1 行政手続のオンライン化について 2 中小企業のBCPについて 3 高校入試のデジタル化について 4 工業高校の実習棟における暑さ対策について 5 シートベルトの正しい着用促進に向けた取組について 6 その他
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十三号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十三号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 福田吏江子さん。 〔福田吏江子さん登壇〕(拍手) 福田吏江子さん おはようございます。すずらんの会、日本千世の会の福田吏江子です。(拍手)ありがとうございます。 本日は、質問登壇者が全員女性議員となっております。これは、山口県議会県政史上初とのことです。僣越ではありますが、その一人目の登壇者として、山口県の男女共同参画の推進、女性活躍の一助となるよう、しっかりと質問してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。 初めに、行政手続のオンライン化による県民の利便性の向上や負担軽減についてお尋ねいたします。 「主語を役所から市民に変える」、これは二十六歳で市長に当選された兵庫県芦屋市の高島市長が発信されているメッセージです。 市役所が○○を始めました、から市民のあなたが○○をできるようになります、という言葉にされて、行政サービス利用者の方々に伝えていくという視点は、行政の取組を市民、県民の皆様一人一人に実感してもらうための一つの有効な視点であると思いました。 今、山口県においても行政の手続をオンライン化していくという変化に取り組まれておりますが、県民の皆様にその利便性や負担軽減を実感してもらえるかは、何のためにこの手続をオンライン化するのか、県民の皆様にどう影響するのか、どのようにしたら手続をされる方にとってより分かりやすいのか、事務処理はどのような設計であると負担軽減になるのか、オンライン化への業務システムの構築に当たり、思考の転換も必要であると考えます。 デジタル化、オンライン化が目的になって、行政側と手続をする側の双方の手続事務負担が大きくなってはなりません。 行政手続のオンライン化に当たり、特に、情報システムの整備に当たり、講ずべき施策としてデジタル庁が示されている、行政サービス全体のプロセスの可視化や、行政手続で求めている添付書類の不要化等の業務改革や業務継続の確保、情報システムの安全性及び信頼性を確保する情報セキュリティー対策などは重要な点であると考えます。 また、国においては、各省庁に対する申請や、それに基づく処分通知など、行政手続を原則オンライン化していく中で、手数料納付が必要な行政手続については、行政手続のオンライン化による窓口対応や行政内部の事務処理の効率化など事務処理コストの低減を前提に、利用者がオンラインにより手続を行った場合の手数料等の減額の検討や適切な手数料等の設定を行うことが示されております。 このことから、同様に県における行政手続のオンライン化に伴う手数料等の減額の検討や適切な手数料等の設定についての見直し検討をしていくことも必要なのではないかと考えます。 そこでお尋ねいたします。これら手続の分かりやすさや添付書類の削減など、利便性の向上や負担軽減につながる行政手続のオンライン化をどのように進めていかれるのか、御所見をお伺いいたします。 さらに、行政手続のオンライン化を進める他の自治体の中では、収入証紙制度の廃止、あるいは廃止に向けて取組を進めている都道府県、政令指定都市が年々増えてきております。 山口県においても、収入証紙制度の廃止を含めた見直しについて検討されていることが、今定例会で自由民主党会派、平岡議員からの質問によって明らかになりましたが、今後どのように検討を進めていくでしょうか。仮に、廃止される場合には、どのような業務改善が図られ、そして、県民の皆様にとって、これまでの手続とどのような違いが生じてくるとお考えでしょうか、併せて御所見をお伺いいたします。 次に、中小企業のBCPについてお尋ねいたします。 内閣府では、平成十九年より隔年で、企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査を実施されています。 その調査目的には、災害時における企業の事業活動の継続を図る事業継続計画(BCP)の策定、及び平時における経営戦略となる事業継続マネジメント(BCM)の普及を促進することは、我が国社会や経済の安定性の確保と海外から見た我が国企業の信頼性向上のために極めて重要であると示されています。 また、全都道府県において、南海トラフ地震をはじめとする大規模地震防災対策推進基本計画等で定める目標値である事業継続計画を策定している大企業の割合を一○○%に近づけること、中堅企業の割合は五○%以上を目指すため、目標値への企業等の取組を促進する必要がある状況であると示されており、企業が災害や緊急事態に備えるための事業継続計画(BCP)の策定が推奨されております。 