討論
議長(柳居俊学君)笠本俊也君。 〔笠本俊也君登壇〕(拍手) 笠本俊也君 自由民主党会派を代表いたしまして、討論を行います。 我が会派は、提出されている全ての議案及び意見書案について賛成し、請願三件をいずれも不採択とすることに、賛成の立場から意見を述べさせていただきます。 まず、議案第一号 令和七年度一般会計補正予算のうち、大雨災害対策関連事業についてです。 今夏に本県で発生した大雨災害では、人命は守られたものの、公共土木施設などに、県民生活に関わる大きな被害がもたらされました。 県におかれては、災害発生時から、関係機関等と連携し、迅速な対応に努めていただき、改めて感謝申し上げます。 このたびの補正予算成立後は、被災地域のため、復旧に向け全力を傾けていただくとともに、被災世帯の生活に寄り添った支援策を講じられるようお願いいたします。 次に、美祢線代替交通構築事業についてです。 令和五年六月の豪雨によりJR山陰線、美祢線が被災し、山陰線は一部区間、美祢線は全線で運休となりました。 このうち、山陰線については段階的に復旧し、先月二十七日に全線で運転が再開されましたが、美祢線については運休から二年以上が経過する中、本年八月に知事と沿線三市の市長で協議され、一日も早い復旧が必要との共通認識の下で、復旧までの期間や利便性等を総合的に勘案し、バス高速輸送システム、いわゆるBRTによる復旧を目指すことで合意され、このたびの補正予算で、法定協議会の設置と地域公共交通計画の策定に要する経費が計上されています。 我が会派としても、今回の被災はJRによって鉄道として復旧するのが大原則と考えますが、美祢線については、地域の方々の生活を足元から支える交通手段の一日も早い復旧と利便性の向上は、至上命題であると考えており、BRTによる復旧を目指すことはやむを得ないと考えます。 このようにBRTによる復旧が決まったからには、県には、沿線自治体やJR、関係団体等と一緒になって早期に復旧し、その後も維持・活性化が図られるよう、広域自治体としての役割をしっかりと果たしていただきたいと思います。 次に、意見書案二件のうち、特に、第一号 岩国基地における空母艦載機の着陸訓練に関する意見書案について、提出会派として意見を述べさせていただきます。 本県においては、岩国基地問題について、空母艦載機部隊の移駐を容認するなど、我が国の安全保障政策を尊重し、協力する一方で、地域住民の生活の安定と不安解消を図るため、県と関係市町、議会が連携して、国に対してただすべきはただすという断固たる姿勢で対処してきております。 そして、私ども県議会も、岩国基地議連を中心に、その取組の一翼を担ってまいりました。 こうした中で、突如、先月十七日から二十六日にかけて、激しい騒音被害を伴う米空母艦載機の着陸訓練が実施されるとの通告があったことから、関係自治体、議会が一体となり、訓練開始の前段階から再三にわたって、国に対し、岩国基地で実施しないよう要請してまいりました。 このような住民生活に多大な影響を及ぼす着陸訓練を、市街地に隣接する岩国基地で実施することは、たとえ本来の訓練場所である硫黄島の噴火に伴う一時的措置であったとしても、地元として、到底容認できるものではありません。 今回の訓練による激しい騒音は、訓練実施期間中に寄せられた苦情の件数、また騒音測定値という客観的なデータによって、地域住民の生活環境に多大な影響を及ぼしていることは明らかです。 訓練期間は、平日六日間に加え、訓練を実施しないとされた祝日の二十三日にも実施され、計七日間にも及んでいます。確認された延べ訓練時間は三十六時間に及び、過去に実施された平成十年の訓練を超えるものでありました。 苦情件数は、七日間で千六十四件と、前年同月の総数五百二十件を大きく上回っています。 騒音測定回数も、三機から八機程度の戦闘機がおおむね一分半程度の間隔で離着陸訓練を繰り返したため、通常時と比較して大幅に増加し、県の測定地点では、前年九月の月間値の三倍の回数を記録する地点もありました。 そして、うるささ指数であるW値の訓練期間の平均は、前年同月の平均を大きく上回る状況でありました。 このように、今回実施された訓練が、平穏な基地周辺住民の生活に大きな影響を与えたことは、紛れもない事実であります。 また、もう一点、申し上げておきたいのは、空母艦載機部隊の移駐を苦渋の判断で容認することとなった、平成二十九年六月定例会で提出し、採択された意見書についてです。 このとき、私ども自由民主党会派は、移駐問題が一つの節目を迎えるに当たり、その後が岩国基地問題の新たなスタートになるとの認識の下で意見書を取りまとめ、公明党や自民党新生会など多くの会派、議員の賛同を頂き、この意見書を採択しました。当時、私もこの意見書に関わった一人ですが、賛同された議員、議場におられた議員は、御記憶にあろうかと思います。 この意見書の中で、国に求める具体的事項として、激しい騒音被害をもたらす離着陸訓練の実施は容認できないという強い意思を明示しており、このときに決定された県議会の意思は、その後も揺らぐことなく、今日に至っております。 この意見書に照らし合わせても、このたび、岩国基地で行われた着陸訓練は、県議会の意思に反することは明らかであり、安全保障上、致し方ない、で済ませてはならないのであります。 このため、地域住民の代弁者たる県議会として、こうした訓練は到底容認できないという意思を改めて明確に示し、今後、岩国基地において、FCLPなど激しい騒音被害をもたらす訓練を二度と実施することがないよう強く求める意見書を提出することは、私どもがなさなければならない当然の責任であり、全会一致で採択されますよう申し上げるものです。 加えて、本定例会には、請願第一号から第三号が提出されています。これら請願三件に対する我が会派の意見は、先ほど委員長報告で述べられたとおりです。 最後に、一昨日行われた自民党総裁選挙において、新たなリーダーが選出されました。 今、我が国は、物価高等の国民生活に関わる課題、人口減少や地方の活力の衰退、不安定な経済情勢や安全保障環境など、幾多の国難に直面しております。 私どもは、これまで以上に一致団結し、我が国の将来、そして山口県政の一層の発展のため、これらの国難の解決に全力で取り組んでいく覚悟であることを申し上げ、自由民主党会派の賛成討論といたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手)