委員長報告
議長(柳居俊学君)産業観光委員長 猶野克君。 〔産業観光委員長 猶野克君登壇〕(拍手) 産業観光委員長(猶野克君)産業観光委員会を代表いたしまして、本委員会における議案の審査の経過並びに結果について御報告を申し上げます。 審査に当たりましては、関係議案及び所管事項全般にわたり、執行部に説明を求め、質疑、検討の結果、議案第一号及び第三号のうち本委員会所管分の議案二件については、全員異議なく、いずれも可決すべきものと決定いたしました。 次に、審査の過程における発言のうち、その主なものについて申し上げます。 まず、産業労働部関係では、 半導体産業の集積促進について、 他県との誘致競争に打ち勝つためには、時機を捉えた対応が求められる。熊本県におけるTSMCの進出効果を踏まえ、半導体産業の集積促進に取り組む意義について、県はどのように認識しているのかとの質問に対し、 TSMCが熊本県へ進出したことに伴い、現地での設備投資や企業立地が活発化しており、本県への設備投資等も期待される。 本県に数多く立地する基礎素材型産業は、半導体関連産業との親和性が高く、これらの産業集積を通じて、本県産業力のさらなる強化にもつながるものと考えている。 こうしたことから、産学公からなる協議会を軸に、企業誘致の推進や台湾の関係団体・企業との商談会の開催等による販路拡大など、半導体産業の集積促進に積極的に取り組んでいくとの答弁がありました。 次に、外国人材の育成・確保について、 人手不足が深刻化する中、労働力の確保に向けて、国において、育成就労制度が創設された。こうした動きや県内企業のニーズ・課題を踏まえ、今後、外国人材の円滑な雇用促進にどのように取り組むのかとの質問に対し、 企業の人手不足感が強まる中、外国人材の活用は企業が人材確保を図るための有効な方策の一つと考えている。 こうした中、県内企業は、外国人材に対して、コミュニケーションや日本語能力といった不安を抱えていることから、県では、セミナーや日本語教育に係る支援を行っている。 また、本年度より、海外の高等専門学校の学生と県内企業の交流を進め、就職マッチングの支援をすることとしている。 今後とも、国に対して育成就労制度に係る要望や情報収集を行うとともに、企業等と連携してニーズを踏まえた対応に努めていくとの答弁がありました。 このほか、産業振興関連では、 ○ 産業戦略の推進について ○ 東部地域産業振興センター(仮称)の整備の進捗状況について ○ コンビナート企業群の脱炭素化の進捗状況について ○ 水素社会推進法の施行に向けた国の動き及び同法に基づく大規模支援策の獲得に向けた取組について ○ 自動車産業電動化イノベーション等創出支援事業の取組について ○ 物流DXの促進について ○ 安定的な物流の確保について ○ 航空機・宇宙機器産業参入促進事業の取組について ○ 起業支援の取組について ○ 起業に係る相談環境の整備について ○ 移住支援事業の対象地域の拡充について ○ 産業技術センターの中小企業に対する技術支援について ○ 衛星データを活用した事業内容と今後の展開について ○ 再生医療等に対する研究開発支援について 雇用・人材育成関連では、 ○ 若年人材の確保・定着に向けた高校・大学と連携した取組について ○ 就職に影響を与える保護者への理解促進の取組について ○ 中小企業のニーズを踏まえた実効性のある人材確保施策の構築について ○ ふるさと山口企業合同就職フェアの取組について ○ 若者との共創による県内企業魅力向上事業の取組について ○ ファーストリテイリングとの包括連携協定の締結について ○ 中学・高校と連携した職業体験やインターンシップの充実について ○ 若者向け就職相談体制の充実について ○ 早い段階からの職業体験等の充実について ○ 就職支援サイトを活用する中小企業への支援について ○ 外国人雇用の現状等について ○ 人手不足対策としてのDX推進の取組について などの発言や要望がありました。 次に、観光スポーツ文化部関係では、 国際チャーター便の誘致の推進について、 先月の韓国チャーター便の実績と利用者の反応はいかがか。 また、台湾チャーター便について、二月に運航される見込みとのことだが、この受け止めと今後の取組について伺うとの質問に対し、 先月運航した韓国とのチャーター便の実績について、全体の利用率が九七%と好調であり、利用者アンケート調査においても、高い評価が得られた。 また、台湾とのチャーター便については、本年二月の運航が好調だったことや、六月に実施した海外の旅行会社を招いてのFAMツアーのほか、先月、県議会等と連携して行った知事トップセールスなどの取組が成果につながったと考えている。 今後、路線の定着を図るためには、高い搭乗率での運航実績が求められることから、十一月に台北市で行われる国際旅行博への出展などによるインバウンド需要の喚起や、県民向けのテレビやSNSを活用した効果的なPRによるアウトバウンド需要の喚起に取り組んでいくとの答弁がありました。 次に、首都圏への観光物産の振興について、 二月に首都圏で開催する物産展において、観光面のPRをどのように展開するのか。また、庁内で横断的に連携し、首都圏に向け山口県全体をアピールしていく取組について、その展望を伺うとの質問に対し、 会場での観光ポスターの掲出や動画の放映などを実施するとともに、観光パンフレット等のサンプリングを行うほか、期間中は知事や県にゆかりのある著名人の来場による観光PRについても検討していく。 また、新たな取組として、庁内他部局と幅広く連携し、県特産品や農林水産物の販売、移住や関係人口に関する情報提供など、多様な切り口で山口県の魅力を発信する、従来にないスタイルのイベントを都内で開催し、本県の観光や農林水産物の知名度を高め、移住に向けたきっかけづくりにつなげていくとの答弁がありました。 このほか、観光振興関連では、 ○ 観光施設等におけるトイレの整備について ○ 山口ならではのアウトドアツーリズムの推進について ○ インバウンド需要の獲得について ○ 外国人観光客の受入れに向けた環境整備について 交通政策関連では、 ○ バス・タクシー運転士確保対策連携事業の取組について ○ ライドシェアの状況について ○ レノファ山口の試合開催時等における交通手段の確保について 国際交流関連では、 ○ ベトナム・ビンズン省との交流促進について スポーツ推進関連では、 ○ サイクル県やまぐちの推進について ○ 競技力の向上に向けた取組について ○ アーバンスポーツなどの次世代型スポーツの普及について 文化振興関連では、 ○ 県立美術館の入館者数増加に向けた取組について ○ 若い世代への伝統芸術文化の伝承について などの発言や要望がありました。 終わりに、請願について御報告申し上げます。 本委員会に付託された請願第二号及び第三号については、上関町における中間貯蔵施設について、現在はあくまでも、施設が立地可能かどうか、その調査が行われている段階であり、地元上関町では、建設の是非について判断をされていない状況である。中間貯蔵施設について、様々な意見があるが、立地可能性調査を進めている中国電力においては、地元の意向を踏まえながら、引き続き、丁寧な対応をしていただきたい。いずれにしても、県民の安心・安全の確保の観点から、立地可能性調査の動向を注視している状況に変わりはなく、請願が求めるような意思表明をする状況にはないとの意見があり、採決の結果、賛成なしにより、いずれも不採択とすべきものと決定いたしました。 以上をもちまして、本委員会の報告といたします。(拍手)