1 子育てや暮らし、仕事を楽しめる社会の実現について 2 中山間地域における地域包括ケアシステムのデジタル化の推進について 3 公共工事の入札不調・不落の対策について 4 県庁の執務環境の改善について 5 その他
議長(柳居俊学君)有近眞知子さん。 〔有近眞知子さん登壇〕(拍手) 有近眞知子さん 皆様、おはようございます。自由民主党会派の有近眞知子です。 今年六月、厚生労働省が発表した昨年の出生数は全国で過去最少の約七十三万人、東京都で戦後最少の約八・六万人、山口県で八年連続過去最少の七千百八十九人と、いずれも厳しい数字となりました。 コロナ後に再び加速している転入超過でも穴埋めできないほど、東京でも少子化は深刻です。東京は、子供が減少していく点では山口と同じですが、既に高齢者が減少している山口と違い、これから高齢者が急増していくため、少なくとも東京を独り勝ちと楽観できるような状況ではありません。 にもかかわらず、そんな東京や都会を目指し多くの若者が地方を出ていきます。私は、外の世界を知ることで自分自身やふるさとを知ることができる、世界標準を知ることで真にグローカルな日本人に成長できるという意味で、県外、海外に羽ばたく若者は全力で応援すべきだと考えています。 また、私自身も二十数年前、高校を卒業し、何となく夢と希望を抱いて憧れの東京に出たので、県外へ出たい若者の気持ちはとてもよく分かります。ただ、約十年東京で暮らしてみて、ようやく山口での暮らしがいかに豊かであったかということに気がつきました。 東京は極端な密集で住居費が高く、家の広さや過密のストレスから子育てには不向き、アスファルトやコンクリートに囲まれ満員電車に揺られる生活、地震や水害があれば甚大な被害は避けられない。 一方で、山口は適度な市街地とゆとりある住宅で、子育てもしやすく、すぐに都会に行ける交通網もある。美しい海や山に囲まれ、食べるものを自分たちで作ることもできる。地震や台風の被害も少ない。大切な親の近くで、年老いていく親に感謝しながら子供の成長を一緒に楽しんでもらえる環境がある。どちらが豊かで幸せな暮らしか、子供たちに教えていくのは私たちの使命です。 そういう教育ができれば、おのずと山口に若者が集まり、子供も増えていくと思います。世界よりも東京よりも先に高齢化した山口は、一足先に厳しい状況を抜け出し、未来ある地域をつくり上げていくことができると信じ、引き続き頑張っていく覚悟であることを申し上げ、通告に従い質問させていただきます。 まず、子育てや暮らし、仕事を楽しめる社会の実現についてお尋ねします。 私には、女性として、妻として、母として、弁護士として、そして県議として、実体験の中で感じてきた思いがあります。 それは、女性が笑顔で幸せを感じていれば、周りの雰囲気がよくなり、みんながパワーアップする、お母さんや奥さんが笑顔でいられれば、いろんなことがうまくいく、女性が働きやすい、子供を産みやすい、子育てしやすい、生きやすい社会は、きっとみんなが幸せになる、といった思いです。 少し感覚的な言い方ではありますが、女性が笑顔でいられる、引け目やストレスを感じずに生きられる社会を実現できれば、今、大きな問題となっている人材不足や少子化の解決にもつながっていくと思うのです。 仕事に関して言えば、今の若い世代では男女ともに共働きを当たり前と考え、仕事と育児を両立させようと考える人が増えており、また、十代後半から二十代前半の世代では、男性よりも女性のほうが仕事への意欲が高いとの調査結果もあります。 また、ある論文には、結婚後の就業継続が困難だと女性が結婚をちゅうちょする、という因果関係があると考えられるため、少子化対策には女性の離職率を低下させることが重要、との分析結果が示されていました。 つまり、仕事を頑張りたいと思っている女性が、結婚や出産によって第一線から離れることなく、個性と能力を発揮できる社会を実現することができれば、人材不足の直接の対策になるだけでなく、少子化対策にもつながるのです。 しかし、出産や育児を経て正規雇用として復帰し、再び第一線に戻ることは、今なお難しいのが現実です。 県は、県議会少子化・人材育成確保対策特別委員会の提言や、地域と保育を考える議員連盟の要望等を踏まえ、今年度から第二子以降の保育料無償化や保育士の加配などに取り組まれています。 また、過去の一般質問で提案した県職員の育児休業中の昇給や独り親家庭の養育費支払い確保支援などにもすぐに取り組んでいただきました。 