1 令和8年度当初予算編成について 2 ツキノワグマの管理対策について 3 介護サービス提供体制の維持・確保について 4 持続可能な農政について 5 生成AIリテラシー教育の充実について 6 サイバー空間の安全確保について
議長(柳居俊学君)曽田聡君。 〔曽田聡君登壇〕(拍手) 曽田聡君 皆様、おはようございます。公明党の曽田聡でございます。 質問に入る前に、一言申し上げます。 十月十日、我が党は、国政において自由民主党との連立関係に区切りをつけ、新たな出発をいたしました。 斉藤代表は、今後は与野党の連携の軸となって、国民生活を守る政策と衆望に応える改革を実現し、存在感を発揮したい、公明党は責任ある中道改革勢力の軸として、政治の安定のために徹していく、と強調しておられます。 公明党は、野党の立場に転じた、現場第一主義の視点と行動で、国民のための政治を貫く姿勢は変わらない、二十年以上にわたり、与党として積み重ねてきた知見や経験を生かし、これまで以上に公明党らしく、大衆とともにの立党精神を胸に刻み、衆望に応える政治を推し進めてまいります、と訴えています。 そもそも公明党は、国政から出発した党ではなく、地方議会、地方議員からスタートした生活者の党であります。本年は一九六四年の結党から六十一年がたち、全国に約三千名の議員が縦と横に様々情報を取り合い、生活者目線の政策実現のために活動をしております。 目の前の一人に焦点を当てた、持続可能で一人一人が幸福を実現できる社会を構築していくことをお誓いをいたします。 県政においては、先般、来るべき知事選挙に向けて、村岡嗣政県知事が力強く決意を申し述べられました。県知事として三期十二年、単に目先の政策や支援にとどまらず、産業基盤、インフラ、社会資本、教育、福祉、防災、幅広く整備し、県全体の底上げを図る総合型の県政運営に努めてこられています。 特に産業振興、子育て支援、移住促進、防災対応という複合課題への横断的アプローチは、人口減少や少子高齢化が進む地方にとって重要な姿勢を感じています。 また、全国でも早くから進む人口減少、少子高齢化、財政難という条件下で、県の持続可能性を保ちつつ、新しいチャレンジにも数多く取り組まれ、成果を積み重ねてこられました。 私たち公明党県議団は、毎年一月に県知事要望をさせていただいています。毎たび、百項目を超える部局ごとの要望、時には部局横断型の要望に対しても耳を傾けていただき、一緒になって県政を前に進め、山口県民のために実感できる政策実現に取り組まれていただいていることを受け、四期目の立候補表明を受け、公明党山口県本部としても推薦を決定させていただきました。 さきに申し上げたように、我が党の立党精神は大衆とともにであり、県民の一人一人の小さな声に耳を傾け、持続可能で一人一人が幸福を実現できる社会を、四期目、村岡嗣政県知事と一緒になってつくり上げてまいることをお誓いし、通告に従って、公明党県議団を代表して質問をさせていただきます。 初めに、令和八年度当初予算編成についてお尋ねいたします。 私たちが住む山口県の課題は、多岐にわたり分野によって多面的ですが、特に厳しい課題は人口減少であり、少子高齢化であることは、県民誰もが感じるところになっています。 県の人口減少率は全国でも高い水準で、特に若年層の県外流出が顕著となり、出生率の低下と高齢化率の上昇により、地域社会の持続性が懸念されています。 県内においても都市部への人口集中が進み、中山間地域の過疎化が深刻となっており、人口減少は、ただ人口が減るという事象だけにとどまらず、あらゆる分野に対し、様々な課題を突きつけています。 魅力ある働き場が見いだせないことや、県内企業の給与水準が全国平均より低いこと、専門性の高い職種、研究開発型産業が少ないことなどから、若年層の県外流出が顕著となり、生産年齢人口が急減しています。 また、若年層の所得水準の低さや雇用の不安定さが、結婚・出産のハードルを上げ、出生率の低下と未婚化・晩婚化を招き、少子化に拍車をかけています。 このように若者が流出し、高齢者が残るため、地域の担い手が不足し、地域コミュニティーの縮小も大きな課題となっています。 また、急速な少子高齢化の進行で、中山間地域における医療・介護提供体制の整備や地域交通の維持が課題となって久しく、県内の人口構造にも大きな影を落としています。 