1 物価高騰対策について 2 交通政策(JR美祢線の被災とBRT化)について 3 観光振興について 4 カスタマーハラスメント防止に向けた対策について 5 がん検診受診率向上に向けた本県の取り組みについて 6 人身安全関連事案への対応強化について
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(河野亨君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 代表質問 日程第二 議案第一号から第六十六号まで 副議長(河野亨君)日程第一、代表質問を行い、日程第二、議案第一号から第六十六号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 酒本哲也君。 〔酒本哲也君登壇〕(拍手) 酒本哲也君 やまぐち県政会の酒本哲也です。会派を代表いたしまして、順次質問いたします。 初めに、物価高騰対策について質問いたします。 今日の物価上昇は、一時的な要因ではなく、国際情勢の緊張化、エネルギー供給の不安定化、物流の遅延、さらに急速な円安といった複数の要因が連動して生じている、言わば構造的な物価高であります。 これにより、電気・ガス料金、燃料費、食料品、日用品など、生活に欠かせない品目の価格が長期にわたり高止まりし、家計に重い負担としてのしかかっています。 県内でも、家計調査から見ると消費者の節約志向が強まり、買い控えが広がっていることが示されております。光熱費の上昇により、夏季・冬季の冷暖房使用を控える高齢者世帯も増え、健康面での影響を懸念する声も上がっています。また、食料品の価格高騰により、子育て世帯では、これまで買っていた食品を控えざるを得ないとの声が少なくありません。 他方で、株価が過去最高圏にある一方、賃金の伸びは必ずしも物価上昇に追いついておりません。景気指標上は改善が見られる面があるものの、県民の生活実感は大きく異なり、景気がよいと言われても実感が湧かないとの意見が広がっております。こうした数字と実感の乖離は、県政として看過できない現象であります。 特に影響が大きいのが、低所得世帯、子育て世帯、年金生活者など生活基盤の脆弱な層であり、物価高騰による負担は日々の暮らしを直撃しています。これらの世帯では、食費・光熱費の見直しに加え、医療費や教育費を削らざるを得ない状況も生じており、将来不安の拡大にもつながっております。 物価高騰の影響は、個人の家計だけではなく、地域の消費行動の冷え込みを通じ、商店街やサービス産業、公共交通など地域経済全体に波及しています。今こそ、県として生活の下支えと地域経済の維持に果敢に取り組むことが求められております。 本県においては、中小企業・小規模事業者の設備投資・省エネ化支援、公定価格で運営される医療・福祉施設への光熱費支援、公共交通事業者への燃料費支援、補助など、物価高騰の影響に対応する多角的な支援策を講じてこられました。これらの施策は、地域経済と県民生活を支える上で一定の役割を果たしてきたものと認識しております。 しかし、現行の施策には、支援の実績や効果の把握、周知の徹底、申請手続の負担、個々の状況に応じた柔軟な支援の不足など、改善すべき点も見受けられます。特に、公定価格での運営により、物価高騰の影響を価格転嫁できない医療・福祉分野においては、今後さらに支援を強化すべき必要があるかと考えております。 県民の生活を守り、地域経済の活力を維持するためには、支援策の効果検証、迅速な対応、手続の簡素化、相談体制の強化に加え、支援が必要な方に確実に届ける仕組みづくりが不可欠であります。 そこでお伺いします。物価高騰の影響を強く受ける、医療・福祉分野において、現行制度で十分に対応できていない実態に対し、どのように向き合い、より迅速で柔軟な支援をどのような形で講じていくのか、御所見をお伺いします。 次に、交通政策、JR美祢線の被災とBRT化、今後の地域交通の在り方について質問いたします。 