1 熱中症対策の強化について 2 県立高校入試について 3 マイナ免許証の対応について 4 効率的・合理的な交通事故捜査について
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第九号まで 議長(柳居俊学君)第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第九号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 福田吏江子さん。 〔福田吏江子さん登壇〕(拍手) 福田吏江子さん おはようございます。すずらんの会、福田吏江子です。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 初めに、熱中症対策の強化についてお尋ねいたします。 今年の三月、世界気象機関が二〇二四年の世界の平均気温が過去最高となったとの報告を行いました。産業革命前と比較した上昇幅は一・五五度で、これまでの過去最高であった二〇二三年を〇・一度上回ったとのことで、地球温暖化がますます進行している状況です。 地球温暖化による影響は、異常気象による自然災害の頻発や生態系の変化、農業や水産業への影響など様々ありますが、私たちの生活に身近なリスクとしてより深刻化しているのが熱中症です。 近年、熱中症による死亡者数の増加傾向が続いており、年間一千人を超える年も発生するなど深刻な状況となっております。 こうした中、昨年四月に改正気候変動適応法が施行され、国はより積極的に熱中症対策を進めております。 この改正法では、熱中症対策実行計画を法定計画に格上げし、関係府省はもとより、地方公共団体、事業者、国民の役割などが明確化され、全ての関係者が熱中症予防行動を理解、実践するなど、熱中症対策の一層の強化が図られることとなりました。 そして、こうした一連の対策強化の一環として、今般、労働安全衛生規則が改正され、令和七年六月一日から施行されました。職場において、熱中症のおそれのある労働者の早期発見と迅速かつ適切な対処ができるよう、その体制の整備と必要な措置の実施手順の作成、関係作業者への周知が全ての事業者に義務づけられることとなっております。 このたびの改正の背景には、全国で職場における熱中症による死亡災害が二年連続で三十人レベルとなり、気候変動の影響からさらなる増加が懸念されていることがあります。 また、厚生労働省の熱中症死亡災害の百三件の分析結果によりますと、発見の遅れが七十八件、異常時の対応の不備四十一件となっており、初期症状の放置、対応の遅れが見られることが示されております。 山口県内においても、令和五年に三名の方が、令和六年には一名の方が、職場における熱中症により亡くなられており、また、熱中症による休業が四日以上となった労働災害が、令和五年度で七件、令和六年度で二十四件発生しています。その年齢も二十代から七十代と幅広く、どの年齢の方にとっても気をつけなければならないことと言えます。 このたびの改正を受け、山口労働局をはじめ各業界団体において、また、各報道機関からも熱中症対策強化に向けた周知が進められているところであり、その認知度も高まってきていると感じます。 帝国データバンクが、五月二十一日に発表したレポートによりますと、アンケートを取った企業の五五・二%と半数以上が熱中症対策の義務化を認知しており、特に建設業会においては七九・三%と八割近くから認知していると回答があったとのことです。 しかしながら、その履行においては、まだ不安が多い状況が見られるのが現状であると考えます。 同アンケートによりますと、企業における熱中症予防・重篤化防止の学習と周知の実施は二三・一%と約二割にとどまっており、熱中症に関する報告体制の構築一五・二%、搬送先など緊急連絡先の周知一三・〇%と、いずれも一割台と低い結果が見られます。 また、従前より熱中症対策について就業環境整備に一定の配慮をしてきたが、年々猛暑が厳しさを増す中、現行の対策で十分か再考の余地があるという御意見や、エアコンの新規導入を考えているが、設備投資額が大きいため、補助金を活用できないか情報収集しているというお声も紹介されており、周知は広がっておりますが、多くの企業において、対策の具体的な実施に向けて十分な状況ではない結果が見られました。 