1 学校現場におけるカスハラ対策について 2 保育・介護人材に対する支援について 3 水稲の高温被害防止対策について 4 獣害対策の捕獲人材確保について 5 流域治水の推進について 6 地域の企業等と連携した教育の推進について
議長(柳居俊学君)前東直樹君。 〔前東直樹君登壇〕(拍手) 前東直樹君 おはようございます。公明党の前東直樹でございます。それでは、通告に従いまして、順次質問をいたします。 最初に、学校現場におけるカスハラ対策についてお伺いをいたします。 このたび、県は、山口県職員カスタマーハラスメント対応方針(案)を公表いたしました。この対応方針案は、カスハラから職員を守り、行政サービスを適正に提供するためのもので、カスハラを定義、類型化するとともに、類型別の対応方針を明示し、警察や弁護士等との連携や相談・研修体制の整備、職員向けの対応マニュアルを整備することなどが規定をされております。 これは、さきの六月定例会において、我が会派の曽田議員からの質問にも応えるものであり、働く人を守る公明党の主張に沿った対応として大いに評価しているところであります。今後は、単なるスローガンとならないよう、各現場の実態も踏まえながら、より実効性が高まるよう、具体的な取組につなげていただきたいと思います。 さて、先日、政府が発表しました令和七年版過労死等防止対策白書では、外食産業でカスハラを経験した方が約二割に上ることが明らかとなりました。カスハラ対策は、全国各地で条例やガイドラインが策定され、県レベルの主導的な取組も活発化してきておりますが、まだまだ民間企業を中心に被害に苦しむ方々は多いのが現状であります。社会全体からカスハラがなくなるよう、引き続き、取組を強化していかなければなりません。 今回の県職員に対する対応方針の策定を一里塚として、県が率先垂範してカスハラ対策に取り組むとともに、行政機関内部はもとより、民間企業の後ろ盾や応援団となることを期待をしております。 そこで、次のステップとして訴えたいのは、学校現場における対策であります。 今回の県の対応方針案では、知事部局のほか、議会や各種委員会、企業局とともに、教育委員会事務局も対象となりました。しかしながら、学校現場については、これからの対策ということになっております。 私も長年PTAを務めてきた経験から、保護者や地域住民との良好な関係づくりの難しさについては、少なからず承知をしております。 我が事以上に子供のことを思う親の感情から出てくることもあるでしょうし、子育てや子供の人間関係の悩みから、どこまで学校現場に求めていいのか分からなくなることもあるとは思います。 ただ、理不尽な要求を繰り返すモンスターペアレントなども社会問題となりましたし、東京都内の小学校で、保護者の知人の男二名が暴れた事件も記憶に新しい。それらは、極端な例ではありますが、ただでさえ激務の中で、教員が外部との関係に苦労していては、結局、子供たちと向き合う時間がさらに犠牲になってしまいます。 先日、報道された東京都教育委員会のガイドラインの骨子案では、高圧的保護者との面談時間は原則三十分、やり取りは通話を含め録音などの対策が打ち出されました。このように組織として教員を守る姿勢が鮮明になれば、現場の教員は安心して勤務できるとともに、関係する皆さんにとっても、一旦冷静となるきっかけとなり、抑止力となります。 また、対策の浸透によって負担感が払拭されれば、安心して働ける環境として教員不足の解消にも寄与するものと考えます。 学校現場ならではの様々な課題はありますが、カスハラから教員を守り、安心して業務に取り組める環境を整備することによって、子供たちの健全育成及び安心・安全な学校づくりにつなげていただきたいと思います。 今回は、重要なカスハラ対策の中から、さらに学校現場における対策をお伺いいたしましたが、県教委は、本県の学校現場において、カスハラ被害の実態や課題をどのように把握し、その解決のため、今後どのように取り組むのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 次に、保育・介護人材に対する支援についてお伺いいたします。 