減にもつながるため、新たな貨物需要を創出する企業誘致にもしっかり取り組んでいただくよう、併せて要望いたします。 加えて、脱炭素社会の実現に向けた取組も求められています。 二○五○年カーボンニュートラルの実現に向け、港湾においても温室効果ガスの削減や再生可能エネルギーの導入が求められています。 現在、宇部港においても、港湾脱炭素化推進計画の策定が進められていますが、港湾関係事業者との協働の下、実効性のある計画にしていく必要があります。 宇部港の機能強化は、山口県全体の経済活性化にも直結します。 先ほども申し上げましたように、課題は山積していますが、国や地元自治体、民間企業と連携しながら、問題解決に取り組み、宇部港を将来にわたり企業の国際競争力の強化に資する港湾として発展させていただきたいと思うのです。 そこでお尋ねいたします。宇部地域の企業の競争力の強化、また、本県経済の活性化につながる宇部港の港湾機能の強化に向け、県として今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、次世代モビリティーサービスの推進についてお伺いいたします。 令和四年六月議会の一般質問で取り上げさせていただきました、次世代モビリティーサービスの推進について二年が経過しました。 この間、アフターコロナの時代を迎え、ニューヨークタイムズでは山口市が二○二四年に行くべき五十二か所として紹介され、宇部市では、世界で最も長く続いている野外彫刻展としてギネス世界記録に認定され、国内外からの交流人口が増加傾向にあります。 また、人口減少や高齢化が進む中で、地域交通の維持や再構築が求められる一方、デジタル技術の進展やカーボンニュートラルへの取組を背景に、次世代モビリティーサービスの開発と実装が加速しております。 山口県においても、こうした時代の流れを的確に捉え、住民の利便性向上や観光振興、環境負荷の軽減を目的としたモビリティーサービスの推進が重要であることは言うまでもありません。 特に、地域の交通課題を解決するためのデマンド型交通サービスの導入や、自動運転技術を活用した新たな公共交通システムの構築、さらにはMaaS(Mobility as a Service)を活用した一元的な交通管理サービスの展開が期待されています。 こうした背景の下、先進的なデジタル技術の実装を目指すために、県では周南市等と連携して、自動運転EVバスのレベル四運行に向けた実証実験として、十一月から、徳山駅から徳山動物園間の片道約一・七キロの区間を循環する実証実験を行っておられます。 今回の運行では、自動運転のEVバスが時速二十キロ未満で走行し、運転手が乗り込む形でのレベル二で運行されていますが、来年度は運転手がいないレベル四の一部区間での実証運行を目指して、鋭意、取組が進められています。 そこで、この取組の成果や、課題として浮かび上がった点をしっかりと検証、測定し、本格的な導入に結びつけていただくとともに、こうした先進的な動きをそれぞれの地域の実情にも照らし合わせながら、全県に広げていただきたいと考えています。 あわせて、他県や国、民間企業とも連携を図り、他地域の成功事例や国の支援制度等も有効に活用しながら、交通業界を取り巻く利用者の減少や人手不足といった諸課題を解消するため、持続可能な地域公共交通の確立に向けた取組をしっかりと推し進めていくことも重要ではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。県は、次世代モビリティーサービスの普及に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、台湾向けの観光プロモーションの成果と今後の展開についてお伺いいたします。 山口県は、豊かな自然、美しい歴史的建造物、そして、魅力的な食文化を有し、多くの観光資源に恵まれています。 新型コロナウイルス感染症の影響がなくなり、インバウンド観光のさらなる拡大が期待される中、特に台湾からの観光客誘致が重要な課題と認識しております。 台湾は、山口県にとって地理的にも文化的にも比較的親和性が高く、持続可能な観光交流を構築できる可能性を秘めた重要な市場であります。そこで、県では昨年から台湾向けの観光プロモーションに特に注力いただいているところです。 さて、インバウンド観光が再び活発化する中、台湾市場において山口県の存在感をさらに高めるために、台湾からのアクセス拠点として重要な役割を担っている新山口駅やチャーター便が発着する山口宇部空港から観光地への周遊をスムーズにつなぐ仕組みがより一層の観光振興には欠かせないと考えます。 