1 知事の政治姿勢について 2 地域医療体制の確保について 3 基地問題について 4 道路行政について 5 公立大学の自治について 6 その他
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(島田教明君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第七十五号まで 副議長(島田教明君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第七十五号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 日本共産党の木佐木大助です。通告に従い質問いたします。 質問の第一は、知事の政治姿勢についてお尋ねします。 一つは、公正・公平な選挙制度についてです。 昨年来、地方選挙で候補者の街頭演説への妨害、また、候補者が自身への投票を呼びかけずに、ほかの候補者を応援する二馬力の選挙戦、ポスターの公営掲示枠の販売など、民主主義と地方自治の根源となる選挙の土俵が汚される事態が相次いでいます。 そうした中で、先月十七日、村岡嗣政知事を含め、全国十九府県の知事が、民主主義と地方自治を守るための緊急アピールを発表しました。 アピールの内容は、我が党もおおむね賛同できるものですが、村岡知事はどのような思いで賛同され、公正な選挙の土俵が汚される事態を生じさせないため、今後どのように対処されるのか、お尋ねします。 二つは、歴史認識についてお尋ねします。 今年は、戦後八十年の区切りの年であります。この間、歴代首相は、戦後五十年の村山談話、同六十年の小泉談話、そして、七十年の安倍談話など、節目節目で歴史認識に関わる重要なメッセージを国際社会に発信してきました。 五十年の村山談話は、日本が国策を誤り、植民地支配と侵略を行ったという歴史認識を明確にして、日韓・日中・日朝間の政府合意文書にも取り入れられ、国際的合意文書となっています。 これらを継承、発展させることは、日本政府の国際的責務となっています。だからこそ、小泉談話でもそれを継承いたしました。 しかし、日本の侵略戦争を美化する勢力は猛反発をしました。その中心にいたのが、戦後レジームからの脱却を掲げ、村山さんの個人的な歴史観に日本がいつまでも縛られることはない、という安倍さんでありました。これは、二○○九年、雑誌「正論」の二月号で述べておられます。 七十年安倍談話は、国際関係も考慮し、さすがに村山談話の全否定はできず、侵略、植民地支配、また反省やおわびなどの文言はちりばめていますが、日本が国策を誤り、植民地支配と侵略を行ったという歴史認識は全く語られず、村山談話の立場を、事実上投げ捨てるものでありました。 今、ウクライナ侵略やガザでのジェノサイドなど、軍事的緊張と分断が広がっています。一方で、ASEANが軍事的対決ではなく、包摂的な平和構想を提唱するなど、平和の潮流も発展してきています。 このときに、日本が戦後八十年に当たり、さきの侵略戦争と植民地支配に真摯に向き合い、そして、その教訓を踏まえ、ブロック対立や軍事的対応を広げるのではなく、包摂と対話による平和な世界へ貢献する意思を発信することは、あの侵略と植民地支配を行い、アジア太平洋地域で二千万人もの人の惨禍を行った日本の国際社会と歴史への責任だと考えます。知事の認識を伺います。 質問の第二は、地域医療体制の確保についてです。 一つは、地域医療構想について伺います。 日本は、人口当たりの医師数が世界でも低水準で、もともと医療提供体制が脆弱でしたが、自公政権は地域医療構想の名で、二○二五年をめどにした公立・公的病院の統廃合、病床削減を進め、自治体に病床削減を迫ってきました。その結果、コロナ危機で病床逼迫を招いたことは、記憶に新しいところであります。 資料一に示したように、県内でも新型コロナなどパンデミックの際の受入先となる高度急性期・急性期病床は、二○一五年比で千七百九十七床削減されています。必要とされる病床数と比較すると、さらに二千三百四十床の削減が求められます。こんな無謀な目標は見直されるべきであります。この点について見解を求めます。 こうした病床削減の、てことされてきたのが、病床機能再編支援事業であります。