1 未来技術の実証を呼び込む戦略について 2 外国人労働者受け入れとDXによる人材不足解消・賃金上昇について 3 行政等が連携した農業施策について 4 ペットと人が幸せに暮らせる環境づくりに向けた適正飼養の推進について 5 自殺対策について
議長(柳居俊学君)牛見航君。 〔牛見航君登壇〕(拍手) 牛見航君 皆さん、おはようございます。自由民主党の牛見航でございます。通告に従いまして一般質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 本年、大東亜戦争の終結から八十年を迎えました。先日、沖縄県糸満市摩文仁の丘で行われました、山口県南方地域戦没者防長英霊の塔慰霊祭に自民党山口県連の一人として出席させていただきました。 さきの大戦は、我が国が史上かつて類を見ないほどの戦いであり、沖縄をはじめ、南方諸地域においては、猛暑の中、言語に絶する死闘が展開されたわけです。 特に、沖縄は、本土防衛の第一線となり、その熾烈極まる戦いは、昭和二十年三月二十五日以降、八十余日にわたり続き、その結果、沖縄の大半は焦土と化し、軍人・軍属をはじめ、本県出身者千四十三名を含む一般住民の方々二十二万名の方々が貴い犠牲となられました。また、南方地域においては、本土から補給が途絶え、弾薬も尽き、悪疫と闘いながら悪戦苦闘され、ついに二万三千四百四名の本県出身者が護国のために散華されました。また、この防長英霊の塔には南方地域で戦没された方々を合祀し、計二万四千四百四十七柱の御霊がお祭りしてあります。 また、その前には、山口県周南市大津島の回天記念館にて、全国の政治塾の仲間と共に伺い、献花をさせていただきました。 回天とは、太平洋戦争末期に旧海軍が開発した、人間が操縦して敵艦に体当たりする特攻兵器であります。小さな潜航艇に操縦者が乗り込み、出撃すれば事実上生還は極めて困難という、想像に絶する苛酷な兵器でありました。この回天の訓練基地が置かれていたのが、周南市の大津島であります。当時、十代後半から二十代前半の将来ある若者たちが、家族を守り、国を守りたいという一心で志願し、厳しい訓練に臨み、命を賭して出撃していきました。 大津島には、彼らの遺書、遺影、遺品、そして出撃前に残された言葉が今も静かに展示され、訪れる者に命の重さと平和の尊さを強く訴えかけています。 訪問した回天記念館にて御説明を頂きましたが、その中で、塚本太郎少尉の残された言葉、その肉声を拝聴いたしました。前半部分は年齢に相応し、家族や友人との思い出を振り返り感謝を伝える内容でありました。そして後半部分、その中でも特に印象に残った文節がございましたので、ここに御紹介いたします。「僕はこんなにも幸福な家族の一員である前に、日本人であることを忘れてはならないと思うんだ。」昭和二十年一月二十一日、二十一歳にして戦死、終戦まで七か月を切っていました。 さきの大戦から八十年が経過、戦後、我が国はGHQによる日本弱体化政策が進められ、自虐教育や農地改革、報道規制などにより日本人としての誇りを失い、日本人の規範である武士道精神さえも忘れかけています。 本日の最後の質問項目でも触れますが、今の日本の自殺率の現状を見たとき、日本の安寧と未来を願って戦った先人たちは、果たして今の日本をどう思われるだろうか、その思いが胸に迫ってまいります。生きたくても生きられなかった時代から、生きられるのに生きる力を失ってしまう時代へと変わってしまった今、私たち政治に携わる者は、改めて国家とは何か、国を守るとは何かという根本、日本人としての原点に立ち返る必要があると痛感しています。 また、この十月二十一日には、日本の憲政史上初となる女性の総理大臣として高市政権が誕生、我々自由民主党が結党以来掲げ続けてきた党是の根幹である憲法改正、これはもはや先送りのできない国家的課題であります。憲法改正は国の未来を自分たちの手で守り、つくるための国民的使命であります。だからこそ、国政だけに任せるのではなく、地方に生きる私たちこそ声を上げ、議論し、行動していかねばなりません。