1 外国人介護人材の確保について 2 障害者のためのデジタル社会の構築について 3 性の多様性を認める社会の構築について 4 安全運転相談窓口における作業療法士の配置について 5 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(島田教明君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十三号まで 副議長(島田教明君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十三号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 石丸典子さん。 〔石丸典子さん登壇〕(拍手) 石丸典子さん 皆様、お疲れさまでございます。公明党の石丸典子でございます。 質問の前に一言申し上げます。公明党は、本年十一月十七日、昭和三十九年の結党より六十周年の佳節を迎えさせていただきます。これまでいただいた御支援に感謝申し上げるとともに、改めて大衆とともにの立党の原点に立ち返り、明日行われます公明党全国大会において、新代表と共に現場第一主義を掲げ、大衆福祉、そして世界平和のための政策実現政党を目指してまいります。 性別や性自認、年齢、国籍、障害の有無といった個性を多様性として尊重する社会の実現に向け、私自身が小さな声、多様な声に耳を傾け、どこまでも人に寄り添う公明党議員として、県勢の発展に努めてまいりますことをお誓い申し上げまして、通告に従い一般質問に入らせていただきます。 初めに、外国人介護人材の確保についてお伺いいたします。 まず、外国人介護留学生の確保についてお伺いいたします。 県は、令和六年度、質の高い介護人材の安定的な確保に向け、本年、友好親善交流促進の覚書締結十周年を迎えるベトナム・ビンズン省と連携し、介護施設における介護留学生の受入れの促進、就労の定着を図ろうとされています。 我が公明党、猶野県議の代表質問でも、国内外からの人材確保対策が様々紹介されましたが、福祉分野の人不足は慢性化しており、昨年には、初めて介護職から離職する人が、働き始める人を超える離職超過が起きるなど、一層深刻化しております。 私は議員になる前、一九九六年から約五年間、介護福祉士として老人保健施設で働いておりました。毎日、食事、排せつ、入浴介助など大変な仕事でしたが、入所者の方から、ありがとうという言葉にやりがいを持って働いておりました。その当時の仲間たちも六十代半ばを過ぎ、定年を迎え、介護の現場から離職を始めています。 二○○○年の介護保険制度スタートから二十五年、介護人材確保は確実に外国人へとシフトしています。 私は、今回、幾つかの市内の介護事業者様に求人状況や外国人介護職員の採用についてお聞きするとともに、県の取組を紹介しながら、様々御意見を伺うことができました。 ある施設は、ここ数年、新卒採用はなく、これまで何とかつないできたが、これから外国人採用も考えてみたい、しかし、生活もサポートしないといけない外国人採用には不安があるとの声を頂き、県がサポートしているマッチング支援事業を説明すると、前向きな関心を示されました。 また、既に、インドネシア、ベトナム、ミャンマーなど多くの技能実習生を受け入れてきた施設では、新しい法整備に伴い、今年からは一定の語学力と技能を持った特定技能者の受入れに方向転換し、仲介業者も新たに変えられたそうです。その決め手は即戦力です。 また、県が進める外国人介護留学生制度で、一人ベトナムの方を採用している施設に状況をお聞きすると、仕事ぶりも人柄もよく、満足されておられましたが、採用までの二年間、アルバイトとしての雇用や修学資金貸付制度の保証人、入学準備金十万円、毎月の三万円の居住費サポートなど、人を育てる余裕がない現場では負担に感じ、あしたからフルに働いてもらえる特定技能者の即戦力に期待する声は、ここでも聞かれました。 一方で、仲介業者から紹介され、面接してこの人ならと採用するが、期待と違ったり、一年で辞めて都会へ行かれたりと、高額なお金を払っても安定した人材確保は難しく、そんなもんですよと諦めの声も聞かれました。 