討論
議長(柳居俊学君)岡生子君。 〔岡生子君登壇〕(拍手) 岡生子君 自由民主党会派を代表いたしまして討論を行います。 我が会派は、知事から提出されている全ての議案に賛成し、請願三件をいずれも不採択とすることに賛成をいたします。 新年度の予算を審議する今定例会において、知事は、私ども自由民主党会派からの県政運営に関する代表質問に対し、人口減少を本県の最重要課題に挙げ、何としても人口減少を克服し、安心と豊かさの実感を県民に届けていくとの強い意見を述べられました。また、県政が直面する重要課題について、次年度の具体的な対応方針をお示しいただいたところです。 県政与党である我々自由民主党会派は、知事による県政運営の成果が着実に芽を出し、それが実感としてしっかりと県民に届けられるよう促していく責務があります。 そこで、議案一号 令和七年度一般会計予算について、賛成の立場から意見を述べさせていただきます。 まず、予算の大きな柱である、人口減少の克服に向けた取組の充実についてです。 若者の人口流出などに伴う生産年齢人口の減少により、あらゆる分野で人材不足が深刻化しており、企業活動や県民生活に多大な影響を生じています。我が自民党山口県連にも、多くの団体から人材不足に関する切実な声が届けられています。 こうした状況を踏まえ、このたびの予算は、若者や女性、外国人など様々な人材が活躍できるよう、県外や国外への新たな拠点の設置や若者の県内就職・県内定着を支援することにより、人材の確保・育成に取り組み、各分野での人材不足対策を強化する内容となっています。 本県からの転出超過が最も多い福岡県への相談支援拠点の設置、若者の県内定住を促すための住宅取得支援制度の構築など、本県独自の斬新な視点から施策が打ち出されており、人口減少を克服しようとする知事の思いが伝わる取組であり、その事業効果に期待しているところであります。 あらゆる分野で課題となっている人手不足は、まさに県民、事業者が直面する課題であり、その対応に一刻の猶予もありません。事業実施に当たっては、市町や関係団体とも連携し、実効性ある取組を速やかに実行し、確かな成果に結びつけていただくようお願いいたします。 人口減少を克服するためには、若い世代が将来に希望を持って働き、安心して子供を産み育てることのできる社会としていくことが重要です。 今年度から第二子以降の保育料無償化や不妊治療の経済的負担軽減など、全国トップ水準の手厚い本県独自の支援策を講じられていますが、引き続き、若者や子育て世代の声にしっかりと耳を傾け、県民に寄り添った支援を講じていく必要があります。 そうした中、結婚から子育てまで切れ目のない支援を充実強化するとされ、結婚応縁センターの会費無料化や若い世代への広報の強化により、出会いの機会の拡大を図るとともに、母子への新たな取組として、全県的な産後ケアサービスの提供体制の構築などの支援策を講じるとされています。 こうしたきめ細やかな支援は、若者や子育て世代に寄り添い、そうした方々への大きな支えともなると考えます。その実施に当たっては、市町や関係団体との緊密な連携や県民への取組の周知が不可欠です。執行部におかれましては、円滑に支援がスタートし、対策の効果が対象となる方へくまなく行き渡るよう、きめ細やかに政策を推進していただくようお願いいたします。 次に、将来に希望を持って暮らし続けられる地域社会づくりについてです。 知事は、当面の人口減少が進む中でも、県民誰もが山口県で希望を持って働き、安心して豊かに暮らし続けられる地域社会づくりを着実に進めるため、成長のエンジンとなる産業力をさらに強化するとともに、防災・減災対策への重点的な予算措置を行い、県民の安心・安全を確保すると述べられました。 産業力のさらなる強化については、コンビナートのカーボンニュートラルに向けて、将来の企業間連携が見込まれる研究開発・実証実験に対する補助制度の創設、複数企業による共同配送などの物流効率化モデルの構築、戦略的な海外ビジネスの拡大に向けた企業の取組段階に応じた補助制度の創設など、その対策は多岐にわたりますが、現状の課題や現場の声を反映した内容の充実がしっかりと図られています。 本県では、連続して過去最高水準の賃上げを実現した一方、生産年齢人口の減少による人手不足や物価高騰が大きな課題となっています。 そうした中にあっても、本県の産業力の強化はしっかりと進めていかなければなりません。各施策が県下にくまなく行き渡り、県内産業や中小企業者の成長に着実につながるよう、全力で取組を進めていただきたいと思います。 観光振興については、本県が世界に誇る観光資源を最大限に生かし、その価値を高めながら、知事自らが先頭に立って、国内外から誘客拡大に向けた戦略的なプロモーションや魅力ある地域づくりに取り組むとされ、本年開催される大阪・関西万博や来年秋の山口デスティネーションキャンペーンも見据えた予算措置となっています。 一方で、私ども自由民主党会派の代表質問でも触れましたが、インバウンドの観光客数が伸び悩む中、県内に観光振興による恩恵を行き届かせるために、大阪・関西万博や山口DCを一過性のイベントとするのではなく、各地域のポテンシャルを生かした観光地域づくり、インバウンド需要の取り込みや県内周遊の促進など、実効性のある施策を戦略的に展開し、様々な好機を確かな成果として、観光関連産業の持続的な発展による地域の活性化にしっかりとつなげていただきたいと思います。 そして、能登半島地震の課題を踏まえた防災・減災対策の強化については、一年間の課題検証を踏まえ、体制、物流、避難などの分野ごとに、今後取り組むべき対策を速やかに実行に移すと述べられました。 災害時の通信環境の確保やドローンによる緊急物資の輸送体制の構築、避難所の環境改善を目的とした資機材整備に加え、住宅の低コストな耐震改修工法の技術者育成、災害派遣精神医療チームの養成等による災害医療体制の充実など、幅広い分野で防災・減災対策を強化する内容となっており、本県防災力の強化に確実につながるものとして大いに評価ができます。 我が会派は、自然災害への危機感を常に持ちながら、これまでも防災・減災対策の充実を訴えてきましたが、そうした意も酌み取っていただき、今回の対策強化につながったものと思います。 災害は、いつ、どこでも起こり得るものと、改めて迅速な取組を進めていただき、県民の暮らしの安心・安全をしっかりと確保していただくようお願いいたします。 このほか、足元の物価高に対しても、国の経済対策に呼応し、引き続き、きめ細やかな支援を講じることとされており、県民や事業者に寄り添った対応と、そしてその効果が早期に発現するよう、速やかな事業実施をお願いいたします。 以上、令和七年度一般会計予算に対して、賛成の立場から、るる意見を述べさせていただきました。 このたびの予算は、私ども自民党県連が多くの関係団体等からお聞きをした切実な要望に対しても、可能な限りの措置がされており、私どもも総じて前向きな取組が多く盛り込まれた予算であると評価をし、期待もしています。 知事はじめ執行部におかれましては、この予算により、県政最大の課題である人口減少にこれまで以上に強い危機感を持って、令和七年度の県政運営に全庁一丸となって取り組んでいただくことを切にお願いいたします。 私ども自由民主党会派としましても、安全で安心して暮らせる、未来に希望が持てる山口県を築き上げるため、県政運営をしっかりと支え、時に直言もしながら、共に多くの県政の課題にひるまず、真正面から向き合ってまいる決意であることを改めて申し上げます。 最後に、本定例会には、請願第一号から第三号が提出されています。これら請願三件に対する我が会派の意見は、先ほどの委員長報告で述べられたとおりです。議員の皆様におかれましても、何とぞ御理解を賜りますことを我が会派からもお願い申し上げまして、自由民主党会派の賛成討論といたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手)