保育分野は、共働き世帯の増加、女性の社会進出の拡大などを背景にニーズが高まっているとともに、個々の子供の状況に応じた専門的な保育の要請から、障害や発達上の課題、医療的ケアの対応など、多くの期待が寄せられております。あわせて、保護者の子育ての不安解消のため、地域の子育て支援拠点としての役割も期待されるとともに、こども誰でも通園制度のような、より多くの家庭が保育を利用できる制度の必要性が高まっています。 また、介護分野においては、高齢化による需要の拡大に加え、高齢者が住み慣れた地域で最期まで生活できるよう、地域全体で医療・介護・生活支援サービスを一体的に提供する、地域包括ケアシステムの構築が進められるなど、QOL(クオリティー・オブ・ライフ)、人生の質の向上のため、大きな役割を担っております。 そのため、こうした保育・介護施設が一たび廃止や運営困難に陥れば、地域社会全体に与える影響は格段に大きく、各施設が健全に運営されるよう、人材の確保に向けて、特に配慮が必要であります。 しかしながら、保育所や介護施設などの保育・福祉系事業所においては、人材不足が深刻な状態が続いており、保育士の有効求人倍率は、ずっと高い水準が続き、本県の介護需要は、二〇三五年にピークを迎えるとされておりますが、それに向けて十分な人材が確保できておりません。 保育・介護分野の人材確保が困難な理由としては、賃金水準の低さや身体的・精神的負担、長時間労働や職場の人間関係などの労働環境、社会的評価の低さなどがあるとされています。ただ、その報酬については、国の公定価格制度によって定められるなど、なかなかその対応が難しい現状にあります。 こうした中で、各県は、それぞれ知恵を絞りながら、いかに保育・介護人材を確保し、その定着を促していくか腐心しており、本県としても、本腰を入れて取り組まなければなりません。 そこで、報酬については、国に対し、積極的に改善を働きかけるとともに、保育・介護人材が意欲を持って生き生きと働き続けることのできる魅力的な職場づくりについては、職場全体での主体的な取組が基本ではありますが、労働環境の改善や職員のメンタルヘルスケア、業務の効率化等、経営上の課題もあって難しい面もある以上、施設や市町だけの責任にせず、県としても、そのニーズに立脚したきめ細かい支援が必要と考えます。 そこでお尋ねいたします。県は、保育・介護分野の人材確保の支援に、今後どのように取り組むのか、お伺いいたします。 次に、水稲の高温被害防止対策についてお伺いいたします。 今年の夏も、本当に暑い日が続きました。七月末には、山口県での観測史上最高の三十九・三度を記録し、三十五度以上の猛暑日は五十日と、過去最多を更新しました。統計データによると、全国的に見ても、猛暑日の年間平均日数は年々増加傾向にあり、これは今後も継続すると思われます。 また、山口市で見ても、早くも四月中旬から最高気温二十五度を超える日が出始め、十月中旬まで二十八度、二十九度となることが続くなど、地球温暖化、気候変動が農漁業に与える影響が懸念されます。 今回は、農業産出額の約二七・五%を占める基幹作物である米を取り上げますが、米については、昨年のいわゆる令和の米騒動という社会不安による品薄と高騰が発生しました。県内産米の安心・安定した供給のためにも対策が重要であります。 米は、熟れる時期に高温に当たると、稲が弱り、白未熟や胴割粒が発生するなど、品質が低下します。すると、検査等級が下がり、せっかく収穫しても、販売価格が下がるため、生産者の所得に大きな影響が生じてくるとともに、もちろん食味にも影響が出てまいります。さらに、カメムシ類による斑点米被害の発生やトビイロウンカなど、病害虫の被害を受けやすくなるなど、昨今の高温化は、県民に良質な米をお届けしている農家の皆さんにも影響が大いに危惧されるところであります。 こうしたことから、県は、高温耐性品種の導入や栽培技術の指導、試験研究機関による研究開発とともに、病害虫の被害対策など、被害の対策・克服に向けて多大な努力を積み重ねております。まずは、これまでの県の取組に対し、深く敬意を表するところであります。 そうした県の絶え間ない努力の結果の一つとして、本県では、恋の予感という品種が、二〇一七年に高温耐性のある奨励品種として採用されました。