三年、五年、十年と長くその施設に働くということは、山口県に長く住み続けるということです。 大小施設規模によりますが、各施設が数ある外国と民間仲介業者を相手に孤軍奮闘する姿に、このたび、県が中心となって進めるベトナム・ビンズン省との外国人介護留学生マッチング支援事業の大きな意義と希望を感じたところです。 様々施設の状況を述べましたが、外国人介護留学生マッチング支援事業の大きな役割を担うのは、留学生を受け入れる県内の介護福祉士養成校です。 防府市の介護福祉士養成校には、昨年はベトナムから一名、今年はネパールから三名、インドネシアから二名、五名の外国人が定員二十五名の二○%を占めていました。 学校関係者からは、留学生が安心して住める住宅の安定した確保を求める声を頂きました。今後増える外国人介護留学生のために、公営住宅の提供など、地域コミュニティーを図れる観点からも検討されてはいかがでしょうか。 外国人が安心・安全に学べる学校か、暮らせる地域か、働ける職場か、選ばれる条件として大事なポイントです。 しっかりと産官学が連携し、知事を先頭に、おいでませウエルカム大作戦を展開し、外国人介護留学生の確保に努めていただきたいと思います。 そこでお伺いいたします。外国人介護留学生の確保にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、県内で働く外国人介護職員の定着についてお伺いいたします。 昨年十月の山口労働局の調査では、県内百九の福祉介護施設で五百四人の外国人が働いていますが、人手不足の各施設は、外国人職員とゆっくり寄り添う時間はなく、言葉の不自由さからつながりも弱く、SNSでつながる同郷の仲間に誘われて都会へ行く人もいるようです。 私は、外国人の定着に一番必要なのは、人とのコミュニケーションであり、職場や地域とのコミュニティーだと思います。一施設では二、三人ですが、県内五百人がつながれば、新たなコミュニティーが生まれ、定着だけではなく、山口県で働きたいと県外や外国からの新たな人の流れも期待できます。 そこでお伺いいたします。県内の外国人介護職員の定着に向けた取組について、御所見をお伺いいたします。 最後に、介護施設の通信環境整備についてお尋ねいたします。 アイパッドや見守りセンサー導入など、介護現場のICT化は待ったなしであり、外国人の確保には重要な整備です。老健はじめ特養などの施設規模では、県のWi─Fi通信環境整備、上限六十万円の補助は少ない、少な過ぎるとの声を多く聞きます。いまだ介護記録を紙ファイルに書かせている施設もあり、三十年前と変わらない現場に驚きました。 そこでお伺いいたします。外国人介護人材確保に重要な役割を持つ通信環境整備についてどのように進めていくのか、県の御所見をお聞かせください。 次に、障害者のためのデジタル社会の構築についてお伺いいたします。 デジタル化は、障害のある人もない人も全ての人が、より豊かな生活を実現するためのものであると信じていますが、私のように、はて、を繰り返し、サポートを必要とする人はたくさんおられ、障害のある方は、何倍、何十倍もそのサポートを必要とされているのではないかと思います。 もちろん、障害があっても、高度なIT専門知識をお持ちの方も多くおられます。 国は、誰一人取り残されないデジタル社会の実現を図るため、デジタル機器の活用に不安のある障害のある方が利便性を享受し、より豊かな生活を実現できるよう、各県一か所の障害者ICT(情報通信技術)サポートセンターの設置を進め、本県は昨年十一月、県内二か所にセンターを設置し、視覚に障害のある方は、下関の盲人福祉協会へ、その他の障害の方は、一般社団法人山口県身体障害者団体連合会・県障害者社会参加推進センターに運営を委託しています。 デジタル社会の実現に向け、センターの役割に期待し、先日、開設から約十か月を迎えるセンターの活動状況を伺いに参りました。 電話での相談件数は十件程度と、意外と少ない数字に驚きましたが、同時に障害者とつながることは容易ではないことを示唆しているように思いました。 