このような社会状況、県内の課題を克服し、安心で希望と活力に満ちた山口県の実現を目指し策定された、やまぐち未来維新プランが計画最終年度を迎える令和八年度の施策重点化方針が示されました。 重点化事項で示されていることは、私がさきに述べたこと、人口減少と少子化に特化されています。 県内産業や生活を支える人材の確保と人手不足への対策、若者・子育て世代等の移住・定住、そして関係人口の創出による地域活力の向上などの社会減対策、結婚、妊娠、出産、子育て応援、そして共働き・共育てを支える環境整備による自然減対策、多様で魅力ある交流の場の創出や若者の希望にかなう活力あるまちづくり、医療・介護提供体制の充実をはじめ、将来にわたり安心して快適に暮らせるなど、持続可能な地域社会の形成が掲げられています。いずれも山口県において必要不可欠な施策であり、緊急性が求められる施策ばかりであります。 公明党山口県議団としても、毎年秋に企業・団体等からの政策要望懇談会で多くの御意見、御要望を頂いています。このたびの令和八年度当初予算編成方針、そして施策重点化方針には、その多くが盛り込まれており、感謝するところでございます。 そこでお尋ねいたします。人口減少が喫緊の課題の山口県ですが、人口減少に歯止めをかけ、人口増への反転攻勢に資する令和八年度予算編成にどのように取り組まれるお考えか、御所見をお伺いいたします。 次に、ツキノワグマの管理対策についてお尋ねいたします。 連日のように新聞、テレビなどで熊による被害のニュースが流れています。全国で人身被害が相次ぎ、今年度の犠牲者は十三人に達しています。過去最悪だった令和五年度の二倍となり、極めて深刻な事態となっています。 熊による被害は北日本で目立ち、十一月五日から防衛省は、秋田県からの要請に応える形で、自衛隊を現地に派遣し、銃器を使って駆除することはせず、捕獲に使う箱わなの輸送などの後方支援に当たっています。 九月には改正鳥獣保護管理法が施行され、自治体の判断で市街地での緊急銃猟が可能となりましたが、駆除を引き受ける民間の猟友会では会員の高齢化が進み、担い手不足は全国的な課題となっています。さらに、鹿やイノシシなどの駆除や狩猟とは違い、熊に襲われる危険性は格段にアップしており、猟友会頼みの状況は脱却する必要が出てきていました。 十一月十四日、政府は新たなクマ被害対策パッケージを関係閣僚会議で決定いたしました。これまで保護に重きを置いていた対策を駆除に方向を転じ、警察によるライフル銃を使用した熊の駆除に加え、私が本年六月定例会一般質問で取り上げました、自衛隊や警察OB等への協力要請など、駆除に当たる人材の確保を進める緊急的な対応。ガバメントハンターと呼ばれる狩猟免許を持つ自治体職員の人件費や資機材などへの支援や、熊を引き寄せる柿の木などの誘引物の管理、電気柵による防護の強化を図る短期的な取組。さらに、ガバメントハンターの育成、熊の個体数の削減、人の生活圏からの排除に向けたガイドラインの改定などを中期的に取り組むこととしています。 初夏から夏を過ぎ、月日を経るごとに熊の被害は拡大し、全国に広がり、山口県においてもここ数年、熊の目撃情報、捕獲件数が増加している中、令和六年度は人身被害も含めて過去最高となりました。また、熊の出没範囲も拡大し、野生動物に不慣れな都市部での目撃情報が増え、住民の生活に支障が出てきており、不安が高まっています。 例えば、十月には、熊の生息域ではない山口市においても、小学校付近での熊の目撃情報があり、同じエリアでの目撃が連続したことから、登下校時の見守り強化や注意喚起など、警戒の日々が続いておりました。 県や市、学校、猟友会、警察など多くの関係者による御努力により、人身被害という最悪の事態は避けられたことに安堵する一方、全国の状況は決して対岸の火事ではなく、本県において、すぐそこまで熊の危険が迫っており、いつ、どこで痛ましい事故が起こるか分からない状況にあるのではないかと、改めて危機感を抱いたところでございます。 そこでお尋ねいたします。地域の安全を守る体制の構築が急がれる中、国の新たなクマ被害対策パッケージを受け、県では、今後、ツキノワグマの管理対策にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、介護サービス提供体制の維持・確保についてお尋ねいたします。 