1 女性も男性も暮らしやすい多様な幸せ(ウエルビーイング)を実現する社会の構築について 2 手話がつなぐやさしい社会の構築について
議長(柳居俊学君)石丸典子さん。 〔石丸典子さん登壇〕(拍手) 石丸典子さん おはようございます。公明党の石丸典子でございます。 一言申し上げます。今年六月に手話施策推進法が制定され、今月九月二十三日、初めての手話の日を迎えました。今議会議場の傍聴席には、試験的に導入されたAIによる字幕つきモニターが導入され視聴をすることができますが、本日傍聴に来られているろうあ連盟の方は、字幕では意思や感情などを読み取ることができないと、手話通訳者による傍聴を希望されました。まさに手話は言語、手話は命を改めて教えていただきました。 誰もが暮らしやすい共生社会の実現に向け、公明党はしっかりとその声を届けてまいりますことをお誓いし、通告に従い質問させていただきます。 初めに、女性も男性も暮らしやすい多様な幸せ、ウエルビーイングを実現する社会の構築に向け、三点お伺いいたします。 一点目、女性活躍の実現についてお伺いいたします。 二〇一五年に十年間の時限立法として、女性を取り巻く労働環境の改善に向けた、女性活躍推進法が制定されてより、今年で十年目を迎え、本年六月、さらなる取組の強化に向け、さらに十年間延長する改正法が可決、成立いたしました。 この十年延長の背景には、働きたくても十分に能力を発揮できない女性がまだまだ存在する現状、そして、諸外国と比較して管理職に占める女性の割合が著しく低い実態に加え、深刻な労働力不足解消のためには女性の活躍が不可欠であるというせっぱ詰まった認識がありますが、どんな理由にせよ女性活躍に向けた取組が進むことに期待したいと思います。 これまでの十年では、仕事と子育ての両立に目が向けられ、待機児童の改善や時短勤務の導入などにより、二十代後半から四十代前半にかけて就業率が低下していたM字カーブの是正や、女性の働きやすい環境整備が整いつつあります。 加えて、このたびの改正法では、女性の月経や閉経後の更年期障害などへの配慮が明記されたことはジェンダー平等のスタートであり、全ての女性に光が当てられたことは評価したいと思いますが、依然として格差の残る男女の賃金格差是正に向け、女性の勤続年数の短さや管理職の割合の低さの解消に向けた抜本的、すなわち能力を十分に発揮できる実効性を高める取組が求められています。 拓殖大学政経学部の佐藤一磨教授は、第一に中小企業の実効性ある取組と、第二に女性管理職登用への無意識の偏見・社会の意識変革の必要性、そして、第三に男性の働き方改革、すなわち男性の育児・介護・家事参画の促進が女性の就業継続や昇進を支えると述べられています。 特に、第二の無意識の偏見について佐藤教授は、昇進過程における男女間格差の是正について、この十年で女性の一般社員から係長への登用の比率は改善したが、上位の意思決定層への昇進には依然として大きな障壁が存在しており、特に係長から管理職への登用は男性志向が顕著であり、男性一人に対し女性〇・三人程度の登用にとどまるガラスの天井が存在していること、そして、女性活躍推進法の施行により、女性管理職の登用が高くなると、非管理職男性の仕事満足度を低下させ、その影響は女性管理職割合の増加が大きい大企業ほど顕著であったとの分析結果が示され、私自身大きなため息をつくとともに、大変興味深く受け止めたところであります。 そこでお伺いいたします。県は女性活躍推進法の十年延長を受け、その実現に向け、どのように取り組まれるのか、御所見をお聞かせください。 二点目、共育の環境整備、男性育児休業の取得についてお伺いいたします。 先ほどの女性活躍の推進において、男性の働き方改革が重要な点であることは申し上げたとおりですが、その具体的な取組として、公務員の男性育児休業の取得についてお伺いいたします。 共働き世帯が二人目の出産を考えるとき、男性の家事参画の割合は大きな要素とされています。特に出産直後は、産後鬱の発症から自殺も危惧されることから、男性の育休取得について、社会はもっと真剣に取り組むべきであると思います。 厚生労働省の発表によりますと、二〇二四年度男性育児休業取得率は、前年度比一〇・四ポイント増の四〇・五%、政府目標二〇二五年までに五〇%への目標に近づいていますが、女性の取得率八六・六%に比べると約半分であり、なぜ目標が五〇%なのかと疑問に感じるのは私だけでしょうか。 育休を取りたいが、迷惑をかけるので取りにくい、人手不足で代替要員が見つからないので取れないなど、女性でさえ産休・育休取得には、今も社会の大きな壁があるのですから、出産をしない男性の育休取得に職場の理解を得るのに様々課題があるのも仕方ありません。 