例えば、駅や空港から県内主要観光地等へのアクセスの向上や、地域ごとの観光ルートを組み込んだパッケージツアーの開発が挙げられます。こうした取組を通じて、観光客が山口県を効率的かつ快適に周遊できる環境を整えることが重要ではないでしょうか。 さらに、県内周遊の観光促進に向けては、台湾の旅行業界や交流先との連携強化が鍵となると考えます。 インフルエンサーによるSNSでの情報発信には既に取り組んでいただいているようにお聞きしておりますが、現地でのデジタル広告を活用した山口県の観光資源やグルメ等の魅力発信など、誘客につながる取組へのさらなる注力を期待しております。 台湾との観光交流は、単なる経済的効果にとどまらず、山口県と台湾の人々との文化的、人的なつながりを深め、互いの理解を促進する重要な手段でもあると認識いたしており、今後も取組を進めていく必要があると考えます。 そこでお尋ねいたします。これらの観点から、観光プロモーションの具体的な内容とその成果、そして今後の展開についてお伺いしたいと思います。 最後に、横断歩道上の交通事故防止対策についてお伺いいたします。 最も交通事故が多いとされる薄暮の時間帯が、部活や仕事帰りと重なり、自動車、自転車、歩行者等、それぞれが特に気をつけなければならない時期となりました。 県警察では、歩行者や自転車乗車時においては、夜間外出時の反射材着用やライトの点灯、自動車はハイビームを活用した走行を呼びかけておられますが、県の隅々にまで浸透するには至っておらず、さらなる周知とともに、県民の皆様には自らの命を守る行為であることを自覚し、お一人お一人が行動に移していただきたいところであります。 今年の交通事故による死者数は、十一月二十日時点で四十五人と、昨年同期の二十七人を既に大きく上回っており、深刻な事態となっています。 特に、信号機のない横断歩道での歩行者優先ルールが遵守されず、歩行者が危険にさらされる事故が後を絶ちません。 二○二四年に実施された、JAFによる、信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査では、山口県の停止率は昨年の四八・五%から五・六ポイント低下し、四二・九%となっており、全国平均五三・○%を下回る結果となっております。 現在、全国的に取り組まれている横断歩道ハンドサイン運動は、歩行者が手を上げることなどで横断の意思をドライバーに明確に伝え、歩行者優先の意識を促すとともに、ドライバーは歩行者に、お先にどうぞと合図することにより、互いに思いやりの心を育むという交通事故を防止する上で有効な取組です。 しかし、県内において、この取組が十分に浸透していないのは、広報活動や教育の面で今よりも改善の余地があるからではと考えます。 これまで以上に、交通安全教育においてハンドサインの実践を組み込む、さらには地域イベントやメディアを活用した幅広い世代を対象にキャンペーンを実施するなどの取組が有効かつ必要ではないでしょうか。 先日、先ほど述べた全国調査結果で、停止率が高い他県での取組を紹介した記事を目にしました。 そこでは、児童や生徒が横断歩道を渡る際、ハンドサインを送り、渡り終えたときにドライバーに向けておじぎをしているそうで、そんなほのぼのしたエピソードに心癒されるとともに、日本人が根底に持ち合わせている、相手に対する尊敬と感謝の心、思いやる心の教育がしっかりされていると感心した次第です。 本来なら、各家庭での教育ではありますが、学校教育としても、ぜひとも取り組んでいただきたいと感じました。 山口県が交通安全における模範地域となるためには、県民全体の意識向上と行政の積極的な取組が不可欠です。安心して横断歩道を渡ることができる環境を実現するために、行政と県民が一丸となって取り組む課題ではないかと考えております。 そこでお尋ねいたします。これまでの横断歩道ハンドサイン運動の成果、そして、今後、横断歩道上の交通事故を防止していくため、どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(島田教明君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)高井議員からの御質問のうち、私からは、台湾向けの観光プロモーションの成果と今後の展開についてのお尋ねにお答えします。 