高齢化の進展に伴い、要介護高齢者の増加、介護期間の長期化など、介護ニーズが高まる中で、平成十二年(二〇〇〇年)に介護保険法が施行され、今では私たちの生活にとってなくてはならなくなった介護サービスは、地域を守るため、これからも維持していく必要があります。 独立行政法人福祉医療機構の調べによりますと、社会福祉法人全般における令和五年度決算では、三〇%を超える法人が赤字を計上し、中でも介護サービス事業者においては四〇%が赤字を計上しています。 介護サービス事業所の経営圧迫の背景には、水道光熱費や食材費などの高騰による支出の急激な増加に対し、国が定める介護報酬等の公定価格との間に差が生じていることが指摘されています。 さらに、春闘の賃上げ率が三十四年ぶりの高水準を記録し、最低賃金の引上げ幅も過去最大となるなど、賃上げの波が広がる一方で、国が定める公定価格で運営される介護分野では、数年に一度の報酬改定が働く人の給与に直結しており、賃上げが進まない仕組みの中、他産業への人材流出も懸念されています。 本年十月二十四日から四日間、公明党山口県本部は、県内の企業・団体の皆様から政策要望をお聞きしました。その折、介護サービス事業者の皆様から、現下の物価高による経営環境の悪化や賃金の上昇による人材不足などに対して、悲痛な声が届けられました。 山口県では、令和八年度のやまぐち未来維新プラン推進要望として、地域の介護サービス提供体制を守る診療報酬等の大幅改定や財政支援を超重点とし、国へ要望されたところでございます。 本年七月には、山口県介護生産性向上総合相談センターが開設されました。 人に接するサービスがほとんどで、DX化が遅れている感がある介護現場の業務効率化、生産性向上のためにICT機器導入への支援、導入後の伴走支援に取り組むとされております。県内の介護サービス事業所の皆様からも、この事業への期待の声を多く頂いております。 私は、さきに述べたように、私たちの生活を支える介護サービスを提供する側にとって、様々な課題、問題点が顕在化していることを鑑み、これを解決し、サービス提供体制を維持・確保するためには、介護現場でのDXを一層推進し、質の高いサービスを提供するとともに、業務を洗い直し、効率化を推進していくことが重要であり、そのことが介護現場における人材不足の解消に寄与するものと考えます。 そこでお尋ねいたします。県内の介護サービス提供体制の維持・確保についてどのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、持続可能な農政についてお尋ねいたします。 高齢化に伴う人材不足や異常気象の頻発化、生産資材価格の高騰など、農業を取り巻く環境は厳しさを増しております。農家を支え、国民の食生活を守るため、農業の生産基盤を強化していく必要があります。 政府は本年四月、今後五年間の農業政策の方向性を示す、食料・農業・農村基本計画を閣議決定いたしました。基本計画は、食料自給率に加え、農地面積や四十九歳以下の担い手数など、新たな目標を掲げ、施策を不断に見直しながら達成を目指すとしております。 公明党も農林水産業キャラバンを実施し、多くの声を頂く中、最も多く寄せられたのは担い手への支援でありました。 農業を始めるには多額の初期投資が必要で、経営を軌道に乗せるのも容易ではないため、農林水産省は、農業機械の導入費補助など、新規就農者に対する総合的な支援や就農後の支援体制を充実させる方針を示しています。担い手の減少に歯止めをかけるためにも、若い世代が安心して就農できる環境を整えることが急がれます。 また、基本計画では農家の収益力向上へ輸出拡大にも力を入れるとし、人口減少に伴う国内市場の縮小分を海外市場で補うことは、生産基盤を維持・強化する上でも重要であります。 特に米について、二〇三〇年の輸出量を二四年と比べて七倍以上に増やす目標を掲げています。 米の国内市場が縮小傾向にある中、米・米加工品の生産、流通をなりわいとする幅広い関係者が産地と連携し、新たな海外需要開拓も大切であります。そして、国内で米が不足した際には輸出分から回すことも食の安全保障上、大切なことと考えます。 そして、米・米加工品の輸出増加にはコスト競争力の向上が求められ、生産費用の低減へ向けて、農地の大区画化、スマート農業技術の導入を加速化する必要があります。 山口県においてもスマート農業の推進、水田の有効活用による収益力強化、新規農業参入への支援、環境保全型農業直接支払交付金やグリーンな栽培体系への転換の推進、有機農業の推進など、多岐にわたり、農業の持続可能性を目指した施策を進めてきています。 