このように、本県で働く女性が子育てをしやすい環境や制度は整いつつありますが、女性活躍、という言葉が必要なくなるまでには、まだまだ強力な取組を続けていく必要があります。他県の女性が羨むような山口を目指して、取組の一層の加速化をお願いいたします。 一方で、仕事と育児の両立、共働きなどをキーワードに、職業生活における女性の活躍の取組が進んでいくときだからこそ、女性も働くのが当たり前、正規雇用で共働きが当たり前、というような空気をつくってはならないという思いがあります。 子供が大きくなるまでは子育てを優先したいといった考え方や、経済的事情など様々な理由から、専業主婦や非正規雇用として頑張っている女性が、肩身の狭い思いをすることなく応援される社会でなければなりません。 私は、限られた時間と労力、様々な事情や環境の中で、後ろめたさや負債、ジレンマなどを感じながら、育児に、仕事に、家事に奮闘している全ての女性が、多様な生き方を自由に選択でき、それが尊重される社会をつくり上げていきたいと思います。 全ての女性が笑顔になれる温かい取組を進めていくことが、少子化対策にも大きな効果をもたらすと考えます。 そこでお尋ねします。全ての女性が子育てや暮らし、仕事を楽しめる社会の実現に向けて、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、中山間地域における地域包括ケアシステムのデジタル化の推進についてお尋ねします。 いわゆる団塊の世代が全て七十五歳以上となる来年以降、国民の医療や介護の需要がさらに増加することが見込まれています。 このため、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的の下で、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築に向けた取組が進められてきました。 こうした中、我が国では生産年齢人口の急激な減少が見込まれており、持続可能で質の高い医療・介護・福祉等のサービスを提供し続けていくためには、デジタル化を推進し、限りある人材、資源をフル活用していくことが必要です。 医療分野に関して、県ではこれまでも、県立総合医療センター内にあるへき地医療支援センターを中心に、ICTの活用、すなわち医療DXに積極的に取り組み、成果を上げられてきました。 どこにいても患者のカルテを確認できるクラウド型電子カルテの導入や、離島などの医師不足地域で対面診療とオンライン診療を効果的に組み合わせることにより、継続的な医療サービスを提供してきた経験が、コロナ禍の制約の中、宿泊療養施設や自宅で療養をされた方々へのスムーズなオンライン診療の実現に大いに役立ったと伺っています。 また、私の地元柳井市の平郡島でも、国の実証事業を活用して、バイタルデータと組み合わせたオンライン診療や、処方薬のドローン配送などの実証に取り組んでこられました。 また、現在は、島内の郵便局を利用したオンライン診療の実証にも取り組まれており、今後は各地域での社会実装に向けた取組をしっかりと後押しいただきたいと思います。 他方、恒常的な担い手不足に悩まされている介護分野に関しては、今年度から、要介護高齢者の在宅生活を支えるケアマネジャーの業務負担の軽減や効率的な介護体制の構築を目的に、オンラインモニタリングが解禁されましたが、現場での活用は思うように進んでいないようです。 訪問のための移動に多くの時間を要する中山間地域では、こうした取組が、支援対象者、介護事業者双方の負担軽減やケアプランの充実につながると期待されますので、今後、介護分野でのサービスの効率化、質の向上に向けて、社会実装を加速させていく必要があります。 さらに、福祉分野でも、高齢者の見守り等を行い、地域の福祉を支える民生委員の成り手不足という全国的な課題があります。現在、担い手確保に向けて居住要件の緩和が検討されていますが、民生委員自身の高齢化が進んでいる中山間地域では、定期的な訪問や巡回等の見守り活動における負担軽減も大きな課題です。 このように、医療、介護、福祉など、あらゆる分野で深刻な担い手不足に直面している中山間地域では、人材確保に取り組むことは当然ですが、デジタル化の推進による現場の負担軽減、効率化が待ったなしの状況です。 そこでお尋ねします。