美祢線は、県央部を南北に結ぶ重要な地域交通であり、通勤・通学、観光、地域物流など、多面的な役割を担ってきた路線であります。 しかし、豪雨災害により甚大な被害を受け、その後の調査において、鉄路としての復旧が極めて困難であることが明らかとなりました。 こうした中、JR西日本におかれましては、地域の実情や利用実情を丁寧に踏まえながら、将来にわたり公共交通を維持していくため、鉄路ではなくBRT(バス高速輸送システム)への転換を真摯に検討されてきたものと受け止めております。 人口減少や利用者の減少、インフラ維持の負担といった地域共通の課題に対し、交通を途絶えさせないための前向きな選択であると理解しております。 沿線地域では、過疎化や高齢化が進む中でも、通院、通学、買物など、日常生活の移動手段の確保が不可欠であり、BRTは、地域住民の安心を支える生活交通の基盤となるものであります。 また、秋吉台や秋芳洞など、県を代表する観光資源へのアクセス強化にもつながる重要な仕組みであり、地域振興を支える新たな可能性を持つものと考えております。 鉄路からBRTへ、この転換は、地域の移動を守り続けるための、大きな政策転換であります。県としても、JR西日本、沿線自治体としっかり連携し、地域の声を丁寧に踏まえながら、将来にわたり持続可能な交通体系を築いていくことが求められております。 県におかれましては、JR西日本、沿線自治体との協議を重ねる中で、地域が抱える課題や交通への要望の把握に努めてこられました。また、BRT化を見据え、運行ルート、停留所の配置、乗り継ぎ、観光アクセスの向上など、具体的な検討が進められているものと承知しております。 JR西日本におかれましても、被災地の被災後の調査や地域との意見交換、運行計画の検討、安全確保に向けた取組などを丁寧に進めていただいており、県としても、これらの努力をしっかりと支え、連携していくことが重要であります。 一方で、今後に向けて、県として整理し、対応していくべき課題もございます。 BRTと鉄路では特性が異なることから、利便性をどのように確保するのか、運行頻度、停留所の位置、乗り継ぎの改善、バリアフリー、安全性の確保など、具体的な検討が必要であります。 また、沿線には本県を代表する観光地も多く、BRTが観光アクセスの強化にもつながるよう、地域振興との連動を図っていくことも重要であります。 さらに、デマンド交通やコミュニティー交通の導入が進む中で、BRTを地域交通の軸として位置づけ、多様な交通との接続を強化するなど、県全体の交通政策の中での整理も不可欠であります。 BRT化は、地域の交通を維持し、将来に向けて持続可能な形で残していくための新たな取組であります。県としては、JR西日本や沿線自治体と緊密に連携し、住民の移動を守り、観光振興にもつなげながら、本県の交通基盤を強化していくことが求められております。 そこでお伺いします。美祢線の被災以降、県としてどのように対応し、関係機関と協議を進めてこられたのか。また、BRT化を見据え、今後どのような考え方で地域の交通を支えていこうとしておられるのか、県の方針をお示しください。 次に、観光振興について質問いたします。 観光は、本県の地域経済を支え、県内各地の魅力を発信する最重要産業の一つであります。 近年、本県は国内外から大きな注目を集めており、とりわけ、昨年、ニューヨークタイムズ紙が二〇二四年に行くべき五十二か所に山口市を選定したことは、本県の観光にとって大きな転機となりました。 歴史文化資源の評価に加え、夜間観光の取組、欧米を中心としたインバウンドの回復など、多くの強みが国際的に認識された結果であります。 加えて本年、下関市を含む関門エリアが、グリーン・デスティネーションズ トップ百に初選出され、持続可能な観光地として世界に評価されました。 さらに、二〇二六年にはデスティネーションキャンペーンの開催を控えており、本県には、観光振興に向けた三つの大きな追い風が同時に吹いている状況であります。 しかし、その一方で、魅力はあるが、受入れ体制は盤石ではないという課題も浮き彫りになっております。