以前、妊娠を理由に雇用主から仕事を辞めるように迫られた女性の例を御紹介させていただきましたが、その彼女を励まし支えたのは、女性同士のお互いさまの気持ちでした。 さて、県職員の男性育休に、このお互いさまの気持ちはあるでしょうか。業務の負担増に対して、少子化なんだから仕方ないと、もやもやした気持ちのお互いさまに長期休暇は言い出せず、結果、代替要員はつかず、結局、同僚に負担をお願いする男性育休のあるあるが続く限り、少子化対策も女性の活躍も絵に描いた餅のままで終わります。 代替要員配置を原則目指すべきとしながらも、深刻な人手不足の中、まずは業務を負担した職員の不公平感の解消とともに、仕事への正当な評価として、同僚職員への育休応援手当の加算など検討されてはいかがでしょうか。 民間企業では、既に様々な形の取組が見られますが、公務員の場合は、残念ながらそのような制度はありません。総務省自治行政局の方に確認しますと、その仕事を評価し勤勉手当として加算することはできると説明を頂きました。 お一人様の独身者も既婚者も、子供を持つ人も持たない人も、育休による業務負担をウィン・ウィンに考えられる応援手当は、少しですがもやもや感の払拭につながり、共育を目指す若い人たちから選ばれる職場として大事なポイントとなります。こうした制度を設け、そのことを職員にしっかりと伝えることが、お互いさま、すなわち育休取得に向け、相互理解の促進につながるのではないでしょうか。 お隣の福岡県や福岡市では、既に育休応援手当として導入されており、福岡市は二〇二四年度、政令都市では初めて男性職員育休一〇〇%を達成されたそうです。 次に、取得期間について総務省の発表によりますと、二〇二三年度の男性地方公務員の育児休業取得率が前年度から一五・八ポイント増の四七・六%となり過去最高を更新し、都道府県別では福井県の六六・二%がトップだそうですが、残念ながら取得期間の長期化は進んでおらず、一か月以下が五〇・八%と半数を占め、一か月超三か月以下が二四・三%、三か月超六か月以下が一一・三%となっています。 本県でも、二〇二四年度の男性職員の育休取得率は九七・二%と大きく向上していますが、一か月以上は三四%という結果であり、職員の希望に応じて長期の取得が可能となる職場環境づくりが求められます。 そこでお伺いいたします。共育、共育ての実現には、男性の育児休業の取得は必須であり、育休者を支援する応援制度としての期末・勤勉手当の加算や、より長期の取得を可能とする代替職員の配置について、どのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。 三点目、リトルベビーハンドブックの機能充実と産後のサポートについてお伺いいたします。 私は、二〇一八年九月議会、二〇二一年十一月議会で、低出生体重児向け母子手帳の必要性を訴えさせていただきました。県は、二〇二三年、やまぐちにじいろ親子ノートを作成、現在、千五百グラム未満のお子様を対象にお母様の手元に届けられております。(掲示)これが作っていただいた、やまぐちにじいろ親子ノートになります。 二〇一八年に静岡県からスタートしたこの取組は、僅か七年で四十五道府県に広がっており、現在は本年四月一日のこども家庭庁による一般の母子健康手帳発育曲線の最低目盛りが体重千グラムからゼログラムへ、身長は四十センチから二十センチへ改訂されたことを踏まえ、都道府県において新たなリトルベビーハンドブックへの見直しが進められています。 世界最小の赤ちゃんは、二〇一八年十月に長野県で生まれた体重二百五十八グラム、身長二十二センチの男の子です。手のひらに収まるくらい小さかった赤ちゃんも、医学の進歩と無限の生命力で元気に成長することは決して珍しいことではなく、その男の子も警察官になる夢を持ちながら今年元気に小学校に入学されたそうです。 しかし、成長の過程で、様々な医療機関や福祉サービスを利用することも多く、リトルベビーハンドブックには、医療従事者の専門的な記載や関係者への周知・研修、また配付対象者の拡大など新たな視点について、先日、国際母子手帳委員会事務局長、リトルベビーサークル全国ネットワーク相談役の板東あけみ様から、全国の先進的な取組を御紹介いただくとともに、やまぐちにじいろ親子ノートへの御助言を頂いたところです。 そこでお伺いいたします。県の次期改訂に向け、まずは検討協議会の立ち上げを提案するものですが、県の御所見をお聞かせください。 次に、産後のサポートとして、授乳室・搾乳室の整備の取組についてお伺いいたします。 