人材不足、加えて採算性の厳しい中山間地域における地域包括ケアシステムを構築し、必要な支援・サービスの提供体制を将来にわたって持続可能なものとしていくためには、デジタル化の推進によるサービスの質の向上や支援現場の負担解消に積極的に取り組む必要があると考えますが、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、公共工事の入札不調・不落の対策についてお尋ねします。 柳井市では、国や県、市、期成同盟会等がしっかりと連携し、国道百八十八号柳井・平生バイパス、県道柳井玖珂線古開作から中馬皿間、県道柳井上関線伊保庄バイパスなどの幹線道路の整備や、過去に何度も浸水被害が発生している土穂石川の改修など、地元の皆さんが一日も早い完成を望む公共工事が進められています。 しかしながら、こうした社会インフラの整備を担う建設産業は、作業員の慢性的な不足や高齢化に加え、原材料費やエネルギーコストの上昇、円安の影響等により、二〇二一年以降の資材価格が約三〇%も高騰するなど、かつて経験がないほどの苦境に立たされています。 こうした事情も一因となって、近年、公共工事の入札に参加する業者がいないために落札者が決まらない入札不調や、複数の入札があっても予定価格を上回っているために落札者が決まらない入札不落が多く発生しています。 建設業者からは、不調・不落が発生した場合、再度の入札手続に受発注者双方が大きな労力を要し、工事着手の遅れを招くことにもなるため、不調・不落時の再度の入札手続を簡素化してほしいという声や、物価の変動等による請負代金の変更、いわゆるスライド条項の適用件数が国よりも低いため、スライド条項の手続の円滑化に向けた取組を強化してほしいという声をお聞きします。 建設産業は、地域の活力ある未来を築く上で大きな役割を果たす担い手であるだけでなく、地域経済・雇用を支え、災害時には最前線で地域の安心・安全の確保を担う守り手として重要な役割を果たしています。 私は、建設産業が将来にわたって安定的に事業活動を継続できるよう、手続や運用の改善によってできる対策は、ぜひとも進めていく必要があると考えます。 そこでお尋ねします。県民生活や社会経済活動を支える建設産業を持続可能なものとするため、公共工事の入札における不調・不落への対策が急務であると考えますが、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 ここで一言申し上げます。本年七月の豪雨により、柳井市平郡島で土砂崩れが発生し、島の東西を結ぶ唯一の道路が通行止めとなりました。災害発生直後から柳井土木建築事務所や建設業者、測量業者の皆さんが、悪天候の中、復旧作業に当たられるとともに、復旧見通しを示した上で、市と連携しながら島民の皆さんのニーズをしっかりと把握し、迅速に対応していただきました。この場をお借りして御尽力いただいた方々に改めてお礼を申し上げるとともに、早期の完全復旧に向け、引き続きの取組を要望いたします。 次に、県庁の執務環境の改善についてお尋ねします。 今年の夏も、うだるような暑さが続きました。六月から八月の平均気温は、昨年の夏と並んで一八九八年の統計開始以来最も高く、まさに災害級の酷暑でした。 そうした中で、県庁の庁舎内も本当に暑く、来庁者はもとより、県職員の皆さんにとって適切な執務環境が確保されているのか気になりました。 また、執務環境としては、室温や湿度だけでなく、照明やトイレも重要な要素です。 平日の多くの時間を過ごす職場の環境は、健康はもとより、職員の皆さんのやる気という意味でも大切なのです。 さらに、就職に当たり、働く環境を重視する若い世代を中心に、県政を担う県職員の採用を円滑に進めていくためにも、良好な執務環境を整備していくことはとても重要だと考えます。 そうした思いから、今回は県職員の皆さんの執務環境の改善について、三点質問させていただきます。 まず、空調設備のより一層の弾力的な運用についてです。 厚生労働省の事務所衛生基準規則では、事業者は室内の気温を十八度以上二十八度以下になるように努めなければならないとされています。しかし、私が職員の方からお聞きしたところ、実際の室温は三十度を超えている、うちわを片手に仕事をしたり、汗で湿った腕に資料がついたりして一々作業が滞る、空調が停止する夜間は虫が室内に侵入するため、窓を開けることもできないなど、健康面、労働生産性の面で厳しい執務環境に置かれているとのことです。 また、先日、県民の方から、母が県庁に行った際、暑さで倒れたとのコメントも頂戴しました。 