討論
────────────────────── 討 論 議長(柳居俊学君)これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、持ち時間の範囲内において発言を許します。 木佐木大助君。 〔木佐木大助君登壇〕(拍手) 木佐木大助君 日本共産党県議団を代表して討論を行います。 本会議に提案された議案第一号から八号については、賛成をいたします。うち議案第一号、二○二五年度六月補正予算案について意見を述べます。 一般質問では鳥取県の例を紹介して、トランプ関税や物価高騰に対応した思い切った対応を求めましたが、この場では、財政規模や人口規模と、ともに同等の愛媛県の補正予算を紹介いたします。 愛媛県の補正予算は総額百十八億五千万円、山口県の十倍の規模であります。同県では、三月に発生した大規模な林野火災への対応という特殊事情はありますけれども、防災・減災対策、地域経済の活性化などに予算が充てられています。 山口県でも、防災・減災対策や地域経済の活性化のために取り組むべき課題は山積しています。お金がないわけではないんですから、今後は、より一層機敏に大胆に必要な施策を適時に適切に講じられるよう提案するものであります。 次に、請願第一号及び第二号、これを不採択とした委員長報告に反対します。 請願第一号は、公的部門で働く労働者の賃上げを求めるものであります。 同請願では、特に介護や医療、保育の分野で働く労働者、いわゆるケア労働者の賃金水準の引上げを求めています。 御承知のように、介護、福祉、医療、保育などのケア労働は、国民の人権と尊厳、そして命と健康を守るものであり、そこに従事する人たちの賃金、処遇は公定価格により決められています。 ところが、ケア労働者の賃金は長らくほかの産業より低い水準に置かれ、低賃金や長時間労働を苦にした離退職の増加と人員不足が大問題になってきました。 さらに、この間、物価高騰の下で賃金低迷に拍車がかかり、ボーナスカットなど賃下げまで横行する異常事態が起こっています。 介護の分野では、人材不足と事業所の休廃止などにより提供基盤の危機が進行しています。 介護関係九団体の調査によれば、介護職員の二○二四年度の賃上げは、正規で二・五二%と昨年度の物価上昇率三・○%に届かず、春闘相場、中小企業四・四五%を大きく下回っています。 政府は昨年度の補正予算で、常勤介護職員一人当たり五万四千円の一時金、これを出せるよう支援したと言いますけれども、必要なのは一時的な対応ではなく、低過ぎる賃金自体の抜本的引上げであります。 政府が昨年度強行した訪問介護の基本報酬削減により、訪問介護事業所の倒産が過去最多を記録するなど、介護崩壊が一層加速する事態も起こっています。 介護保険の国庫負担増などを行い、国費による介護・福祉職員の賃上げ助成を進め、国の責任で全産業平均並みに引き上げることが必要であります。 訪問介護の基本報酬を速やかに元に戻して、既に減額された分を補?する措置を取るべきであります。あわせて、介護・福祉職員の労働条件改善に向けた介護報酬・障害福祉報酬の臨時改定を行うよう求めます。 また、医療の分野では、全国の医療機関で年末一時金(ボーナス)の大幅引下げ回答が続出するなど、物価高騰下での賃金切下げが各地で起こっています。医療従事者の大量離職により、地域の基幹病院で、手術の実施や救急搬送の受入れが困難となったり、入院患者の制限を迫られたりする状況も生まれています。 事態の大本にあるのは、診療報酬抑制や物価高騰による医療機関の急激な経営悪化であり、多額の赤字や債務返済に苦しんでいる医療機関も少なくありません。 政府は、昨年度の報酬改定でベースアップ評価料を導入し、補正予算では同評価料の対象となった医療機関への追加支援を行うとしていますが、これらはベースアップを行った医療機関に対する支援であり、今大問題となっている賃金カットの打開策にはなりません。 政府の責任で、全ての医療従事者を対象とする、全額公費による賃上げ支援、これを実行することが必要であり、医療機関が物価高騰や人件費増に対応できるようにする経営力の強化、これを患者負担を増やすことなく行うための公的支援、診療報酬の臨時改定も実施すべきであります。 こうした状況を踏まえれば、本請願は採択されるべきものであり、不採択とした委員長報告に反対をいたします。 請願第二号は、上関町に計画されている中間貯蔵施設に反対の意思表明を求めるものであります。 請願者が求めているとおり、中国電力が上関町に計画している使用済核燃料中間貯蔵施設は、上関町民はもとより、周辺自治体のみならず瀬戸内海周辺及び西日本の住民の安心・安全を脅かすと同時に、計画地周辺の豊かな自然環境を破壊するものでもあります。 本会議でも指摘したとおり、周辺市町の首長さんもイメージ低下や移住・定住策への影響を懸念して、多くの住民が反対の意思を表明しています。 付託された委員会では、意思表明をする状況にはないと不採択にされましたが、好ましくない動きは一刻を争ってその危険な芽を摘むべきであり、まさに今が反対の意思を表明すべきときであります。 不採択とした産業観光委員会の高井委員長報告に断固として反対を表明して、日本共産党の討論を終わります。(拍手) 議長(柳居俊学君)これをもって討論を終結いたします。