しかしながら、これは標高の低い平たん部を中心とした栽培にとどまり、県全体としては、まだ作付は大きく拡大していないと聞いております。 本県は、海沿いの平たん部から標高の高い山間部、私の地元、菊川のような盆地まで、様々な特徴を持つ地域があり、それらを全体的にカバーできるような新たな品種の導入も必要であると考えます。 今後も、夏季の高温が続くことが見込まれる中、より一層、中長期的な視点で高温対策に取り組む必要があると思われます。新たな品種の導入に向けて、地道な研究を着実に進めるとともに、目の前の被害を低減するため、土づくりや水管理など、基本技術の徹底、病害虫対策など、暑さに苦しむ農家の支援に一層取り組んでいただきたい。 そこでお尋ねいたします。県は、水稲の高温被害防止対策に、今後どのように取り組むのか、お伺いをいたします。 次に、獣害対策の捕獲人材確保についてお伺いいたします。 全国各地では、熊による被害が相次ぎ、国民全体の安心・安全を脅かす深刻な事態となっております。現時点で、今年度の熊による死亡事故は十三件と、過去最多を大幅に更新し、緊急銃猟にまで至った案件は三十件となりました。本県においては、今年度、幸いにして熊による人身被害は確認されてはおりませんが、近年、熊の出没情報や捕獲数は増加傾向にあり、県民の命と財産、平穏な暮らしを守るため、引き続き、最大級の危機感を持って警戒に当たらなければならないと考えます。 また、野生動物による被害は、熊だけではありません。本県における有害鳥獣による農林業被害は、平成二十二年度以降、減少傾向にはあるものの、依然として水稲、果樹、野菜等に対する被害は大きく、県の二〇二四年度における有害鳥獣被害は約三億四千八百万円と、六年ぶりに増加し、深刻な影響をもたらしております。 野生鳥獣の捕獲・駆除には、くくりわな、箱わな等の法定のわなを使う方法と、猟銃や空気銃を使う方法があり、現場や状況に応じた使い分けがなされているところでありますが、わな猟においても、最後のいわゆる止め刺しの段階や、被害が拡大している現場や個体数を継続的に減らす必要があるときには、集団での捕獲隊を編成することが効果的であるなど、猟銃等による方法の確保が求められる場面が多くなっております。 こうした中、捕獲人材の現状を見てみると、全国の猟銃等所持者数は、昭和五十五年の五十六万人から、令和四年には九万人と、約六分の一にまで減少、さらには、狩猟免許取得者は、六十歳以上が、昭和五十年の九%から、令和元年には五九%にまで拡大しており、捕獲人材の減少、高齢化が顕著となっています。 山口県においても、猟友会の構成員数で見ても、昭和五十三年の七千五百三十四名から、令和六年では二千三百七十五名に、猟銃を扱える第一種銃猟免許取得者は、同じく昭和五十三年の七千二百九十八名から八百八十二名に減少、会員も七十代以上の方が半数以上となっております。 このような捕獲人材不足の原因の一つには、経済的負担の大きさがあると思われます。例えば、銃による狩猟を始めるまでには、猟銃や弾の購入費はもちろん、各種試験や考査、教習などの手数料、射撃教習の受講料やガンロッカーの購入費など、最低でも五、六十万もの負担がのしかかります。さらには、猟を行うための犬、猟犬を飼育し、活躍できるまでに育てる費用、集団での捕獲に必要な装備経費、現在では、冬場の狩猟期間であります猟期を超えて、酷暑の中でも有害獣駆除に当たるなど、経済的のみならず、体力的にもその負担がますます大きくなっております。 行政としても、負担の軽減や装備の研究、ドローン技術の活用などに取り組んでおられますが、私も実証実験の一つが行われた熊本県を視察し、地元の猟友会会長さんとも懇談させていただきましたが、まだまだ実用化にまでは至らず、大きな解決策とはなっていないのが現状であります。 また、政府のクマ被害対策パッケージでも、自衛隊や警察OBの活用など、捕獲人材の増強を図る動きがあるものの、いざ狩猟資格取得となった段階で、実際の経済的ハードルが高ければ、人材確保のブレーキともなりかねません。 県内市町では、私の地元下関市では、新規捕獲隊員を対象に、最初の装備等に要する経費の一部を助成する制度をスタートさせました。他市町でも、狩猟免許取得費用や猟具等購入費に対する助成制度が設けられているようではありますが、それぞれの市町の判断によって状況はばらばらであり、県内全体での底上げと包括的な支援体制を構築する必要があると考えます。 