日本を守り、生きる力を取り戻すための改革を山口の地から力強く進めていく決意であります。 先人たちが守ろうとしたこの国の未来を、今を生きる私たちがどう切り開いていくのか。命を守る政治と同時に、未来に希望をつくる政治もまた、私たちの責務であります。暗いニュースばかりが多く流れ、若い世代が将来に不安を抱きやすい今だからこそ、地域から挑戦を生み出し、わくわくする未来を示していくことが何より大切だと私は考えています。 そこで、まず初めに、未来への希望を具体的に形にするための質問として、未来技術の実証を呼び込む戦略について伺います。 私は、地域、そして日本全体が元気になるためには希望ある指針が必要だと考えます。それに必要なキーワードが挑戦、そして、わくわく感だと考えています。まず初めの質問は、そんな希望ある指針となるのではないかと思うわけであります。 本県では、DX推進拠点「Y─BASE」や官民連携組織「デジテック for YAMAGUCHI」を通じて、デジタル技術の実装支援が進められています。こうした取組は一定の成果を上げておりますが、企業の多くは依然として実証段階をどこでやればいいのか、誰と組めばいいのかという課題を抱えています。 例えば、既に進めている企業もございますが、茨城県日立市の無人自動運転バスの実証、北海道新十津川町の生活必需品のドローン配送、東京都江東区のロボットが公道を走っての荷物配送、北海道滝川市の自動トラクターの共同利用モデル、まだこれらは一部でありますが、まさに山口県が抱える地域課題の解決にも直結する分野でありますし、これら実証済みの企業も別の地域、別の環境での実証実験を行い、そのデータを欲しています。つまり、より多くの実証実験地を必要としているわけです。 また、全国にニーズがあるのにまだ実証が不十分な分野として、水中モビリティーや空飛ぶ車、介護ロボットと自治体連携のモデル、MaaS三・〇となる地域交通の総合アプリなどがございます。 山口県は、海、山、離島、都市部、農村、工業地帯が全部そろっている県。つまり、全国の実証企業が欲しがる多様なデータが一県で取れるわけです。 私は、こうした実証実験という挑戦を山口でこそ実現できる、そう思ってもらえるような県にしていくことは、起業する若者の創出や企業の誘致など、雇用創出や成長戦略において、極めて重要なことであると考えています。 県内の港湾、空港、大学、山、離島といった多様なフィールド、それらを活用し、企業や大学、自治体、市民が一体となって新しい価値を生み出す、この環境こそが地方創生の原動力になるはずです。 私は、この方向性を仮に、実証フィールド県やまぐちと名づけたいと思います。 県として、実証実験を積極的に受け入れ、実証を行う企業と県内の若者や地元企業をつなげ、必要に応じて規制緩和や補助支援を組み合わせることで、一過性で終わらせず、産業化・雇用創出へとつながる仕組みを構築すべきであります。挑戦が挑戦を呼び、企業が、まず山口で試そう、そう言ってくれるような環境を整えること。それこそが県の未来を切り開く最もわくわくする挑戦だと思います。山口を挑戦の舞台にし、それを産業振興につなげる、この視点から県の未来技術の実証を呼び込む戦略についての取組と今後の展望について、県の所見を伺います。 次に、外国人労働者の受入れとDXによる人材不足解消と賃金上昇について伺います。 現在、日本全体では少子高齢化と人口減少が急速に進んでおり、労働力不足が大きな課題であります。冷静に考えてみますと、労働人口が減少しているのであれば、本来は労働力の価値が高まり、賃金は上昇するはずです。しかし、現実には、大企業を中心として、賃上げが追いついていないのが現状であります。さらに、ロシアのウクライナ侵攻に端を発したエネルギー価格の急騰や物価高騰が重なり、物価は上がっているのに賃金は上がらないという、いわゆるスタグフレーションに陥っているのが今の日本の姿であります。それにもかかわらず、国の税収は過去最高を更新し続けています。 