病床削減に対する、いわゆる補助金です。一床当たり最大二百万円程度支給されます。 資料二のとおり、二○二○年度から今年度までに十六億四千万円使われ、八百八十一床削減されました。 看過できないのは、稼働率が高い病床ほど補助単価が高いということです。必要度の高い病床の削減を優遇するのは本末転倒ではないでしょうか、お尋ねします。 加えて問題なのは、このたびの二月補正予算案に、医療需要等の変化を踏まえた医療機関に対する支援として、病床数の適正化を進める医療機関を対象にした給付制度が盛り込まれたことです。 一床当たりの給付額は四百十万円と二倍に跳ね上がり、約百八十床分の七億三千万円が計上されています。 お金をちらつかせて病床削減を推奨することは、病床削減ありきではないと繰り返し言明してきた山口県の姿勢にも反するものではありませんか、お尋ねいたします。 自公政権は、昨年三月、二○四○年以降を見据えた、新たな地域医療構想の概要を公表し、新年度中にもガイドラインをまとめようとしていますが、ただでさえ逼迫している医療供給体制を脆弱なものにすることは許されません。今こそ医療の強化に本腰を入れるべきと考えますが、見解を伺います。 二つは、医師確保対策についてです。 今年一月、岩国市が、市立錦中央病院の五十三床の急性期病床を、四月以降、十九床の回復期病床に転換し、錦中央医院、診療所とする計画を明らかにし、地元住民から、休日・夜間の救急医療体制を不安視する声が上がっています。常勤医の確保が困難になったことが原因と説明されています。 同病院の急性期病床は、地域医療構想でも必要な病床とされているものであります。医師確保の責任の一端を担うべき県として、地元住民の不安を解消するためにも早急に対処することが必要と考えますが、伺います。 質問の第三は、基地問題について伺います。 物価高騰が続き、国民が苦境に追い込まれる中、社会保障や教育など、暮らしの予算は物価高騰に追いつかず、実質マイナスの一方で、軍事費だけが前年比九・五%増と異常に突出しています。まさに、軍事栄えて民滅ぶ、の究極の悪政が、まかり通っています。 我が党の田村智子委員長は、予算案の抜本的組替え提案の中で、軍事費が三年前から一・六倍という増え方は、一九三一年九月、あの満州事変勃発後の三十二年度予算の軍事費が、三年前から一・四倍になったのも上回っており、戦時下に匹敵する異常な膨張となっていると警鐘乱打しました。 さらに山口大学名誉教授の纐纈厚先生は、抜本的に防衛力を強化とは、これまでにない大軍拡にさらに拍車をかけ、従来と異なる次元で突き進むアメリカの軍事戦略のみに唯々諾々として追従する姿勢を示している、日本は文字どおり、新たな戦前を迎えることになる、と指摘しています。 この危機の表れは、県内でも顕著であります。 一つは、米軍と自衛隊との共同訓練についてです。 昨年十月二十三日から十一月一日の間、自衛隊と米軍による日米共同統合演習、キーン・ソードが実施をされました。 台湾有事での中国と米国の武力衝突を想定していると見られ、最前線の南西諸島をはじめ、米軍のアジア最大の出撃・中継・補給拠点である日本が、戦場になることを前提とした軍事演習であります。 米軍岩国基地の戦闘機F35Bなどのほか、航空自衛隊三沢基地、青森県からF35A、六機などが飛来し、四国沖で、統合防空ミサイル防衛と統合対艦攻撃訓練に参加しました。 陸上自衛隊第十七普通科連隊などの約六百人と車両二百台が岩国基地に入り、米軍と共同の警備訓練も行われています。 二月十九日から明日の三月七日までは、陸上自衛隊と米海兵隊による大規模な共同軍事演習、アイアン・フィスト25、鉄の拳が、九州・沖縄の広範囲で実施中であります。 民間地を使用した海や空からの上陸訓練や陸上戦闘訓練、そして、米軍岩国基地所属の海兵隊F35ステルス戦闘機の飛行や爆撃訓練など、南西地域の戦場化を想定した実戦さながらの訓練であります。 この二つの共同軍事演習に共通するのは、南西地域の戦場化を想定した実戦さながらの訓練であり、まさに対中国を念頭にした米軍の介入戦争を想定した共同訓練と軌を一にする危険なものであります。日本の防衛とは全く関係ありません。 