以前、県の担当者から、県庁舎の各フロアの基準地点で室温を定期的に測定し、温度管理に努めているといった説明をお聞きしました。県は、冷暖房運転期間の延長やクールビズの推奨、時差出勤による朝型シフトの促進など、執務環境の向上に向けて様々な御努力を重ねておられます。 ただ、実際に働く職員や来庁者の方から先ほどのような意見が出ていることを考えると、執務室の方角や広さ、職員数、機器の数等によって、基準地点よりも温度が高くなっている場所がないか、基準地点を増やしたり変えたりすることで、全ての職場、全ての職員が基準の範囲内で業務ができるよう、一層の御検討をいただく必要もあるように思います。 先月、内閣人事局と人事院は、設定温度にこだわることなく、職員が快適で安全に勤務できるような空調設備の運用や、定時後も継続した空調運用による能率的な環境の確保等を内容とする通知を発出しました。 また、大阪府では、時間外勤務を行う職員向けの空調確保室の試行に踏み切り、姫路市では、職員の働き方改革の一環として、室温を二十八度から二十五度に調整する実証実験を行い、八割以上の職員から労働意欲や業務効率の向上など、高い評価が得られたそうです。 このように、他の行政機関では、職員の健康保持や働き方改革、労働生産性の向上を図り、灼熱の夏を乗り切るための大胆な取組が進展しています。 もちろん冷暖房は、経費の抑制や地球温暖化対策の観点から、過度な利用を控えるべきです。また、時間外の冷暖房運転は、無駄な残業を助長するという懸念もあります。そもそも県庁舎の設備上の問題から、空調の弾力的な運用は難しいのかもしれません。 しかしながら、社会経済情勢の変化等に伴い、県職員の皆さんが担う仕事がどんどん多様化し、増大していく中で、公務員こそ率先垂範して、仕事の効率性を追求し、老若男女を問わず、誰もが働きやすい執務環境を整えていただきたいと考えます。 そこでお尋ねします。近年の異常気象の実情も踏まえ、県職員の皆さんが働く意欲を感じ、健康で働きやすいと感じられる執務環境の実現に向けて、人材確保の観点も含め、空調設備のより一層の弾力的な運用に、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、照明のLED化についてお尋ねします。 毎年のように続く暑さの原因の一つとして、特に産業革命以降の温室効果ガスの排出増加に伴う気温上昇が挙げられています。次の世代のためにも、地球温暖化対策を推進していくことが強く求められています。 しかしながら、我慢を強いる、負担が増えるだけの対策は長続きしません。県民の生活環境や職場環境を改善・充実しながら地球温暖化対策にも貢献できるアプローチ、手法が効果的だと思います。 そういった取組の一つとして、照明のLED化が挙げられます。LED照明は、蛍光灯に比べ、消費電力が少ない、照明時の発熱量が少ない、寿命が長い、すぐに明るくなる、紫外線をほとんど含まないため、絵画や写真を傷めにくい、光に虫が寄りつきにくい、有害な水銀を含まない、文字や色がくっきり鮮やかに見える、といった優れた特徴を持っています。 こうした中、昨年十一月、水銀に関する水俣条約第五回締約国会議がジュネーブで開催され、全ての一般照明用蛍光灯の製造や輸出入が二〇二七年末までに廃止されることが決定されました。照明業界では、二〇二七年問題とも言われています。二〇二八年一月一日になってすぐ、蛍光灯の継続使用や製品の流通が禁止されるわけではありませんが、製造や輸入の中止に伴い、蛍光灯の確保が困難になり、駆け込み需要や価格上昇も想定されるため、官民を挙げて計画的に早期のLED化を進めていくことが重要です。 県では、県庁舎の照明設備約九千百台のLED化を計画しておられ、照明器具に関するサウンディング型市場調査を先日実施されたと聞いています。 私も県庁に立ち寄ることがありますが、民間の事業所に比べて、廊下や各部屋の照明が暗いと少し感じることもあります。県民をお迎えする場所、県職員の執務環境として改善の余地があると感じていました。 LED照明への切替えは、電気代や定期的な交換等に係るコストを低減させるとともに、CO2の削減による地球温暖化防止にも貢献します。また、来庁者の受入れ環境や県職員の職場環境改善、県民サービスの向上にも寄与します。 まず、隗より始めよです。県庁舎における率先した取組が、その後の県立学校等を含めた県有施設や、各市町と協力した公共施設のLED化につながっていくと考えます。 