私も周南地域の幾つかの事業所の方とお話をさせていただく中で、事業所の熱中症対策として、屋根に遮熱シートを設置する場合などに何か活用できる補助金や支援策があるでしょうかと御質問を頂きました。 私なりに調べてみますと、厚生労働省のエイジフレンドリー補助金や経済産業省の省エネルギー投資促進支援事業費補助金、環境省・経済産業省・国土交通省連携事業の業務用建築物の脱炭素改修加速化事業などが活用できるように思ったところです。 国の定める熱中症対策実行計画は、二〇三〇年に熱中症による死亡者数が半減することを目指しておりますが、昨年の全国における救急搬送人員の累計は、調査を開始した平成二十年以降で過去最多となりました。 熱中症対策は、いまだ道半ばであり、私は、まず国や市町、事業者等がそれぞれの役割を的確に果たしながら、県としても広域的な熱中症対策を推進し、県内全体で熱中症対策の底上げを図らなければならないと考えています。 その上で、様々御紹介したように、事業者が熱中症予防に向けた様々な対策を行うに当たって、どのような支援があるのかといった情報の提供や職場環境の向上に向けた取組へのアドバイスなど、事業者へのきめ細かなフォローアップをしていくことも重要であると考えます。 また、県庁におきましても、一事業者として、このたびの改正を受けた体制の整備や手順の作成、関係者への周知が義務づけられており、各現場の実態に即した具体的な対応が求められています。 特に、土木建築部や農林水産部など屋外での業務に当たられる職員の方々への熱中症予防対策や出先機関での取組について、熱中症予防対策におけるそれぞれの職務に応じた取組を進めていくことは重要なことであると考えます。 熱中症は、重症化すると命に関わることや後遺症を残すこともあり、そして誰にでも起こり得ることですので、庁内の関係部署や市町、関係団体などがしっかり連携し、今回、職場における熱中症対策の義務化への対応を含め、熱中症の危険性、予防方法や対処方法、熱中症警戒アラートの発表状況など必要な情報を県民の皆様にお届けし、熱中症に対する意識をより高めていくことが重要ではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。これから酷暑シーズンを迎え、熱中症による健康被害が大いに警戒される中、県では今後、熱中症対策にどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。 次に、県立高校入試についてお尋ねいたします。 まず、調査書についてお伺いいたします。 山口県では、公立高校入学者選抜において調査書を重視されています。これは、令和七年度山口県公立高等学校入学者選抜実施大綱の中に示されており、第一次募集の選抜方法として、「高等学校長は、選抜に当たっては、調査書を重視する。その際、調査書の「学習の記録」と学力検査の成績は同等に取り扱うとともに、調査書の「学習の記録」以外の記載事項及び面接、小論文、実技検査の結果等も十分考慮する」とあることから、入試当日の学力検査だけではない選抜方法であることが分かります。 さらに、文部科学省の高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査によりますと、山口県の調査書には、各教科の学習の記録、観点別学習状況、行動の記録、出欠の記録、総合所見及び指導上参考となる諸事項が記入事項として挙げられていることから、その調査書においても、学習の成績以外での日々の行動や生活習慣、課外活動の成果なども反映されていると考えます。 中学校生活について多様な視点を基に評価が行われ、生徒一人一人の適切な進路へとつながるように取り組まれていることと思います。 その中で、昨今、調査書における出欠の記録の廃止をする議論が見られるようになりました。 前述の文科省の調査によりますと、公立高校入試の調査書において、出欠の記録がない都道府県は、令和六年度入試時点で東京都、神奈川県、大阪府、奈良県、広島県の五都府県でしたが、令和七年度入試から福井県と岐阜県が出欠の記録を廃止し、また、愛知県や新潟県においても廃止について検討を進められているとのことです。 