討論
────────────────────── 討 論 議長(柳居俊学君)これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 藤本一規君。 〔藤本一規君登壇〕(拍手) 藤本一規君 日本共産党議員団を代表して、本会議に提出された議案に対する討論を行います。 本会議に提案された六十七議案と継続審査中の六議案のうち、議案第十号、十一号、二十三号、二十六号及び二十七号と継続審査中の議案第十二号及び十五号に反対します。残り六十六議案には賛成します。 まず、賛成する議案のうち、議案第六十七号、二○二五年度一般会計補正予算について意見を述べます。 補正予算の追加分として、一、医療機関・社会福祉施設等光熱費等支援に二十三億五千九百万円、二、LPガス・特別高圧等支援に七億五千四百万円、三、中小企業賃上げ環境支援に七億一千八百万円を計上しました。 経済対策の追加補正額は、三百五十七億九千四百万円です。重点支援地域交付金を財源としたものは、一、二、三の合計三十八億三千百万円です。追加分のうち、二百七十八億円が公共事業です。その財源は、国庫支出金が百十一億円、県債が実に百五十三億八千万円です。追加補正の県債発行額全てが公共事業の財源となります。 その結果、県債発行額は、当初予算で四百五十八億円だったものが、追加補正後、六百三十四億円にまで増嵩します。過去にも経済対策という名の公共事業の積み上げが、県財政を逼迫させたことがありました。県債に依存した安易な公共事業の積み増しには、慎重な対応を行うよう求めます。 また、不発弾処理対策事業として約八億円が計上され、負担は県と周南市が折半する形です。しかし、そもそも不発弾問題は、戦前の天皇制政府が政府行為として始めた戦争の爪痕であって、自治体、住民が責任を負うべき問題ではありません。 戦争のさなかに米軍が投下、砲撃した爆弾が不発弾として地中や海中に埋まっているのかを探査し、処理する責任は、国にあるのは明らかです。関係自治体に処理を押しつけるのは本末転倒であり、政府が全額経費を負担し、不発弾処理の先頭に立つよう求めるべきであることを指摘するものです。 それでは、議案第十号 一般職に属する学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例についてです。 本議案は、さきの通常国会において、自民、立憲、国民、維新、公明の五党の賛成により成立した、給特法改定に伴う条例改正です。 改定の最大の問題点は、公立学校の教員のみ、膨大な時間外勤務を在校等時間という曖昧な概念で労働時間として認めず、一切の時間外勤務手当を支給しないという労働基準法の原則を平然と踏みにじったところにあります。 今回の給特法改定は、恥であり罪であると喝破したのは、東京大学の本田由紀教授です。 国会での公聴会で参考人として陳述した本田教授は、改定案について、法規範を逸脱するような法律を国の大量の教員に対して国が法として定めるということは、恥であり罪であるという事柄はほかにはありませんと述べました。 本田教授が指摘をした法規範とは、人たるに値する生活を営むための労働条件の在り方を定めた労働基準法です。その中心は、使用者、労働者に週四十時間、一日八時間を超えて労働させてはならないという原則にほかなりません。法規範を逸脱する方途は、残業代を支給しないと定めた給特法です。 本条例は、法規範を逸脱するような法律を県内の大量の教員に適用するという点で、恥であり罪であることを指摘をして、本条例改正に反対いたします。 次に、議案第十一号 知事等の給与及び旅費に関する条例及び山口県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例です。 本条例は、知事及び県議会議員の議員に支給する期末手当を三・四五か月から三・五○か月に引き上げるものです。 本議会には、三百五十八億円の経済対策関連予算が追加提出されました。知事は、追加提出に当たって、国の経済対策を活用して物価高への対応や賃上げ環境の整備、暮らしの安心・安全に向けた基盤整備等を進めていくと議案説明をいたしました。 知事及び県議会議員の期末手当引上げに要する予算は、県民の暮らしの安心・安全に向けた基盤整備等に充てるべきであることを指摘をし、本条例に反対いたします。 