台湾は、本県のインバウンドにおいて、地理的にも文化的にも親和性が高く、アクセスのよさや訪日リピーターの多さからも重要な市場であり、このため、私は、台湾からの誘客拡大に向けた取組を重点的に進めています。 昨年は、台南市と、観光、物産、経済等に関する覚書を締結し、友好関係を深化させるとともに、現地の観光・物産関係者を本県のアンバサダーに任命するなど、新たなネットワークも構築したところです。 また、本年二月に、四年ぶりとなる台湾とのチャーター便が運航されたほか、やまぐち和牛燦の初輸出や、防府市所蔵の台湾画家、陳澄波の絵画の里帰り展示が実現するなど、各分野における交流促進が図られたところです。 さらに、アンバサダーの働きかけにより、下関海響マラソンへの台湾訪問団の参加をはじめ、台南市の経済団体による企業視察や県内団体との意見交換など、人的交流も活発に行われています。 私は、こうした成果を生かしながら、台湾との観光交流のさらなる拡大に向け、今後も戦略的な情報発信や快適な県内周遊の促進など、効果的な観光プロモーションを展開してまいります。 具体的には、まず、現地の旅行ニーズに精通した観光プロモーターと連携し、私自らによるトップセールスをはじめ、海外の旅行会社を招いた視察ツアーや商談会の開催などにより、本県の魅力的な観光資源を最大限に活用した旅行商品の造成を進めていきます。 また、台湾で知名度の高いインフルエンサーによる、本県の豊かな自然や歴史、多彩な食などのSNSでの情報発信や、旅行予約サイトと連携したターゲティング広告の実施により、旅行商品の周知や購入意欲の喚起を図ってまいります。 加えて、来年二月のチャーター便の運航に合わせ、県内各地を巡る旅行商品の造成を進めるとともに、山口宇部空港と新山口駅とを結ぶ乗合タクシーを運行するなど、観光地を効率的かつ快適に周遊できる取組を進めていきます。 私は、今後とも、県議会をはじめ、市町や関係団体と緊密に連携し、文化的、人的つながりを深めながら、効果的な観光プロモーションを展開することにより、台湾との観光交流の拡大に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(島田教明君)永富総合企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)公共施設の窓口でのキャッシュレス決済の導入についてのお尋ねにお答えします。 キャッシュレス決済は、行政機関や公共施設の窓口業務の効率化や事務負担の軽減とともに、利用者に多様な支払い手段を提供し、窓口での待ち時間の短縮など、行政サービスの利便性の向上につながる大切な取組だと考えています。 県では、これまで各種証明書等の電子申請にかかる手数料について、決済用アプリなどへの対応を進めているところですが、県有施設窓口での入館料や施設使用料のキャッシュレス化については、いまだ一部の施設に限られている状況です。 こうした状況も踏まえて、デジタルを活用して、業務の効率化等を目指す、やまぐちワークスタイルシフトの取組を進める中で、若手職員からも窓口でのキャッシュレス化の推進について提案があったところです。 このため、現在、キャッシュレス決済の導入に向け、庁内にワーキンググループを設置し、お示しのあった決済端末の導入費用や決済手数料等の運用コスト、また、現金払いを希望する方への対応など、様々な課題を洗い出しながら検討を進めています。 今後、各窓口における利用状況や費用対効果も踏まえ、キャッシュレスを導入する施設や、決済端末の選択、スケジュールなどについて具体的な検討を進め、できるだけ早期に実装が図られるよう取り組んでいきたいと考えています。 また、市町のキャッシュレス化の推進についても後押しをしてまいります。 今年度、事業者と連携し、決済端末や公共施設での導入事例の紹介を行うセミナーを開催したほか、「Y─BASE」における相談対応なども行ってきたところです。 今後は、こうした取組に加え、県と市町で構成するデジタル・ガバメント構築に向けた連携会議で、市町の導入検討の契機となるよう、県の取組状況なども含め、積極的に情報提供を行うなどし、県・市町全体でキャッシュレス化の推進が図られるよう取り組んでいきたいと考えています。 県としては、公共施設における業務の効率化・省力化、施設を利用する県民の皆様の利便性の一層の向上が図られるよう、公共施設窓口におけるキャッシュレス決済の導入に積極的に取り組んでまいります。 副議長(島田教明君)大田農林水産部長。 