この出欠の記録の廃止の背景には、月経困難症やヤングケアラーなど、生徒本人の責任ではない欠席に対する配慮を求めた文部科学省の通知に基づいて決定されたということや、不登校などを理由として欠席日数が多い場合、入試に不利になるのではないかと思う生徒の不安を払拭するためであることが見られました。 都道府県ごとに選抜方法や学力検査結果と調査書の活用方法も異なるため、出欠の記録の是非について一概には言えませんが、山口県で不登校の中学校生徒の出現率が全国数値を上回るなど増加傾向にある中で、進路への不安がさらなる心の負担となる悪循環へとつながらないことを望むばかりです。 そこでお尋ねいたします。山口県では、調査書における欠席の評価はどのようになっているでしょうか。 長期欠席者等のうち、入学者選抜に当たり希望する志願者は自己申告書の提出が可能とされており、自己申告書を提出した場合に自己申告書に係る面接を実施するとありますが、これは長期欠席による不利益を被ることがないように配慮されているためと考えます。 このような必要な配慮が講じられておられますが、その中で調査書における出欠の記録の必要性についてどのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。 次に、併願制についてお伺いいたします。 現在、ほとんどの都道府県において、公立高校は一人一校の出願とする単願制が採用されていますが、今年の四月から国の関係省庁において、複数の公立高校に出願できる併願制について、その導入に向けた検討が進められております。 この併願制導入の狙いとして、高校授業料の無償化で、特に首都圏や関西圏の都市部において、私立校の人気が高まりを見せる中で、公立校を選びやすくすることにあると言われていますが、都市部以外でも広く受験生にとって、これまで様々な事情を鑑みて合格できそうな学校へと出願せざるを得ない状況から、真に志望する学校への受験に挑戦できるようになるメリットがあると考えます。 また、愛知県や兵庫県では、かねてより併願制を導入されていることから、その取組から見える課題についても参考になると考えます。 また、デジタル技術を活用し、試験結果などを基にして進学先を割り当てるシステムについても提案がなされています。これは、受入保留アルゴリズムと呼ばれ、受験生が真に志望する高校の中から合格基準を超えた学校へ進学することができるとともに、学校側の事務負担の軽減にもなることが示されております。 このアルゴリズムは、既に研修医の初期研修先決定や保育所の利用調整に活用されている事例があるとのことです。 併願制導入について、国は、意欲ある自治体での試行実施を経て、広く採用を促していくとのことでありますが、子供たちの可能性を開く入試制度となるよう、今後の検討が進む中での議論の深まりを期待したいと考えます。 そこでお尋ねいたします。公立高校の併願制の導入について、国において検討が進められているところですが、県教育委員会として併願制のメリット・デメリットや山口県において考えられる課題について、どのように捉えられているでしょうか、御所見をお伺いいたします。 次に、マイナ免許証の対応についてお尋ねいたします。 令和七年三月二十四日から運転免許証とマイナンバーカードが一体化されたマイナ免許証の運用が開始され、運転免許証を従来の運転免許証のみとマイナ免許証のみ、そして、その両方を保有する三パターンの持ち方が選べるようになりました。 まだ、その運用が開始されたばかりであり、マイナ免許証普及に当たり様々課題もあるかと思いますが、山口県においては現在どのような保有状況でしょうか。 マイナ免許証を取得することのメリットに、マイナ免許証のみを保有する場合、住所や氏名の変更手続がワンストップ化されること、免許更新時の手数料が安くなること、住所地以外での更新手続が迅速化され、その申請期間も延長されることなどがあります。 また、何よりマイナ免許証を保有していれば、更新時にオンライン講習の対象となり得ることが大きなメリットであると考えます。 オンライン講習については、山口県は令和四年二月から全国に先駆けてモデル事業として実施されておりました。