授乳室については、これまで目にされた方も多いかと思いますが、子供の退院が遅くなる低出生体重児の場合や、産後職場復帰をされた方など、搾乳する場所に困っているとの声により、令和七年五月、国土交通省ガイドラインに搾乳室の表示が掲載され、その取組が少しずつですが進んでいます。そもそも授乳室もない、あっても赤ちゃんを連れていないと入りづらいなど、小さな声ですが、安心・安全な授乳室や搾乳室の整備は、子育てに配慮した大事な取組です。 本年、山口大学医学部附属病院は、日本財団母乳バンクのドナーミルクの使用登録施設に認定されました。山口県では、山口大学病院が初めての使用施設となり、ドナーミルクとして早産や千五百グラム未満の極低出生体重の赤ちゃんに提供されます。 早産や極低出生体重の赤ちゃんを出産したお母さんは、母乳が出にくいことが多く、その場合、すぐに赤ちゃんに栄養を与えることができません。しかし、ドナーミルクを利用することで、栄養を必要としている赤ちゃんが、すぐに適切な量の栄養を摂取することができ、未熟な赤ちゃんの免疫力を高め、疾病の予防や入院期間の短縮など、赤ちゃんと御家族の負担が軽減されることが期待されます。このことからも、搾乳室の整備は大事な取組と考えます。 そこでお伺いいたします。県有施設をはじめ県内の公共施設において、授乳室・搾乳室の整備・意識啓発について、どのように取り組まれるのか、県の御所見をお聞かせください。 次に、手話がつなぐ優しい社会に向け、デフリンピックの取組と若年層の手話通訳者の養成・定着についてお尋ねいたします。 本年、手話の普及に向けた、手話施策推進法が超党派の議員立法により可決、成立し、手話の普及に向けた環境整備、手話文化の保存と発展、教育分野で必要な児童生徒が手話で教育を受けられるよう、手話のできる教員や通訳者の配置を進めるとした、国や自治体の責務が明記されました。 公明党は、成立に向け、このたび勇退いたしました山本ひろし前参議院議員を中心に長年取り組み、衆院内閣委員会では、法案の趣旨説明を行い、本年六月十八日最後の本会議で成立させ、関係者と喜び合ったことを申し添えさせていただきます。 全日本ろうあ連盟によりますと、手話の普及などを目的とする条例は、四十都道府県と約五百五十市区町村で制定され、十一月十五日から日本で初めて開催される聴覚障害者の国際スポーツ大会デフリンピックを契機に、その動きは加速されています。手話による声援が、今から楽しみであり、心からの声援を送りたいと思っています。 山口県は、二〇一九年十月、村岡知事の御英断により手話言語条例を制定し、県内市町では、萩市、周南市、山陽小野田市、下関市、岩国市、山口市、柳井市、そして私の地元防府市でも、本年七月二日公布、施行されるなど、条例制定は大きく進み、手話の普及や手話の習得機会の確保など施策は確実に進んでいますが、課題はそのニーズに応える手話通訳者の高齢化です。 国は、その対応策として、二〇一八年度より若年層の手話通訳者養成を目指し、大学生や二十代、三十代の若者等を対象としたモデル事業を全国七地域で実施し、本県では、二〇二二年より山口県立大学が参加し、全国現役大学生のこれまで合格者が四名、そのうち三名の山口県立大学の学生に高い評価と期待が寄せられていますが、残念ながら国のモデル事業は令和七年度で終了することとなり、来年度からの取組は自治体補助事業に移行される方向が示されています。 厚労省の調査によりますと、手話通訳者の平均年齢は五十四・四歳、家庭の主婦を中心にした女性の方が多く、合格者の年代分布でも四十代以上が七割を占めるなど、若年層の手話通訳者の獲得、定着に向けては、手話通訳者等の活躍の場、雇用の場の確保など、自治体をはじめとする積極的な取組も求められています。 厚生労働省が示す手話通訳ロールモデル集には、自治体窓口や病院、民間企業では、マツダ株式会社による障害のある社員をサポートするダイバーシティーへの取組が紹介されています。 そこでお伺いいたします。本県のデフリンピックに向けた取組と、若年層手話通訳者の養成と定着に向け、どのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 以上で、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)石丸議員の御質問のうち、私からは女性活躍の実現についてのお尋ねにお答えします。 少子高齢化が進行し、人口減少が深刻化する中にあっても、地域経済が持続的に成長・発展していくためには、女性の活躍が不可欠であり、働くことを希望する女性が、その能力を十分に発揮するための環境を整備することが重要です。 