1 山口県の照明の2027年問題への対策状況について 2 県職員のカスタマーハラスメント対策について 3 県民が効果を実感できるデジタル実装の推進について 4 移住支援について 5 野生鳥獣対策について 6 中小企業・小規模事業者の働き方改革について
議長(柳居俊学君)曽田聡君。 〔曽田聡君登壇〕(拍手) 曽田聡君 皆様、おはようございます。公明党の曽田聡でございます。 質問に入る前に一言申し上げます。 国際政治学者イアン・ブレマー氏が提唱したGゼロは、国際的なリーダーシップを担う国やグループが存在しない状態を指しています。 現在、アメリカの覇権の後退と自国第一主義が台頭し、中国の台頭と権威主義モデルの拡大、EUや国際機関の求心力が低下し、G7、G20、国連などの多国間協調が機能不全に陥っています。 また、ウクライナやガザなど国際紛争が長期化し、日本の周辺でも台湾や南シナ海などで地政学リスクが拡大し続け、今、新たに中東地域での戦火の拡大が危惧されています。 パンデミックや気候変動への国際対応の遅れ、そしてグローバル経済の不安定化・分断、国際ルールや民主主義、人権など、価値観の揺らぎが、私たちの暮らしの中で少なからず影響を及ぼしています。 このような状況の中、山口県民を守るため、様々な情報を的確につかみ、県議会で議論するため日々活動していくことをお約束し、通告に従い質問をさせていただきます。 初めに、山口県の照明の二〇二七年問題への対策の状況についてお尋ねします。 令和五年十一月、スイスで行われた、水銀に関する水俣条約締約国会議で、令和九年(二〇二七年)の蛍光管製造禁止が決定し、昨年十二月二十四日、石破内閣で閣議決定も行われました。 今回の決議で水俣水銀条約締約国百四十七か国全てが、あと三年でLED化しなくてはならない国際競争をつくってしまいました。 ただでさえ半導体不足が社会経済に深刻な影響を与え、国際的な貿易取引の材料にもされていますし、発光ダイオードや部品資材の取り合い、特にLED原料のガリウムは九八%を保有する中国の資源戦略の影響が懸念されています。 蛍光管を買いだめしておいても、蛍光灯に内蔵されている安定器の寿命が来た時点で、その照明は不点灯となります。安定器の寿命は十年から二十年と言われており、古い施設では既に不点灯が相次ぐ状況となっています。LED化を終了させずにおくと、蛍光管を確保したとしても、安定器の寿命が来た時点でLED資材が入手困難となった場合、施設の照明が不点灯となり、最悪、県有施設の公共機能が損なわれることになります。中でもコンパクト蛍光管は二〇二六年十二月には生産が終了することから、その更新が急がれます。 先日、この問題の専門家に話を聞いてきたところ、市町村レベルでの対策は全国でも始まっているが、都道府県単位で対策に着手しているところはまれであり、その膨大な施設数と必要な資金額が調達できず、重要施設に不点灯が発生するおそれがあるとの指摘がありました。 令和九年(二〇二七年)までに県内の照明のLED化を終了しておくことが重要な課題となっています。県内では、長門市と阿武町ではLED化が進んでいると聞いています。 県では、昨年九月に山口県庁舎LED化工事に関するサウンディング型市場調査の結果公表を行い、また県議会において、昨年九月の定例会で自由民主党会派の有近議員の照明のLED化についての質問を受け、今年度から更新工事をするとされております。 そこでお尋ねします。まず、県庁舎をはじめとする県有施設のLED化について、スピード感を持って迅速に進めていくべきと考えますが、どのように進めているのか、お伺いいたします。 次に、最優先に対処する必要があると考えられる県立学校のLED化について、どのように進められるのかをお伺いいたします。 また、県営住宅については、入居者の方から照明のLED化について声が寄せられています。共用部分だけでなく、玄関灯、台所灯なども県の設置器具であり、県営住宅のLED化についてはどのように考えておられるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、県職員のカスタマーハラスメントの対策についてお尋ねします。 顧客や取引先からの社会通念上許容される範囲を超えるような要求などの著しい迷惑行為であるカスタマーハラスメント、いわゆるカスハラについて、昨今、社会の関心が大きく高まっています。 国においては、これまで、厚生労働省から令和二年に、事業主が雇用管理上講ずべき措置等についての指針が、そして令和四年には、カスタマーハラスメント対策企業マニュアルが示されており、このほど、国会でいわゆる労働施策総合推進法が改正され、カスハラ対策が事業主の雇用管理上の措置義務とされることとなりました。 