ところが、その原動力となるべき大企業は、本来は賃金上昇に回すべき利益を、依然として内部留保として積み上げる傾向を強めており、私たちの生活には賃上げの実感が届かない状況が続いています。 また、日本の経済を支えてきた九九%の中小・小規模事業者、その多くは賃上げに踏み切ろうにも、その体力が乏しいのが現状だと思います。エネルギー高騰、人件費負担、仕入れ価格の上昇、サービス業であれば決済サービス使用料の増加などが重なり、賃金に反映させたくても反映できないというのが実情であります。県内でも外国人労働者が増加していますが、その背景にある人手不足とは、実際には低賃金で働く人材が足りないという構造的問題ではないでしょうか。 企業が人手不足だと叫ぶ一方で、働きたくても安定した雇用や十分な賃金が得られない日本人労働者も多く存在しています。安易に外国人労働者を増やすことは、日本人の賃金水準をさらに下げ、若者の就労や正規雇用の機会を奪うことにつながりかねません。 まずは、日本人が安心して働き続けられる労働環境の整備こそ最優先であると考えます。その上で、私は本来、DXの目的もここにあるべきだと考えています。 しかし、現状では、国や自治体、そして、企業の一部において、DXをやること自体が目的化してしまい、本来あるべき人材不足の解消や生産性向上、賃金の引上げといった成果に結びついていないケースが散見されます。 例えば、製造業の現場では、RPAやAIを導入したものの、実際には現場の負担軽減や業務効率化につながらず、入れただけで雇用や負担が増えただけになってしまっている例もございます。 また、介護や物流の分野でも、デジタル機器を導入しても、使いこなせる人材が育たず、結果として、DXはやっているが人手不足は解消されないという現場の声も多く聞かれます。DXを導入しただけであれば、ただ経費が増えただけであり、むしろ経営効率や経営を悪くさせている可能性さえあります。 私は、DXを単なるツール導入で終わらせるのではなく、働く人を守り、生産性を高め、結果として賃金を上げる仕組みへと結びつけるべきだと考えます。例えば、企業がDXによって省力化できた分を、従業員の教育、賃上げ、福利厚生に還元するよう促す支援制度を設けること、また、中小企業がDX導入によって労働環境を改善した場合には、優遇措置や補助制度を拡充するなど、DXを人を生かす仕組みとして再設計していく必要があるのではないでしょうか。DXは単なる技術の話ではなく、人材確保と賃金上昇を両立させるための経済政策の柱であります。 外国人雇用に頼るだけではなく、企業がDXを通じて生産性を高め、地域で働く人々の所得を引き上げる。その流れを県としてどう支援し、どのように広げていくのか、伺います。 続いて、行政等が連携した農業施策について伺います。 この十月に農林水産省は、令和六年度の日本全体の食料自給率がカロリーベースで三八%であったことを公表しました。これは前年度と同程度の水準にとどまっており、主要先進国の中でも低い水準であります。 近年の異常気象や国際情勢の変化が続く中で、食料安全保障は重要な問題であり、安定した食料供給は国の役割ですが、地方は、単なる生産支援にとどまらず、地域の農地を守り、将来世代へと農業と食をつないでいく使命を担うものだと考えます。 そのような中、私の地元防府市では、農作業の受委託、地域住民との農の交流、農地の保全を行い、農業の発展と環境の保全による市民生活の向上に資することを目的とした、公益財団法人防府市農業公社が、防府市内の耕作放棄地などを借り受けて、直営で稲作を行い、学校給食で使うお米の全量約百二十トンを供給するという、全国的にも珍しい取組が進められています。 これは、行政と公社が連携した耕作放棄地の解消、新規就農者の育成、そして、子供たちに安心・安全な地元のお米を届けるという一石三鳥のモデルであり、県内の重要な農業施策の事例として捉えるべきだと考えます。 