しかし、農業者が新しい技術を活用したスマート農業や、有機栽培等の新たな体系に移行するためには、初期投資や技術導入支援、収益確保のハードルがあります。加えて、新規参入者や若手農業者の参画促進、人材育成、労働力の確保も引き続き課題であります。 そこでお尋ねいたします。持続可能な農政について、どのように取り組まれるお考えなのか、御所見をお伺いをいたします。 次に、生成AIリテラシー教育の充実についてお尋ねいたします。 急速に進化を遂げる生成AIは、私たちの生活の隅々に浸透してきています。教育現場において、生成AIを活用することがタブー視されてきた時代から、活用の可否について議論されだしたのは、令和五年七月に文部科学省が参考資料としてまとめた、初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドラインを示したことに始まります。 現在は、初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン、バージョンツーとして、生成AIを教育現場で利活用するために使用されています。 また、生成AIの活用に当たっては、ベンダーからの情報やリーディングDXスクール事業生成AIパイロット校の事例も参考にされています。 昨年七月、文教警察委員会で視察した東京都千代田区立九段中等教育学校では、令和五年に生成AIパイロット校の指定を受け、テキスト生成AIや画像生成AIを導入し、情報Ⅰの授業でウェブデザインのPBLへの活用や、漢文の授業で老子が説く理想の国家像を画像生成AIで表現したと活用事例を報告されています。 このような先行的な学校がある一方、昨年七月、総務省が発表した情報通信白書では、日本の生成AI個人利用率は、僅か九・一%、一方で、中国は五六・三%、アメリカは四六・三%、イギリスは三九・八%、ドイツは三四・六%となっており、日本はこの中で最も低い、生成AIの活用が遅れております。 その原因として、生成AIを活用するリスクが認識されております。教育現場においてもリテラシー等が不足する状態で利用し、教職員が児童生徒に対して情報モラル教育を十分に行わないまま生成AIを利用させてしまうことへの不安、そもそも教職員のスキル不足により、利用方法を正しく指導できるようになるためにあまりに時間がかかること、保護者・先生の教えよりも生成AIの答えを重視してしまうことなどが懸念されております。 山口県教育委員会では、前年のモデル校における実証の成果と課題を踏まえ、本年五月から県内の全公立中学校に通う生徒や教職員、約三万三千人に生成AIサービスを導入され、思考力や表現力の伸長などに期待できるとされています。また、教員を対象にした生成AI活用スキルアップ研修も取り組まれております。 山口県では、地域全体のデジタルトランスフォーメーションを推進する拠点として「Y─BASE」を開設し、生成AIの利活用を強化するため、六人から成る専門チームを立ち上げ、実証・実装へ向けた支援を行っています。 担当者は、プロンプト(指示や質問)の打ち方を知らない人と知っている人が使うのでは、出来上がる精度が全然違うと指摘し、生成AIに関してはかなり深掘りが必要、どのサービスがいいか、どう組み合わせるのか、出てきたものをどう読み取るか、専門家が横についてあげないと、なかなか使いこなしづらいとの指摘をしており、このようなリソースを活用することも有効な手段の一つと考えます。 そこでお尋ねいたします。教職員の生成AIスキルの向上や児童生徒に正確な情報を得るためのリテラシーを高めるため、生成AIリテラシー教育の充実に取り組まれるべきと考えますが、県教育委員会としての御所見をお伺いいたします。 最後に、サイバー空間の安全確保についてお尋ねいたします。 私たちの暮らしに身近な企業がランサムウェアに感染し、日々の生活に少なからず影響を与えています。 令和六年度中のランサムウェアによる被害の報告件数は二百二十二件と、引き続き高い水準で推移しています。 こうした被害において、暗号化したデータを復元する対価として企業等に金銭等を要求する手口のほか、データを企業等から窃取した上、対価を支払わなければ当該データを公開するなどと対価を要求する手口であるダブルエクストーション、二重恐喝が認められ、対価を要求する手口を警察として確認した件数は、令和七年上半期において百十六件と、半期の件数としては令和四年下半期と並び、最多となっています。 