帝国データバンク山口支店が毎年実施されている、事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査では、山口県内に本社を置く企業において、事業継続計画(BCP)の策定の意向あり、これは、策定している、現在策定中、策定を検討しているを含むものですが、今年度はその合計が四二・一%であるという調査結果を出されています。 これまでの調査からBCP策定の意向は高まる傾向にありますが、山口県内の企業BCP策定意識は、同社調査の全国平均よりも低く、策定状況が若干全国より遅れているという状況が読み取れました。 また、企業の規模別では、策定していると回答した大企業は、前回よりも上昇している一方で、中小企業は平成二十九年の調査以降、毎年ほぼ横ばいで推移しており、特に中小企業においてはBCPの策定が進んでいないという結果でした。 このたび、この調査結果について、帝国データバンク山口支店にお伺いをし、山口県内の企業の皆様からBCP策定について、どのような声が寄せられているか、お話をお聞きすることができました。 企業の皆様からの声として、策定に当たって人材の確保が難しい、日々の売上げや資金繰りでそこまで手が回らない、策定の優先順位は低い、有用性があるのか疑問であるということが、中小企業の方から聞かれるということでした。 特に、家族経営や個人事業主の規模まで策定を一○○%にしていくのは難しいこと、また、行政からの補助金や加点の項目になっていることから策定がなされているケースが多く、補助金や加点は策定のための動機づけとしてはよいと思うが、BCP策定の本当の目的は何か、何のために策定をするのかという正しい方向に向かっているかという懸念も示されました。 私は、企業BCPは様々なリスクを最小限に抑え、県民の皆様の命と財産を守ることにつながると考えます。 地震や台風などの自然災害のみならず、感染症やサイバー攻撃などの情報セキュリティー上のリスク、物流、サプライチェーンの混乱、さらには人手不足や後継者問題など、様々想定されるリスクから、いかにその被害を軽減させ、安定的な事業運営や早期の復旧につながるようにできること、また企業価値の向上になるように、それぞれの企業において一人一人が意識を高めていくことは、山口県の経済の発展と企業価値の向上に資することだと考えます。 特に、令和五年三月、内閣府において事業継続ガイドラインが改定され、情報セキュリティー強化が明示されました。企業BCP策定の中で、情報セキュリティー、サイバーセキュリティーについては、今後ますます重要になってくると考えます。 行政手続のデジタル化・オンライン化が推進されていく中で、申請や交付などの手続において、企業側も様々な情報がデータ化されることへの対応も必要となってくると考えます。 企業を取り巻く環境の変化からも情報セキュリティー強化への取組、リスク想定は、自然災害とともに必須になることと考えます。 そこでお尋ねいたします。県として、中小企業のBCPの必要性、有用性、計画策定の目的、策定に当たる課題・現状分析や効果の検証などを踏まえ、BCP策定を推奨するための取組について、どのように推進されているでしょうか。 また、現在、県が中小企業のBCP策定支援として提示されている、山口県中小企業BCPモデルは、平成二十二年度山口県BCPモデル策定事業において策定されたものです。その後の時流の変化からも、自然災害のみならず感染症や情報セキュリティーなど企業BCPは、あらゆる危機的事象を想定する傾向へと変化が見られることから、策定支援モデルの見直しが必要と考えます。県として、どのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。 次に、高校入試のデジタル化についてお尋ねいたします。 デジタル庁は、高等学校入試に係る手続のデジタル化について調査研究を実施し、その成果を令和六年三月に実施報告書にて報告されました。 その調査研究では、事務作業のデジタル化を進めることで、中・高等学校の教職員や生徒、保護者の負担の抜本的な軽減が期待されることを背景に、現行の紙媒体で作成、送付されている必要書類をデジタル化することで、どのくらいの業務効率化が見込めるかを検証されています。 検証を踏まえ、高校入試におけるデジタル化への期待として、中学校・高校の異なる組織間でのやり取りが多く発生するため、データのままやり取りすることは効率化の観点では非常に重要であること、必要書類を電子データ化することで、デジタル上で書類の受渡しが完結でき、手入力の回数が少なくなるとともに、進捗状況の共有や管理が容易になること、生徒、保護者の高校入試出願の手続の簡略化にもつながること、高校入試だけにかかわらず、校務全般の事務作業が効率化でき、教員の働き方が抜本的に変わると考えており、生徒一人一人と向き合う時間を多く確保できたり、教員のワーク・ライフ・バランス向上にもつなげることができることなどが示されております。 