このため、私をはじめ、経済団体や大学リーグやまぐちの代表者、県内十九市町の長で構成する、やまぐち女性活躍応援団が中核となり、働きやすい職場づくりや管理職への登用、仕事と家庭の両立など、女性活躍に向けた企業の取組を積極的に支援しています。 この結果、M字カーブの解消が進みつつあり、育児休業取得率も上昇傾向にあるなど、継続して就業できる女性が増加する一方で、男性に比べ非正規雇用率が高く、管理職の割合も低いこと等により、依然として男女の賃金格差が縮まらないなどの課題も存在しています。 こうした中、お示しのとおり、本年六月に女性活躍推進法が十年延長され、男女の賃金差の公表義務が拡大するほか、新たに女性管理職比率の公表も義務化するなど、企業による女性活躍への取組がさらに求められたところです。 私は、このような本県における課題や国の動向を踏まえ、能力に応じた登用促進や希望に応じた働き方の実現を図る観点から取組を前に進めてまいります。 まず、登用促進に向けては、女性活躍応援団によるシンポジウム等を通じて、女性登用の好事例を広く紹介するとともに、ロールモデルとなる女性管理職をアドバイザーに認定し、キャリアアップを望む女性管理職等への相談支援に取り組むなど、企業や社会における意識改革を図っていきます。 次に、希望に応じた働き方については、男女ともに希望どおり育児休業を取得できるよう、″とも×いく″応援企業のさらなる普及に取り組むとともに、テレワーク等時間や場所にとらわれない働き方の導入を支援するなど、キャリア形成と家庭生活の両立が可能となる職場環境づくりを進めます。 また、現在行っている男女共同参加基本計画の改定作業に合わせて、こうした支援策の充実について検討しており、県議会や県民、企業等の御意見も伺いながら、次期計画に反映していきます。 私は、今後とも企業や関係団体等と緊密に連携しながら、女性活躍の実現に向けて、女性が能力と希望に応じて生き生きと働くことができる環境づくりに全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)大川総務部長。 〔総務部長 大川真一君登壇〕 総務部長(大川真一君)女性も男性も暮らしやすい多様な幸せを実現する社会の構築に関するお尋ねのうち、男性育児休業の取得についてお答えいたします。 県職員の男性育休については、令和六年一月から二週間以上の取得率一〇〇%など目標を大幅に引き上げ、所属長の業務マネジメントの下、職場の支援と意識の醸成の二つの柱に基づく取組を着実に実行しているところです。 これにより、取得率は大きく向上していますが、お示しのように、長期取得の割合は今後高めていく余地があると考えており、育休取得者と周囲の職員との相互理解の促進や、所属の業務執行体制の確保など、長期間の取得を可能とする職場環境の整備に向け、取組を一層強化することが必要です。 まず、相互理解の促進については、本県においても、人事評価制度の活用により、育休取得者の業務を分担した職員の頑張りを勤勉手当に反映できる制度を設けています。 引き続き、制度の適切な運用に努めるとともに、評価の面談等を通じて、その趣旨を職員に説明するなど、制度の周知に努めます。 次に、業務執行体制の確保については、現在、必要に応じて正規職員の補充や兼務による業務支援、会計年度任用職員の配置等により対応していますが、今後、より柔軟な応援体制の構築や技術職員を中心とした県職員OBの活用など、所属の業務実態を踏まえ、さらに効果的な対策を検討していきます。 加えて、こうした所属長のマネジメントによる効果的な応援体制の確保や業務分担の見直し等の優良事例を広く職員に周知するなど、意識醸成の取組をさらに進め、育休取得の意向がある職員の心理的負担の軽減を図り、より長期間の育休取得につなげていきます。 県としては、共働き・共育ての実現に向け、職員一人一人が次代を担う子供たちを育む必要性を認識するとともに、お互いに助け合い、支え合っていけるような職場環境づくりにしっかりと取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)石丸健康福祉部長。 〔健康福祉部長 石丸泰隆君登壇〕 健康福祉部長(石丸泰隆君)女性も男性も暮らしやすい多様な幸せを実現する社会の構築についてのお尋ねのうち、リトルベビーハンドブックの機能充実と産後のサポートについてお答えします。 低出生体重児の保護者は、子供の今後の成長や発達への不安を抱えやすいことから、保護者の気持ちに寄り添った、きめ細かな支援を行うことが重要です。 