提案理由説明
日程第三 議案第一号から第十七号まで 議長(柳居俊学君)日程第三、議案第一号から第十七号までを議題といたします。 ────────────────────── 提出者の説明 議長(柳居俊学君)これより提案理由の説明を求めます。 村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)本日は、令和七年度一般会計補正予算その他の諸案件につきまして、御審議をお願いするため、お集まりをいただき、厚くお礼を申し上げます。 最初に、本年八月に全国で発生した豪雨をはじめとする自然災害により、お亡くなりになられました方々に対し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災されました皆様方に心からお見舞いを申し上げます。 次に、議案の説明に先立ち、御報告申し上げます。 まず、令和七年八月六日からの大雨による災害についてです。 本年八月上旬に発生した、低気圧と前線の影響による大雨は、九州地方をはじめ、全国各地に甚大な被害をもたらしました。 県では、八月十日、県内ほぼ全域に土砂災害警戒情報が発令されるとともに、線状降水帯も発生したことから、災害に迅速に対応するため、災害対策本部を設置し、宇部市に災害救助法を適用するなど、市町や関係機関との連携の下、被災者や被災状況の的確な把握や災害応急対策に取り組みました。 本県におきましても、下関市や宇部市で二十四時間の降水量が観測史上最大を記録するなど、県西部を中心に非常に激しい雨に見舞われ、住家の浸水や農地・農業用施設の被災、道路の損傷など、県民生活や経済活動に大きな影響が生じたところです。 こうした中、八月十八日、国において、本災害を激甚災害として指定し、農地等の災害復旧事業等に係る特別措置を適用する見込みが示されました。 これらを踏まえ、今回、災害対策の本格的な実施に要する経費について、補正予算を編成したところであり、私としては、引き続き、災害の早期復旧と被災者救済対策等に全力で取り組んでいく考えです。 次に、JR美祢線についてです。 令和五年六月末の豪雨災害で被災し、既に二年以上の運休が続くJR美祢線について、先月、私と沿線三市の市長で協議し、一日も早い復旧が必要との認識を共有の上で、復旧までの期間や利便性等を総合的に勘案し、バス高速輸送システム、いわゆるBRTによる復旧を目指すことで合意いたしました。 その具体化に向けて、来月には、県が事務局となり、沿線三市と共同で、地域交通法に基づく法定協議会を設置するとともに、美祢線沿線の地域公共交通に関する計画の策定等を進めてまいります。 また、BRTが担う地域公共交通を持続可能なものとするため、法定協議会の下に利用促進部会を設け、沿線自治体やJR、関係団体等と一体となって、利便性の向上や観光利用の促進に取り組んでいく考えです。 私は、沿線住民の生活や本県の観光振興において重要なJR美祢線を、地域にとってよりよい形で早期に復旧し、その後も維持・活性化が図られるよう、沿線自治体等との連携の下、広域自治体としての役割をしっかりと果たしてまいります。 次に、最近の経済情勢についてです。 我が国経済は、米国の通商政策等による影響が一部に見られるものの、緩やかに回復しているとされています。 一方、先行きについては、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクに加え、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響なども我が国の景気を下押しするリスクとなっており、また、金融資本市場の変動等に引き続き注意する必要があるとされています。 こうした中、本年七月には、日米両政府は関税措置に関し、相互関税及び自動車・自動車部品関税を一五%とするなどの合意に至り、今後合意事項を着実に実施するべく取り組んでいく考えが示されているところです。 また、県内経済については、緩やかに回復しているものの、米国の分野別関税の詳細が明らかになっていないなど、先行きの不確実性が依然高い状況が続いており、注視していく必要があるとされています。 私としては、引き続き、米国の関税措置の影響や物価、経済情勢、国の動向等を十分に踏まえながら、適切に対処してまいります。 それでは、提出議案の概要について、御説明申し上げます。 議案第一号は、令和七年度一般会計補正予算です。 今回の補正予算は、八月の大雨災害対策関連事業など、当面緊急を要する経費について、所要の補正を行うものであり、補正総額は四十一億八千四百万円、補正後の予算規模は七千四百五十一億七千五百万円となっています。 