1 AIを活用したデジタル社会の実現について 2 看護師確保対策について 3 外国人材の確保・定着について 4 ツキノワグマ対策について 5 酒米の生産及び日本酒の需要拡大について 6 建設産業の活性化について
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(河野亨君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第九号まで 副議長(河野亨君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第九号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 坂本心次君。 〔坂本心次君登壇〕(拍手) 坂本心次君 皆さん、こんにちは。自由民主党の坂本心次でございます。物価高騰や人口減少など、山口県は様々な課題に直面しています。それらを乗り越え、将来に希望を持って暮らせる地域を目指して、通告に従いまして、本定例会最後の一般質問をさせていただきます。 初めに、AIを活用したデジタル社会の実現についてお尋ねします。 本年四月の国連貿易開発会議の発表では、二〇三三年に、物のインターネットと言われるIoTなども合わせた先端技術の市場全体が六倍を超えて二千四百兆円台に成長するとの見通しが示されました。 デジタル基盤の整備やDXの推進、データの利活用、様々な規制改革、デジタル人材の育成など国や地方、民間による様々な取組によるDXの推進により、デジタル社会の実現が物すごい勢いで日々進んでいます。 また、このデジタル社会の実現において、AIは重要な役割を担っており、政府が今月取りまとめた地方創生二・〇基本構想においても、その徹底活用が示されています。 私たちが目指す社会には、AIが必要不可欠です。AIによる画像生成や様々なサービスの自動化・最適化など、AIに関することを目や耳にしない日はないくらい身近な存在となっており、AIによって人々の暮らしがより一層豊かなものへと進化していくことを身近に感じています。 本県においても、周南市においてAIを活用した自動運転EVバスの実証事業が自動運転レベル四に向けて今年度も実施予定であり、同じ課題を抱える他の地域の課題解決にも資する先駆的な取組として、県民生活の向上に大きく資するものと大変期待をしております。 一方で、AIの利活用を推進していくためには、AIを安心・安全に活用できる環境整備や、地方での取組を支援する専門人材の育成・確保が課題であり、生成されたコンテンツの有用性や正確性への不安、利活用を推進する人材やノウハウの不足などに関する不安の声を県内企業や自治体の皆さんから多く頂いています。 また、これまでアメリカが先行していたAI開発競争では、ディープシークショックを機に中国の追い上げが加速する可能性もあると予想され、今後、AIの覇権争いが激化するのではないかといった不安定・不確実な要素もあるところです。 そこでお尋ねします。県は今後どのようにAIの活用に取り組まれていくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、看護師確保対策についてお尋ねいたします。 本県の十万人当たりの看護職員数は全国平均を上回っているものの、全国より早く高齢化が進行する本県において、医療現場などからは、看護師が不足しているという声を聞きます。 また、本県の有効求人倍率に目を向けてみても、今年四月では、看護職員は二・二五と全職種平均の一・四八より高い状況にあり、看護師について不足傾向にあると言えます。 これは、高齢化の進行により、病院や診療所のほか、訪問介護や介護施設などでの看護師の需要が増大している一方で、生産年齢人口の減少に伴い、若手看護師の割合が減少していること、それに加え、業務に対する身体的・精神的負担が大きいことや子育て、親の介護などによる離職者数が多いことが影響していると考えられます。 県では、これまでも養成確保や離職防止・再就業支援、資質向上など看護師確保について様々な対策を講じていますが、なおも不足感が解消されていないのが現状であり、さらなる取組の強化が必要です。 こうした中、私の地元では、昨年二〇二四年、周南公立大学に看護学科が新設をされ、今年度も新たに県内外から約八十名の学生が入学しました。この新たな看護師等養成施設の開設は、絶好の機会であり、看護師確保に大きく寄与する可能性があります。 いかにして卒業生に県内就職してもらうか、県内医療機関などの魅力をしっかりと発信し、看護学生が県内就職に興味が持てるよう、しっかりとPRしていくことが重要ではないでしょうか。 