宿泊、交通、二次移動、情報発信、周遊ルートなど、受入れの面では改善すべき点が残されております。高い注目を得ながらも、必ずしも滞在時間の増加や県全体の消費拡大に十分つながっていないのではないか。こうした観点から、検証と改善が求められております。 特に、ニューヨークタイムズ掲載やトップ百選出といった成功例については、何が評価され、どこが強みであり、どの部分に課題があったのか。その総括を県全体の観光政策に反映させていくことが、次のステップであります。 ニューヨークタイムズ掲載後には、二十代から四十代の個人旅行客の増加、欧米を中心としたインバウンドの回復、SNSによる情報発信の拡大など、前向きな変化が見られております。宿泊需要も山口市中心部を中心に高まりを見せましたが、ピーク時には宿泊数が不足し、二次交通の不便さや主要観光地間のアクセスの弱さも指摘されております。 また、二〇二六年十月からの山口デスティネーションキャンペーンに向けては、「万福の旅 おいでませ ふくの国、山口」をテーマに、観光列車、食、文化体験を組み合わせた新たな集客が期待されております。 一方で、関門エリアのトップ百選出は、本県が国際的な持続可能性の潮流にどう対応していくか、問われていくことも意味しております。 本県は今、ニューヨークタイムズ掲載、関門エリアトップ百入り、二〇二六年DCという三つの追い風を得ています。この好機を確実に生かすためには、交通インフラの強化、宿泊受入れ体制の充実、広域的な周遊ルートの整備、そして持続可能な観光政策の導入が不可欠であります。県には、この追い風を稼ぐ力へと転換する強いリーダーシップが求められております。 そこでお伺いします。本県の観光について、これまでどのように取組を進め、どのように現状を捉えておられるのか。また、今後、県として観光の追い風をどのように生かし、県全体の観光振興を進めていかれるのか、県の方向性をお聞かせください。 次に、カスタマーハラスメント防止に向けた対策について質問いたします。 近年、職場や事業現場におけるカスタマーハラスメント、いわゆるカスハラが全国的に深刻な課題として顕在化しています。理不尽な要求や暴言、執拗なクレームなどは、従業員や職員の心身に大きな負担を与え、働く意欲の低下や職場環境の悪化、ひいては行政サービスの品質にも影響を及ぼす懸念があります。 全国の動向を見ますと、東京都、北海道、群馬県で二〇二五年四月に条例が施行され、愛知県でも同年十月に施行されました。静岡県では本年十月に条例が成立し、二〇二六年四月に施行予定。栃木県も二〇二六年四月の施行を目指して素案が示されました。さらに、三重県では、全国初の罰則付条例を二〇二六年度に提出する方向で検討が進められ、岩手県では条例制定は検討段階ながらも、県職員向けガイドラインが作成されております。 既に五つの都道府県で条例が成立し、三つの県で検討が進み、ガイドライン作成などの取組が広がっております。行政が率先して働く人を守る仕組みづくりを進めることが、まさに全国的な潮流となっております。 こうした中、本県においても、カスハラ防止対策が進められております。民間企業に対しては、中小企業労働相談員による事業所訪問、労働セミナーの開催、労働ほっとラインの活用など、従業員を支える取組が行われております。さらに、国が作成したチラシを活用し、消費者に対して行き過ぎた言動を控えるよう広報を行うなど、啓発面での働きかけも進められております。 また、県職員に対しては、各種の研修を通じたクレーム対応の指導や、迷惑行為を受けた際の心のケアを目的に、本庁及び県内八地域に相談担当職員を配置するなど、相談体制の強化が図られております。 さらに、今年度は、県職員を対象としたアンケートも実施され、現場の実態把握が進められております。まずは、県職員自身が安心して働ける環境を整えることが、行政が主体となったカスハラ防止対策の大前提とも思いますので、アンケートで把握した現場の声も踏まえながら、本県で働く全ての人を守る仕組みを県としてどのように強化していくのか、今後の展開も期待されるところであります。 