指摘した二つの日米共同訓練について、山口県は防衛省からどのような説明を受けているのか、お尋ねします。 そして、こうした演習に、米軍岩国基地所属の部隊や県内の自衛隊が参加することは、米軍の不法な介入戦争に加担する、そして、県民の生命・財産を危険にさらすおそれもあります。 県としても、防衛省に対して厳重に抗議をして、二度と行わないことを求めるべきではありませんか、お尋ねします。 二つは、PFOS等の実態調査についてです。 昨年、米軍岩国基地に近接する遊水池から採水した海水から、国の暫定指針値の三倍を超えるPFOS及びPFOAが検出されたことを市民団体が明らかにしました。汚染源が岩国基地である疑いは極めて濃厚であります。 PFOS及びPFOA、これらを含む有機フッ素化合物は、世界的にも人体に影響を及ぼす健康被害が問題になり、政府も従来の努力義務にとどまる暫定目標値から法的な義務を伴う水道法上の水質基準の対象にする方針を明らかにしています。 山口県が、新年度予算案に、水環境中のPFOS等存在状況調査事業に三百九十一万円を計上したことは評価しますが、調査を踏まえて、汚染源を特定することが必要であります。 報道機関のアンケート調査では、二十二道府県が汚染源特定の調査に前向きであるのに対して、山口県は未定、そして検討していないとの回答だったと報じられています。 状況調査においては、県内に点在するフッ素化合物の製造工場付近はもちろん、過去にPFOS等を貯蔵、使用された可能性のある米軍岩国基地や自衛隊基地に隣接する水路や遊水池等を調査対象にするとともに、排出源の特定を基本姿勢として、全県的な調査を行うべきと考えますが、伺います。 質問の第四は、道路行政についてであります。 一つは、下関北九州道路について伺います。 下関北九州道路事業は、現在、都市計画の手続、併せて環境アセスの手続が行われている段階です。 都市計画決定告示までに要する期間は、おおむね二年が想定されていますが、着工に向けては、事業主体が未定な上に、近年の物価高騰の影響が事業費の高騰を招くことは避けられません。 昨年八月、国土交通省は、道路事業の事業費増について、という調査結果を公開しました。昨年四月時点で事業中の直轄改築事業の事業費増を調査したものであります。 資料三に示したとおり、高規格道路二百二十五事業、一般二百三事業を対象にした調査で、増加率の平均値は三○・四%増ですが、高規格道路のうち二十二事業の増加率は一○○%、つまり二倍以上と想定されています。 下関北九州道路の現行ルート案の想定事業費は、最大三千五百億円とされていますが、これは六年も前の試算であります。今回の国交省の調査結果を踏まえると、下関北九州道路の事業費が二倍を超える可能性は否定できないと考えますが、お尋ねします。 昨年六月議会では、事業費がどれだけ膨張しても、必要な事業として推し進める考えを示されましたが、二倍以上になる可能性が現実味を帯びている現時点でも同じ考えなのでしょうか、見解を伺います。 二つは、県管理道路の維持管理についてであります。 不急の下関北九州道路は、幾らかかっても推し進める一方で、道路の維持管理については、物価高騰の中でもほとんど事業費は据え置かれたままであります。 全国的に道路陥没などが相次ぐ中で、維持補修の緊急性は高まっています。道路の維持管理についても、必要な事業として予算を抜本的に増額すべきではありませんか、お尋ねします。 質問の第五は、公立大学の自治についてです。 先日、下関市立大学を守る会の総会と講演が行われました。改めて明らかになったことは、大学自治の法的性格は、憲法二十三条で保障された学問の自由を制度的に保障するもので、これは広く知られていますが、この大学の自治は、教授会または教育研究審議会が、教員の人事権を持ってこそということであります。この解釈に異論はないか伺います。 この教員人事権について、下関市立大学は、設置者、前田晋太郎下関市長の定款変更以来、教授会が事実上排除され、法人理事会が独占し強権支配するなど、全国八十四の公立大学法人の中で唯一、最低最悪の事態に陥っていることが、改めて鮮明になっています。 この結果、さきの県労働委員会が裁定した不当労働行為問題や、昨年六月の飯塚理事解任無効確認訴訟の完全勝利、続いて、一月十六日の別のA教授の懲戒処分無効確認訴訟の高裁での勝利など、大学運営が全く機能せず、学問の府どころか大学の自治への乱暴なじゅうりんが行われています。 