県内では、県内の農林水産業の持続的な発展、農山漁村の振興を目的とした、公益財団法人やまぐち農林振興公社が、新規就農希望者に相談から体験、研修、就農に関する支援等の情報提供など、担い手の確保・育成や、農地の集団化による農地利用を促進する農地の中間管理など、県と連携しながら取り組んでいると承知しています。 しかしながら、本県の農業を取り巻く状況を見ますと、少子高齢化による担い手の減少、それに伴う耕作放棄地の増加、物価高騰等による農業経営の逼迫など、厳しい状況にあります。 とりわけ、農業の持続可能性を高めるためには、農業DXやスマート農業の導入支援も欠かせません。 農林水産省の調査では、ドローンによる農薬散布、自動走行トラクター、センサーを用いた生育管理など、全国各地で新技術を導入し、省力化や高品質生産を実現している事例が多数報告されていますが、まだ十分に普及しているとは言えず、導入コストや操作人材の不足といった課題が依然として大きく、現場では、興味はあるが自分たちだけでは踏み出しにくいという声も多くございます。 こうしたデジタル技術を単なる実験で終わらせるのではなく、実際の現場での省力化・収益向上に結びつける支援が重要と思います。 そこでお尋ねいたします。地域農業の振興や食料安全保障の観点から、担い手の確保や農地集積、さらにはICTを活用した農家の経営強化を図ることが重要と思いますが、今後、市や町や公社と連携して、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 次に、ペットと人が幸せに暮らせる環境づくりに向けた適正飼養の推進について伺います。 犬や猫をはじめとしたペット動物は、従来の愛玩動物としてだけでなく、飼い主に癒やしや潤いを与えてくれる家族の一員、人生のパートナーと言える存在です。私自身も五年前に保護犬を家族に迎えました。飼育に関する正しい知識や認識の下、飼い主が深い愛情を持って適正に飼育することで、ペットたちも幸せな生活を送ることができるものだと、飼い主の一人として考えるところであります。 アニマルセラピーという言葉があるとおり、ペットを飼うことは、精神的・身体的・社会的な効果が得られると言われており、特に、高齢者については、介護予防や孤立防止などの効果も期待されているところです。 国内外の調査では、犬や猫と暮らす高齢者は、心理的な安定や社会的なつながりが保たれ、健康寿命の延伸や身体活動量の向上との関連が示されています。また、東京都健康長寿医療センターの研究では、犬を飼っている高齢者は、認知症の発症リスクが約四〇%低くなるとの結果も報告されており、ペットとの暮らしが高齢者の福祉の増進に資する可能性も指摘されています。 一方で、高齢者が新たにペットを迎えたいと思っても、もしものときに最後まで飼えるのかといった不安から、飼育をちゅうちょしたり諦めたりすることがあるそうです。実際、ある保護団体の聞き取りでは、保護した犬猫のうち約六割から七割が高齢の飼い主の入院や施設入所、死亡などによって行き場を失ったケースだとされています。 こうした中で、全国では、高齢者のペット飼育に関する新しい動きも生まれています。 例えば、愛知県の保護団体、DOG DUCAでは、十歳前後の高齢犬の所有権を団体が持ったまま、健康なシニアの方に預かってもらう、シニアドッグサポーター制度を展開し、万が一の際には団体側が再び引き取る仕組みで、高齢者と保護犬の双方を支えていますし、保護団体の負担軽減にもつながると考えます。また、ペット後見互助会や、高齢者が飼えなくなった際の引取り保証と見守り訪問を組み合わせた民間の仕組みも広がりつつあります。 こうした事例に共通しているのは、高齢者だから危ないから駄目ではなく、高齢者を支える仕組みを用意して、一緒に暮らせるようにするという発想です。本県では、終生飼養を確保するための安全網として、動物愛護センターから高齢者への譲渡については、万が一の際に一緒に世話をする、または代わって終生飼養することを約束する十八歳以上六十五歳未満の親族等の誓約書を求める仕組みを設けておられますが、例えば、誓約者がいない高齢者に対する福祉分野や民間団体と連携したペット後見や見守り体制の紹介・マッチング、地域包括支援センターや民生委員との情報共有による単身高齢者とペットの暮らしを見守るネットワークの構築、愛護団体やボランティアと連携した高齢者向けの譲渡説明や、万が一のときの引取り保証とセットになったモデル事業の検討などにより、ペット飼育を希望する高齢者の思いにも寄り添えるのではないかと思うところであります。 