今や、全国では条例やガイドラインの整備が進み、行政が先頭に立って働く人を守る姿勢を明確にしております。本県としても、こうした先進事例を参考に、より実効性のある施策を検討すべき時期にあると考えます。 そこでお伺いします。全国の先進事例や本県の被害実態等を踏まえ、本県で働く全ての人を守るため、県は条例の制定や相談体制の充実、啓発施策の強化など、今後の対応をどのように進めていくのか。県職員に対するカスハラ防止策をどのように強化していくのかという点も含め、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、がん検診受診率向上に向けた本県の取組について質問いたします。 がん検診は、県民の健康を守るために極めて重要な取組であります。しかし、本県のがん検診受診率は、全国でも低い水準にとどまり、特に子宮頸がんや乳がんの受診率の伸び悩みが顕著となっております。 先日、私自身が医療機関を受診した際、薬局で山口県はがん検診受診率が低いという啓発チラシを目にしましたが、県民の多くは、自分が受診すべき検診や、県全体の受診状況を十分に把握していない現状があります。情報の浸透不足が、受診行動につながらない大きな要因となっていると感じています。 本県では、市町と連携し、広報の強化や検診費用の軽減、検診会場の整備など、受診率向上に向けた取組が進められています。 しかし、全国平均と比べると、受診率は依然として低い状況が続いており、子宮頸がん・乳がんの受診率の停滞は特に大きな課題です。 受診率上位県では、自治体と医療機関が一体となり、地域単位の啓発活動や情報提供が効果的に行われている例が多く、こうした取組を本県でも横展開していく必要があります。 この状況から、本県には三つの課題があると考えます。 一つ目は、県民への情報の浸透が十分ではなく、自身の受診状況や検診の重要性が理解されていない点であります。 二つ目は、受診しやすい環境整備がまだ十分とは言えず、医療機関の場所、費用、予約のしやすさなど、実際の受診行動を妨げる要因が残っていることです。 三つ目は、全国の成功事例を踏まえた取組が、本県ではまだ十分に広がっておらず、自治体、医療機関、地域が一体となった啓発体制が強化されていない点であります。 がん検診受診率を高めることは、県民の命と健康を守る上で喫緊の課題であります。情報提供の強化、受診環境の改善、成功事例の横展開を進め、受診しやすい体制づくりを進めていくことが重要であります。 そこでお伺いいたします。本県では、がん検診受診率向上にどのように取り組んでこられたのか。また、県民が健康な生活を送ることができるよう、今後どのような形でがん検診受診率向上の取組を進めていかれるのか、県のお考えをお示しください。 最後に、人身安全関連事案への対応強化について質問いたします。 児童虐待、家庭内暴力、ストーカー被害など、声を上げづらい人身安全関連事案は、今なお増加傾向にあり、子供や女性、高齢者など、弱い立場にある方々が被害に遭いやすい状況が続いております。県民の生命と安全を守る観点から、極めて重要な課題であります。 今年、神奈川県で発生したストーカー殺人事件は、全国に大きな衝撃を与えました。被害者から複数の相談があったにもかかわらず、防げなかったという点で、ストーカー事案への対応体制の在り方が問われ、全国的な問題として強く認識されました。 本県においても、児童虐待相談、家庭内暴力やストーカーに関する相談件数は高止まりしており、特に表面化しない潜在的被害の存在が大きな課題となっております。 県警ではこれまで、被害者支援室の機能強化、危険度評価に基づく初動対応の徹底、関係機関との情報共有、迅速な警告や禁止命令の活用など、多様な取組を進めてこられました。 しかしながら、現場が直面する課題はなお残されております。近年では、位置情報を特定する紛失防止タグなど、新たな技術を悪用したストーカー行為が見られ、現行法では検挙ができないケースも増えております。 また、児童虐待や家庭内暴力は、被害者が自ら相談しにくいという特性があることから、警察のみでは限界があり、地域や学校、福祉部門など、多様な主体との緊密な連携が求められております。 