そのため、中学校・高等学校の教職員、生徒、保護者の三方にとって負担が軽減されるシステム設計をどのように構築していくかは、校務DXも含めた対応が必要であると理解しているところです。 高校入試のデジタル化に向けた他の都道府県の動向について、私自身で調べた限りですが、二十三都道府県の教育委員会でインターネット出願ができるよう高校入試手続デジタル化の取組が進められています。 デジタル庁での調査研究や他都道府県での取組も参考に、山口県においても高校入試手続のデジタル化への検討が進められないかと考えます。 そこでお尋ねいたします。高校入試のデジタル化について、山口県における課題やオンラインの出願システム導入について、どのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。 次に、工業高校の実習棟における暑さ対策についてお尋ねいたします。 山口県の産業の発展とともに歴史を紡いできた工業高校は、これまで多くの優秀な人材を工業発展のために輩出されてきました。 若者の人口流出が懸念されている中で、工業高校を卒業されたほとんどの生徒たちは、県内各地域に就職をされており、産業の発展のみならず、地域の一員として山口県の活性化に寄与されてこられました。 山口県内には、工業に関する学科を設置している学校が十七校あり、生徒数の比率も全国平均と比較して約二倍と、工業系の学科に在籍している生徒の割合が高いという特徴があります。 工業県と言われる山口県にとって重要な教育施設の一つである工業高校における学習環境の充実は、今後も高度な工業人材を育成していくためにも欠かせないことであると考え、工業高校の学習環境に着目いたしました。 昨今、厳しさを増す猛暑の中で、学校施設の暑さ対策は、生徒の命を守るため、よりよい学習環境の構築のために必要なことであると考えます。 これまで、山口県においても普通教室への空調整備に続き、特別教室への空調整備を計画的に順次進められているところです。 しかしながら、工業高校には、普通教室棟や管理棟以外にも、機械土木実習棟、電気情報実習棟、化学実習棟などが設置されております。 私自身は、高校は普通科を卒業したため、工業高校や商業高校などの専門高校にどのような教育施設があり、どのような環境で授業に取り組まれているかという理解が十分でないと思い、実際に周南市内の二つの工業高校にお伺いし、主に実習棟での授業の様子を見学させていただきました。 私が学校へお伺いした時間は、いずれも午前からお昼までの時間でしたが、気温が三十三度から三十五度にもなった、まだ暑い日でした。 実習棟では、生徒たちが三十度以上ある気温の中で、安全対策のため作業服の長袖、長ズボンで授業を受けている様子も拝見いたしました。午後になるともっと熱が籠もり、室内が暑くなるのだということでした。 教室では窓やドアが開けられ、扇風機は各教室に一つか二つしかなく、スポットクーラーが導入されていることはよかったのですが、全ての教室ではなく一つあるかないかという状況でした。実習棟では、パソコンを設置している教室の中でも空調整備がされていない教室もありました。 現場の先生方からは、製図の教室に空調がないため、汗で腕や手に製図の紙がひっつくということや、暑い中での授業で教育効果が低下してしまうということ、また、溶接の授業や鋳造の授業では、火が生じることから暑さがさらに増し、スポットクーラーや扇風機では防護服もあり、冷却の効果が低いということ、電気系や化学系の授業も空調整備がない教室で授業をされているなどの状況を教えていただきました。 生徒たちは、普通教室ではなく実習棟で授業を受けている時間が多いということも工業高校の授業の特徴であるかと思います。 先生方も準備室で授業準備や生徒対応などをし、メインの仕事場が実習棟であることから、空調のない中で体調を崩されたりしているということもお聞きしました。 さらに工業科、商業科では、卒業後に教員になることもできますが、学校よりも民間企業のほうが空調設備も整っており、教員不足の中、ますます職場環境として選ばれないことも懸念しているということも併せてお聞きし、選ばれる職場環境づくりという視点からも考えることは重要であると思いました。 限りある予算の中で、計画的に、順次、学校施設の空調整備を進めてこられたことは承知しておりますが、工業高校の実習棟にも可能な限り、製図室や計測・電子など情報・機械実習棟や化学実習棟などに空調整備をしていくことは検討できないでしょうか。 また、空調整備が難しい場合や、設置までに多くの時間を要する場合には、授業における安全を考慮した上で、冷却グッズや熱中症対策の製品の導入を検討できないかと考えます。 