こうした行政上の瑕疵を正していくのが、地独法百二十二条であります。今や事態は、学内問題などと見て見ぬふりをしているときではありません。 全国八十四公立大学法人で唯一、教授会が教員人事権を持っていない大学であります。これは認可権者、村岡知事の見識と名誉に関わる問題でもあります。直ちに、地独法百二十二条三項四項に基づいて、是正措置を取るべきであります。 知事の見解を求めて、第一質問を終わります。(拍手) 副議長(島田教明君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)木佐木議員の御質問のうち、私からは、公正・公平な選挙制度についてのお尋ねにお答えします。 昨今、いわゆる二馬力選挙と呼ばれる事案のほか、候補者や演説を行う者への暴力行為や不適切なネット利用など、民主主義や地方自治の根幹をなす選挙制度において、公職選挙法の趣旨を損なうような事態が相次いで発生しています。 私は、このような事態が横行することによって、限られた選挙運動期間に、十分な政策論争を公正・公平に行い、有権者の判断を仰ぐことが阻害され、民主主義と地方自治を脅かしかねないとの懸念を持ったことから、速やかにその是正が図られるよう、このたび緊急アピールに賛同したものです。 現在、国会では、選挙運動用ポスターに、品位保持規定等を設ける公職選挙法の改正が審議されています。 その附則において、最近における選挙をめぐる状況に対応するための施策の在り方について、引き続き検討が加えられ、その結果に基づく必要な措置が講じられるとされており、アピールの趣旨に沿った対応が、国において適切に進められるものと考えています。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(島田教明君)永富総合企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)歴史認識についてのお尋ねにお答えします。 歴史認識などの外交問題は、どこまでも国の専管事項であり、県として見解を申し述べる立場にありませんが、国においては、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継がれ、様々な機会を捉えて、世界の平和と繁栄に向けた発信に努められていくものと承知しています。 次に、公立大学の自治についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、大学の自治は、教授会等が教員の人事権を持ってこそとのお尋ねですが、教授会等が持つ権限の範囲については、各大学の裁量に委ねられているものと承知しています。 また、これに関連して是正措置を取るべきとのお尋ねですが、教員の人事を含む大学の業務運営に関して、県は指導・助言を行う権限を有していないことから、是正を求める考えはありません。 副議長(島田教明君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)地域医療構想についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、必要病床数の見直しについてです。 必要病床数は、国が示した基礎データを基に、医療法に定める計算方法で算出したものであることから、これを見直すことはできません。 次に、病床機能再編支援事業についてです。 国の病床機能再編に係る支援制度は、地域の実情に応じた機能分化・連携を進め、持続可能な医療提供体制を構築するために自主的に行われる病床減少を対象とするものであり、補助単価については、国において適切に設定されているものと認識しています。 次に、二月補正予算案の給付制度についてです。 令和六年度の国補正予算において、経済対策として、医療機関の経営状況の急激な変化等に対応するため、緊急的に措置されたものであり、病床削減を目的とするものではありません。 次に、新たな地域医療構想についてです。 