サイバー空間は、地域や年齢、性別を問わず、全国民が参加し、重要な社会経済活動が営まれる公共空間へと変貌を遂げ、行政政策、産業、教育、防災など、様々な分野にリアルタイムで連携・統合し、新たな価値や利便性を生み出し、あらゆる場面で実空間とサイバー空間との融合が進みつつあります。 例えば、医療・福祉分野での遠隔診療、バイタルデータのリアルタイム解析や教育現場におけるオンライン授業、学習データ分析による個別最適化、工場や物流分野におけるIoTによる稼働状況モニタリング、需要予測などが考えられます。 ビールメーカーへのサイバー攻撃は、ランサムウェア感染の原因として、怪しいメールやファイルを開封したことが挙げられています。私たちが日頃から仕事で使っている身近なパソコンやスマートフォンからの感染で、企業の基幹システムも停止しなければならないリスクがどこにでもあることに常に注意を払うことが求められています。 サイバー犯罪の検挙件数は、ここ数年増加傾向で、令和六年度中、一万三千百六十四件と前年より六百八十五件増加し、過去最多となっています。 政府では、サイバー空間をめぐる脅威は極めて深刻な情勢にあり、中でも重大サイバー事案が一たび発生すれば、私たちの生活に不可欠な社会機能に影響が及んだり、先端技術を有する企業の情報が窃取されることにより、国家や国民の安全に脅威が及ぶことを危惧しています。 そこでお尋ねいたします。山口県民、県内の企業をサイバー空間の脅威から守るため、どのように取り組まれるのか、県警本部長の御所見をお伺いし、公明党県議団を代表しての質問を終了させていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)曽田議員の代表質問にお答えします。 まず、令和八年度当初予算編成についてのお尋ねです。 本県の最重要課題である人口減少は、一層厳しさを増しており、その克服に向けては、若者・女性の転出超過の拡大と少子化の進行に歯止めをかけることが急務です。 このため、県では、若者の視点を取り入れた県内企業の魅力向上や若者転出の多い福岡県における情報発信拠点である「YY!テラス・福岡」の設置、第二子以降の保育料無償化や不妊治療の負担軽減支援など、若者や女性の意見・ニーズを踏まえた取組を、積極的かつ重点的に推進しているところです。 私は、これまで進めてきた取組の成果の上に立って、社会減・自然減の流れを変える取組を一層進めていくとともに、本県の未来を見据えた重点課題に積極的に取り組んでいく考えであり、その方向性を、施策重点化方針として示したところです。 まず、本県の強みである産業力の向上が、若者にとって魅力ある雇用の創出や、さらなる賃上げの原動力となることから、これを一層強化するため、産業脱炭素化やDXによる成長産業の創出・育成を図るとともに、半導体・蓄電池関連産業等の集積などに、しっかり取り組んでまいります。 また、産業人材の確保・定着に向け、若者と企業とのマッチングの強化や、就労環境改善への支援、リスキリングによる人材育成などの施策について、一層の充実を図るとともに、県内外における本県企業の魅力情報発信に、引き続き取り組みます。 少子化対策については、本県独自の少子化対策を基盤として、若者が結婚、妊娠、出産、子育ての希望をかなえられるよう、地域で安心して出産し、子供を産み育てられる環境づくりなどについて、当事者や現場のニーズに沿った取組を進めていきます。 同時に、人口減少が進む中にあっても、若者や女性に選ばれ、持続可能な地域社会を構築していく取組も、着実に進める考えです。 具体的には、デスティネーションキャンペーンを契機とした誘客促進をはじめ、様々な分野でのデジタル化による利便性向上、教育環境や医療・介護提供体制の充実、災害に強い県づくりなどの取組をしっかりと前に進めていきます。 こうした方針を具体化し、切れ目なく県民の皆様に届けられるよう、現在、年間総合予算としての編成を進めているところであり、引き続き、本県の未来を見据え、実効性のある事業を構築していきます。 私は、県議会をはじめ、議会特別委員会や、県民の皆様からの御意見をしっかりと生かし、人口減少を克服し、安心で希望と活力に満ちた山口県の実現に向けて、令和八年度当初予算編成にしっかりと取り組んでまいります。 