建設業や製造業の現場、特に、溶接工場や鋳造所など酷暑環境での作業が避けられない業種で実行されている熱中症予防の対策は参考になると考えました。 そこで、現場ではどのような暑さ対策が行われているかについて調べるため、周南市内でステンレス・鉄鋼加工をされている末武工業所へ実際に見学にお伺いいたしました。 見学にお伺いした日は、三十五度と気温の高い日で、私も作業服を着て実際に保冷剤式のアイスハーネスを装着して工場内を見学させていただきました。 工場内は、天井も高く広さもあるため、空調整備をすることが難しいように思いました。随所にスポットクーラーや扇風機が置かれていましたが、暑い中であっても作業内容によっては扇風機の風を体に向けられない作業があるということも教えていただきました。 工場内の皆さんは、水冷式や保冷剤式のクールベストやアイスハーネス、送風ファンつきの作業服を装着されて、作業の安全性を保ちながら暑さ対策がなされていました。 見学をする前は、ただただ空調整備をすることが暑さへの解決策であると考えていましたが、粉じんが舞う場所では、扇風機や送風ファンつきの作業服では粉じんを吸い込んでしまうため適さないこと、温度と湿度に基づくWBGTを確認しながら適切な作業時間と休憩時間を取ること、それぞれの場所で適する暑さ対策があるということを学びました。 実際の現場と学校での学びの環境を少しでも近い状況にすることも、地域における人材育成の充実につながると考えます。実際の現場と同様の暑さ対策に取り組むことはできないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。工業高校の実習棟における暑さ対策の現状や課題、空調整備やクールベストやアイスハーネスの導入など、その対応策について、どのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。 最後に、シートベルトの正しい着用促進に向けた取組についてお尋ねいたします。 令和六年九月二十一日から三十日の期間で、秋の全国交通安全運動が実施されております。最終日の九月三十日は、交通事故死ゼロを目指す日とされております。また、本日九月二十七日は、県重点の高齢者の交通事故防止の県下統一行動日となっております。 下松市のホームページによりますと、約百年前に下松市にゆかりのある長岡外史さんが、東京でお子さんを交通事故で亡くしたことから、自らが街頭に立ち交通整理を行い、交通安全を広く訴えたのが日本初の交通安全運動であったと言われております。 交通安全運動を通して、県民の皆様お一人お一人の命と安全が一層守られていくことを切に願い、私も自らの運転を正し、交通安全を心がけたいと思います。 道路交通法では、全ての道路で、病気などのやむを得ない理由がある場合を除き、後部座席を含む座席のシートベルト着用を義務とされています。 しかしながら、警察庁・JAFの合同調査では、全国的に運転席や助手席のシートベルト着用に比べ後部座席同乗者の着用率は低調となっております。 令和五年シートベルト着用状況全国調査結果では、山口県は一般道路において後部座席同乗者の着用率が四一・一%と、全国平均四三・七 %より若干低い結果となりました。 反対に、高速道路等での後部座席同乗者の着用率は八五・六%と、全国平均の七八・七%よりも高い結果となっております。これは、高速道路の出入口でシートベルト着用の啓発に努められた結果であると考えます。 命を守るためにも、着用義務のさらなる周知や、全ての座席におけるシートベルトの必要性、その効果に関する理解を促す取組が重要であると考えます。 交通事故をなくすことが大前提ではありますが、交通事故に遭った場合における後部座席シートベルト非着用時の致死率は、高速道路で着用時の約二十五・九倍、一般道路で約三・三倍と、警察庁のデータで示されております。 また、福岡市での路線バスと軽乗用車が衝突し、七歳と五歳の姉妹が亡くなられた事故を受け、正しいシートベルト着用のためにジュニアシートの使用についての報道を目にするようになりました。 あのような交通事故そのものがあってはならないことでありますが、シートベルトの効果を否定されるものではありませんが、命を守るためのシートベルトであっても、身長によって危険性が生じる場合があることは、知らなくてはならないことであると思いました。御姉妹の御家族のお気持ちを思いますと言葉になりません。 JAFでは、シートベルト、チャイルドシートの使用推奨基準を、これまでの身長百四十センチ未満から百五十センチ未満に変更されました。 法令に基づくチャイルドシートの使用義務は、六歳未満となっておりますが、六歳以上の子供たちも含め、全ての命を守るために安全に乗車できる正しいシートベルトの着用は重要であると考えます。 そこでお尋ねいたします。全ての座席におけるシートベルトの正しい着用を促進するための安全指導や周知啓発についてどのように取り組まれているでしょうか、御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問といたします。 