さらに、ストーカー事案では、被害者や関係者からの最初の一報が極めて重要であり、警察の早期介入と再被害防止の徹底は、今後も変わらない最重要課題であります。 こうした中、紛失防止タグの規制強化などを盛り込んだ改正ストーカー規制法の施行が予定されており、技術の悪用への対応や法的保護の強化が期待されます。この法改正を契機に、これまでの県警の取組をさらに発展させ、より実効性のある運用体制を構築していくことが強く求められております。 そこでお伺いします。本県警において、これまで人身安全関連事案への対応をどのように進めてこられたのか。また、県民の安心・安全を守るため、今後どのような考え方で体制を強化していかれるのか、警察本部長のお考えをお伺いいたします。 以上で、やまぐち県政会会派代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(河野亨君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)酒本議員の代表質問にお答えします。 まず、物価高騰対策についてのお尋ねです。 国際的な原材料価格の上昇や円安の進行等による物価高の長期化、人手不足による人件費や物流費の上昇などが、県民の生活や経済に大きな影響を与えています。 特に、医療機関や福祉施設は、公定価格である診療報酬等で運営されていることから、物価や人件費高騰の影響を事業者自らの判断でサービス利用者に転嫁できず、多くの医療機関等が経営の圧迫、人材不足の深刻化といった課題に直面しています。 このため、私は、医療機関等に対し、累次にわたり、光熱費や食材料費等の支援金の支給に加え、タスク・シフト/シェアの導入やICT、ロボットを活用した生産性向上など、経営改善、業務効率化に向けた支援を行ってまいりました。 しかしながら、物価や人件費の高騰が長期化する中、医療機関等は、これまでの経営努力も限界に達し、さらに早急な対応を行わなければ、医療・福祉サービス提供体制の維持が困難となる事態が懸念されているところです。 このような危機的な状況を踏まえ、私は、さきの政府要望において、地域の医療・福祉サービス提供体制が将来にわたって維持・確保していけるよう、診療報酬等の大幅改定とともに、報酬改定までの緊急的な財政支援について、国に強く訴えてまいりました。 こうした中、先般、閣議決定された総合経済対策においては、医療機関等に対する光熱費や食材料費の支援をはじめ、物価上昇や賃上げ、職場環境改善等に向けた支援などが盛り込まれたところです。 本県としても、経済対策の効果を関係者の皆様に一刻も早く届けられるよう、今後、国の総合経済対策に呼応して、県内医療機関等の経営安定化に向けた支援に取り組んでまいります。 私は、県民の皆様がいつまでも安心して暮らし続けられるよう、質の高い医療・福祉サービス提供体制の確保に向けて、物価高騰対策に適切に対応してまいります。 次に、JR美祢線の被災とBRT化についてのお尋ねにお答えします。 美祢線は、通勤や通学など沿線住民の日常生活に不可欠な公共交通機関であり、また、観光振興や活力ある地域づくりにおいても重要な役割を果たしています。 このため、私は、被災直後から、JRに対し、沿線自治体と連携して、美祢線の早期復旧を要請し、また、国に対しても、県議会の皆様と共に、JRが行う復旧への十分な財政支援などの要望を行ってまいりました。 また、沿線自治体や商工観光団体、県、JR等で構成される美祢線利用促進協議会において、復旧後を見据えた利用促進策の検討を行うとともに、昨年八月からは、鉄道での復旧と鉄道以外のモードによる復旧の整理・検討を行いました。 具体的には、モードごとの復旧費用や復旧までに要する期間、モードが有する特性やメリット・デメリットなどについての整理・検討を行い、本年五月に開催された利用促進協議会の総会において、その検討結果が報告されたところです。 