〔農林水産部長 大田淳夫君登壇〕 農林水産部長(大田淳夫君)未来を見据えた農業振興と脱炭素化への取組についてのお尋ねにお答えします。 世界的な気候変動や自然災害の頻発化・激甚化など、農業を取り巻く環境が厳しさを増す中、国においては持続可能な食料供給基盤の構築に向けて、みどりの食料システム戦略を策定し、農林水産業の生産力向上と環境負荷低減の両立が推進されているところです。 こうした中、本県においても、昨年策定した、やまぐち農林水産業振興計画において、実需者のニーズに対応した生産拡大と脱炭素化等による地球温暖化防止対策に、より一層取り組むこととしています。 まず、実需者のニーズに対応した生産拡大については、加工・業務用キャベツなど、安定した価格が見込める園芸品目の低コスト・省力化技術の導入を推進するとともに、薬草などの新たな品目や水稲の高温耐性品種等の導入に向けた試験栽培を引き続き実施します。 また、地域の活性化に向け、新たな品目を導入する場合には、農林水産事務所が市町や関係団体と連携し、栽培実証等を通じた現地での産地化に取り組むこととしています。 次に、地球温暖化防止対策については、農地への炭素貯留効果がある堆肥散布の拡大や、化学農薬、化学肥料の使用量を低減した栽培体系への転換を推進し、農業の自然循環機能の増進を図ります。 お示しのヘンプは、草丈が一年で三メートルに達するなど、生育が旺盛な作物で、大量の二酸化炭素が吸収でき、令和三年末では全国十県で二十七名による栽培が行われ、しめ縄など主に繊維として使用されています。 本県でのヘンプ栽培は行われておらず、種子の確保が困難であることや、栽培中の盗難防止策が義務づけられていることなどの課題があることから、まずは、具体的な対応に係る国の動向を注視してまいります。 県としては、今後とも市町や関係団体と緊密に連携し、現場の実情に即して、新たな品目導入による地域の活性化や脱炭素化による温暖化防止を進めることで、未来を見据えた農業振興に積極的に取り組んでまいります。 副議長(島田教明君)大江土木建築部長。 〔土木建築部長 大江真弘君登壇〕 土木建築部長(大江真弘君)宇部港の港湾機能の強化についてのお尋ねにお答えします。 宇部港は、背後の化学工業を中心とした臨海工業地帯を支える重要な港湾であることから、お示しの港湾コストの低減や効率的な物流ネットワークを構築するため、県では、船舶の大型化などに対応した港湾整備を進めていくこととしています。 具体的には、徳山下松港とともに、国際バルク戦略港湾として、石炭やバイオマスの一括大量輸送による物流コストの削減に資する施設整備に取り組んでいるところです。 これまでに、本港地区の航路・泊地しゅんせつを終え、大型船舶の入港が可能となったことから、今後、共同輸送による徳山下松港との一層の連携強化が図られることが期待されます。 また、東見初地区における泊地整備や、沖の山地区における岸壁改良を引き続き進めていくとともに、芝中地区における荷役機械の更新の検討を行うなど、施設の機能強化等を計画的に推進していくこととしています。 さらに、ソフト面では、定期コンテナ航路の維持・拡大や、背後企業の競争力強化を図るため、港湾施設使用料等の減免措置や、船会社及び県内企業向けのポートセールスなどの取組を行っています。 こうした取組に加え、近年、脱炭素化の潮流が加速する中、宇部・山陽小野田地域コンビナート企業連携検討会議において、脱炭素化に向けた検討が開始されたことを受け、本年三月に宇部港港湾脱炭素化推進協議会を設立し、カーボンニュートラルポート形成に向けた検討を進めています。 協議会では、これまで、エネルギー供給拠点港としての実績などの強みを背景に、関係企業より様々な提案等がなされており、今後、宇部港における脱炭素化に向けた目標や事業等について協議・調整を図った上で、来年度を目途に港湾脱炭素化推進計画を策定する予定です。 県としては、脱炭素化を契機に変化する企業の動向を的確に捉え、今後ともハード・ソフト両面から、地域企業の国際競争力強化や産業振興に資する宇部港の港湾機能の強化に、国や地元自治体、関係企業と連携しながら、積極的に取り組んでまいります。 副議長(島田教明君)道免観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 道免憲司君登壇〕 観光スポーツ文化部長(道免憲司君)次世代モビリティーサービスの推進についてのお尋ねにお答えします。 人口減少や高齢化が進む中、地域住民や観光客の移動手段を確保し、利便性の向上を図るためには、デジタル技術を活用した次世代モビリティーサービスの導入を推進していく必要があります。 