そして、ペットと飼い主の双方が心身ともに豊かで幸せな生活を送るために何より重要なのは、高齢者に限らず、飼育に対する正しい知識、自覚や責任を持って適正に飼育することです。かわいいからと飼い始めたものの、知識不足や認識不足、理想と現実のギャップなど、様々な要因で飼育が困難になってしまうこと、最悪の場合、動物虐待や遺棄につながることなど、不幸なペットが生まれてしまうことは望むところではございません。 そこでお尋ねいたします。飼い主が自覚と責任の下、ペットを適正に飼育することが、動物愛護はもとより、大変な思いで活動されております保護団体の負担軽減、そして、高齢者の福祉の増進にもつながり、動物の命を守り、人を支える社会への一歩になると考えますが、高齢者も含め、ペットと人が幸せに暮らせる環境づくりに向けた適正飼養の推進に、今後、県ではどのように取り組まれるのか、御所見を伺います。 最後に、自殺対策について伺います。 本日の冒頭お話しさせていただきましたが、厚生労働省などの統計によれば、我が国では、十代から三十代の死因の第一位が自殺となっております。四十代以降でも、ほかの死因の割合が増え、順位自体は下がっておりますが、自殺は全世代にわたり主要な死因の一つとなっております。 つまり、自殺は特定の世代だけの問題ではなく、あらゆる世代に共通する日本社会全体の課題です。経済的な困窮、職場や家庭での悩み、そして、孤立。その背景には、生活の不安と人とのつながりの希薄化があります。特に、最近ではSNSでの誹謗中傷やネット依存、雇用の不安定化、家族関係の分断などが新たな要因として加わり、若い世代の心を追い詰める要因ともなっています。経済の安定も、地域の支えも、心の癒やしも、全ては命を守ることにつながっています。私は、自殺対策を単なる福祉の一部としてではなく、経済、教育、地域づくり、デジタル化など、全ての政策の根幹に据えるべきテーマだと考えます。民生委員、地域包括支援センター、学校、医療機関、NPOなどが連携し、誰も孤立させない地域づくりを進めることが大切です。 一方で、私は、現場の取組を見ていて強く感じることがあります。それは、本当に支援が必要な人に情報が届いていないという現実です。幾ら相談窓口や支援制度を整えても、その存在を知らなければ、助けを求めることはできません。 厚生労働省などの意識調査でも、自殺に関する情報や支援窓口の認知が低いという結果が報告されています。この情報の届かなさを変えるには、発信の仕方そのものを見直す必要があります。自殺対策は、制度の整備だけではなく、どう伝えるかという広報・マーケティングの観点が欠かせません。行政が硬い言葉で呼びかけても、届かない人がいる。だからこそ、SNS、動画、学校、職場、地域など、日常生活の中に自然に溶け込む形で情報を届ける工夫が求められます。 私は、自殺対策の広報にマーケティングの視点を導入すべきだと考えます。対象者の年代、関心、行動パターンを分析し、最適なタイミング・手段で支援情報を発信する。そのような攻めの周知活動によってこそ、支援の網が広がり、救える命が増えていくのではないでしょうか。 また、SNS相談やAIを活用した見守りなど、デジタル技術による早期支援の仕組みも重要です。実際に、SNSを活用した自殺相談事業では、十代、二十代を中心に多くの相談が寄せられており、若者世代にとっては、電話よりもSNSのほうが相談しやすい窓口となっている実態も示されています。オンラインと地域の支え合いを組み合わせた総合的な命のネットワークをどう構築していくのか。 県として、自殺対策を生きる力を支える総合政策としてどのように強化していくのか、お考えを伺います。 