新たな地域医療構想は、八十五歳以上の高齢者の増加や人口減少がさらに進む二○四○年を見据え、良質かつ適切な医療を効率的に提供できる体制を確保し、地域の医療提供体制全体の課題解決を図るものとされています。 次に、医師確保対策についてのお尋ねにお答えします。 錦中央病院の有床診療所化は、地元岩国市が設置した検討会において方針が決定された後、地元の医療関係者や受療者、住民の代表等で構成する調整会議で合意されたものです。 県では、岩国市からの要望等を踏まえ、自治医科大学で養成した医師を派遣しているところです。 副議長(島田教明君)田中総務部理事。 〔総務部理事 田中康史君登壇〕 総務部理事(田中康史君)基地問題についての御質問のうち、米軍と自衛隊との共同訓練についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、日米共同訓練に関する国からの説明についてです。 お示しのキーン・ソードについては、国から、昨年十月二十三日から十一月一日までの間、日本周辺海空域、自衛隊施設、米軍岩国基地等において、訓練を実施するとの説明がありました。 訓練内容としては、岩国基地において、陸上自衛隊による基地等警備訓練や滑走路復旧訓練、海上自衛隊艦艇への補給訓練、四国沖等において、統合防空ミサイル防衛訓練及び統合対艦攻撃訓練等が実施されるとのことでした。 アイアン・フィスト25については、国から特段の説明は受けていませんが、訓練は、長崎県、熊本県、鹿児島県及び沖縄県において実施されており、岩国基地及びその周辺においては実施されていないものと認識しています。 次に、県は国に対して、これらの訓練に抗議し、二度と行わないことを求めるべきとのお尋ねです。 お示しの日米共同訓練は、国の専管事項である外交・防衛政策の一環として行われるものであり、県は地方自治体として、その是非を論ずる立場になく、県として、抗議や訓練の中止を求める考えはありません。 副議長(島田教明君)近藤環境生活部長。 〔環境生活部長 近藤和彦君登壇〕 環境生活部長(近藤和彦君)基地問題についての御質問のうち、PFOS等の実態調査についてのお尋ねにお答えします。 来年度の調査は、県下全域を対象として、泡消化剤を保有・使用する空港や消防施設、防衛施設など、PFOS等の排出源となり得る施設周辺の河川や海域の環境基準点、地域の代表的な井戸において実施することとしています。 また、当該調査は、県下全域のPFOS等の存在状況を把握することを目的としており、排出源の特定を行うものではありません。 副議長(島田教明君)大江土木建築部長。 〔土木建築部長 大江真弘君登壇〕 土木建築部長(大江真弘君)道路行政についての御質問のうち、まず、下関北九州道路についての二点のお尋ねにまとめてお答えします。 下関北九州道路は、関門橋や関門トンネルと環状道路網を形成することにより、地域間の連携や日常的な交流を促進し、関門地域の自立的発展を支える重要な基盤であり、災害時等にも機能する信頼性の高い道路網を構築する観点から、その整備が必要であると認識しています。 当該道路の事業費は、今後の新規事業化に向けた手続の段階で、改めて検討されることとなります。 また、事業の実施については、必要性や整備効果などを総合的に勘案して判断されるものと考えています。 次に、県管理道路の維持管理についてお答えします。 道路利用者の安心・安全な通行を確保するためには、道路を良好な状態に保つことが必要であることから、路面の補修等について、緊急性や重要性の高い箇所から順次実施するとともに、デジタル技術を活用したインフラメンテナンスの高度化・効率化等にも取り組んでいるところです。 県としては、こうした道路の維持管理を適切に実施するために必要な予算を計上していることから、お尋ねの予算の抜本的な増額は考えていません。 副議長(島田教明君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再質問を行います。 知事の政治姿勢、二馬力選挙の問題ですが、民主主義の根幹を揺るがす大問題について、改めて十九知事がアピールを出す、そして、国に抜本的な対策を求めて、国でも審議が始まったということは極めて重要だと思います。 今後、兵庫県の問題を含め、全国知事会でのテーマにする必要があるというふうに考えますが、改めて知事に伺います。 