このため、県では、市町や事業者と連携し、利用者の予約に応じて運行するデマンド型交通サービスや自動運転技術の導入、MaaSを活用した効率的な移動手段の確保などに取り組んでいるところです。 具体的には、まず、AIデマンド交通など、デジタル技術を活用した新たなモビリティーサービスの導入を目指す市町に対し、ノウハウを有する専門家を派遣し、全国の先進事例を踏まえた助言や国の補助制度の活用など、実装を見据えた支援を行っています。 また、お示しの周南市の自動運転EVバスの実証では、これまでに延べ二千人以上の地域住民等に乗車いただいており、運行データを蓄積するとともに、利用者アンケートにより利便性向上に向けた意見などを収集し、これらを今後の社会実装に向けた取組改善に活用してまいります。 さらに、今後、市町や交通事業者等を対象に、AIデマンド交通などの先進的な取組や、自動運転バスの実証で得られた成果などに関するセミナーを開催し、各地域の実情に即した形で全県に広がるよう取り組んでまいります。 こうした取組に加え、本年八月には、県内二空港の二次交通情報と航空会社のMaaSを連携し、航空機の利用客が、事前にバスのデジタルチケットの購入やタクシーの予約ができるサービスを提供することにより、シームレスに効率よく移動できる環境を整備したところであり、引き続き、利用促進を図ってまいります。 県としては、今後とも市町や交通事業者等と緊密に連携し、利便性が高く持続可能な地域公共交通が確立できるよう、次世代モビリティーサービスの普及に積極的に取り組んでまいります。 副議長(島田教明君)岩瀬警務部長。 〔警務部長 岩瀬広紀君登壇〕 警務部長(岩瀬広紀君)横断歩道ハンドサイン運動の成果と横断歩道上の交通事故防止対策についてお答えいたします。 本年十一月末現在の交通事故死者数は、前年同期に比べ二十人多い四十八人で、このうち横断歩道上で六人の方が亡くなられており、その半数が信号機のない横断歩道上です。 こうした横断歩道上での交通事故を防止するため、県警察では、交通安全教育、広報啓発や交通指導取締り等により、横断歩道における歩行者優先の徹底を図っており、また、山口県では、令和四年七月から横断歩道ハンドサイン運動を推進しているところです。 県警察では、この運動が広く県民に浸透するよう、各年代に対する交通安全教育をはじめ、各季の交通安全運動や毎月五日の運動推進日等において、キャンペーン活動等に取り組んでいます。 その結果、JAFが調査しています、信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止率は、運動開始前の令和三年と比べ一○ポイント以上増加しています。 しかしながら、議員御指摘のとおり、本年のJAFによる調査では、停止率が前回調査から下がり、全国平均を下回ったほか、依然として横断歩道上で交通事故が発生するなど、歩行者優先ルールの徹底がいまだ浸透していない状況です。 このため県警察では、運転者の安全運転意識の向上による歩行者保護の徹底を図り、歩行者にも自らの安全を守るための交通行動を促すことが重要と考え、歩行者優先と正しい横断の徹底に向けた取組の強化を進めております。 まず、運転者に対しては、事業所等における交通安全教育や運転免許証の更新時講習において、横断歩道ハンドサイン運動の周知を含め、交通事故の実態や歩行者を保護するための運転者の義務について再認識していただくよう教育内容のさらなる充実を図ります。 あわせて、各種メディアやSNS等のあらゆる広報媒体を活用して、交通安全に資する動画等を発信するほか、地域のイベント等に積極的に参加するなど効果的な広報啓発活動に努めてまいります。 また、交通指導取締りも重要であることから、引き続き横断歩行者の多い通学路や生活道路等を中心に集中的な取締りを実施するなど、歩行者の安全確保に努めてまいります。 一方、歩行者に対しては、歩行者としての基本的な交通ルールの周知に加え、自らの安全を守るための交通行動として、手を上げる、運転手に顔を向けるなどして、横断する意思を明確に伝えることを促す教育のほか、学校等の教育の場では、保護者の参加を呼びかけ、親子で安全な行動について考えてもらうなど、より効果的な交通安全教育に努めてまいります。 県警察といたしましては、これらの取組を継続・強化し、歩行者の安全確保及び運転者による歩行者優先意識の高揚を図り、横断歩道上の交通事故を防止してまいります。