以上で、本日の五つの質問を終わります。 未来技術、DX、農業、動物愛護、そして、自殺対策。一見すると、異なるテーマのようでありますが、その根底に流れる思いはただ一つ、山口県を日本一わくわくする、挑戦と希望の持てる地域にしたいという願いであります。 しかし、その未来を語る上で、どうしても忘れてはならないことが最後の質問、日本人の十代から三十代の死因の第一位が自殺であるという現実。これは世界でも異例とも言える深刻な事実です。若い世代が命を絶っていく国に、本当の意味での挑戦や、希望や、わくわくする未来が生まれるはずがありません。だからこそ、私は、経済も教育も地域づくりもデジタルも、全ての政策を命を守るという軸で再構築していくべきだと考えています。 誰もが挑戦でき、希望に満ちて、生きていてよかったと思える山口県へ。その未来を一緒につくってまいりたい。そのように考えております。 以上で質問を終わります。御清聴いただきありがとうございます。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)牛見議員の御質問のうち、私からは、未来技術の実証を呼び込む戦略についてのお尋ねにお答えします。 人口減少の進展等に伴い、経済の縮小が懸念される中、未来技術等の実証事業を県内に呼び込むことは、その事業化や県内企業の関連分野への参入等を通じて、本県経済の活性化や雇用の拡大につながることが期待され、本県の産業振興を図る上で重要な視点であると考えています。 このため、県では、海、山、離島等の本県の多様な環境や、艦艇装備研究所、JAXA等の研究関連施設、「やまぐちヘルスラボ」等のオープンイノベーション拠点などの優れた機能を生かし、将来的な事業化等を目指す様々な実証プロジェクトを推進しているところです。 具体的には、周南市の市街地では、EVバスの自動運転を目指す実証を、また、県内の離島や山間部等では、大規模災害時の孤立集落等にドローンを使って支援物資を輸送する実証を行うなど、自治体や地域が一体となった取組を進めています。 また、お示しの水中モビリティーについては、瀬戸内海において、有害赤潮の早期発見に関する実証が行われているほか、衛星データ利用の分野においても、水道管漏水調査をはじめ、二十件以上のプロジェクトが国事業に採択されるなど、国内トップクラスの実証フィールドとして活用されています。 さらに、「やまぐちヘルスラボ」は、製品等の効果実証のフィールドとして、県内外の企業に活用されており、県では、今年度創設した補助制度等により、県内企業のヘルスケア関連分野への参入拡大や、製品等の付加価値の創出に向けた取組を支援しています。 こうした取組に加え、国が打ち出したGX戦略地域の選定を勝ち取って、脱炭素化に貢献する高度な技術を持つスタートアップ企業を国内外から呼び込み、そのスケールアップを支援する仕組みを構築することで、GX新技術の社会実装に向け、本県が先陣を切って挑戦していきます。 私は、本県の優れた機能や多様な環境などを広く周知し、これらを活用した未来技術等の実証事業を呼び込み、その事業化や、県内企業の関連分野への参入等につなげ、本県産業の振興に向け、全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)永田産業労働部長。 〔産業労働部長 永田明生君登壇〕 産業労働部長(永田明生君)外国人労働者受入れとDXによる人材不足解消・賃金上昇についてのお尋ねにお答えします。 物価高や企業の人手不足が続く中、県中小企業団体中央会の調査においても、直面している経営上の障害として、光熱費等の高騰に続き、人材不足や労働力不足と答えた中小企業の割合が多くなっており、企業経営に大きな影響を与えています。 こうした状況において、県内中小企業の持続的な成長のためには、外国人労働者を含め、企業ニーズに応じた多様な人材の確保・定着を図る一方、お示しのとおり、DXの活用により生産性を向上し、人材不足の解消や持続的な賃上げにつなげていくことが重要と考えています。 