その上で、家庭や産業部門を含む県全体に取組を広げていくため、蛍光灯の製造や輸出入の廃止、LED化のメリットなどについて、県民や企業等に分かりやすく情報発信を行っていくことも必要です。 そうした動きをつくり出し、加速していくためにも、まずは県庁舎の照明のLED化を進めていくべきと考えます。 そこでお尋ねします。地球温暖化防止はもとより、生活環境や職場環境の改善、企業の競争力強化にもつながる照明のLED化に向け、県庁舎の照明のLED化に今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、トイレの洋式化等についてお尋ねします。 全国の住宅における洋式トイレの保有率は、平成二十年の時点で既に約九〇%と、家庭では洋式トイレの使用が日常化しています。 このため、自治体においても公共施設のトイレの洋式化が進められてきましたが、殊県庁のトイレについては、洋式化や温水洗浄便座化、臭いのしない清潔なトイレ化が遅れているように思います。 県庁には、県民や企業、関係団体の方、国内外からのお客様など多くの方が来訪されます。また、二千人を超える県職員の皆さんが一日の多くの時間を過ごす職場でもあります。そんな県庁のトイレは、いまだ和式が中心となっています。 和式にもニーズがあることは理解していますが、トイレの洋式化、温水洗浄便座化は家庭と同じように使うことができる安心感や快適さはもちろん、衛生面でも大きなメリットがあります。 庁外からの来訪者が多く、県職員の皆さんが働く事業所であることを考えれば、むしろ優先的に洋式化と温水洗浄便座化、そして当たり前になりつつある便座除菌クリーナーの設置を進めるべきと思います。 また、トイレの整備は、これから県職員を志す若者等にとって、就職先を考える上でとても大切な要素になっているように思います。 先日、中小企業が若い人を雇いたいなら、まずトイレを改修すべし、との意見もお聞きしました。さすがにトイレだけで就職先を決めるわけではないと思いますが、今後は行政機関であっても、働きたくなるオフィス環境が重要な要素になってくるように思います。 そこでお尋ねします。多くの人が働き、来庁も多い施設として、県庁舎のトイレの洋式化等を進めていただきたいと思いますが、今後どのように対応されるのか、御所見をお伺いいたします。 以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。 御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)有近議員の御質問のうち、私からは子育てや暮らし、仕事を楽しめる社会の実現についてのお尋ねにお答えします。 私は、誰もが自らの意欲と能力を持って様々な働き方や生き方に挑戦できる機会が提供されており、子育てや親の介護が必要な時期など個人の置かれた状況に応じて、多様で柔軟な働き方が選択でき、しかも公正な処遇が確保されている社会を実現していくことが重要であると考えています。 このため、やまぐち未来維新プランにおいて、女性が輝く地域社会の実現を重点施策に掲げ、ライフイベントに応じた多様で柔軟な働き方の実現や、仕事と子育てを両立できる職場づくり、産学公連携による女性の活躍促進などに積極的に取り組んでいるところです。 まず、女性のライフイベントに応じた多様で柔軟な働き方の実現に向けては、子育て等のため就業に時間的制約を有する未就業女性と、短時間勤務から段階的にフルタイム勤務に移行するなど新たな雇用を創出した企業とのマッチングイベントを開催し、女性の希望に応じた就業を促進します。 また、産学公が一体となって女性デジタル人材を育成し、子育てが一段落し、正規雇用を望む女性等の就業や待遇改善を促進するとともに、女性起業家の育成に向けたセミナーや交流会を開催し、起業による就業機会の拡大を図ります。 次に、仕事と子育てを両立できる職場環境づくりに向けては、育休取得を推奨する企業の登録制度や男性育休の取得実績に応じて支給する奨励金、子連れ出勤に係る環境整備等に対する補助金等により、働く環境を改善する取組を後押ししてまいります。 加えて、女性の職域拡大や就業の継続を図るため、企業が設置する専用トイレや休憩室など、女性が働きやすい職場環境整備に対し補助を行っており、女性従業員の新規採用につながるなどの成果も上がっているところです。 