この報告を受け、JRは、改めてJR単独での復旧や復旧後の持続的な運行は困難と説明するとともに、BRTによる復旧によって、公共交通としての利便性を高めることが適当との考えを示しました。 また、その他の委員からは、復旧検討部会での検討結果を踏まえ、どのような復旧モードであったとしても、地域住民の利便性を念頭に、具体的な議論が加速することを望むとの意見などが出されました。 その後、七月に利用促進協議会の臨時総会が開催され、鉄道以外のモードによる復旧を考えていく、県と沿線三市で速やかに協議を行っていくとの方向性が整理されました。 こうした経緯を経て、八月には、私と沿線三市の市長で協議し、一日も早い復旧が必要との認識を共有した上で、復旧までの期間や利便性等を総合的に勘案し、バス高速輸送システム、いわゆるBRTによる復旧を目指すことで合意しました。 その具体化に向けて、十月には、県が事務局となり、沿線三市と共同で、地域交通法に基づく法定協議会を設置し、美祢線沿線の地域公共交通に関する計画の策定等を進めるための議論を開始したところです。 また、BRTが担う地域公共交通を持続可能なものとするため、法定協議会の下に利用促進部会を設け、沿線自治体やJR、関係団体等と一体となって、利便性の向上や観光利用の促進に取り組んでいくこととしています。 今後の復旧に当たっては、JR美祢線が担ってきた交通機能を早期に回復させることはもとより、被災前に比べてよりよくなったと実感いただけるように、利便性を高めることが重要であることから、県としては、地域住民の意見や地元自治体の意向を十分勘案しながら、対応していく考えです。 私は、こうした考えの下、今後とも、沿線自治体等との緊密な連携を図りながら、沿線住民の日常生活や本県の観光振興に不可欠なBRTの整備を着実に進めてまいります。 次に、観光振興についてのお尋ねにお答えします。 本県の地域経済を支え、県内各地の魅力を高める観光振興は、活力ある県づくりを進める上で、極めて重要な役割を果たすものです。 このため、これまで、新たな観光県やまぐち創造プランに沿って、国内外に向けた効果的なプロモーションや魅力ある観光地域づくりに取り組み、観光客数の増加やSNS等による発信力の強化、新たな観光資源の発掘・磨き上げなど、多くの成果が得られたところです。 こうした中、お示しの山口市や関門エリアの選出など、本県観光地の魅力が世界で高く評価されたところであり、私は、これを大きな追い風としながら、来年の山口DCの開催を最大限生かした、持続可能な観光振興の取組を進めていくこととしています。 まず、観光地の魅力を高め、観光消費の拡大を図っていくため、本県が世界に誇る豊かな自然や歴史、文化など、山口ならではの地域資源を生かしたツーリズムの創出に向け、新たなコンテンツの開発に取り組んでいます。 具体的には、国宝である瑠璃光寺五重塔や住吉神社本殿での特別拝観等の取組をはじめ、世界遺産登録を目指す錦帯橋での橋守ガイドツアーや、ユネスコ世界ジオパーク認定を控えた秋吉台での多彩なアウトドア体験など、県内全域で二百を超える観光素材の創出を図ることとしています。 また、誘客の基盤となる、宿泊施設の受入れ体制の充実に向けては、DXツールの導入など宿泊業務の効率化に資する取組を推進するとともに、大手オンライン予約サイトにおける山口県特集ページの掲載や、特典つき宿泊プランの販売等により、国内外からの県内宿泊を促進していきます。 さらに、二次交通の強化に向け、公共交通機関と観光素材を組み合わせたデジタルパスの造成を行うほか、宿泊者向けのレンタカー割引キャンペーンの実施や、絶景スポットを巡る観光バス「ふくの旅、山口号」の運行など、県内全域への広域的な周遊を進めてまいります。 こうした取組とともに、向こう三年にわたる山口DCを絶好の機会として、国内外に向けた戦略的なプロモーションを展開することで、本県へのさらなる誘客拡大を図り、裾野の広い観光産業の稼ぐ力の向上につなげてまいる考えです。 私は、今後とも、市町や関係団体等と緊密に連携しながら、本県観光をめぐる追い風を生かした幅広い施策の展開を図り、持続可能な観光振興に取り組んでまいります。 