次に、議案第二十三号 一般国道四百九十号二号橋(仮称)橋りょう整備工事(上部工)の請負契約の締結についてです。 この橋梁は、我が党が従前から反対してきた高規格道路小郡萩道路の一部です。このような巨大プロジェクトは見直し、物価高に苦しむ県民の暮らしを支える県財政を推進すべきと考え、反対いたします。 議案第二十六号及び二十七号は、防府警察署庁舎新築に伴うものです。防府警察署は、防府市の要望に基づき、防府市役所建設に伴い生じる空き地へ移転するものです。 地元の市民団体は、二○二一年、県警本部長に、新庁舎の空き地へ警察署が移転すれば防災空地がなくなることや、交差点にあまりにも近過ぎて利用しづらくなるのではないかとの理由で、反対する要望書を提出いたしました。こうした経緯により、同議案に反対いたします。 次に、請願についてです。 請願一号、二号、四号、五号、七号を不採択とした委員長報告に反対いたします。 請願第一号は、日本政府に核兵器禁止条約の調印・批准を求める意見書の国への提出を求めるものです。 日本被団協がノーベル平和賞を受賞して一年が経過しました。日本政府が核兵器禁止条約に参加しない姿勢は、世界中から奇異なものに受け止められています。請願が主張するように、唯一の戦争被爆国である日本政府が条約締結をすることは、被団協の行動をさらに力強く補強し、核兵器廃絶への大きな希望を世界にもたらします。各議員の賛同を心から呼びかけます。 請願第二号は、使用済核燃料中間貯蔵施設の上関町への建設に反対することを求めるものです。 九日、中国新聞は、七日投開票の柳井市議選で、中国電力が山口県上関町で建設を検討する使用済核燃料の中間貯蔵施設について、中国新聞が告示前に実施したアンケートで反対と回答したのは、当選者全十六人のうち九人と過半数を占めたと報じました。中間貯蔵施設建設予定地周辺の自治体で反対する議員が過半数を超えたのは、田布施町に続き二自治体目です。 八日夜に発生した青森県を中心とした地震により、日本原燃は、六ヶ所村にある使用済燃料の再処理工場で、燃料プールから六百五十リットルの放射性物質を含んだ水があふれ出たと発表いたしました。 請願にあるとおり、中間貯蔵施設建設予定地の近くには、政府の地震調査研究推進本部が発表した、今後三十年以内に地震が発生する確率が三%以上と最もリスクが高いSランクの周防灘断層帯が存在します。このような場所に原子力施設を建設すべきではありません。よって、本請願は採択されるべきです。 次に、請願第四号 特別支援学校の過大・過密、教室不足の解消を図るため学校建設の国庫補助率の引上げを求めることについてです。 文科省の二○二三年十月一日現在の公立特別支援学校における教室不足調査の結果によると、山口県の不足教室数は七か所、全国では三千三百五十九か所あります。 文科省が、十八歳人口に特別支援学校の卒業生を含めずに大学等の進学率を算出していることが判明いたしましたが、特別支援学校での教室不足の放置は、文科省による失政の最たるものと指摘をさせていただきます。 また、私は、一般質問で、マンモス校である宇部総合支援学校の分割、美祢・長門分教室の分校化を訴えてきました。請願にある特別支援学校建設のための国庫補助率三分の二への引上げは、当然の要望であり、本請願は採択されるべきです。 次に、請願第五号 二○二六年度山口県予算に学校法人山口朝鮮学園への補助金を計上することについてです。 一九四八年十二月十日、国連総会で世界人権宣言が採択され、採択日が人権デーと定められました。法務省は、人権デーを最終日とする一週間を人権週間と定めています。 世界人権宣言第二条第一項には、「すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる。」とあります。 また、山口県人権推進指針は、十六の分野別施策を掲げています。 まず、子供の問題では、「より子どもの立場に立って、子どもを大切にした県づくりを推進するという基本方針のもとに」、施策を推進するとしています。 また、外国人問題では、「「日本人と外国人が、お互いを尊重しながら、共に地域を創る一員として活躍することで、全ての県民が豊かに安心して暮らすことができる山口県」を基本理念に掲げ、県内の市町や関係機関等と連携し、多文化共生社会の実現に向けて」、施策を推進するとしています。 