じっと待っていても障害者からの声がない実態に対し、これまでICT機器の知識が全くなかった担当職員の方は、ネットから情報収集に取り組み、出前講座を計画し、NPO団体や機器メーカーの方々とつながるところから始め、身体障害者や知的障害者の方を対象にICT機器体験・相談会をこれまで二回開催されておられます。 三回目は聴覚障害者を対象にしたイベントを計画中とのことです。手応えを感じながらも、御案内や情報提供の仕方、もっとたくさんの方に参加していただける方法など、課題として挙げられていました。 ICT機器の開発は、救急車の中や災害時でも手話が伝わる電話リレーサービスや、QRコードからの遠隔手話通訳を可能にしました。 その一方、JRみどりの窓口の廃止や携帯電話がプッシュ型からスワイプ型に変わるなど、容赦のない変更に、障害者だけではなく多くの人が取り残されようとしているのも事実です。 様々な情報を提供し、障害のある方が一人でも多くICTの恩恵を受け、暮らしの不便さが解消されるように、障害者ICTサポートセンターのさらなる取組、充実に期待するところです。 そこでお伺いいたします。県は障害者のためのデジタル社会の構築についてどのように取り組まれるのか、御所見をお聞かせください。 次に、性の多様性を認める社会の構築についてお尋ねいたします。 まず、山口県パートナーシップ宣誓制度による市町との連携についてお伺いいたします。 国において、昨年六月、LGBT理解増進法が成立してより性的マイノリティーへの理解は大きく進み、本県でも、昨年六月の私の代表質問において、知事はワーキンググループを立ち上げ検討すると述べられ、半年後の本年一月、パートナーシップ宣誓制度の導入検討を表明、九月一日よりスタートいたしました。 既に導入されている宇部市や山口市、阿武町に続くものですが、県での施行は当事者にとって大変意義深く、大きな安心感につながっています。 しかし、この制度への県民の理解はどこまで進んでいるのでしょうか。スタートしたばかりですが、各市町の取組はどうなのか、当事者の方々が望んでいる制度になっているのか、私は個人のプライバシーに配慮しつつも、制度導入の機会を最大限に生かし、当事者と一緒になって、県民・事業者への積極的な周知、理解を図ることが重要だと思っています。 今年六月二十九日、昨年に続き、二回目となるレインボープライドパレードが山口市中央公園をスタートに行われました。LGBTQの象徴である虹、レインボーとありのままの自分に誇り、プライドを持とうとの言葉どおり、参加者の表情には笑顔があふれ、その足取りは軽く、自信と誇りに満ちていました。 しかし、会場で行われたトークショーでは、県への感謝と喜びの声とともに、各市町の取組に不安の声が聞かれました。配布されていたしおりには、県知事、県内市長からのお祝いのメッセージが寄せられていましたが、残念ながら、県の九月施行を前にお祝いメッセージを辞退された市が五市あり、各市町の現状、受け止めが気になるところです。 佐賀県では、全国初の取組として、先に導入していた一市一町を含め、県内二十市町との協定を結ばれています。 また、昨年十月一日にスタートした島根県では、ポスターに、島根県と県内全市町村が共同で開始しますと書くなど、県と市町との一体感をアピールしています。 本県の発表では、県内全域の公営住宅の入居など公的サービスのほか、病院で家族としての認知、生命保険の受取人指名、携帯電話の家族割適用など、様々民間のサービスもあるようですが、全ての自治体でサービスが申請できるようになることを期待しています。 そこでお伺いいたします。県制度が九月一日にスタートいたしましたが、県内十九市町とどのような連携、合意ができているのか、お尋ねいたします。 次に、性の多様性を認め合う社会に向けた理解増進の取組についてお伺いいたします。 多様な性があること、性的指向や性自認について認め合い、性的マイノリティーの方々が自分らしく生きることのできる社会の構築に向け、最も重要なことは、当事者の声を聞き、思いを知ること、県民の理解増進です。体の性、心の性、好きになる性、表現する性、また、これらの性自認や性的指向が定まっていない人もいます。 周りにいないと思うのではなく、私は当事者が我が子だったら、我が孫だったらと思いながら理解に努めています。 多様な性について理解するために、知る機会を増やすことが大切と思います。 