県においても、狩猟免許等の取得支援のための助成制度を設けていただいておりますが、昨今の熊をはじめとした獣害の深刻さを踏まえると、さらに踏み込んだ対応が必要ではないでしょうか。特に、政府の捕獲人材増強を図る動きの実効性を高める上でも、喫緊の課題であります。 そこでお尋ねいたします。獣害の深刻さと捕獲対策の重要性・緊急性に鑑み、捕獲人材の確保を一層強力に進めていただく必要があると考えますが、県の御所見をお伺いいたします。 次に、流域治水の推進についてお伺いいたします。 流域治水とは、河川の集水域(雨水が川に集まる地域)から氾濫域(浸水が想定される地域)までの河川の流域全体を一つの単位と捉え、流域全体を対象に、流出の抑制、氾濫流のコントロール、土地利用規制など、建造物によるハード面の対策だけでなく、教育や法規制などのソフト面も充実させ、流域に関わるあらゆる関係者が協働して治水対策を進める考え方をいいます。 従来のダムや堤防整備といった河川管理者主体の流す対策に加え、地域住民等の協力により、雨水をためる場所を設けて河川への流出量を減らす、とどめる工夫を行ったり、水害に備えるために、危険な場所でのまちづくりや、避難方法を工夫したりすることも含みます。 近年の大雨による災害が激甚化・頻発化していることにより、高まる水害リスクを踏まえ、国は、流域治水の考え方に基づき、治水対策を推進しているところであり、中でも、私が注目するのは、地域住民と連携し協力を頂くことなどにより取り組む、とどめる対策であります。 熊本県では、令和二年七月の球磨川流域をはじめとする豪雨災害を受け、災害後においても、持続的な地域を構築するために、熊本県立大学を代表機関に、熊本県などの自治体、地元銀行や大学、企業等が参画して、産官学の地域共創拠点を設立。その中心課題として、流域治水の考え方に環境的な視点を組み込み、美しい風景や豊かな自然、豊かな経済、参加型の取組を同時に実行しようとする施策を取り込んだ、緑の流域治水、共創の流域治水という取組を行っております。 この中心となっている、地域共創拠点運営機構の責任者は、熊本県立大学の島谷幸宏教授で、山口県の出身であります。流域治水に生物多様性、IoT、小水力などを掛け合わせ、相乗効果を発揮させることがポイントで、持続的な地域づくりや環境保全にもつながる治水対策として取り組んでおられます。 今回、この緑の流域治水の事業の一つの柱として、地域住民との関わりを通した地域の科学リテラシーの向上や雇用と経済効果の創出、地域連携の促進を目的に、スタディーツアーが企画されておりましたので、会派の皆さんと共に、実際に、簡易に実施できるIoTの取組、雨庭や田んぼダム、治水のための森林管理の実情、放棄された田んぼを生物多様性の観点から自然再生を行う取組などを、現場の山林や湿地帯にまで分け入ることになりましたが、視察をしてまいりました。 大規模な治水ダムや排水機場の整備、森林整備・治山対策などのハード対策は、長期間にわたり、かつ大規模な予算が必要となる一方で、このような地域と共に取り組む氾濫対策は、比較的負担が少なく、かつ即効性があるのが特徴であり、氾濫をできるだけ防ぐ・減らすとともに、雨水の流れを遅らせることで、避難するまでの時間を稼ぐことができます。また、参加型とすることで、地域住民の防災意識の啓発にも資するものであります。 本県においても、優先度の高い二級水系において、具体的な対策を取りまとめた流域治水プロジェクトを立ち上げ、ハード・ソフト両面から治水対策に取り組んでいただいておりますが、熊本県では、こうした取組や、先ほど申し上げた取組に加え、田んぼダムの有効性に係る実証実験や県全域への展開、雨水貯留・雨水浸透施設、いわゆる雨庭の整備に対する補助など、国の支援制度に加えて、県独自の支援により、積極的にその推進を図っているところであります。 本県でも、山口市が雨水流出抑制施設補助制度を設けておりますが、流域治水が流域全体を対象に、広域的に取り組む事業である以上、県内全市町でこうした好事例が広がればよいと考えます。 豪雨災害は、いつ発生するか分からず、平素からの備えは万全を期しても、やり過ぎということはありません。