また、就業した看護師が定着し長く働くには、業務効率化の向上や育児・介護の事情に応じた柔軟な働き方の導入などの職場環境の改善、さらには医療の高度化・専門化が進む中で、技術や専門的かつ多方面にわたる様々な知識の習得の機会の確保が必要ではないでしょうか。 そこでお尋ねします。今後ますます看護ニーズが高まり、看護師確保が課題となる中、県では、今後どのような看護師確保対策に取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、外国人材の確保・定着についてお尋ねします。 昨年十二月、私は山口県訪問団の一員としてベトナムに赴き、山口県とビンズン省との産業人材の送り出しと受入れの協力に関する合意に立ち会いました。 現在、我が国は少子高齢化による人手不足に悩まされ、県内でも多くの中小企業が苦境に立たされています。ものづくり産業が経済を支えている本県にとって、殊のほか深刻な事態であり、私は、一人でも多くのビンズンの若者を県内企業に迎えたいと強く決意をしたところであります。 折しも私の地元周南市では、西京銀行のコンサルティングにより、周南公立大学とインドネシアのミトラ・インダストリ職業大学との間で、国際交流協定が締結をされました。これは、人口ボーナス期を迎え、若年層の就職難が社会課題となっているインドネシアにおいて、周南地域の認知度向上、人材不足解消を狙ったウィン・ウィンの試みであり、地元県議として大きな期待を寄せております。 こうした中、令和九年には、人材の育成・確保を目的とする育成就労制度のスタートが見込まれ、今後、全国的な外国人材獲得競争の激化が予想されます。 そこで、こうした民間発の動きを積極的に支援し、あるいは緊密に連携しながら、県全体で外国人材の確保・定着を進める大きなうねりへと変えていく必要があります。本県が就労先として選ばれるよう、官民を挙げて地域の魅力を高め、情報発信を充実させ、住んでよし、働いてよしの山口県にしていかなければなりません。 そのためには、県内企業の外国人材に係る実態やニーズの把握はもちろん、企業に対する相談支援や外国人材との交流等による理解の促進、企業の背中を後押しする支援制度、そして官民が一体となった体制整備など、海外へアプローチする施策を総合的に展開する必要があります。 そこでお尋ねします。厳しい人手不足の中で、本県企業が将来にわたって活躍し続けるため、外国人材の確保・定着に積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、県は今後どのように取り組むのか、御所見をお伺いします。 次に、ツキノワグマ対策についてお尋ねします。 本県における昨年度のツキノワグマの目撃件数は七百九十九件、捕獲頭数は八十九頭、人身被害については、私の地元周南市も含め三件と、いずれも過去最多を記録しました。特徴的なのは、市街地や人里、これまで目撃が少なかったエリアでの目撃が増え、従来、熊の生息域とされていたエリア外での捕獲頭数も大幅に増加したことです。 全国的にも、昨年度は二万件を超える出没、八十二件の人身被害が発生し、残念ながら三名の方がお亡くなりになられています。熊がスーパーマーケットの従業員を襲い、そのまま店に居座ったため、箱わなの設置などで対応したものの、解決までに約二日間を要したという出来事もありました。 こうした状況を踏まえ、国においては、市街地などにおける銃猟に関する制度を見直すため、鳥獣保護管理法を改正したところであります。これまでは、住居が集合している地域などの銃猟は禁止をされていましたが、緊急的な危害防止が必要で、銃猟以外での方法では対応が困難なことなど、一定の条件を満たした場合に、市町村長の判断で緊急銃猟を可能とするもので、予防的で迅速な対応が期待されます。 一方、山口県のツキノワグマについては、以前は絶滅のおそれがあり、保護対策が行われてきた経緯があることから、熊の銃猟の経験を持つ人材が不足していること、また、生息地域外とされている市町では、そもそも熊対応の経験が乏しいという課題があります。 法改正により、今後、熊の対策は、県中心のものから市町の中心のものへとシフトしていきますが、こうした本県の課題を踏まえると、対応マニュアルの整備や人材育成など、各市町が適切・的確に対応できる体制を整え、県全体の対応力を高めていくことが、引き続き、県に求められる役割であると考えます。 そこでお尋ねします。法改正など国の動きにも的確に対応し、人身被害など痛ましい事故が起こらないよう、県民の安全・安心を確保していくため、今後、どのようにツキノワグマ対策に取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、酒米の生産及び日本酒の需要拡大についてお尋ねします。 