そこでお伺いいたします。県民の理解増進にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、性の多様性を認め合う学校づくりについてお伺いいたします。 十一人に一人、約九%が性的マイノリティーと言われ、性的指向や性自認に関わることが、いじめや不登校、自死の原因につながっている事例もあり、学校教育の現場でもその取組は難しく、ますます重要になっていると思われます。 性的マイノリティーの方が、自分の性に違和感を持ち始めた時期について、幼少期を挙げられますが、二○一一年に滋賀県大津市での男子中学生の自死を契機に調査された報告書では、保育園でのいじめが初認定されています。 これまで、いじめ防止対策推進法や市の条例では未就学児は対象外でしたが、保護者が改めて市に調査を求め明らかになり、いじめが認定されました。 保育園で髪型や服装をからかわれ、棒でつつかれるなどの行為から登園できなくなり、幼少期に受けた性によるいじめが、その後の彼の人生に大きな影響を及ぼしたことは事実ですし、この報告書は改めて年齢に関係なく、性の違和感への訴えや不安にしっかりと対応することの大切さを示していると思います。 さらに、小・中・高校と揺らぐ多感な思春期の性的指向や性自認等で悩んでいる児童生徒に、安心して生活し、相談しやすい環境づくりは大切であり、教職員の役割、対応は大変重要です。 そこでお伺いいたします。性の多様性を認め合う学校づくりにどのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお聞かせください。 最後に、安全運転相談窓口における作業療法士の配置についてお伺いいたします。 警察庁は、増え続ける高齢者の自動車事故防止に向けて、令和四年五月から、七十五歳以上の高齢ドライバーを対象に運転免許証の更新制度を改め、認知機能検査、高齢者講習に加え、過去三年間の違反歴に着目し、信号無視などの一定の違反歴がある方を対象に、加齢による認知・判断・操作ミスをチェックする運転技能検査を行っています。 私は、先日、小郡の山口県総合交通センターで行われていた運転技能検査の様子を見学させていただきました。受検されていた方は八十代の女性で、教官が助手席に座り、安全速度を維持した走行や一時停止などコース内では落ち着いて走行されていましたが、車から降りられたその姿や足取りに、やや不安定さが見られました。 県警察では、運転免許証を返納した六十五歳以上の高齢者を対象に、タクシーの運賃割引や各種施設の料金割引など、様々なサービスを受けることができる、運転卒業証制度を推進し、免許返納制度を周知されていますが、それでも高齢者の方は返納するタイミングに迷いながら、講習を受けているように思います。 今回、七十五歳以上の方数人の方に、免許返納の時期についてお聞きいたしましたら、車のない生活への不安、不便を語られた方が多く、どの方も加齢により起こる認知機能や判断力の低下を認めながらも、免許返納のそのときを決めかねているようでした。 御近所の九十六歳の男性は、いつも軽トラックで近くのスーパーに行かれていましたが、誕生日に息子に免許証を取り上げられた、と苦笑いしながら話してくださいました。しっかりされていても、やはり御家族の心配はよく分かります。 特に七十五歳以上の高齢者の方は、認知の機能検査に冷や冷やどきどきされ、検査結果の合否を大変気にされています。 私はそれだけではなく、心身機能の回復、維持、低下予防など、リハビリテーションを専門とする作業療法士による検査を加え、高齢者だけではなく、様々障害のある方や、私のように両足人工股関節になったり、膝関節手術を受けたり、身体機能の変化が生じた方にとって、安全運転を心がける機会にすることが有効ではないでしょうか。 私は、令和三年十一月議会でも、安全運転相談窓口への作業療法士配置について質問いたしましたが、現在、本県は看護師一名を配置し、医療系の専門知識を生かしながら相談などに対応されています。 二○一八年に作業療法士を全国初で採用されている神奈川県警では、当初、安全運転相談窓口に週に二日、非常勤で相談と検査を担当されていましたが、作業療法士の専門性は、この方を運転させていいのかと見極める上で、その検査の質を上げる効果が大変評価され、二○二一年からは常勤二名が採用されています。 