その主な内容としては、まず、大雨災害対策について、被害状況に基づき、公共土木施設等の早期復旧を図るため、災害復旧事業十八億二千万円を追加するとともに、災害関連事業として、砂防事業や河川改修事業等を実施することとし、十五億二千二百万円を追加計上しています。 次に、被災者支援については、災害救助法に基づく被災者の応援救助を行うとともに、県単独の措置として、住家の全壊・半壊世帯等に災害見舞金を支給するほか、災害援護資金、生活福祉資金等の無利子貸付けを行うこととし、総額で一億一千六百万円を計上しています。 このほか、道路、河川に流出した土砂や倒木の除去等を実施することとし、それぞれ所要の経費を計上しています。 これにより、今回計上した災害関連経費の総額は三十九億七千二百万円となっています。 その他の経費としては、まず、今も運休が続くJR美祢線のBRTによる早期復旧に向けて、法定協議会の設置と、広域的な地域公共交通の基本方針等を定める地域公共交通計画の策定に要する経費を計上しています。 また、米価高騰に伴って酒米価格の急上昇が見込まれる中、県産酒米の取引維持と県産日本酒の安定供給を図るため、県内酒蔵に対して、県産酒米の価格高騰分への補助を行います。 さらに、人手不足等が喫緊の課題となっている訪問介護サービスの提供体制を維持するため、新たに人材確保や経営改善に取り組む事業者を支援します。 このほか、建設事業に係る繰越明許費について、用地交渉の遅延等により、三億三千万円を設定するとともに、債務負担行為として、年度を越える利子補給等を行うこととしています。 一方、歳入予算については、歳出との関連において、国庫支出金十二億三千四百万円、県債二十二億四千四百万円等を追加するほか、所要の一般財源については、繰越金六億九千百万円をもって措置しています。 以上が、議案第一号に係る令和七年度一般会計補正予算の概要です。 議案第二号は、令和七年度の県が行う建設事業に要する経費に関し、市町が負担すべき金額を定めることについて、地方財政法等の規定により、県議会の議決をお願いするものです。 議案第三号及び議案第四号は、いずれも条例の一部を改正するものであり、公職選挙法施行令の一部改正に伴う県議会議員及び県知事の選挙における公費負担の限度額の変更等を行うものです。 議案第五号から議案第十五号までは、事件議決に関するものです。 議案第五号は、工事の請負契約の変更について、議案第六号は、物品の買入れについて、議案第七号は、訴訟上の和解をすることについて、議案第八号は、公立大学法人山口県立大学の定款を変更することについて、議案第九号は、公立大学法人山口県立大学が徴収する料金の上限の変更の認可について、議案第十号及び議案第十一号は、令和六年度の企業会計の利益の処分について、それぞれ県議会の議決をお願いするものです。 議案第十二号は、令和六年度山口県歳入歳出諸決算について、県議会の認定をお願いするものです。 なお、当該決算に係る主要な施策の成果並びに基金の運用状況についても、併せて説明書を提出しています。 議案第十三号から議案第十五号までは、令和六年度の企業会計の決算について、地方公営企業法の規定に基づき、それぞれ県議会の認定をお願いするものです。 議案第十六号及び議案第十七号は、人事案件に関するものであり、議案第十六号は、教育委員会の委員の任命について、議案第十七号は、公安委員会の委員の任命について、それぞれ県議会の同意をお願いするものです。 まず、教育委員会委員 木阪泰之氏は、来る十月八日をもちまして、また、公安委員会委員 野村雅之氏は、来る十月十三日をもちまして、その任期が満了いたします。 つきましては、後任の委員の任命を要するのですが、私としては、教育委員会委員には木阪泰之氏、公安委員会委員には野村雅之氏の再任をそれぞれお願いすることとし、ここにお諮りいたします。 なお、各氏の御経歴は、配付しました履歴書のとおりです。 この際、御報告申し上げます。 錦川総合開発事業継続費につきましては、精算報告書を調製しましたので、御報告いたします。 また、工事の請負契約の一部を変更すること、訴え提起前の和解をすること及び交通事故等による損害賠償の額を定めることについては、専決処分により、処理をいたしました。 また、債権管理条例に基づく債権放棄の報告、令和六年度の決算に係る健全化判断比率及び公営企業の資金不足比率の報告、中山間地域振興条例ほか六条例に基づくそれぞれの年次報告、地方独立行政法人法に基づく業務の実績に関する評価結果の報告、内部統制評価報告書並びに県が出資等を行っている法人の経営状況を説明する書類につきましては、別添のとおり作成しましたので、提出をいたします。 以上、提出議案等について、その概要を御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。