歴史問題について、知事は答弁を回避されました。この点では、石破首相がまだ八十年談話を出していない今だからこそ、国に気兼ねなく、知事自らの思いを語れるのではないですか、改めてお尋ねします。 地域医療構想については、県は病床削減ありきではないと言い続けられてきました。しかし、結果として、この十年間に新型コロナなどの緊急時の受入先となる高度急性期・急性期の病床が千八百床も削減され、新型コロナのピーク時には深刻な病床不足を招いたことは事実であります。この点、どうお考えか伺います。 最終年となる新年度も、さらに削減するため九億円以上の税金が投入されます。こんなことでいいのでしょうか。改めて、地域医療構想の検討を始められています。地域医療を守るためにも、こうしたやり方は抜本的に見直す必要があると考えますが、見解を伺います。 米軍・自衛隊基地問題では、明日まで行われるアイアン・フィストは、二○○五年から米国で行い、二十三年度以降は三年連続で、九州・沖縄で実施されるようになりました。今回は、全体で日米合わせて約四千人が参加し、前年度よりも倍増、過去最大規模になっています。 南シナ海や東シナ海で、中国に対処するため、アメリカ海兵隊が南西諸島に長射程ミサイルやF35B戦闘機などの拠点をつくることが目的とされています。住民の避難や安全確保は二の次で、沖縄県民の安全は考慮されていません。住民の犠牲を前提にした訓練強化は許されないと考えますが、見解を伺います。 昨年のキーン・ソードに参加していた陸上自衛隊のオスプレイは、沖縄与那国で事故を起こし、修理費や輸送費で八億円近い損害が生じています。 自衛隊は、離陸時に出力を上昇させる作業で生じた人的なミスが事故原因だとする調査結果を公表していますが、詳細な事故報告書はいまだに公開されていません。 岩国基地に配備されたオスプレイでも起こり得ることではないでしょうか。少なくとも、詳細な事故報告書が公表され、防止策が明らかになるまでは、あの欠陥機オスプレイの飛行を停止するよう国と米軍に要請すべきでありますが、伺います。 PFOS問題ですが、PFOSなどの有機フッ素化合物は、泡消火剤に含まれ、国内でも米軍基地周辺で多数検出されています。 また、県内には、少なくない製造工場もありました。県民の命と健康を守ることを最優先に考えれば、調査地点は既存の観測点に限定せず、土壌に残留している疑いのある地点も含め調査をして、汚染源そのものを特定する、このことが必要だと考えますが、伺います。 道路行政、下北道路の問題です。 国交省が、五年も前に示した想定事業費は、最大三千五百億円、国交省の予測でも最大二倍化、七千億円になるだけではなく、高速道路へのアクセス道路が、県が事業主体となる高規格道路となれば、県の負担額も倍化する可能性もあります。総額一兆円超えも想定されるのではありませんか、この点を伺います。 私たちは、従前から下関北九州道路が、関門間の代替道とはなり得ないと考えています。関門橋からそう離れていない場所に同じ橋を架けても、強風や豪雨、降雪などの際、同様に通行止めになる可能性は高い。 もともと自民党の国交副大臣が、安倍さん、麻生さんに忖度して、と自慢げに言い放ったいわくつきの道路ではないですか。不要とは言いませんが、不急の道路であります。一旦立ち止まって、事業化は見送るべきではないでしょうか、伺います。 市大問題ですが、相変わらず見て見ぬふりの答弁が続いています。 その根底には、大学の自治とは一体何か。また、教授会や教育研究審議会における教員人事の審議権の重要性が欠落しているからであります。 この問題では、既に決着がついています。一九六三年の東大ポポロ事件では、最高裁大法廷判決で、大学における学問の自由を保障するために、伝統的に大学の自治が認められている。この自治は、特に大学の教授、その他の研究者の人事に関して認められ、大学の学長、教授、その他の研究者が、大学の自主的判断に基づいて選任させると明確に審判が下っています。 高等教育機関の要と言うべき大学の自治をじゅうりんする、こうした現状を改善するために、認可権者の責任、これを今こそ果たすべきであります。改めて答弁を求めて再質問を終わります。