高齢化が進む本県において、認知・判断・操作の全てに関しての専門家である作業療法士を安全運転相談窓口に配置することにより、運転免許継続の見極めに資する効果が期待されるとともに、様々な理由による身体機能の低下に対しても、リハビリの専門家である作業療法士の特性が生かされると思います。 そこでお伺いいたします。安全運転相談窓口における作業療法士の配置について、警察本部長に御所見をお伺いいたします。 以上で質問を終わります。 御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) 副議長(島田教明君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)石丸議員の御質問のうち、私からは、障害者のためのデジタル社会の構築についてのお尋ねにお答えします。 障害のある方にとって、ICT機器の活用は、生活、就労などの情報を得ることを容易にし、暮らしの利便性を向上させるための有効な手段になることから、障害のある方のICT機器の活用能力の向上と利用機会の拡大を図ることは重要です。 このため、県では、障害者いきいきプランの重点項目に、地域で共に暮らせる、住みよい生活環境の整備を掲げ、昨年十一月にICTサポートセンターを設置し、障害のある方のICT機器の利活用を促進する環境づくりを行っているところです。 このICTサポートセンターでは、障害のある方を対象としたICT機器の利用に関する相談窓口を設けるほか、県内各地で講習会を開催し、ICT機器の活用能力の向上を図っているところであり、約千人の方々に参加を頂いています。 また、様々な障害特性を理解し、それぞれに応じた適切な支援を行う必要があるため、身近な地域で、障害者に対するICT機器の体験や利用に関する相談、支援を行うICTサポーターの養成を進めています。 加えて、障害のある方が、ICT機器の活用により暮らしの利便性を享受できるよう、機器メーカー等と連携し、障害で失われた機能を補完するテクノロジーを生かした新製品や新サービスの体験・相談会を開催しています。 具体的には、重度の障害がある方が意思伝達を容易に行うことができる装置や、画像をAI解析し音声で読み上げることで視覚障害がある方が認識できるアプリ等を紹介するとともに、参加者から個別に相談を受ける等の取組を行っています。 このように、障害者やその家族、施設や病院で障害者の支援に携わる方々が、最新の製品やサービスを実際に体験し、相談できる場を設けることは、障害者やその支援者がデジタル技術の恩恵を享受する入り口として重要と考えており、引き続き、こうした取組を強化してまいります。 私は、今後とも、障害の有無によって分け隔てられることなく、誰もが豊かな人生を送ることができる、デジタル技術を活用した共生社会の実現に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(島田教明君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)外国人介護人材の確保についての三点のお尋ねにお答えします。 高齢化の進行に伴い、介護ニーズのさらなる増加が見込まれる中、安定的な介護人材の確保に向けて、外国人材の活用は有用な方策の一つであることから、県では、外国人介護人材の確保に向けた取組を推進しているところです。 まず、外国人介護留学生の確保については、介護福祉士として就労する意欲のある留学生の経済的負担を軽減するため、介護福祉士修学資金の貸付けに加え、日本語学校の学費や、介護福祉士養成校等に在学中の居住費を助成する支援事業を実施しています。 こうした中、ベトナム・ビンズン省との友好交流を背景に、昨年九月、介護分野における協力に関する覚書を締結したところであり、県内の介護福祉士養成施設等で介護の技術を学び、県内の介護施設で働くことを希望する留学生の受入れ促進に取り組むことにしています。 