次に、ツキノワグマの管理対策についてのお尋ねにお答えします。 熊の出没は北日本を中心に多発し、人身被害者数も過去最多のペースとなるなど、全国的に深刻な状況にあるため、国はクマ被害対策パッケージを策定し、必要な施策について、緊急的な対応、来春に向けた短期的な取組、中期的な取組の三段階により実施するとしています。 こうした中、本県では、過去最多の昨年度に迫る勢いであった出没・捕獲件数が、九月以降大きく減少し、また、これまで人身被害も発生していない状況です。 しかしながら、生息域を超えた出没の割合が例年と比べ増加し、日中の出没事案も発生するなど、従来なかった傾向も見られるため、私は、今後、状況の悪化もあり得るとの危機感を持っており、時期を失することなく、様々な対策を講じていくことが必要と考えています。 このため、本県の実情に即したツキノワグマの管理対策を、国の対策パッケージも取り入れながら、迅速かつ着実に進めてまいります。 まずは、県と市町、猟友会、県警察の連携強化による対応力の向上が急務であるため、十月に開催した緊急銃猟の机上訓練の成果を基に、現在、市町において、関係者による体制整備や県の支援による対応マニュアルの策定を進めるなど、地域における実行体制の強化を図っています。 次に、来春以降の活動期に向けた対策として、熊を銃猟できるハンターの育成・確保が必要となるため、国や猟友会の協力の下、実地研修等を計画するとともに、お示しのあった自衛隊や警察OB等への協力要請についても、国の取組を踏まえ、積極的に働きかけることとしています。 また、県警察が実施を予定する、警察官を対象とした熊の特性等を習得するための研修に、専門知識を有する県職員を講師として派遣することとしており、県警察と連携した緊急時における捕獲体制の充実にも取り組んでいきます。 さらに、中期的な対策では、人の生活圏への熊出没防止のために、個体数管理の強化が必要となるため、現在実施中の生息実態調査の結果を基に、国に対し、狩猟禁止措置の妥当性について科学的検証を求めていきます。 こうした取組に加え、県民が熊に対する正しい知識を持てるよう、県内の状況や行動特性、日常生活での注意事項に加え、本県で人なれした、いわゆるアーバンベアーを生み出さないための餌やりの禁止や誘引物除去の重要性を、メディアやSNS等を通じて発信していきます。 また、国の総合経済対策に熊被害対策の推進が盛り込まれたことから、現場において必要となる装備資機材の充実等への活用について検討してまいります。 私は、引き続き、県民の安心・安全が確保されるよう、県内における熊の状況を的確に捉えるとともに、国や市町、猟友会、県警察と一層緊密に連携を図ることにより、ツキノワグマの管理対策に全力で取り組んでまいります。 次に、介護サービス提供体制の維持・確保についてのお尋ねにお答えします。 高齢化が進行し、介護の需要の増大・多様化が見込まれる中、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、必要な介護サービスを持続的に提供する体制の充実が重要です。 このため、私は、県内各地の介護事業所が、将来にわたり質の高い介護サービスの提供を行うことができるよう、近年の物価高騰に対する安定的な経営に向けた支援や、介護サービスを担う人材の確保・定着に取り組んでいます。 まず、安定的な経営に向けた支援については、介護事業所が、国の定める介護報酬により経営され、物価高騰分をサービス利用者に価格転嫁できないことに鑑み、これまでも、累次にわたり、国の重点支援交付金を活用し、光熱費や食材料費に対する支援を行ってきたところです。 また、物価や人件費の高騰が長期化する中、介護サービス提供体制の維持が困難となる事態が懸念されることから、先日の政府要望において、物価や賃金の上昇を適切に反映した介護報酬の大幅改定や、報酬改定までの緊急的な財政支援について国に強く働きかけたところです。 こうした中、先般、閣議決定された総合経済対策において、光熱費をはじめとする物価上昇に対する支援や、賃上げ・職場環境改善に向けた支援などが示されたことから、県としては、これを積極的に活用して、サービス提供体制の維持・確保に向けた財政支援に取り組んでまいります。 