次に、カスタマーハラスメント防止に向けた対策についてのお尋ねにお答えします。 カスハラは、労働者の尊厳や心身を傷つけ、健康不良や精神疾患を招き、貴重な人材の損失や、生産性の低下につながるおそれがあるなど、見過ごすことのできない問題であり、社会全体で取り組むことが重要です。 このため、県では、全ての労働者が安心して働くことのできる環境を整備するため、事業者や消費者がそれぞれの立場で適切にカスハラ対策に取り組む必要があることから、事業者や消費者に対し、その周知啓発に取り組んできたところです。 まず、事業者に向けては、各県民局の中小企業労働相談員による訪問や山口県労働協会との共催による労働セミナーにおいて、職場におけるカスハラ対策の必要性等の周知啓発に取り組むとともに、労働ほっとラインで、事業者等からの相談に応じています。 さらに、今月は職場のハラスメント撲滅月間であることから、カスハラ防止に向けたシンポジウムの開催周知やポスターの掲示などに集中的に取り組むとともに、現在、国が検討している事業者が取り組むべき内容等を定める指針が示され次第、セミナー等を通じ、速やかにその周知を図ります。 次に、消費者に向けては、商品やサービスを提供する事業者に対する行き過ぎた言動はカスハラにつながるおそれがあり、冷静かつ的確に意見を伝えることが必要であるため、国が作成したチラシの活用や出前講座の実施等を通じ、消費者教育に取り組んでいます。 こうした中、私は、カスハラ対策については、県自らも積極的に取り組んでいくことが重要であると考え、その実態把握のため、本年六月に全職員を対象にアンケート調査を実施しました。 その結果、四割を超える職員が、過去三年間にカスハラ行為を受けた経験があり、また、対応に苦慮した点としては、カスハラと判断してよいか分からなかった、カスハラと感じたが、言い出せなかったなどが上位となっており、組織的かつ統一的な対応が必要であることが分かりました。 このため、これらの行為から職員を守り、良好な職場環境を確保するとともに、行政サービスを適正に提供するため、カスハラには毅然とした態度で組織的に対応すること等を定めた、山口県職員カスタマーハラスメント対応方針を策定することとしました。 方針においては、担当職員が孤立することのないよう、所属の管理職を中心とした組織的な対応体制を確立するとともに、カスハラの類型別の対応要領を定め、悪質な事案に対しては、警察への通報や弁護士等の専門機関と連携した対応を行うこととしています。 こうした県職員の対応姿勢を明確に示し、カスハラの防止を図るため、ホームページ等により県の取組を広く県民に周知するとともに、県内企業への波及にもつなげてまいります。 私は、今後とも、国の動向や他県の条例の実効性、県職員に対する取組成果も踏まえながら、本県で働く誰もが、安心して就業できる環境づくりに向けて、カスハラ対策に取り組んでまいります。 次に、がん検診受診率向上に向けた本県の取組についてのお尋ねにお答えします。 がん検診は、がんを早期に発見し、早期治療につなげることで、がんによる死亡率の減少に有効とされていることから、県民が健康な生活を送るためには、極めて重要な取組であると認識しています。 このため、私は、がん検診の重要性等が県民に広く理解されるよう、がん検診受診キャンペーンの実施や、がん検診県民サポーターの養成などによる、普及啓発や受診勧奨に取り組んでまいりました。 あわせて、市町や医師会等と連携し、無料クーポン券の送付による検診費用の軽減や、平日夜間や休日におけるがん検診の実施による、受診しやすい環境づくりにも努めてきたところです。 こうした取組の結果、本県の肺がん及び胃がんの検診受診率は、約十年間で二〇%台から四〇%台へと大きく向上しており、一定の成果が現れています。 しかしながら、まだ、本県の受診率は全国平均以下であり、特に子宮頸がんや乳がんでは低く、また、働く世代の受診率も伸び悩んでいることから、女性と働く世代をターゲットに、さらなる取組の強化を進めてまいります。 