現在のハード・ソフト対策に加え、あらゆる手段を講じて、流域治水を推進していくべきであると考えます。流域治水の取組のコントロール役となる河川管理者には、いろいろな所管にまたがる取組をしっかりと把握し、流域治水の取組を進めていただきたいと考えます。 そこでお尋ねいたします。以上申し上げた点を踏まえ、県は、流域治水対策に、今後どのように取り組むのか、お伺いをいたします。 最後に、地域の企業等と連携した教育の推進についてお伺いをいたします。 先日、県教委は、県内七市の県立高校十四校を対象に、二校ずつ統合して七校とする県立高校再編整備計画後期実施計画の素案を公表いたしました。 いずれの高校も、今までの伝統や取組、卒業生や地域の皆さんの支えもあり、割り切れぬ思いもありますが、先日公表された令和七年度学校基本調査の速報値(山口県分)によれば、現在の中学校の生徒数は過去最低の三万一千八百九十人、十年前の平成二十七年からは五千四百六十八人の減、本格的な再編整備が始まる直前であった平成十七年からは九千六百十八人の減、保護者世代も含まれる三十年前で見ると、平成七年五万七千六百三十七人からは二万五千七百四十七人もの減少となっております。 こうした高校入学世代の減少を踏まえ、いかに教育の質の確保・向上を図っていくのかということを考えた場合には、高校再編の流れの検討はやむを得ないものと考えます。 一方で、今後、再編・維持されていく高校については、それぞれが各地域において、特色のある魅力的な高校となるよう、ブラッシュアップを図っていかなければなりません。 今回の再編整備計画においても、仮称として未来デザイン科の設置を含む学科の改編や、普通科の教職コース・デジタル創造科の設置が検討されるとともに、全体としても、普通科、専門学科、総合学科、そして定時制課程とも、さらなる改革が検討されるなど、今後の取組に期待するところであります。 またあわせて、従来の地域学区制から、全県全ての課程・学科から高校選択が可能となったように、こうした特色ある学校群の中から、住んでいる地域や通学の経済的負担によってその選択を諦めることのないよう、今まで以上に支援の継続・強化をお願いしたいと思います。 さて、今回示された後期実施計画の中では、前期実施計画も加えると、さらに数多くの専門高校で再編統合が進むこととなります。 言うまでもなく、専門高校は、県内の有力企業、そして中小企業に多くの有為な産業人材を輩出しており、再編後も学校の魅力を高め維持していくためには、今まで以上に高度で専門的な知見を持った人材の育成をしていく環境を整えていくことが重要であります。 そのためにも、地域の企業・団体の皆さんとも連携して、魅力ある学校づくりに御協力いただける取組ができないか。例えば、卒業生が働き経営する地域企業であれば、なおさら地域への愛着と母校への思いも強まると考えます。 さらに、文部科学省では、次世代地域産業人材育成刷新事業を推進し、先進的な取組を行う専門高校等をマイスター・ハイスクールに指定し、実践研究を行っております。専門高校と産業界が一体となり、地域産業の持続的な成長を牽引する最先端の職業人材を育成することがポイントで、現在はその普及促進事業が十二道県で実施されています。 本県は、地域にも、そして国内・海外にも誇れる技術を有する、全国有数のものづくり県であります。地域の企業と連携して、より専門的かつ高度な産業人材の育成を図っていけば、それが高校再編後もより高い教育効果をもたらすのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。高校再編計画を契機に、地域の企業との連携をより強固なものとし、さらなる有為な産業人材の育成につなげていただきたいと考えますが、県教委の御所見をお伺いをいたしまして、私の一般質問といたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)前東議員の御質問のうち、私からは、流域治水の推進についてのお尋ねにお答えします。 近年、気候変動に起因する記録的な集中豪雨等による災害が全国で激甚化・頻発化している中、本県においても、令和五年梅雨前線豪雨などにより、甚大な被害が発生しています。 