このため、専門家による経営課題診断や、「Y─BASE」におけるDXコンサル、デジタル化の段階に応じた設備導入に対する補助、さらには、DX戦略の策定や実行への伴走支援を行うなど、中小企業のDXに向けた取組を積極的に支援しています。 また、資金面においても、県制度融資の、DX対応支援資金等により支援するなど、企業の生産性向上に向けた取組をしっかりとサポートしているところです。 これらの取組による生産性向上の成果を、賃金上昇や福利厚生の充実など労働環境の整備につなげ、人手不足の中にあっても企業が人材を確保し、成長できるよう、補助金など県の支援制度において、賃上げ等を事業の評価や採択を行う際の判断材料に加えるなど、その効果的な仕組みづくりを検討してまいります。 さらに、企業がDXの取組を進めるには、これを担う人材の確保・育成が不可欠であることから、デジタル職種に特化した学生向け企業紹介イベントや大学と企業との個別面談会の開催等を通じて、情報系人材の県内就職を促進するとともに、リスキリング等への支援も強化していきます。 県としては、今後とも、関係支援機関と緊密に連携しながら、本県の経済と雇用を支える中小企業の生産性向上に向けた取組を促進し、人材不足の解消や賃金の上昇につながるよう、積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)岡本農林水産部長。 〔農林水産部長 岡本章生君登壇〕 農林水産部長(岡本章生君)行政等が連携した農業施策についてのお尋ねにお答えします。 県民の安心・安全で豊かな暮らしを実現する上において、食料の安定供給は極めて重要です。 このため、県では、担い手の確保・育成を強化するとともに、食料の安定供給の確保に向け、生産性と持続性を両立した強い農業の育成に取り組んできたところです。 また、こうした取組の推進に当たっては、お示しの公社等の関係団体との連携は不可欠であり、引き続き、市町や関係団体との連携強化を図りながら、担い手の確保をはじめ、地域農業を牽引する集落営農法人への農地集積や、農家の経営安定に向けた施策を一層推進します。 具体的には、まず、担い手の確保に向けては、市町に対し、県農林振興公社が開催する就職フェア等における積極的な新規就農者の募集活動を促すとともに、産地見学ツアーの開催を支援するなど、マッチングに係る取組を強化します。 次に、農地集積に向けては、市町が策定した地域計画に基づき、市町や農業委員会等と連携し、地域の集落営農法人等、担い手への農地の集積・集約化を促進します。 また、担い手への集積が困難な遊休農地については、県農林公社と連携し、作付が可能となるよう、再生・整備を行い、新たな担い手への貸付け等を促進します。 次に、農家の経営安定に向けては、市町やJA等と連携し、デジタル技術を活用した広域的なドローン防除を推進するなど、農作業の省力化に向けたサポート体制を強化するとともに、スマート農業機械等の導入支援による負担軽減を図ります。 加えて、お示しの防府市農業公社による学校給食への取組などの先進事例については、県域を対象とした研修会等を通じて、取組の促進を図ります。 県としては、引き続き、市町や公社等の関係団体との緊密な連携の下、食料の安定供給の確保に向け、生産性と持続性を両立した強い農業の育成に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)山本環境生活部長。 〔環境生活部長 山本毅君登壇〕 環境生活部長(山本毅君)ペットと人が幸せに暮らせる環境づくりに向けた適正飼養の推進についてのお尋ねにお答えします。 犬や猫などのペットは、少子高齢化の進行や生活様式の多様化等により、伴侶動物として人々の生活に欠かせない存在となっていますが、一方で飼養放棄や虐待、遺棄などの問題も生じています。 このため、県では、人がペットを愛情と責任を持って育て、共に幸せに暮らしていけるよう、動物愛護管理推進計画に基づき、適正飼養の推進に取り組んでいるところです。 