次に、産学公連携による女性の活躍促進については、女性活躍の取組を県内全域へ波及させるため、産学公の代表者で構成する、やまぐち女性活躍応援団による地域シンポジウムを開催し、地域から女性活躍の取組の拡大を図っています。 こうした取組に加え、子育て中の親子が一緒に過ごすことができる時間を増やし、子育ての楽しさや喜びを実感できるよう、今年度から、こどもや子育てにやさしい休み方改革に取り組んでおり、全県的に展開してまいります。 また、来年度末をもって計画期間が満了する、第五次男女共同参画基本計画の改定に向け、本年度、県民意識調査を実施することとしており、調査結果を踏まえ、女性活躍の一層の促進に向けた新たな取組について検討してまいります。 私は、今後とも、市町や関係団体等と緊密に連携しながら、全ての女性が多様な働き方や生き方を自由に選択でき、それが尊重される社会の実現に向けて、積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)中山間地域における地域包括ケアシステムのデジタル化の推進についてのお尋ねにお答えします。 高齢化が進行し、医療や介護の需要の増大・多様化が見込まれる中、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、医療、介護、予防、住まい、生活支援を一体的に提供する地域包括ケアシステムの推進に取り組んでいくことが重要です。 とりわけ、その担い手が不足している中山間地域においては、お示しのとおり、介護や地域福祉など各分野において、デジタル技術の活用を促進し、地域の実情に応じて、限られた人材で質の高いサービスを効率的に提供できる地域包括ケアシステムを構築していくことが必要です。 まず、介護分野についてはケアプランの中核を担う介護支援専門員による面談のオンライン化が、今年度新たに導入されたところであり、中山間地域における業務の負担軽減やケアプランの充実につながることから、市町や関係団体等と連携し、その普及を図ってまいります。 次に、地域福祉分野については、民生委員活動の負担軽減に向けて、市町で各種会議のオンライン化等の取組が進められており、国においてもICTの活用などによる担い手確保の検討が進められていることから、こうした動向を踏まえながら、関係機関と連携した支援を進めてまいります。 また、地域包括ケアシステムの中核機関として、高齢者の多様な相談に対応する地域包括支援センターについても、管理者向けの研修等を通じてICTを活用したオンライン相談等の好事例を紹介するなど、住民・職員双方の負担軽減や利便性向上につながる環境整備が進むよう支援してまいります。 さらに、地域の医療、介護、福祉をコーディネートする地域包括支援センターが核となり、とりわけ中山間地域での地域ケア会議のオンライン化等、関係者間のネットワークの充実を通じて職員の負担軽減やサービスの質の向上が図られるよう、ICT活用に向けた市町の取組を支援してまいります。 県としましては、こうした取組を通じ、市町や関係団体等と連携しながら、中山間地域においても、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けていくことができるよう、デジタル技術を活用した地域包括ケアシステムの推進に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)大江土木建築部長。 〔土木建築部長 大江真弘君登壇〕 土木建築部長(大江真弘君)公共工事の入札不調・不落の対策についてのお尋ねにお答えします。 本県の建設産業は、県民生活に密着した社会資本の整備・維持管理や、災害発生時の応急復旧などを担う中核的な存在であり、また、地域経済や雇用の下支え役としても重要な役割を果たしています。 こうした中、就業者数の減少や高齢化の進行により、近い将来、社会資本の整備や災害対応等に支障を来すおそれがあることから、持続可能な建設産業を構築することが重要です。 このため、県では、将来にわたって地域を支える建設産業が安定的に事業活動を継続し、また、公共工事における品質が確保されるよう、適切な工事発注等に取り組んでいるところです。 具体的には、市場における取引価格を予定価格に適切に反映させるため、毎月、資材価格の見直しを行うとともに、週休二日を前提とした工期設定や、早期発注などによる施工時期の平準化等に努めています。 