私は、こうした災害から県民の生命・財産を守るためには、流域全体のあらゆる関係者が協働して、水害を軽減する流域治水の考え方に基づき、取組を進めていくことが極めて重要であると考えています。 このため、県では、市町等と連携し、過去の被害状況等を踏まえ、優先度の高い二十六の二級水系において、具体的な対策や役割分担、ロードマップ等を取りまとめた流域治水プロジェクトを策定し、流域内のあらゆる関係者と一体となって対策を進めているところです。 この流域治水プロジェクトには、河川改修やダムの整備など、河川管理者が行う治水対策に加え、河川管理者以外が行う雨水排水施設や砂防堰堤の整備、お示しのとどめる効果もある水田の貯留機能向上対策や、森林整備・保全対策なども位置づけています。 このうち、水田の貯留機能向上対策については、市町等と連携し、水田の持つ洪水調節機能等を十分に発揮させるため、圃場整備を計画的に実施するとともに、大雨時の排水量を抑制し、その機能をさらに高める田んぼダムの取組を進めているところです。 また、森林整備・保全対策については、森林が持つ洪水緩和機能を維持向上させるため、間伐等の適切な森林整備を進めるとともに、重要なインフラ施設周辺等において、計画的に治山ダムを設置し、河川への土砂の流出や堆積の抑制を図っています。 さらに、山口市や防府市において、雨庭と同様に、雨水の流出抑制機能を持つ雨水貯留槽や、雨水浸透ますを民間住宅等に設置する場合の助成も行われています。 これらを含め、プロジェクトに位置づけた対策については、関係市町ごとに設置した、減災対策協議会流域治水部会において、河川管理者が中心となって定期的にフォローアップを行っているところであり、引き続き、計画的かつ効果的に取り組んでまいります。 加えて、当部会において、他地域で実施されている好事例や、最新の知見を共有、展開し、既存の対策に反映するとともに、新たな対策を追加しているところであり、今後とも、さらなる充実強化を図っていく考えです。 私は、県民の暮らしの安心・安全は、あらゆることの基本であるとの認識の下、市町や関係機関と緊密に連携し、流域治水プロジェクトに掲げる対策を積極的に進めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)石丸健康福祉部長。 〔健康福祉部長 石丸泰隆君登壇〕 健康福祉部長(石丸泰隆君)保育・介護人材に対する支援についてのお尋ねにお答えします。 全国より早いスピードで人口減少、少子高齢化が進行する本県において、県民誰もが住み慣れた地域で、安心して暮らし続けていくためには、質の高い保育・介護サービスの提供に欠かせない人材の確保が重要です。 このため、県では、まず、保育分野の人材確保に向けては、保育士の県内就職の促進や、定着支援等に取り組んでいるところです。 具体的には、県内就職を促進するために、保育士養成施設の学生等を対象として、保育士就職ガイダンスの開催や、修学資金の貸付けを行うとともに、潜在保育士に対しては、保育士バンク等を活用した再就職支援に取り組んでいます。 また、保育士の定着支援については、本県独自に、保育士加配への補助制度を創設し、保育士の負担軽減を図るとともに、ICTを活用した保育士の働き方の見直しに資するセミナー等を開催し、施設長等が組織の円滑なマネジメントができるよう支援しています。 次に、介護分野の人材確保に向けては、多様な人材の参入促進や、働きやすい職場環境づくり等に取り組んでいるところです。 まず、多様な人材の参入促進については、介護福祉士を目指す学生や外国人留学生への修学資金の貸付けのほか、県福祉人材センターにおいて、中高年齢者や他業種からの転職希望者等に対して、求職から就職までの一貫した支援を行っています。 また、働きやすい職場環境づくりを促進するため、管理者等を対象に、労務管理やメンタルヘルスケアなどの労働環境の改善を図る研修を実施するとともに、ロボットやICT等の介護テクノロジーの導入支援を通じて、職員の負担軽減と業務の効率化を図っています。 さらに、保育・介護人材の処遇改善や介護報酬の大幅改定等について、先日の政府要望において国に働きかけたところであり、将来にわたり安定した運営が可能となるよう、引き続き要望してまいります。 