(拍手) 副議長(島田教明君)永富総合企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)再質問にお答えをいたします。 まず、選挙制度について、全国知事会でテーマにする必要があるのではないかというお尋ねですけれども、選挙制度を全国知事会のテーマとするかについては、国会での審議などの状況も踏まえて、全国知事会において判断されるものと考えます。 次に、歴史認識に関して、石破総理がまだ八十年談話を出していないので、語れるのではないかというお尋ねでありましたけれども、先ほども御答弁しましたが、歴史認識などの外交問題については、どこまでも国の専管事項であり、県として見解を申し述べる立場にはございません。 それから、公立大学の自治に関して、教員人事の審議権の重要性の認識が欠落していると、是正を求めるべきではないかという趣旨のお尋ねであったと思います。 これも先ほど御答弁もしましたけれども、教授会については学校教育法、それから、教育研究審議会については地方独立行政法人法において設置の規定がございますけれども、その審議事項については、大学の裁量に委ねられていると承知をしておりますので、県は大学の運営等について指導等を行う権限を有しておりませんから、是正を求める考えはございません。 副議長(島田教明君)國吉健康福祉部長。 〔健康福祉部長 國吉宏和君登壇〕 健康福祉部長(國吉宏和君)地域医療構想に関する再質問にお答えします。 この十年間に高度急性期・急性期病床が削減され、新型コロナのピーク時には深刻な病床不足を招いたことは事実だが、これをどのように考えるかというようなお尋ねであったと思います。 新型コロナ感染症の蔓延時には、感染された患者に対しては、速やかに適切な医療が提供できるよう、医師の判断の下、症状に応じた適切な治療・療養を行うこととしておりまして、入院が必要と医師が判断した場合には、医療機関へ入院していただくなど、適切な対応ができたものと認識しております。 二点目でございます。新たな地域医療構想の検討も始まっているが、病床削減のためのこうしたやり方は、抜本的に見直すべきではないかというお尋ねだったと思います。 病床機能再編に係ります支援制度は、地域の実情に応じた機能分化・連携を進め、持続可能な医療提供体制を構築するために自主的に行われる病床減少を対象とするものでありまして、引き続き、適切に取り組んでいくこととしています。 副議長(島田教明君)田中総務部理事。 〔総務部理事 田中康史君登壇〕 総務部理事(田中康史君)基地問題に関する再質問にお答えいたします。 日米共同訓練について、アイアン・フィストが大規模であったことを挙げられまして、訓練強化は許されないと考えるが見解を伺うとの再質問だったと思います。 先ほども御答弁しましたけれども、日米共同訓練は、国の専管事項である外交・防衛政策の一環として行われるものであり、県は地方自治体として、その是非を論ずる立場にございません。 次に、昨年のキーン・ソードに参加していた陸上自衛隊のオスプレイが事故を起こしたことを挙げられまして、詳細な事故報告書が公表されるまで、オスプレイの飛行を停止するよう国や米軍に要請すべきではないかとのお尋ねだったと思います。 昨年十月に発生した陸上自衛隊オスプレイの事故については、国から、人的要因に起因する事故であり、その原因に対する再発防止策を講じる、また国として、オスプレイの安全性について、これまでも累次の機会に確認しており、問題はないと考えている旨の説明を受けているところです。 県としては、オスプレイを含む航空機の安全性については、専門的な知見を有する国の責任において確保されるべきものと考えており、飛行停止を求める考えはありません。 副議長(島田教明君)近藤環境生活部長。 〔環境生活部長 近藤和彦君登壇〕 環境生活部長(近藤和彦君)PFOS等に関する再質問にお答えします。 県が実施する調査地点等についてのお尋ねがあったと受け止めております。 PFOS及びPFOAは、これまで様々な用途に使用されておりまして、公共用水域等の存在状況を把握するため、国の選定要領に沿って、来年度の調査は、先ほども御答弁を申し上げましたけれども、県下全域の環境基準点等で実施するもので、米軍岩国基地に隣接する遊水池などでの調査は考えていません。 