しかしながら、近年の作業員不足や資材価格の高騰も一因となって入札の不調・不落が発生しており、工事着手の遅れを招くとともに、お示しのとおり、受発注者双方に負担が生じています。 このため、その負担軽減に向け、建設業団体に意見を伺いながら、再度の入札における提出書類のスリム化など、手続の簡素化について検討していきます。 加えて、スライド条項の活用促進に向け、国において作業中の発注関係事務に関する指針等の改正状況を踏まえながら、今後、県のマニュアルを改正するなど、手続の円滑化に取り組んでまいります。 県としては、引き続き、建設業団体と意見交換を行い、入札の不調・不落への対策を講じながら、持続可能な建設産業の構築に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)佐藤総務部長。 〔総務部長 佐藤茂宗君登壇〕 総務部長(佐藤茂宗君)県庁の執務環境の改善についての三点のお尋ねにお答えします。 まず、空調設備のより一層の弾力的な運用についてです。 多くの来庁者が快適に利用することができ、県職員が効率的に職務を遂行するためには、県庁舎の空調を適切に管理することが極めて重要です。 このため、県庁舎の冷暖房運転については、国の規則に準じるとともに、各フロア東西南北の四か所の基準地点に設置している温度計で定期的に室温を監視し、設定温度を調整しながら環境にも配慮した空調管理を行っています。 また、災害対応時などには、休日夜間を問わず二十四時間体制で対応するほか、気候に応じて運転期間を調整するなど、柔軟に冷暖房運転を行っています。 今後は、お示しのように、県職員や来庁者にとって、県庁舎がより快適な環境となり、職員の働き方改革や労働生産性の向上にも資するよう、より弾力的な運用について検討を進めていくこととしています。 次に、照明のLED化についてです。 LED照明は、従来の蛍光灯に比べ、地球温暖化防止などの効果に加え、職場環境の改善や職務効率の向上による県民サービスの増進につながることが期待されることから、これまで、故障したものや老朽化したものから、逐次LED照明への切替えを行ってきたところです。 こうした中、昨年十一月の国際会議において、令和九年末までに、全ての一般照明用蛍光灯の製造や輸出入が廃止されることとなったことから、照明設備のLED化を進めることが必要となっています。 これを受け、県では、来年度から県庁舎全体のLED化工事を行う計画としており、県庁の構造に適した照明器具や事業スキーム等に関して、民間事業者の意見や新たな提案を把握するためのサウンディング型市場調査を実施したところです。 県としては、今後、この調査結果を踏まえ、工事コストを抑えつつ、より効率的で効果的にLED化の工事を進めるとともに、各市町や家庭、企業などにもLED化への取組が広がっていくよう、スピード感を持って取り組んでまいります。 最後に、トイレの洋式化等についてです。 これまで、県庁舎においては、全ての階に最低一つは洋式トイレを設置することを基本に整備を進め、現在、五十五か所設置しており、温水洗浄便座への改修についても、来庁者の使用頻度の高い場所から優先的に改修を進めてきたところです。 しかしながら、お示しのようにトイレの洋式化や温水洗浄便座化は、安心感や快適さのほか、衛生面等でも大きなメリットがあることや、ライフスタイルの変化を踏まえれば、洋式トイレ等を整備する必要性がより高まっていると考えています。 今後は、利用者が快適に使用できるよう、洋式トイレの増設や便座除菌クリーナーの設置などの環境整備の充実について、具体的な検討を進めてまいります。 お尋ねの三点を含め、県庁の執務環境改善については、職員の仕事に対するやりがいを高めるだけでなく、県庁が魅力ある職場として選ばれるためにも重要な取組であると考えており、昨年度実施した働き方改革につながる職員提案においても、多くの意見や要望が寄せられています。 このため、現在、やまぐちワークスタイルシフトの取組において、執務環境を検討するワーキンググループを設置し、重点的に検討を進めているところであり、県としては、働きやすい職場づくりと県民サービスの向上の観点から、県庁における執務環境改善の加速化を図ってまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は午後一時の予定でございます。 午前十一時二十九分休憩