山口県は、同じくモデル事業として実施された京都府、千葉県、北海道の中でもオンライン講習の受講率が一番高く、また年代別、性別別では二十代から五十代にわたって男性より女性の受講者が多く、全体の中でも特に三十代と四十代の女性の受講数が多い結果であったことが報告されています。 オンライン講習は、隙間時間に受講でき、育児・妊娠中・産後に助かったという女性の意見が全体の中で多く見られたことを令和六年六月定例会の一般質問でも取り上げさせていただき、警察本部長から受講者の方々から手続の時間が短縮された、次回もオンライン講習で受講したいといった声を多く頂くなど、県民の利便性向上につながっているものと受け止めていると御答弁を頂きました。 オンライン講習は、モデル事業の成果も得られ、多くの方からのニーズもあり、県民の皆様の利便性の向上につながるものであると考えますが、モデル事業終了後の現在では、マイナ免許証への手続を行った後の免許更新時にオンライン講習ができるようになっております。 このことから、特にオンライン講習を希望する場合、先にマイナ免許証への手続が必要なため、より身近な施設で手続ができることは大事なことだと考えます。 そこでお尋ねいたします。運用開始から徐々にマイナ免許証への手続をされる方も増えてきていると考えますが、山口県のマイナ免許証保有状況は、マイナ免許証のみ、あるいはマイナ免許証と運転免許証の二枚持ちについて、それぞれどのようになっているでしょうか。 また、マイナ免許証への手続が身近な施設でできることが、県民の皆様の利便性向上につながると考えますが、今後どのように取り組まれていかれるでしょうか、御所見をお伺いいたします。 最後に、効率的・合理的な交通事故捜査についてお尋ねいたします。 山口県では、山口県交通安全実施計画に基づき、段階的かつ体系的な交通安全教育の推進や交通安全の普及啓発活動の推進、道路交通環境の整備、交通指導取締り等による道路交通秩序の維持などに取り組まれ、安全で安心な交通社会の実現を目指しております。県民の皆様の命を守るため、道路交通の安全に向け、日々従事されている皆様に心から敬意を表する次第です。 都道府県警察の交通安全施策に関する計画の作成の基準となるべき事項が定められている国家公安委員会・警察庁の交通安全業務計画には、「人命尊重の理念の下に、安全で快適な交通社会を実現することを目標として、交通事故の発生状況等を十分に分析した上で、道路交通環境の整備、交通安全思想の普及徹底、安全運転の確保、道路交通秩序の維持等の各種施策を一層総合的かつ強力に推進するものとする」とあります。 交通事故の発生状況を分析する交通事故捜査は、事故発生の原因究明とともに、さらなる不幸な交通事故をなくすための重要な仕事であると考えます。 昨年、山口県では五十一名の方が交通事故により亡くなられています。一昨年の三十五名から一・五倍に急増しており、二年連続での増加傾向であり、五十名を超えることは二〇一八年以来であるということ、人口十万人当たりの死者数が三・九三人であり、全国で三番目に多かったという報道も目にいたしました。 また、本年六月十一日現在での交通事故発生状況を見ますと、概数となっていますが、前年同期よりも人身事故件数は七十件、負傷者数も百人余り増えている状況です。 このような状況において、交通事故そのものをなくしていくという思いが前提ではありますが、交通事故の科学的捜査の推進や事故分析の高度化による捜査力の強化とともに、限られた人員の中で従事する捜査員の業務の効率化や合理化も重要であると考えます。 警視庁や福岡県警において、交通事故現場の測量の迅速化につながるモバイルマッピングシステムを導入されている記事や報道を目にいたしました。モバイルマッピングシステムあるいはモービルマッピングシステムとも言われていますが、これは車両に各種計測機器を搭載して、走らせながら道路面や道路周辺の高精度の三次元空間情報を迅速かつ包括的にデータを取得する測量システムです。 昨年の福岡県警導入時の報道によりますと、現場での測量の時間が、これまでよりも約十分の一に短縮され、また、事故現場の見取図の作成も約四分の一の時間で完成するとのことでした。 