これまで、県では、低出生体重児の保護者への支援について、医師等で構成する、山口県母子保健対策協議会において対策を検討してきたところであり、令和五年三月には、保護者からの低出生体重児の発育を考慮した手帳を希望する声を受け、やまぐちにじいろ親子ノートを作成しました。 作成に当たっては、専門医や保健師、当事者である保護者からなる検討委員会を立ち上げ、体重ゼログラムの目盛りから始まる発育曲線や、医療従事者によるNICUでの治療や発達の状況の記載欄を設けるなど、安心して我が子の成長を見守っていけるよう内容の工夫と充実を図ったところです。 今後も手帳をよりよいものとするため、母子保健対策協議会において、当事者や医療現場の方々の意見を聞き、内容等の検証を行ってまいります。 次に、産後のサポートについてです。 出産された母親が、外出先で授乳できる環境を整備することはもとより、赤ちゃんと一緒でない場合でも、周囲に気兼ねなく搾乳できる利用環境を整えることは重要です。 このため、県では、これまでも県有施設への授乳室の整備に努めているところであり、今後は、授乳室において搾乳もできる旨の表示を行うなど、環境整備に向けた検討を行ってまいります。 また、県内の他の公共施設においても、こうした取組が広がるよう市町等へ依頼するほか、ホームページ等を通じ周知を図ってまいります。 県としましては、今後とも市町や関係機関と連携しながら、社会全体で産後のサポートの充実に取り組んでまいります。 次に、手話がつなぐ優しい社会の構築についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、デフリンピックの取組についてです。 デフリンピックは、パラリンピックと同様に、四年に一度開催される聴覚に障害がある方の国際スポーツ大会であり、百周年の記念すべき大会として、本年十一月に日本で初めて開催されることは、聴覚障害への理解促進につながる絶好の機会になると考えています。 このため県のホームページでのPRや応援イベント等により、広く県民への周知を図り、聴覚障害や聴覚に障害のある方への、関心と共生の意識が高まるよう機運の醸成に努めているところです。 今回の大会には、県、企業、県民が一体となって活動を後押しする、やまぐちパラアスリートに認定された選手を含む、本県ゆかりの選手二名が出場されることから、大会本番での活躍を大いに期待するとともに、今後も国際大会への出場を目指すトップアスリートへの支援を行ってまいります。 次に、若年層手話通訳者の養成と定着についてです。 手話は、聴覚に障害のある方が社会参加し、自立した生活を送るための情報の獲得やコミュニケーションの手段であることから、学校や職場、地域などのあらゆる場面において手話を活用しやすい環境づくりを進めていくことが重要です。 このため、県では、山口県手話言語条例の趣旨を踏まえ、手話の普及をはじめ、手話通訳者の養成や、養成後に活躍できる場の創出等に取り組んでいるところです。 まず、手話通訳者の養成については、県が実施する研修において、一部をオンラインで行うなど、手話通訳者を目指す方が受講しやすい環境整備に努めており、こうした取組等により、本県の手話通訳者の人数は、近年増加傾向にあり、令和六年度末で百五十一人の方が登録されています。 しかしながら、手話通訳者の平均年齢は五十九・九歳で、全国平均を上回り高齢化が進んでいることから、若年層の手話通訳者の養成が必要と考えています。 このため、これまでも若い世代に手話に対する関心を持ってもらえるよう、手話を分かりやすく紹介したポスターやリーフレットを作成し、県内の学校等に配付するなど普及啓発に努めてきたところです。 また、令和四年度から本県で実施されている若年層を対象とした国の手話通訳者養成モデル事業では、県立大学の学生三名を含む六名の方が手話通訳者全国統一試験に合格するなど実績を上げており、このノウハウ等を生かして、今後も若年層の養成に向けて取り組んでまいります。 次に、手話通訳者が活躍できる場の創出については、医療機関受診や行政手続など、聴覚に障害のある方の日常生活の様々な場面への同行に加え、記者会見や各種イベントへの配置、市町や社会福祉協議会等での雇用など、引き続き、習得した手話の技術を発揮できる機会が広がるよう努めてまいります。 県としましては、今後とも、市町や関係団体等と連携し、聴覚に障害のある方が暮らしやすい地域社会の実現に向け、手話を使用して生活することができる環境づくりに積極的に取り組んでまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は午後一時の予定でございます。 午前十一時二十一分休憩