次に、人材の確保・定着については、生産年齢人口が減少し、介護人材の不足が深刻化する中、働きやすい職場環境づくりを促進するため、介護現場の生産性向上に重点的に取り組み、介護職員の負担軽減や業務の効率化を図っているところです。 具体的には、ロボットやICT等の介護テクノロジーの導入のための補助制度を、事業所数、補助上限額とも大幅に拡充し、入浴介助等の身体的負担を軽減する機器や、事務作業の省力化につながる介護ソフト等の活用を通じて、職員の負担軽減を進めています。 また、ICT導入に関する事業所からの相談等にワンストップで対応する総合相談センターを設置し、専門家による業務効率化の助言・指導等を行う伴走支援を通じて、事業所のDX化の取組を支援しており、今後も引き続き、こうした介護事業所の人材確保・定着に取り組んでまいります。 私は、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けていくことができるよう、関係団体等と緊密に連携しながら、持続可能な介護サービス提供体制の維持・確保に取り組んでまいります。 次に、持続可能な農政についてのお尋ねにお答えします。 高齢化に伴う担い手不足や物価高騰等による生産コストの増大等、農業を取り巻く環境が厳しさを増す中、将来にわたって農家の経営を支え、県民の食の安心・安全を守っていくためには、生産基盤の強化等による持続可能な農業の確立が極めて重要です。 このため、私は、募集から定着までの一貫した担い手支援日本一の取組を進めるとともに、農地の大区画化やスマート農機の導入など、生産性と持続性を両立した強い農業の育成に取り組んできたところです。 こうした中、国は、お示しの新たな基本計画を策定し、今後五年間で、食料安全保障の強化をはじめ、生産性や付加価値の向上等、農業の構造転換を集中的に推進するとしています。 また、近年の地球温暖化に伴う異常気象や国際情勢の不安定さから、食料の安定供給に対する県民の関心は、一層、高まっているところです。 このため、米をはじめとする食料の安定供給並びに、意欲のある農家の経営安定を図る観点から、新たな担い手の確保・育成や、生産性の向上等、これまで以上に積極的に取り組んでまいります。 具体的には、まず、新たな担い手の確保・育成に向け、引き続き、県内外の都市部において就農フェアやガイダンスを開催し、全国トップ水準の給付制度のPR等による農業へのマッチングを促進します。 また、農業大学校において、今年度から新たに、SNSを活用した情報発信を行うとともに、即戦力となる専門技術を、働きながらでも習得できるよう、土日を主体とした研修コースを設置するなど、現役世代を対象とした取組を強化します。 さらに、農繁期等における人手不足の解消を目的とした、農業バイトの専用求人サイト、アグポンの運用や、障害者の活躍促進にもつながる農福連携の推進など、JA等とも連携した多様な労働力確保の取組を進めます。 次に、生産性の向上等に向け、市町が策定した地域計画に基づき、担い手への農地の集積・集約化とともに、農地の大区画化や水田の高機能化等に必要な整備を計画的に推進します。 また、ドローンなど、スマート農機等の導入支援による農作業の省力化・効率化を進めるとともに、ユリのプチシリーズをはじめとした県産オリジナル花卉等の作付の拡大や、やまぐちグリーン農産物等、有機農産物の普及を促進し、より付加価値の高い農産物の生産拡大を図ります。 加えて、旺盛な海外需要を取り込むため、大都市圏のホテルと連携したやまぐちフェアなどのインバウンド対策や、台湾、シンガポール等、海外への輸出拡大の取組により、国内外に誇れるやまぐち和牛燦や地酒など、ブランド力の高い県産農産物等の需要拡大を積極的に推進します。 私は、食料の安定供給並びに、意欲ある農家の経営安定を図る観点から、市町や関係団体等と連携し、将来にわたって持続可能な強い農業の育成に全力で取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)生成AIリテラシー教育の充実についてのお尋ねにお答えします。 生成AIは、子供たち一人一人のニーズや特性に合った学びを実現したり、深い学びにつながる新たな視点を提示したりするなど、学習を支援するツールとして期待される一方で、リスクや懸念も指摘されていることから、情報モラルを含む情報活用能力の、さらなる育成に取り組むことが重要です。 