山口県が朝鮮学校に補助金を支給しないことは、この世界人権宣言にも山口県人権推進指針にも反するものだと考えます。よって、本請願は採択されるべきです。 次に、請願第七号 小・中学校、高校の少人数学級実現、私学助成の増額、教育費の父母負担軽減、障害児教育の充実を求めることについてのうち、第二項、第三項、第四項及び第六項に関する部分についてです。 第二項は、小・中学校での三十人以下学級、高校三十五人以下学級を早期に実現することを求めています。 県教委は、県立高校再編整備計画後期実施計画(素案)を十月に公表し、十四校を七校に再編統合し、三つの分校の募集停止を検討するとしました。 本素案の基には、望ましい学校規模を一学年四から八学級、一学級当たりの生徒は原則四十人の基準が厳然として存在しています。 本議会での一般質問で指摘をいたしましたが、高知県教委は、中山間地域等の小規模校は、本校、一学年一学級二十人以上、分校は一学年一学級十人以上を学校規模の最低規模の目安として再編整備基準としています。 本請願の第二項、第三項、第四項及び第六項を採択し、子供たちが安心して学べる山口県を推進すべきです。 次に、継続審査中の六議案のうち、議案第十二号、二○二四年度山口県歳入歳出諸決算と、第十五号、工業用水道事業会計の決算の二議案に反対いたします。 二○二四年度山口県歳入歳出諸決算の反対理由の第一は、長年続く実質賃金の減少と年金削減、そして四十一年ぶりの物価上昇という異常事態から、県民の暮らしと県内経済を守る支援策が不十分であったということです。 この年の実質賃金はマイナス○・四%であり、ガソリンや水光熱費はもちろん、食材費、米までが値上がりとなり、物価高騰が家計を直撃しました。 一方で、異次元の物価高により、県財政は地方消費税清算金約五十九億円の増収となり、これらを含め県民の負担軽減や暮らしを守る施策に使われることが求められました。 しかし、家計を直接支援する施策はほとんどなく、賃上げ環境整備応援事業を創設した点は評価するものの、その予算規模は一億九千四百万円にとどまり、県内六万企業に対し、実に四百八十七企業、○・八%にしかすぎませんでした。一例を挙げれば、秋田県の十分の一の規模でした。 この年から国の森林環境税の徴収が始まり、納税義務者一人当たり千円を徴収、県では、やまぐち森林づくり県民税が県民からは五百円、法人からは千円から四万円を徴収しており、目的と使途が違うと言っても、県民にとっては森林保全のための税金の二重払いの感覚があり、この際、県民負担の精査をすべきです。 第二は、地方自治体の使命である住民の福祉増進も県独自の施策は見られず、子供の医療費助成制度は子育て支援ではなく、福祉医療にとどまらせ、この間、予算執行率は一〇〇%を切り、前年度は八四%まで低下しているのに、対象年齢の拡大に踏み出そうとはせず、市町に負担を押しつけたままです。 このため、同制度の予算が当初予算総額に占める割合を中国五県で比較をすると、鳥取県が〇・三二%に対し、山口県は〇・〇八%と四分の一になっています。 また、地域医療構想によって、この間、四百三十七床もの病床が削減されました。国民健康保険料は、県の示した標準保険料率が上昇傾向にあり、市町の保険料は県の保険料率より低く抑えてはいますが、値上げに踏み出す市町が増加傾向にあります。国の訪問介護報酬の引下げの影響など、訪問介護事業所は、昨年度、指定が十三か所に対し、廃止は二十一か所となりました。 二〇二四年度の一般会計は、基金残高が百八十六億円増の一千六十七億円となり、また、減債基金二十億円、安心・安全基盤強化基金百四十三億円、デジタル実装推進基金十七億円などにため込まれています。これら基金を、年度途中でも、物価高や負担増で苦境に立たされている県民生活への温かい支援に回すことこそ求められたと思います。 第三は、こうした一方で、相も変わらず下関北九州道路や木屋川ダムかさ上げなど不要不急の大型公共事業の着手に向けた施策や、企業立地補助金など大企業への過度な支援が続けられています。これら事業の在り方、進め方、税金の使い方が、自治体の本旨である住民福祉の増進につながるのかとの視点で、改めて検討されるべきです。 以上、三つの理由をもって、二〇二四年度山口県歳入歳出諸決算に反対をし、討論といたします。(拍手)