県としましては、市町や関係団体等とも連携しながら、各施設が健全に運営されるよう、保育・介護人材の確保に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)岡本農林水産部長。 〔農林水産部長 岡本章生君登壇〕 農林水産部長(岡本章生君)水稲の高温被害防止対策についてのお尋ねにお答えします。 主食である米を安定的に供給していくためには、平たん部から中山間部にわたる多様な地形や気象条件に対応した生産技術の開発・普及による生産体制の強化が重要です。 このため、県では、農林総合技術センターにおける新たな品種の選抜や、栽培技術の実証に取り組むとともに、本県の地域特性に応じた栽培技術の普及促進により、米の生産性の向上を推進してきたところです。 こうした中、お示しのように、近年の地球温暖化により、農作物の生育障害や品質低下等が顕在化してきたことから、高温が続く気象条件下においても、安定した品質や収量が確保できる耐暑性品種の導入や、栽培技術の普及促進に向けた取組を一層強化することとしています。 具体的には、まず、耐暑性品種の導入に向けては、お示しの県の奨励品種の恋の予感について、栽培適地である平たん部でのさらなる作付を促進し、あわせて必要となる種子の増産を進めます。 また、標高の高い山間部をはじめ、現在、県内で広く栽培されているコシヒカリの代替候補として、倒れにくく大粒で多収の特性を持つ耐暑性品種の選定を進めているところであり、今後、JA等と連携した新たな栽培暦の作成等により、県内全域での作付を促進します。 次に、栽培技術の普及促進については、夏季の高温が続く中においても、安定した品質や収量を確保するため、圃場の水温や水量をリモートで調節できるシステムの現場実装に向けた取組を進めます。 また、圃場における土づくり等の基本技術を徹底するとともに、夏季の高温下において、生育期後半の肥料不足に対応した追肥の指導など、生育状況に応じた技術対策を推進します。 加えて、高温時に被害の増加が懸念されるカメムシ類等の病害虫対策として、発生状況に応じた農薬の選定や防除方法等の技術対策資料を作成し、ホームページやSNS等による情報発信を行うとともに、現地での技術指導を強化するなど、徹底した防除対策を実施します。 県としては、米の安定供給に向け、市町やJA等関係団体と緊密に連携し、本県の地理的・気象的条件に応じた水稲の高温被害防止対策に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)山本環境生活部長。 〔環境生活部長 山本毅君登壇〕 環境生活部長(山本毅君)獣害対策の捕獲人材確保についてのお尋ねにお答えします。 農林業や県民生活に深刻な被害を及ぼしている野生鳥獣への対策に、市町や猟友会等と連携して取り組んでいますが、ツキノワグマに加え、生息数が増加傾向にあるニホンジカ等への対応など、対策の強化が必要と考えています。 こうした中、捕獲の担い手となる狩猟免許保持者の高齢化が進み、さらに熊の緊急銃猟といった新たな課題もある中、銃猟従事者は年々減少しており、新たな担い手の確保が喫緊の課題となっています。 まず、狩猟免許保持者を増やしていくことが必要であるため、今年度の試験実施に当たり、狩猟に興味のある方を対象に、猟友会と連携して事前の研修会を開催するとともに、新たに商業施設でのデジタルサイネージによる広報や、SNSによる情報発信にも取り組んだところです。 この結果、試験合格者は、昨年度の百八十八人から三百八人に、銃猟合格者も四十八人から六十八人に増加するなど、一定の成果が得られたことから、来年度に向けて、免許試験の周知広報のさらなる強化を図っていきたいと考えています。 さらに、若い世代においても、有害鳥獣の捕獲等への関心が高まるよう、農業大学校での授業の実施や大学と連携した学生への周知活動を行っており、幅広い世代での担い手確保にも取り組んでいきます。 次に、銃猟従事者の確保については、銃使用の経験と能力を有する自衛隊や警察OB等に向けて、国のクマ被害対策パッケージによる取組も踏まえ、自衛隊や県警察に、試験に向けた事前の研修会への参加勧奨や、銃猟免許の取得促進への協力を要請するなど、積極的な働きかけを行っていきます。 