また、国が示している、PFOS及びPFOAに関する手引きでは、排出源の特定のための調査は、実施の目安が示されており、現時点、本県で該当している状況にはないと考えていますが、来年度の調査で該当する環境基準点等が出てきましたら、対応を検討することになります。 副議長(島田教明君)大江土木建築部長。 〔土木建築部長 大江真弘君登壇〕 土木建築部長(大江真弘君)下関北九州道路に関する二点の再質問にお答えいたします。 まず、想定事業費についてです。 当該道路の事業費は、今後の新規事業化に向けた手続の段階で検討されることとなり、現時点、お答えできる状況にはありません。 次に、代替路にはなり得ず、不要というわけではないが、不急の道路であり、事業化は見送るべきとのお尋ねについてです。 老朽化が進む関門橋や関門トンネルは、補修工事や事故等により頻繁に通行規制が行われており、下関北九州道路の整備により、下関市と北九州市をつなぐ道路が二つから三つになることで、代替機能が強化され、道路ネットワークの信頼性の向上が図られることから、早期の整備が必要と考えています。 副議長(島田教明君)木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 再々質問を行います。 県は、下北道路も道路の維持管理も大事と言い続けていますが、実態はどうでしょうか。 国交省が公表している建設工事費デフレーターでは、道路改良の経費は二○一五年比で、昨年末は一・二から一・三倍となっています。 道路施設の維持管理費経費を見ると、二○一六年度は十八億円、建設物価の高騰を考えれば二十三億円ないと十六年と同等の事業はできません。しかし、新年度予算案には、二十一億円しか計上していない。実質的には切下げではありませんか、お尋ねします。 道路の陥没などが相続く中、道路を含めた土木施設の維持管理経費こそ抜本的に増額することが必要と考えます。見解を伺います。 最後に、市立大学問題ですが、山口県は全国で八十四の公立大学法人の中で唯一、下関市立大学だけが、強弱はあっても教授会が教員人事権を持っていない、そういう大学であるということを認識しているのかどうか、まず伺いたい。 同時に、だからこそ認可権者としての責任、地独法百二十二条三項四項をきちんと行使する、このことが求められているのではないでしょうか。改めてこの点を伺い、私の一般質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) 副議長(島田教明君)大江土木建築部長。 〔土木建築部長 大江真弘君登壇〕 土木建築部長(大江真弘君)道路に関する二点の再々質問にお答えさせていただきます。 まず、国交省が発表している建設工事費デフレーターを考慮すると、来年度予算は実質的には切下げではないかとの再々質問にお答えいたします。 県では、道路の維持管理について、交通安全上支障があるなど緊急性や重要性の高い箇所から順次実施するとともに、デジタル技術を活用するなど効率的に取り組んでおり、来年度予算において所要の約二十一億円を計上し、引き続き、適切に維持管理を行うこととしています。 次に、道路を含めた土木施設の維持管理経費を抜本的に増やすことについての御質問です。 道路を含めた公共土木施設の維持管理を適切に実施するために必要な予算を計上していることから、お尋ねの予算の抜本的な増額は考えていません。 副議長(島田教明君)永富総合企画部長。 〔総合企画部長 永富直樹君登壇〕 総合企画部長(永富直樹君)公立大学に関する再々質問にお答えします。 まず、県は、全国の大学の中で唯一、下関市立大学の教授会が人事権を持っていないということを認識しているかというお尋ねでありましたけれども、他大学の状況については承知はしておりませんけれども、教授会については先ほどから申し上げているとおり、学校教育法の中で規定がございますけども、それについては大学の裁量に委ねられていると。 したがいまして、もう一つ御質問にありました、地独法によって是正を求めるべきというお尋ねもありましたけれども、大学の裁量に委ねられており、県は大学の運営に指導等を行う権限を有していないので、是正を求める考えはございません。