さらに、警視庁や福岡県警の担当課へのそれぞれのインタビューにおいても、測量の現場によっては、そもそも交通規制をしなくても済むケースも出てくるなど、道路交通への影響を最小限に抑えることでの渋滞の緩和や交通規制に当たる警察官の負担も軽減されるという点も導入のメリットとして挙げられています。 交通規制による渋滞の発生は、多くの人の生活に影響を及ぼすものであると考え、また、捜査員の安全性の面からも正確で迅速な測量は重要な視点であると考えます。 事故現場における包括的なデータの取得とその分析は、より効果的な交通事故防止対策に向けた道路改良や安全対策にもつながると考えます。捜査をして、なぜ事故が起きたのか、過失は何かなど真相を解明し、その判明した内容を基に、起きた事故原因や道路の形状や場所、明るさなどの分析、対策へとつなげていくという考えです。 前述の交通安全業務計画におきましても、交通事故分析の高度化等及び道路交通の安全、円滑等に関する研究の推進が示されているところです。 山口県警においても、交通事故捜査のための3D動画を作成するソフトウエアの開発に取り組まれるなど、交通事故の科学的捜査、事故分析の高度化に取り組まれていると理解しているところですが、安全で安心な交通社会実現のための効率的・合理的な交通事故捜査に向けて、さらに今後どのように取り組まれていかれるでしょうか。御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問といたします。ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)福田議員の御質問のうち、私からは、熱中症対策の強化についてのお尋ねにお答えします。 近年の気候変動の影響により、熱中症による健康被害が増加傾向にあり、深刻化も懸念される中、県民の安心・安全を守るためには、熱中症対策の強化を図ることが重要です。 このため、私は、将来起こり得るさらなる気温上昇も見据え、関係課が連携し、効果的に熱中症対策に取り組む体制が必要と考え、昨年四月の改正気候変動適応法の施行に合わせて庁内の連携組織を立ち上げ、現在、これが中核となり、県民への情報提供や予防対策に取り組んでいるところです。 まず、情報提供については、県のホームページにより熱中症の基礎知識や予防方法等について発信しており、熱中症警戒情報など重要な情報についても、県民に迅速かつ確実に届くよう、市町と連携した伝達体制を構築しています。 さらに、熱中症予防に向けては、民間企業と連携したキャンペーンを展開するほか、多くの方に熱中症のリスクを正しく理解していただけるよう、今年度から暑さ指数を測定できる機器の貸出しを開始するなど、県民意識の向上を通じた予防対策に取り組んでいます。 こうした中、職場における熱中症対策強化のため、本年六月に改正労働安全衛生規則が施行され、事業者による対応が義務づけられたことから、労働局や関係団体と連携して取組の徹底を図るとともに、県民局の中小企業労働相談員による事業所への巡回訪問等を通じ、周知啓発を行っています。 また、対策支援に関する事業者等からの問合せに対しては、県の制度に加え、相談内容に応じて国や市町の制度も紹介するなど丁寧な対応を行っています。 さらに、事業者である県自らも熱中症対策に迅速かつ適切に対処できるよう、体調不良者を発見した場合の連絡体制や身体冷却等の対応手順を所属ごとに整備するとともに、職員に対しても予防対策の徹底を図っています。 私は、今後とも、熱中症による県民の健康被害の防止に向け、民間企業や関係団体、国、市町と連携して、熱中症対策の強化に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)根ケ山副教育長。 〔副教育長 根ケ山耕平君登壇〕 副教育長(根ケ山耕平君)県立高校入試についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、調査書についてです。 入学者選抜においては、生徒を多面的に評価することが重要であり、本県では、学力検査の得点だけでなく、調査書も重要な選抜資料としています。 お尋ねの出欠の記録については、中学校での生活や学習の状況を理解するために必要であると考え、記載事項の一つとしているところです。 