このため、県教委では、国のガイドラインに基づき、まずは、教職員が一定のAIリテラシーを身につけられるよう、高度なセキュリティーを確保した上で、学校の業務における生成AIの利活用を推進するとともに、教職員研修の充実を図ってきたところです。 その上で、学習での利用については、お示しのように、今年度から県内全ての公立中学校に、生成AI・学習アシスタントアプリを導入したところであり、授業や家庭学習での活用を通して、子供たちの知的好奇心を高め、自ら学びに向かう意欲や態度を育成することにも活用することとしています。 また、高校段階では、文理探究科の設置校等において、データ分析に生成AIを活用するなど、探究学習の高度化に取り組んでおり、今後、他の学校へ好事例を横展開していくこととしています。 さらに、学習の質を高める手段の一つとして、広く生成AIの活用が促進されるよう、お示しの「Y─BASE」の知見や外部有識者の助言も取り入れながら、県教委において、学習における生成AIの利用ガイドラインの作成を進めているところです。 今後は、このガイドラインに沿って、様々な学習活動における適切な生成AIの活用を促すことで、子供たちの情報活用能力の育成に、より一層取り組んでいくこととしています。 県教委といたしましては、社会の変化に的確に対応しながら、主体的に未来を切り開く子供たちを育成するために、生成AIをはじめとするデジタル技術を活用した教育活動のさらなる推進に努めてまいります。 議長(柳居俊学君)熊坂警察本部長。 〔警察本部長 熊坂隆君登壇〕 警察本部長(熊坂隆君)サイバー空間の安全確保に関する御質問についてお答えいたします。 県警察では、これまでも、サイバー攻撃の標的となるおそれのある重要インフラ事業者で構成するサイバーテロ対策協議会を通じ、民間有識者や事業者との意見交換に取り組んできたほか、県内事業者・団体と連携した標的型メール攻撃対処訓練、山口大学と共催でのサイバー攻撃共同対処訓練などにも取り組み、産学官民が一体となってサイバー攻撃への対処能力の向上に努めてきました。 また、複雑・巧妙化するサイバー空間の脅威へ対処するため、民間のサイバー人材を山口県警察サイバーテクニカルアドバイザーとして委嘱し、サイバー事案に係る捜査やこれらの対策に係る必要な知識・技術について助言を頂いているほか、部内検定への更新制度の導入、全所属が参加する県警サイバーコンテストの開催など、警察官個々の対処能力の底上げにも注力しているところです。 さらに、高度な知識・技術を持つ人材の育成・確保に向けた取組として、警察大学校等で実施される教育訓練の受講、警察庁との相互人事交流、民間企業への派遣研修なども行っているほか、令和六年度からは、情報処理等の知識及び能力を有する者を特別枠で採用するサイバー犯罪捜査官の採用区分を新設しております。 このような対応を行って対処能力の向上を図ってきたところですが、議員お示しのとおり、令和七年上半期の全国におけるランサムウェアの被害報告件数は百十六件と、令和四年の下半期と並び最多となっており、その背景には、ランサムウェアの開発・運営を行う者が、攻撃の実行者にランサムウェア等を提供し、その見返りとして身代金の一部を受け取る態様──RaaSと申します──を中心とした攻撃者の裾野の広がりがあることが指摘されているところでございます。 加えて、令和七年上半期においては、政府機関、金融機関等の重要インフラ事業者等に対するDDoS攻撃と見られる被害や情報窃取を目的としたサイバー攻撃、国家を背景とする暗号資産獲得を目的としたサイバー攻撃事案等も相次ぎ発生しているほか、生成AIをはじめとした高度な技術を悪用した事案も発生するなど、サイバー空間をめぐる脅威は極めて深刻な情勢にあります。 こうした厳しい情勢を踏まえ、県警察としましては、引き続き、高度な専門的知識・技術を有する人材の育成・確保や必要な資機材の整備に努めるとともに、県内の関係機関・団体等とこれまで以上に連携強化に努めることとしております。 あわせて、サイバー攻撃の標的となり得る県内事業者・団体に対して個別にアプローチし、対処能力の強化に資する各種訓練への御案内、セキュリティー強化に有益となる情報発信、注意喚起などを行いながら、危機管理意識の向上を図ってまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時四十四分休憩