討論
議長(柳居俊学君)高井智子さん。 〔高井智子さん登壇〕(拍手) 高井智子さん 自由民主党の高井智子です。自由民主党会派を代表いたしまして、賛成討論を行います。 まず、議案第一号、令和六年度一般会計補正予算のうち、豪雨災害関連事業についてです。 今夏、本県で発生した豪雨災害では、人命は守られたものの公共土木施設などに県民生活に関わる大きな被害がもたらされました。県におかれましては、災害発生時から関係機関等と連携し、迅速な対応に努めていただき、改めて感謝申し上げます。 補正予算成立後は、まずは被災地域のため、復旧に向け全力を傾けていただくとともに、被災世帯の生活に寄り添った支援策を講じられるようお願いいたします。 こうした自然災害は、近年では毎年のように全国各地でその爪痕を残しています。 八月には、気象庁から初めて南海トラフ地震臨時情報が発表され、日本中に緊張が走りました。 また、年明けに大地震に見舞われた石川県能登半島地方では、ようやく復興へと歩み出された中、一年もたたず、今度は大雨によって貴い人命が奪われる甚大な災害が発生し、改めて自然の非情さ、恐ろしさを思い知らされました。 お亡くなりになられました方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。 こうして頻発化・激甚化する自然災害から県民の生命・財産を守り抜くためには、防災・減災対策の継続的かつ安定的な実施が何より必要です。 県におかれましては、このたびの補正予算もしっかりと活用し、県土全体にわたる強靱な県づくりをさらに前進されるとともに、県民一人一人が命を守る適切な避難行動を選択できるよう、地域防災力の向上に向けた取組についても着実に推進されるようお願いいたします。 次に、ツキノワグマ保護管理対策事業です。 自然災害の頻発化・激甚化の要因と言われる地球温暖化は、身近な自然環境を徐々に変化させ、私たちの生活に負の影響を及ぼしており、最近のツキノワグマが頻出する事態もその現れであると考えられます。 岩国市や周南市では、ツキノワグマによる人身被害が発生し、全国では熊による死亡事案もあり、住民生活に大きな不安が広がっており、早急な対策が必要です。 このたび計上されたツキノワグマの対策事業は、まさに急がれる事業であり、予算成立後は早期執行に努めていただき、住民の不安解消に向けて取組を進められますようお願いいたします。 次に、公共交通燃料価格高騰対策支援事業です。 国際情勢の不安定さに端を発する燃料価格高騰は、長らく県民の家計を苦しめ、事業活動にも深刻なダメージを与え続けています。 県には、これまでも国の経済対策を活用した物価高騰対策を講じていただいており、企業においても事業継続に向け懸命に努力をされておられますが、価格高騰の長期化は企業経営の体力を奪い続けています。 とりわけ燃料を多く使用するフェリー事業者が受け続けているダメージは甚大で、我が会派に寄せられた窮状を訴える切実な声を内航フェリー推進議連を通じて知事に届けました。 知事には、このことを重く受け止めていただき、このたびの補正予算において迅速に対応されましたことは高く評価するとともに、感謝申し上げる次第であります。 我が会派としても、今後とも執行部と力を合わせ、県政の諸課題に真正面から向き合い、県民及び事業者に寄り添った政策の実現に向けて、引き続き、全力で取り組んでまいる所存です。 最後に、請願三件のうち、日本政府に核兵器禁止条約の調印・批准を求める意見書の国への提出を求める請願についてです。 核兵器のない平和な世界の実現は、唯一の被爆国である我が国はもとより、世界人類に共通する願いであり、揺るぎない目標であります。 世界は今、核兵器保有に加え、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアが、核兵器の使用でウクライナを威嚇する暴挙に出るなど、核兵器使用の脅威に直面しています。 また、我が国を取り巻く環境においても、隣国に中国やロシアといった核保有国があり、北朝鮮は核・ミサイル開発をエスカレートさせており、国民の生命や財産に影響を及ぼす危機と隣り合わせにあると言っても過言ではありません。 申すまでもなく、我が国のような被爆国を二度と生み出してはならず、核なき世界を追求し続けなければなりません。 一方で、核兵器使用の脅威が現存している中、国民の生命・財産をあらゆる手段を講じて現実的に守っていくことも政府としての重要な責務であると理解しています。 政府は、核廃絶に向けて国際社会の中で我が国が取り組むべきは、こうした核兵器国と非核兵器国の橋渡し役となって、現実的で実践的な取組を進めていくこととの考えの下、核兵器の不使用の継続の重要性の共有など五つの行動を基礎とする、ヒロシマ・アクション・プランを提唱し、具体的な取組を進めており、また昨年のG7広島サミットでは、日本の主導により核軍縮に関するG7首脳広島ビジョンを取りまとめるなど、核兵器のない世界の実現に向け、国際社会の先頭に立ち、その取組をリードし、責任ある対応を行っています。 自民党会派としては、こうした政府の考え方や核軍縮に向けて、現下の厳しい国際情勢を冷静に分析し、現実的な手法で進めていこうとされる姿勢に理解を示すとともに、今は政府の具体的なアクションを見守る時期にあると考えており、委員長報告のとおり不採択とすることが妥当です。 人口減少、少子高齢化、頻発化・激甚化する自然災害、物価高騰、脱炭素化、不安定さを増す国際情勢など、困難な課題に直面する我が国のかじ取りは石破総理に託されることとなりました。 私ども自由民主党は、新たな体制の下、国と国民、県民の生命・財産を守り抜き、国・地方の明るい未来を切り開いていくため、これからも全力を挙げて取り組んでまいります。 以上、我が会派は、全ての議案及び意見書案に賛成し、請願三件をいずれも不採択とすることに賛成であることを申し上げ、自民党会派としての討論といたします。 御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)これをもって討論を終結いたします。