その上で、出席状況のみをもって不利益な取扱いをしないこととしており、長期欠席者等のうち、希望する者については、欠席の理由や志望動機などを記載した自己申告書を提出してもらい、個人面接において説明する機会を設けることで、中学校時代の努力の成果や高校で学ぶ意欲を適切に評価しているところです。 次に、併願制についてです。 まず、現在、国で検討されている公立高校の併願制のメリットですが、複数校への志願が可能となるため、希望する学校に、より積極的に挑戦できるようになることなどが考えられます。 一方、デメリットとしては、高校の序列化につながることや、学力偏重の傾向が強まっていくこと、生徒が志願する学校に偏りが出ることなどが想定されます。 また、本県においては、中学生の普通科志向が強い中、専門高校への入学者の減少が見込まれることや、併願で複数校を受検する場合の面接等の実施方法、さらに、生徒の能力、意欲、努力の成果等を多面的に評価できる選抜制度をどのように構築するかなどが課題になると考えています。 県教委といたしましては、入学選抜に関する国や他県の動向についても情報収集に努め、引き続き、本県にとって望ましい選抜制度の在り方を検討してまいります。 議長(柳居俊学君)熊坂警察本部長。 〔警察本部長 熊坂隆君登壇〕 警察本部長(熊坂隆君)まず、マイナ免許証の保有状況と今後の取組等に関する御質問にお答えいたします。 マイナ一体化等の運転免許行政のデジタル化については、昨年十二月の自動受付機の導入や、本年三月の、いわゆるマイナ免許証を保有できる制度の開始など大きな変換期を迎えております。 運転免許行政のデジタル化は、県民の利便性向上と業務の合理化を進める上で大変重要であると認識しており、新たなニーズに応えるため、本年五月に周南運転免許センターを開設し、総合交通センターと二つの即日交付施設でマイナ免許証の交付に対応しております。 県内のマイナ免許証の保有状況については、本年五月末現在で約三千七百人が保有しており、そのうち約三割がマイナ免許証のみ、約七割がマイナ免許証と運転免許証の二枚持ちとなっております。 このマイナ免許証の保有者については、総合交通センターと周南運転免許センターにおける更新者全体の約二割を占めており、両センターでは申請実態に応じたマイナ免許証の交付環境を整備するなど、県民の利便性の向上に取り組んでいるところであります。 また、本年十月からは、岩国警察署及び下関警察署、来年度当初には萩地区で開設する即日交付施設でもマイナ免許証の交付に対応することとしており、交付窓口は県内五施設に拡充する予定となっております。 県警察といたしましては、マイナ免許証をはじめ、運転免許行政のデジタル化のメリット等について、各種媒体を活用した分かりやすい広報を推進し、実態に即した免許行政サービスの提供に取り組み、県民の利便性のさらなる向上に努めてまいります。 次に、効率的・合理的な交通事故捜査についてお答えいたします。 近年の交通事故事件捜査は、防犯カメラやドライブレコーダー等の映像捜査、データ解析など、客観的かつ科学的な捜査の重要性が増し、捜査事項は複雑多様化しており、より効率的かつ合理的な捜査が必要となっています。 そうした中、捜査員の業務負担の一つとして、現場見取図の作成が挙げられることから、事故現場を走行しながら道路形状等を計測し、得られた測量データを基に現場見取図が作成できるモービルマッピングシステムが、他県において導入されていることは承知しております。 当県においては、現場見取図が作成できる3Dレーザーシステムを平成二十五年から導入しており、現在二式を運用しております。 本システムは道路形状だけでなく、屋内や車内の撮影も可能であることから、交通部門以外の事件捜査でも活用し、業務の効率化を図っております。 なお、全体の業務の効率化の観点から、本年度より交通指導課の交通鑑識係を警察本部及び東部、西部の警察署に配置するなど体制を見直し、これに伴い、本システムの運用の効率化も向上しております。 また、事故捜査で得られた事故原因等の情報については、GISで分析するなど、交通事故分析の高度化を図り、交通指導取締りや交通規制などにも活用しております。 今後、こうした取組を継続することに加え、3Dデータで事故状況を再現するソフトウエアにより、視覚的な資料を作成するなど効率的・合理的な交通事故捜査に努めてまいります。