国は、農林水産物・食品の輸出目標額である二〇二五年に二兆円、二〇三〇年には五兆円を達成するため、農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略を取りまとめています。 その戦略の中で、海外で評価される強みがあり、輸出拡大の余地が大きく、輸出促進が効果的な品目である輸出重点品目として日本酒を設定し、輸出拡大に向けて取り組んでおり、海外での日本食ブームなどと相まって、日本酒の輸出量は増加傾向にあります。 また、昨年十二月には、伝統的酒造りがユネスコから、酒造りの知識と技術が社会にとって強い文化的意味を持ち、酒が日本の祭りや結婚式などの行事に不可欠であるとされ、無形文化遺産に登録されました。 これは広く日本酒の魅力を発信し、国内の若い世代への日本酒文化の定着や海外へのさらなる販路拡大など、国内外の需要拡大にもつながるものです。 そのような中、いわゆる令和の米騒動と言われる、二〇二三年の酷暑による米の収穫量の減少やインバウンドによる需要量増加などによる供給量不足をきっかけとし、主食用米の価格が急騰し、現在も高止まりしている状況にあります。 このことにより、令和六年産の主食用米の価格が日本酒の主原料である酒米の価格を上回る事態となり、今後、酒米の生産農家が主食用米の生産に移行することで、酒米が不足することが懸念されます。 加えて、酒米が不足することにより、国内のみならず、海外からも評価の高い日本酒の出荷量が減少し、その結果、酒米の生産がさらに減少する可能性もあります。 実際に、私の地元の周南市には三つの酒蔵があり、地域の酒米を使用した品質の高い酒造りが行われていますが、私の元に、酒米が不足することにより、今後の酒造りを心配する声が届いており、県としてもしっかりと支援することが必要です。 そこでお尋ねします。我が国の文化に深い結びつきがあり、本県が国内外に誇る日本酒の生産を拡大していくためには、原料となる酒米の安定的な生産と日本酒の需要拡大に一体的に取り組むことが重要と思いますが、今後、県としてはどのように取り組まれていくのか、御所見をお伺いします。 最後に、建設産業の活性化についてお尋ねいたします。 我が会派の代表質問でも触れられましたが、近年、全国各地で自然災害が激甚化・頻発化し、インフラの老朽化の課題もより顕著になってきています。 本県も例外ではなく、毎年、梅雨や台風時期には、県内各地で土砂災害や水害などが発生し、そのたびに地域住民の生活や経済活動には大きな影響が出ています。 こうした昨今の課題に対峙していくためには、何より、災害の未然防止や被害軽減のためのインフラ整備や、災害が発生した際の復旧工事を担う建設産業の活性化が必要不可欠と考えます。 しかしながら、本県の建設産業を取り巻く現状は、大変厳しいものがあります。 本県の建設産業は、全就業人口の約一割を占める重要な産業ですが、その有効求人倍率は、全産業平均と比較して著しく高くなっているなど、深刻な人手不足の状況が続いており、関係団体の危機感も強く感じます。 建設産業は、自然災害が激甚化・頻発化する昨今、地域の守り手として大いに活躍しているにもかかわらず、いまだ業界に対する関係者と一般の方との間にイメージギャップがあることや、休みの取りづらさや長時間労働など労働環境の是正が不十分であることなどが、人手不足につながる要因と考えられます。 また、今後、人口減少に伴い一定の労働人口の減少が避けられない中、ICTの活用などによる生産性の向上が進んでいないことも大きな課題と言えるのではないでしょうか。 県においても、これまで、建設産業の魅力発信や、ICT活用工事の実施などに取り組んでこられましたが、目下の状況を鑑み、なお一層、労働市場に人材を取り込むための魅力発信や、業界の働き方改革の推進、生産性の向上といった取組を進めていく必要があると考えます。 そこでお尋ねをいたします。本県の建設産業が、地域の守り手として、将来にわたり、その社会的役割をしっかりと担えるよう、建設産業の活性化について、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 以上でございます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(河野亨君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)坂本議員の御質問にお答えします。 まず、看護師確保対策についてです。 