御清聴いただきましてありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)福田議員の御質問のうち、私からは行政手続のオンライン化に関して、利便性の向上や負担軽減についてのお尋ねにお答えします。 行政手続のオンライン化は、時間や場所にとらわれずに様々な行政手続を行うことを可能とするもので、住民の利便性向上と自治体業務の効率化につながる、行政DXの第一歩となる重要な取組だと考えています。 このため県では、多くの方が利用する手続から優先的にオンライン化を進め、県独自の手続については、面談や原本提出が必要なものなどを除き、令和四年度には全てオンライン化を完了しています。 また、これに併せて、県のホームページに、必要な手続に分かりやすくアクセスするための総合案内サイトも開設をしたところです。 こうしたことにより、オンライン手続による申請件数は着実に増加をしているところですが、さらに多くの方に使っていただけるよう、これを一層便利で使いやすいものとするための改善や新たな機能の導入にも積極的に取り組んでいます。 具体的には、まずオンライン申請が、誰でも迷わず行えるよう、ウェブサービスの専門家のアドバイスも取り入れながら、申請画面の操作性を向上させるための改善を継続的に行っています。 また、手続をオンライン上で完結するために必要となるキャッシュレス決済や、添付書類の削減にもつながるマイナンバーカードの個人認証サービスを活用した本人確認など、新たな機能の導入も図っているところです。 今後もセキュリティーに十分配慮しながら、県民の皆さんが、オンライン化の便利さを実感できるサービス機能の拡充などをさらに進めていきます。 お示しの手数料等については、行政手続に係る様々なコスト等を勘案した上で設定しており、引き続き、オンライン化等による業務効率化の取組を進める中で、必要に応じて見直しを検討することとしたいと考えています。 私は、今後も利用者視点に立ちながら、利便性の向上や負担軽減につながる、行政手続のオンライン化の取組を着実に進めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)高林産業労働部長。 〔産業労働部長 高林謙行君登壇〕 産業労働部長(高林謙行君)中小企業のBCPについてのお尋ねにお答えします。 経営基盤が脆弱な中小企業は、緊急時に有効な手を打つことができなければ廃業に追い込まれるおそれもあるため、BCPの策定に取り組むことが重要です。 このため、県では、中小企業へのBCP策定支援として、業種別の山口県中小企業BCPモデルを作成し、県ホームページで公開するほか、県中小企業団体中央会や商工会議所等と連携し、セミナーや専門家派遣等の取組を行ってきました。 しかしながら、BCPは内容が多岐にわたり、中小企業において、策定に必要なスキルや人材の不足が課題となっています。 そのため、まずは自然災害や感染症、さらには情報セキュリティー対策にも対応でき、策定項目が少なく、負担が軽減された国の簡易版BCP、事業継続力強化計画の策定を促進しているところです。 この計画は、国の認定を受けると信用保証枠の追加や税制上の優遇などのメリットもあり、県内では令和六年七月末時点で七百三十七社が認定を受けております。 これらの取組により、県中小企業団体中央会が三年ごとに県内中小企業を対象に実施している調査によると、BCPを策定済み、または策定の意向ありは五四・八%となっています。 県としましては、中小企業が様々なリスクに対応できるよう、引き続き県中小企業団体中央会等と連携し、中小企業のBCP策定の促進に取り組んでまいります。 また、県のBCPモデルにつきましては、自然災害のみならず、様々なリスクに対応できるものですが、今後、国の動向も踏まえながら必要な見直しを進めてまいります。 議長(柳居俊学君)岡本会計管理局長。 〔会計管理局長 岡本章生君登壇〕 会計管理局長(岡本章生君)行政手続のオンライン化に関する御質問のうち、収入証紙制度の見直しについてのお尋ねにお答えします。 まず、収入証紙制度の見直しについて、今後どのように検討を進めていくのかについてです。 現在、県においては、庁内関係課で構成するワーキンググループにおいて、制度廃止と、これに代わる公金収納手続の在り方について検討を行っているところであり、今後、先行都府県の事例等も参考にしながら、市町や関係団体等の意見を十分に伺った上、年内にも見直しの素案を作成することとしています。 次に、仮に廃止される場合は、どのような業務改善が図られ、県民にとって、これまでの手続と、どのような違いが生じてくるとお考えかについてです。 オンライン手続によるキャッシュレス化やペーパーレス化等により、業務改善や行政手続の簡素化が期待されますが、制度の見直しにより、県民の利便性の向上や負担軽減が図られることが重要と考えており、その具体的な対応については、今後、見直しの素案を作成する中で検討することとしています。