具体的には、今年六月に、施設等を対象に留学生の受入れに関する事業説明会を開催したところであり、今後、十月に開催するビンズン省での留学希望者向け説明会において、一人でも多くの学生が本県に留学していただけるよう取り組んでまいります。 次に、外国人介護職員の定着に向けては、県内の介護施設を対象に、外国人介護職員を受け入れる準備や心構え等についての研修や、実際に外国人材を活用している事業所からの取組事例の紹介等を通じて、外国人介護職員が山口県で安心して仕事ができる職場環境づくりに努めているところです。 また、お示しのように、職場や地域とのつながりが外国人介護職員の定着に向けて重要であることから、他県の先進事例等を参考としつつ、まずは、施設長等を対象としたセミナーにおいて、外国人職員とのコミュニケーションの促進などについて、幅広く周知してまいります。 次に、通信環境整備については、お示しのとおり、外国人介護人材の負担軽減、定着にも資することから、介護現場のICT化は重要と考えています。 現在、国の外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会において、介護現場のICT化を含む総合的な取組に対する議論が進められており、国の動向も踏まえながら適切に対応してまいります。 県としては、こうした取組を通じ、外国人介護人材の確保に積極的に取り組んでまいります。 副議長(島田教明君)近藤環境生活部長。 〔環境生活部長 近藤和彦君登壇〕 環境生活部長(近藤和彦君)性の多様性を認める社会の構築についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、山口県パートナーシップ宣誓制度による市町との連携についてです。 制度の導入に向けては、まず、当事者が使いやすく、県民に分かりやすいものとなるよう、当事者団体や市の担当課長等で構成する調整会議を設置し、御意見を伺った上で実施要綱を策定しました。 また、お示しのとおり、県民の生活に身近な市町と連携して取組を進めていくため、市町に制度の趣旨や導入の目的等を説明し、理解を図ってまいりました。 さらに、制度の施行に当たっては、市町の首長や担当課長が集まる会議等を通じて、同性のカップルが、事実婚のカップルと同等の行政サービスを受けられるよう協力をお願いしたところ、県内全市町から様々なサービスを提供いただき、県ホームページで紹介しています。 また、県内で先行して制度を導入している市町については、サービスが相互に利用できるよう、市町の制度に基づく受領証等は、県交付の受領証等と同等の効力があるものとして取り扱うこととしています。 なお、市町からは、提供可能な行政サービスとして手続面も含め検討中のものもあるとお聞きしており、対応可能となったものから随時、情報を更新してまいります。 制度の県民への周知については、県広報誌への掲載や、当事者団体が主催するイベントでのチラシの配布に加え、市の広報紙やホームページへの制度概要の掲載、市町の出先機関等へのチラシの配置など、市町においても周知広報に努めていただいているところです。 県としては、引き続き、県内十九市町と連携しながら、行政サービスの充実や制度の周知を図り、当事者に使いやすく、県民に分かりやすい制度となるよう努めてまいります。 次に、性の多様性を認め合う社会に向けた理解増進の取組についてです。 LGBT等の性的マイノリティーの方々の生きづらさを軽減し、誰もが安心して暮らせる環境づくりを進めるためには、県民の理解増進に取り組んでいくことが重要です。 このため、当事者の体験談等を交えた性の多様性をテーマとしたセミナーを開催し、多くの県民に参加いただくとともに、市町や企業、学校等に対する県政出前トーク等を通じて、県民の理解促進を図っています。 また、LGBT等の基礎知識に関するリーフレットの県内の公共施設への配置に加え、民間団体のイベントでも配布するなど、広く県民の皆様のお手元に届くよう努めています。 今後は、県民を対象とした啓発セミナーのオンデマンド配信を実施するとともに、事業所等における理解を深めるため、LGBT等の職員や顧客に対する適切な対応、パワハラ対策など、事業主として配慮すべき事項をまとめたハンドブックを作成し、県内事業所等に広く普及することとしています。 