高齢化の進行等により医療ニーズが高度化・多様化する中、県民が生涯を通じて、健康で安心して暮らしていくためには、良質な看護サービスを提供する看護師の確保が重要です。 このため、私は、看護師の県内就業に向け、県内外の看護学生への修学資金貸付け等を行うとともに、県内定着に向けては、離職防止のための新人看護職員研修を支援するなど、幅広い取組を進めてきたところであり、近年、看護師数は着実に増加するなど、一定の成果が得られているところです。 しかしながら、卒業生の県内就業が約六割にとどまり、有効求人倍率も全職種平均を上回るなど、いまだ看護師の不足は解消されていないことから、県内就業に向けたPRの強化や、勤務先の職場環境の改善、高度化・専門化する業務に対応できる技術研修の機会の確保が必要と考えています。 このため、まず、県内就業に向けたPRの強化については、県内医療機関への就業につながるよう、関係団体等と連携し、今年度から新たに、就職活動前の看護学生等をターゲットとした、相互の理解を深めるためのガイダンスを開催し、各医療機関の魅力をしっかり発信することとしています。 また、職場環境の改善については、医療勤務環境改善支援センターにおいて、県看護協会や山口労働局など、関係団体等で構成する運営協議会の意見も踏まえながら、研修会の開催や、社会保険労務士等のアドバイザー派遣などを通じ、働きやすい職場環境づくりに取り組む医療機関を支援しています。 さらに、高度化・専門化する業務に対応できる技術研修の機会の確保については、脱水時の点滴や、カテーテルの交換など、診療の補助が可能となる特定行為の研修受講希望者に対し、受講料の補助を行うなど、支援を充実させています。 私は、今後とも、こうした取組を通じ、本県の地域医療を担う看護師の確保に向けて、関係団体等と緊密に連携しながら、看護学生の県内就業や県内定着に積極的に取り組んでまいります。 次に、酒米の生産及び日本酒の需要拡大についてのお尋ねにお答えします。 ここ数年の日本食ブームにより、海外でも高い評価を受けている日本酒の需要拡大は、酒米生産農家の所得向上と地域経済の活性化につながるものであり、酒米の安定生産に係る取組と一体的に推進することが重要です。 このため、私は、酒米の安定生産に向け、新たな産地育成による生産拡大や生育診断技術の開発等による品質向上を図るとともに、大きな需要が見込める東京、大阪等、大都市圏や台湾、シンガポールなど海外への需要拡大に向けた取組を強化しているところです。 こうした中、現在開催中の大阪・関西万博において、六月十日からの四日間、全国屈指の酒蔵数を有する新潟県との共同による、地酒の展示・販売等を行い、期間中約四万人の来場者に対して、本県の誇る日本酒の魅力を国内外に向けて、PRをしたところです。 また、今年度の全国新酒鑑評会において、全国の名立たる産地の中で、過去最多の八銘柄が金賞となるなど、名実ともに高い評価を受けています。 一方で、お示しのとおり、昨今の米の価格高騰等により、今後の酒造りに必要な酒米の確保が懸念されています。 このため、生産農家に対して、作付面積の確保を働きかけるとともに、集荷、販売を行うJAグループに対し、持続的な酒造りが可能となる適正価格での取引を要請したところであり、今後は、さらなる取組の強化を進めてまいります。 具体的には、まず、酒米の安定生産に向け、生産拡大を積極的に行う集落営農法人等に対し、作付拡大に係る経費の一部を引き続き支援するとともに、品質や安定的な収量を確保するための生産技術等の普及・指導を強化します。 また、年末年始に需要が高まる新酒への対応として、収穫時期の早い品種の育成や生産現場への導入を促進します。 次に、日本酒の需要拡大に向け、インバウンド等、旺盛な海外需要を取り込むため、やまぐち和牛燦やトラフグなど、山口ならではの豊富な食材と併せ、本県日本酒の魅力を広くPRするとともに、来年秋に開催予定の山口DC等における情報発信を積極的に行います。 加えて、大都市圏のホテルや飲食店と取引のある日本酒取扱事業者を県内の酒蔵視察や商談会に招致するなど、新たな取引先の開拓に向けた取組を強化します。 私は、生産農家の所得向上と地域経済の活性化の観点から、我が国の文化に深い結びつきがあり、本県が国内外に誇れる日本酒が、持続的・発展的に供給されるよう、関係団体等と連携し、酒米の安定生産と日本酒の需要拡大に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(河野亨君)池田総合企画部長。 〔総合企画部長 池田博之君登壇〕 総合企画部長(池田博之君)AIを活用したデジタル社会の実現についてのお尋ねにお答えします。 人口減少が進む中、AI技術は、様々な社会課題の解決を図る上で有効な手段となり、その利活用を通じて新たな価値を創造し、地域の持続的な発展につなげていくことが重要です。 