さらに、銃猟免許取得の支障となり得る経済的負担の軽減については、受験から猟銃所持許可や狩猟者登録までの一連の手続について、引き続き、費用の一部を助成していくこととしています。 また、お示しのあった経済的支援の県全体での底上げや包括的な支援体制の構築は、人材確保の強化につながると認識していますが、現在、各市町等と連携した緊急銃猟への対応など、熊対策の強化に注力しており、今後、地域の実情も聞きながら、どのような対応が可能か検討したいと考えています。 県としましては、野生鳥獣の被害対策の適切な実施に向け、市町や猟友会、県警察等と一層連携を図ることにより、その担い手となる捕獲人材の確保に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)教育に関する二点のお尋ねのうち、まず、学校現場におけるカスハラ対策についてお答えします。 本県では、コミュニティ・スクールを核として、学校と家庭、地域が対話を通じた相互理解を図りながら、それぞれの責任と役割を踏まえて連携・協働し、子供たちの学びや育ちを支える取組を進めています。 こうした中、家庭や地域から、学校や児童生徒に関する相談等があった場合、教職員が一人で課題を抱え込むことがないよう、組織的な対応を進めるとともに、必要に応じて、学校が法的助言を受けることができるよう、県教委内にスクールロイヤーを配置するなど、学校を支援する体制を整えているところです。 しかしながら、家庭や地域の価値観の多様化等により、学校への要望が複雑化し、長期間の対応が必要になるケースもあり、教職員が子供たちと向き合う時間に影響が及んだり、教職員の尊厳や勤務環境が害されたりするような課題も生じている現状を踏まえ、学校における相談等への対応について、県教委として、一定の基準を示す必要があると考えています。 そのため、現在、県内全ての公立学校の教職員を対象としたアンケート調査を実施しているところであり、学校現場の実態や、教職員の困り感を把握した上で、対応に苦慮する学校のよりどころとなるガイドラインを、本年度中を目途に策定したいと考えています。 県教委といたしましては、学校と家庭、地域が良好な関係で子供たちを育てていくために、今後策定するガイドラインについて、家庭や地域の理解促進を図るとともに、教職員が安心して働ける職場環境を実現することで、子供たちによりよい教育を提供できるよう、引き続き、しっかりと取り組んでまいります。 次に、地域の企業等と連携した教育の推進についてのお尋ねにお答えします。 本県産業を支える人材を育成する専門高校、専門学科において、生徒が将来の職業人として必要となる、専門的で実践的な知識や技術を身につけていくためには、地域の企業等と連携した教育の充実が大変重要です。 このため、各専門高校では、これまでも企業の技術者等の協力を得て、課題研究や、資格取得に向けた実技講習の実施などに取り組んでいるところです。 また、産業現場のデジタル化や、脱炭素化に対応するため、工業科での3Dプリンターやロボットアーム、農業科でのドローンの操作など、企業の方を講師とした授業や、カーボンニュートラルに取り組む事業所での現場実習など、先端技術を学ぶための教育内容の充実にも努めています。 こうした中、再編整備により来年度開校する田布施農工高校では、建築科の新設や実習棟の整備により、教育機能の充実に取り組んでおり、後期実施計画においても、工業高校を再編統合する中で、新しく情報系学科の設置を検討するなど、専門高校等の特色化・魅力化を図ることとしています。 また、再編統合した学校では、統合前の高校における地域とのつながりを継承し、幅広く地域と連携した教育を推進することとしており、統合後も、本県の強みであるコミュニティ・スクールを核として、企業等との連携をこれまで以上に強化し、探究的・実践的な学習の充実などに取り組んでいきたいと考えています。 県教委といたしましては、今後とも、地域の企業等と緊密に連携しながら、産業教育の一層の充実を図り、本県産業を支える人材の育成に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時三十五分休憩