具体的には、毎年秋の動物の飼い方マナーアップ強化期間を中心に、市町や県獣医師会、動物愛護団体等と連携し、県内各地での動物愛護イベントや飼い方教室の開催、ポスター・パネル展示等により、適正飼養の重要性について啓発を行っています。 また、動物愛護センターでは、保護犬等の譲渡希望者に対し、終生飼養の徹底等に関する事前の講習会の受講や、譲渡後の犬のしつけ方教室への参加を義務づけるなど、地域で模範となる飼い主の育成に取り組んでいるところです。 こうした取組に加え、動物との触れ合いにより愛護意識の醸成を図るとともに、心身の安らぎを提供するため、毎月、乳幼児親子を対象にふれあい会を開催しており、今後は、高齢者を含め幅広い世代に向けても呼びかけを行い、数多くの動物との触れ合いの機会を創出していきます。 さらに、来年度から実施予定の、県が保護した子犬や子猫の譲渡が可能となるまで飼育をお願いするミルクボランティア事業は、ペットと生活を共にする機会の一つにもなるため、高齢者を含め多くの方に参加いただけるよう、様々な媒体を活用し、幅広くボランティアを募集していきます。 なお、高齢者が安心してペットを飼育するためには、市町、動物愛護団体や福祉関係団体等との連携による仕組みなどの終生飼養を支える環境の確保が必要となるため、その検討に向けて、まずは、他県での先進事例の情報収集や事例研究を行ってまいります。 県としましては、今後とも、市町や関係団体等と連携し、動物愛護はもとより、ペットと人が幸せに暮らせる環境づくりにつながるよう、適正飼養の推進に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)石丸健康福祉部長。 〔健康福祉部長 石丸泰隆君登壇〕 健康福祉部長(石丸泰隆君)自殺対策についてのお尋ねにお答えします。 本県では、毎年二百人を超える方が自殺により亡くなられており、その背景には、経済や家庭、職場、学校等での様々な問題があることから、社会全体の課題として、自殺対策に総合的に取り組んでいくことが重要です。 このため、県では、自殺総合対策計画に基づき、精神保健福祉センターを中心に、医療、教育、報道等の関係機関、市町等で構成する連絡協議会における協議等を通じて、お示しの、支援を必要とする人への情報発信や、早期支援の仕組みづくり等、各種施策に取り組んでいるところです。 まず、情報発信については、県ホームページやリーフレット等の活用や、自殺予防を呼びかけるフォーラムの開催等に加え、働く世代の方には事業者と連携し、また、児童生徒には教育委員会等との連携により、相談窓口の周知や自殺予防に向けた啓発などに取り組んでいます。 加えて、特に自殺の兆候がある方には、市町が養成するゲートキーパーが早期に気づき、適切な支援情報を伝えるなど、きめ細かな対応に努めており、今後は、より効果的に情報を届ける方法等について、国の自殺に関する意識調査や自殺実態の分析データも活用しながら検討してまいります。 次に、早期支援の仕組みづくりとして、電話相談絆の設置のほか、日常的に利用されているLINEでのチャット等の相談窓口を整備し、個々の悩みに応じて公認心理士等の相談員が指導・助言を行うなど、デジタル技術も活用し、適切な地域の支援機関へつなげる取組を進めています。 あわせて、支援を必要とする人を地域全体で支えるため、市町や関係団体の職員等を対象とした研修の開催や、ゲートキーパーのさらなる養成を行う市町の取組を支援するなど、自殺予防に関わる人材を育成し、事態が深刻になる前に支援につなぐ環境づくりを進めてまいります。 県としましては、今後とも、必要な情報の発信や相談の体制、地域の支え合い等の充実を図り、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現に向け、市町や関係団体等と連携しながら、自殺対策に積極的に取り組んでまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時四十六分休憩