県としては、引き続き、市町や関係団体等と緊密に連携しながら、県民の性の多様性を認め合う意識の醸成を図ってまいります。 副議長(島田教明君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)性の多様性を認め合う学校づくりについてのお尋ねにお答えします。 性的指向や性自認の多様性に対する社会の関心が高まる中、性的マイノリティーとされる児童生徒が、性を理由とした偏見や差別に苦しむことなく、安心して通うことができる学校づくりに取り組むことが必要です。 このため、各学校においては、日常的な教育活動を通じて、全ての子供たちに対し、性の多様性についての理解促進や人権意識の醸成に取り組むとともに、性的マイノリティーとされる児童生徒や保護者の意向を踏まえ、自認する性別に配慮した服装や髪型、呼び名を認めるなど、必要な支援に努めています。 また、学校において、児童生徒が、日頃の悩みや不安を安心して相談できるようにするためには、教職員自らが性的マイノリティーとされる児童生徒のよき理解者となることが重要であることから、県教委では、市町教委と連携し、性の多様性に対する教職員の理解増進と、相談・指導スキルの向上に取り組んでいます。 具体的には、中核となる管理職や人権担当者を対象に、性の多様性への正しい理解や必要な対応等を取り入れた研修を行っているところであり、今後は、全ての教職員に対し、児童生徒へのカミングアウトの強要の防止や、本人の同意を得ずに秘密を広める、いわゆるアウティングの防止などに向けた実践的な研修を推進してまいります。 さらに、全ての公立学校に配置されているスクールカウンセラーによる定期的なカウンセリングや、SNS等を利用した二十四時間相談窓口の活用などを通じて、専門機関と連携した組織的な教育相談体制の充実に努めてまいります。 県教委といたしましては、全ての児童生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、市町教委と連携し、性的指向や性自認の多様性を認め合う学校づくりに取り組んでまいります。 副議長(島田教明君)熊坂警察本部長。 〔警察本部長 熊坂隆君登壇〕 警察本部長(熊坂隆君)安全運転相談窓口における作業療法士の配置についてのお尋ねにお答えいたします。 安全運転相談については、障害や一定の病状を呈する病気等のため安全運転に不安がある方や高齢者、またはその御家族からの相談を受け付け、安全運転に必要な指導や自主返納等の助言を行うなど、重大交通事故の未然防止に大きな役割を果たしております。 安全運転相談は、本年八月末で七百三十二件を受理しており、その結果、運転免許取消処分二十九件、停止処分十一件につながっており、所要の効果を上げております。 議員お示しのとおり、県警察では、平成三十年から安全運転相談窓口に看護師資格のある職員一名を配置しており、医療の専門的知識や経験を生かし、相談者の方の症状や病状に応じ、臨時適性検査の受検勧奨を行い、オートマチック車限定等の運転免許条件を付与するなど、その方に最も適切な指導・助言を行っているところでございます。 また、医療機関所属の作業療法士から障害のある方の運転について個別の相談にも対応しており、臨時適性検査の受検等適切な教示を行っているところでございます。 さらに、山口県作業療法士会等関係機関・団体と定期的な連絡会議を開催し、運転再開のため支援体制等の情報共有を行っているところであり、今後は、作業療法士が在籍し、運転支援体制のある医療機関ともさらなる連携強化に努めていくこととしております。 このほか、県警ホームページや県シルバー人材センター連合会、県老人クラブ連合会、自動車学校等関係機関・団体にチラシを配布するなど、安全運転相談の受講勧奨に努めているところでございます。 このように、県警察といたしましては、安全運転相談については、現体制で適切に行われていると考えておりますが、今後は、作業療法士会等関係機関・団体等とより緊密に連携し、必要に応じ、作業療法士による相談ができる旨紹介するなど、安全運転に不安のある方やその御家族等相談者の方に親身になった対応に引き続き努め、安全運転の継続に必要な指導・助言に努めてまいります。