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)教育に関する御質問のうち、私からは、工業高校の実習棟における暑さ対策についてのお尋ねにお答えします。 近年の猛暑の中、学校における暑さ対策は、良好な学習環境を確保する上で必要となることから、県教委では、多くの生徒が長時間過ごす普通教室への空調整備を先行して進め、現在はこんろなどを使う家庭科室や窓を閉め切る必要がある音楽室等への整備に取り組んでいるところです。 お尋ねの工業高校の実習棟については、建物の構造等から空調の十分な効果が期待できない溶接室などには、スポットクーラーを整備してきたところであり、製図室などその他の教室についても、引き続き限られた財源の中で、学校の意見も聞きながら、空調の整備を検討していきたいと考えています。 また、実習時の暑さ対策については、各学校において、作業の安全上、問題がない場合は半袖の作業服の着用や、適切な休憩の確保、小まめな水分補給などにより対応しているところです。 なお、冷却効果のある作業服等については、燃えにくい、破れにくいなどの実習時の安全確保に加え、購入に当たって保護者の負担も生じるなど様々な課題があり、各学校の状況に応じて、その必要性を検討されるものと考えています。 県教委といたしましては、今後とも良好な教育環境の確保に向けて、工業高校の実習棟の暑さ対策に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)根ヶ山副教育長。 〔副教育長 根ヶ山耕平君登壇〕 副教育長(根ヶ山耕平君)高校入試のデジタル化についてのお尋ねにお答えします。 入学者選抜の手続については、試験料の納付や、受検願書、調査書等の作成、提出など、多くの事務作業があることから、デジタル技術の活用による効率化を通じて、生徒、保護者及び教職員の負担を軽減できる可能性があると認識しています。 一方で、受検する生徒にとっては、入学者選抜は、その後の進路を決める極めて重要な機会となるため、その手続については万全を期す必要があります。 そのため、お示しのオンラインの出願システムなど、手続のデジタル化に当たっても、志願者に不利益が生じないことを前提として、データの正確性や情報漏えい防止などの安全性を担保しなければなりません。 こうした対策に加え、現在、県収入証紙で納付されている試験料や、中学校・高校に整備している校務支援システム間でのデータ連携などへの対応も必要となります。 このように、高校入試に係る手続のデジタル化に関しては、いまだ整理・解消すべき多くの課題があることから、県教委としましては、まずは国の動向や他県での取組状況について情報収集に努めたいと考えています。 議長(柳居俊学君)熊坂警察本部長。 〔警察本部長 熊坂隆君登壇〕 警察本部長(熊坂隆君)シートベルトの正しい着用促進に向けた取組についてお答えいたします。 道路交通法では、後部座席を含めた全ての座席のシートベルトの着用が義務づけられていますが、当県においては、一般道路における運転者、助手席同乗者の着用率は、全国平均を上回るものの、後部座席同乗者は全国平均を下回っております。 また、当県の過去五年間の交通死亡事故を見ますと、後部座席の同乗者がシートベルトを着用していなかった事故五件のうち四件の事故で、乗員が車外に放り出されたり、車内で全身を強打したりして亡くなっております。 このため県警察では、関係機関・団体と連携した広報啓発活動を展開しており、具体的には、シートベルトコンビンサーを活用した参加体験型の交通安全教育、運転免許証の更新時や事業所従業員を対象とした講習、また、各季の交通安全運動におけるキャンペーンや、あらゆる広報媒体の活用を通じて、シートベルトの正しい着用を周知しているところでございます。 こうした取組に当たっては、シートベルトを着用しないことの危険性も併せて周知しており、例えば、衝突の勢いで車外に放り出されたり、もしくは前方に投げ出され、前の席の人が頭部を負傷したりすることがあることなど、具体的事例を示して指導しております。 また、シートベルトを着用していても、正しく着用していなければ、腹部を圧迫して重大な傷害を負うことや、六歳以上の子供であっても体格等の事情により、シートベルトを適切に使用できない子供には、チャイルドシートを使用するなどの指導も併せて行っているところでございます。 さらに、高速道路での交通指導取締りに加え、一般道路においても街頭活動を通じ、後部座席のシートベルト着用の義務化や非着用時の危険性について指導を行っております。 県警察といたしましては、全ての座席におけるシートベルトの正しい着用が徹底されるよう各種取組を継続的に行うとともに、シートベルト着用による被害軽減効果の事例紹介にも配意した広報啓発活動に努めてまいります。