このため、県においては、生成AIを資料の要約や簡易な文書の作成等に活用し、業務の迅速化等を図るとともに、インフラの維持管理やモビリティー、医療などの分野で、先進的な取組を進めているところです。 お示しの自動運転EVバスについては、昨年度から周南市で実証を行っており、今年度は、運転手が同乗しないレベル四での運行を見据えて、取組をステップアップさせ、着実な成果を得た上で、県内他地域での横展開につなげていくこととしています。 さらに、AIを活用した新サービスの創出や業務改革の取組を、市町や企業等に広げていけるよう、生成AIを安全な環境下で実証することができるアカウントを、「Y─BASE」において無償で貸し出しており、プログラミングの効率化を通じたシステム内製化等の活用事例が生まれています。 今後は、こうした取組を基盤に、急速に進化を続けるAI技術を積極的に取り入れながら、行政事務のさらなる効率化及び施策の高度化を進めるとともに、スタートアップ企業等と連携して先進モデルを創出し、その成果を広く普及させるなど、取組を加速してまいります。 また、取組を着実に進めていくためには、生成AIの仕組みや特性等を十分に理解し、その技術を使いこなせる人材の育成・確保や、生成AIを安心・安全に活用できる環境の整備にも取り組んでいく必要があります。 このため、今年度から、AIを活用した企画の立案スキル習得を目的とした実践研修を充実するなど、人材育成の取組を強化するとともに、市町に専門人材を派遣する取組も開始しています。 安心・安全に活用できる環境の整備については、国において、生成AIのガイドライン等が作成され、その利活用促進とリスク管理を一体で進めることとされていることから、引き続き、全国知事会を通じ、取組の強化を要請してまいります。 県としては、生成AIをはじめとするAI技術を効果的に活用して、地域の課題を解決し、その恩恵が県民に広く行き渡るデジタル社会の実現に積極的に取り組んでまいります。 副議長(河野亨君)永田産業労働部長。 〔産業労働部長 永田明生君登壇〕 産業労働部長(永田明生君)外国人材の確保・定着についてのお尋ねにお答えします。 少子高齢化等により、企業の人手不足があらゆる分野で深刻化する中、本県産業の持続的な成長に向けては、これを支える幅広い産業人材を確保していくことが不可欠であり、その有効な対応策の一つとして、外国人材の活用に取り組んでいるところです。 具体的には、山口しごとセンターに配置した外国人材雇用アドバイザーによる採用等に関する相談対応や、職場での日本語能力向上研修への補助、さらには留学生向けの業界研究フェアの開催等の取組を進めています。 こうした中、お示しのとおり、令和九年には育成就労制度が開始予定であり、今後、外国人材の確保をめぐる地域間競争が一層激しくなることが予想されることから、外国人材から選ばれる山口県を目指して取組を強化していくことが重要です。 このため、今月新たに、外国人材に関して専門性やネットワークを有する幅広い関係機関で構成する、山口県外国人材確保定着強化協議会を立ち上げたところであり、今後、この協議会を軸に、外国人材の確保・定着に向けて産官学金が一体となって取組を進めます。 まず、昨年、産業人材の送り出しと受入れの協力に合意したベトナムや、若年人口が豊富なインドネシアに現地サポートデスクを新たに設置し、本県の魅力をアピールするとともに、受入れ企業等と現地の人材の円滑なマッチングを支援します。 また、企業等からの幅広いニーズに柔軟に対応するため、紹介手数料やインターンシップの受入れ、地域交流等に対する様々な支援メニューから選択可能な補助制度を創設し、受入れ企業等に対してきめ細かく支援してまいります。 さらに、求職・求人ニーズを的確に把握して円滑なマッチングにつなげるとともに、外国人材が働きやすい環境整備などの好事例を広く情報発信し、受入れ企業等の拡大を図っていきます。 県としては、本県産業の持続的な成長に向けて、産業界や関係機関等と緊密に連携し、外国人材の確保・定着に積極的に取り組んでまいります。 副議長(河野亨君)山本環境生活部長。 〔環境生活部長 山本毅君登壇〕 環境生活部長(山本毅君)ツキノワグマ対策についてのお尋ねにお答えします。 近年、ツキノワグマの出没が増加し、生息域を越えた活動も活発化していることから、県では、猟友会の協力により組織したクマレンジャー隊によるパトロールや捕獲活動の強化、人身被害の危険性が高まった場合の出没警報発令等により、被害防止に取り組んでいるところです。 