まず、女性の受診率向上については、三十代から四十代にかけて、子宮頸がんや乳がんの罹患者が増加することから、若い世代に検診の重要性が理解されるよう、SNS等による情報発信や、県医師会との協議を踏まえたキャンペーンの実施など、一層の普及啓発に取り組んでいます。 次に、働く世代の受診率向上については、大人向けのがん教育を事業所で展開することが重要という、県がん対策協議会の提言を受け、がん教育冊子を作成し、県内市町や事業所へ配付したほか、事業所従業員を対象とした出張講座を実施しています。 さらに、平日夜間や休日のがん検診実施については、今年度から、メーリングリストを活用し、より多くの事業所に対して周知に取り組むなど、働く世代が、より受診しやすくなる環境整備に努めてまいります。 私は、県民誰もが健康な生活を送ることができるよう、市町や関係団体等と一体となって、女性や働く世代をはじめとする、県民のさらなるがん検診受診率の向上に、積極的に取り組んでまいります。 副議長(河野亨君)熊坂警察本部長。 〔警察本部長 熊坂隆君登壇〕 警察本部長(熊坂隆君)人身安全関連事案への対応強化についての質問にお答えいたします。 まず、山口県における人身安全関連事案の現状についてお答えします。 ストーカーの相談件数につきましては、令和元年が三百五十二件で過去最高を記録し、それ以降、年間約三百件前後で推移し、また、DVの相談件数につきましては、年間約九百から千件前後で、さらに、児童虐待による児童相談所への通告人数が年間約七百から八百人前後で推移しています。 これらの人身安全関連事案につきましては、認知した段階では、危害が加えられる危険性や切迫性を正確に把握することが困難である一方で、事態が急展開して重大事件に発展するおそれが極めて高いと認識しています。 このため、事案を認知した際には、関係機関と情報共有を図りつつ、加害者と被害者の関係性や過去の取扱状況、加害者による危害言動の有無などを総合的に勘案し、危険性・切迫性の判断を的確に行っているところであります。 その上で、危険性・切迫性が認められる事案につきましては、積極的に検挙措置を講じるほか、加害者を被害者から物理的に隔離して被害の拡大防止に努めるとともに、検挙に至らない場合であっても、禁止命令等の行政措置を的確かつ積極的に行っているところであります。 具体的に行っている被害者の安全確保対策について申し上げますと、被害者を加害者の知らない場所に避難させたり、被害者の身辺や居宅における警戒を行ったり、被害者宅に防犯カメラを設置したりするなどの活動を行っています。 こうした中、このたび、いわゆる紛失防止タグを用いる行為を規制の対象に加えることや、警察の職権で加害者に対して警告を可能とすることなどを主な内容とする、ストーカー行為等の規制等に関する法律の改正案が閣議決定され、現在、国会において議論されているものと承知しております。 県警察では、この法改正も見据えつつ、人身安全関連事案に適切に対処していくため、今後も、役割に応じたマニュアルの整備・充実に取り組んでいくとともに、実践的な訓練や教養を実施するなどして、人身安全関連事案に関わる全ての職員の対処能力を向上させる取組を進めてまいります。 また、警察本部と警察署、そして生活安全部門と刑事部門など、各部門が一層連携し、一体となって組織的な対処ができるよう、引き続き、対処体制の強化にも取り組んでまいります。 さらに、人身安全関連事案への対処には、児童相談所をはじめとした市町、学校等の関係機関との情報共有や連携が必要不可欠でありますので、今後も、関係機関との連携強化にも努めてまいります。 県警察といたしましては、引き続き、被害者やその関係者の心情に寄り添いつつ、取り得る措置を確実に講じて、被害者等の安全確保を最優先に対処してまいります。 副議長(河野亨君)これをもって代表質問を終わります。 ───◆─・──◆──── 副議長(河野亨君)以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会といたします。 午後一時五十分散会