一方、日常生活圏での熊出没が頻発し、昨年度、人身被害件数が過去最多となるなど、県民の不安が高まっている中、国は鳥獣保護管理法を改正し、熊が市街地等に侵入し人身被害のおそれがある場合には、市町村長の判断により緊急銃猟の実施が可能となりました。 このため、本県においても、冬眠に向けて熊の活動が活発化する秋頃までに、市町による体制整備や実施手順の確立等が必要となるため、熊の生息域外にあり対応の経験が少ない市町の状況も踏まえ、県全体での体制整備等に向けた支援に取り組むこととしています。 具体的には、国が来月開催する改正法の説明会に合わせて、各市町が抱える課題やニーズをきめ細かく把握するとともに、それぞれの課題等に対応するための研修会や机上訓練などを、県警察や猟友会と連携して実施したいと考えています。 さらに、こうした取組を円滑に進めるため、緊急銃猟に関する国のガイドラインを速やかに策定・提示するよう、政府要望において国に強く求めたところ、来月上旬には示される見込みとなったことから、これを活用した支援の充実や県版の対応マニュアル作成にも早急に取り組んでいきます。 また、国による長期の狩猟禁止措置のため県内に熊銃猟経験者がおらず、その育成には県外からの指導者確保が不可欠であるため、国に人材バンクの創設も要望したところです。 さらに、県の実態に即した実践的な人材育成が行えるよう、外部人材の効果的な活用とともに、国に他県の事例等を聞きながら、射撃技能習得等に資する研修を企画・実施していきたいと考えています。 こうした取組に加え、日常生活圏での熊出没防止に向けては、生息数と生息域の適正管理が重要であるため、現在実施している、熊の生息実態に関する調査の結果をもって、国に対し、狩猟禁止の科学的検証や、その解除に向けた議論を働きかけていきます。 県としましては、今後とも、県民の安全・安心の確保が図られるよう、国や市町、県警察、猟友会等と緊密に連携し、ツキノワグマ対策に積極的に取り組んでまいります。 〔山本環境生活部長の発言中、河野副議長に代わり、柳居議長が議長席に着く〕 議長(柳居俊学君)仙石土木建築部長。 〔土木建築部長 仙石克洋君登壇〕 土木建築部長(仙石克洋君)建設産業の活性化についてのお尋ねにお答えします。 本県の建設産業は、インフラの整備や維持管理、災害発生時の応急対応などを担う中核的な存在であり、地域経済や雇用の下支え役としても重要な役割を果たしています。 こうした中、就業者数の減少や高齢化の進行により、担い手不足が深刻化し、近い将来、インフラの整備や災害対応等に支障を来すおそれがあることから、持続可能な建設産業を構築することが重要です。 このため、将来の担い手となる若者をはじめとした人材の確保に向け、県では、産学公の連携の下、お示しの魅力発信や働き方改革の推進、生産性の向上を通じた建設産業の活性化に取り組むこととしています。 具体的には、まず、魅力発信については、幅広い年齢層を対象にした体験型イベント、やまぐち建設フェス!や、魅力発信ポータルサイト、やま建Navi等により、若者の入職を促進しています。 今後は、地域の守り手として、建設産業が災害発生時等に重要な役割を担っていることを、やま建Naviに掲載するなど、魅力発信の取組を充実し、さらなるイメージアップを図ることとしています。 次に、働き方改革の推進については、労働時間の削減や休日の確保につながるよう、施工時期の平準化や、現場の一斉土曜閉所に取り組んでおり、さらに今年度から毎週土日を休日とした場合に、工事成績評定において加点評価しているところです。 また、現場技術者の負担軽減に向け、引き続き、工事書類のスリム化を進めるとともに、ペーパーレス化につながる情報共有システムの活用を、原則として全ての工事で義務化することとしています。 今後は、こうした取組を県全体に広げていくため、県内の発注者で構成する協議会等を通じて、市町への働きかけを一層強化してまいります。 次に、生産性向上については、建設DX推進計画に基づき、ICT活用工事の推進に取り組んでおり、今年十月から発注者指定型工事の指定工種を拡大します。 あわせて、県内の建設業者が自発的にICT活用工事に取り組めるよう、建設業団体と協力しながら、小規模な工事での効率化・省力化につながる活用事例を紹介し、体験してもらうセミナーを県内各地で開催するなど、さらなる普及啓発に取り組みます。 県としては、本県の基幹産業であり、地域の守り手である建設産業が将来にわたって、その社会的役割を担っていけるよう、魅力発信や働き方改革の推進、生産性の向上を通じた建設産業の活性化に一層取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)これをもって、一般質問及び提出議案に対する質疑を終結をいたします。