これにより、現在、雇用管理上の措置義務の対象となっているセクハラ、パワハラ、マタハラ、そして介護に起因するケアハラの四種類のハラスメントにカスハラが加わることとなります。このほか、改正法では、公明党が働く人を守る観点から政府に提言していた、従業員向けの相談体制の整備や、実効性を高める国の指針策定なども盛り込まれました。 カスハラは自治体職員など公務員に対して深刻な問題となっており、昨年、総務省が全国の自治体職員に対して行ったアンケート調査によると、過去三年間にカスハラを受けたことがある職員の割合は三五%であり、令和五年に民間労働者に行った調査の一〇・八%より高くなっております。 民間と公務では提供するサービスの違いがあり、一概に比較はできませんが、いずれにせよ、要求の内容や要求を実現するための手段・態様が社会通念に照らして相当な範囲でなければならないことは言うまでもありません。 現在、自治体における対策も進んできており、東京都や群馬県などでの条例制定をはじめ、独自のカスハラ対応方針やマニュアルの策定・公表などの取組が進んでいます。 また、より住民に身近なサービスを提供する市町において、県内全ての市において、職員の名札の表記をフルネームから名字に変更したとの報道もあります。目に見える形でカスハラ対策が進みつつあると感じています。 本県においても、これまでカスハラによって業務に支障が生じている事例があるとのことであり、今般の法改正を一つの契機として、今後の民間の取組を促す意味から、これまでより一歩踏み込んだ対策を講じることが必要と考えます。 そこでお尋ねいたします。県では、カスハラから職員を守り、健全な就労環境を確保するため、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、県民が効果を実感できるデジタル実装の推進についてお尋ねします。 社会のデジタル化は日進月歩で進んでおり、我々の生活は日々豊かになっていると実感しております。 令和四年十一月に、無料で使える基本モデルチャットGPT(GPT三・五)が発表されました。生成AIを一般社会で生活する私たちが知るところとなり、社会的に爆発的な広がりを見せました。 御案内のとおり、生成AIとは、人間のように文章、画像、音声、動画などをつくり出す人工知能のことで、用途や技術ごとに様々な種類があります。 例えば、テキスト生成AIでは、オープンAIのチャットGPT、スマホにも搭載されているグーグルのジェミニなど、コード生成AIでは、ウィンドウズパソコンに搭載されているマイクロソフトのコパイロットやアマゾンのコードウィスパラーなど、画像生成AIでは、オープンAIのダリ・スリーやアドビのアドビファイアフライなど、そのほか音声生成AI、音声合成AI、音楽生成AIと、今では生成AIのその数は、モデル単体での数で言えば、何百種類以上存在し、オープンソースとクローズドを含めると、全世界で千種類以上の生成AIが開発されています。 先般、これまた進化を続けるドローンの展示会を視察してきました。大阪万博でもドローンの技術を活用した次世代エアモビリティーの社会実装の一環として、空飛ぶクルマの展示が話題となっています。 今、自立・自走型の無人の技術を活用したドローンは、様々な分野に広がっています。豪雪地帯の危険で重労働な作業を補う小型・無人除雪ドローンや、海に囲まれ、水資源に恵まれた日本において、水上・海洋領域が抱える社会・産業課題の解決が期待される水上・海洋ドローン、そして本年一月二十八日に埼玉県八潮市で発生した下水道管破損による道路陥没事故は、私たちにとって衝撃な出来事でありました。 こうした下水道管破損による道路陥没事故は、全国で年間約二千六百件も起きているとお聞きしました。下水道管の点検は、狭くて暗くて汚い場所での危険な作業が伴います。その代替として超狭小空間点検ドローンの活躍も期待されています。 下水道管だけでなく道路や橋など、高度経済成長期に集中的に整備されたインフラ全体の老朽化対策に様々なドローンが開発されています。そこで収集した様々なデータを生成AIで解析することにより、インフラの維持管理に予算や人員が不足している現状を打破できると考えます。 このようなデジタルの力の恩恵を利用者が実感できる、人間中心のデジタルの社会実装を本県においてもさらに拡大、加速していかなければなりません。 本県では「Y─BASE」を核として、デジタルによる地域の社会課題解決やデジタル人材の育成に取り組まれております。 そこでお尋ねいたします。県民が効果を実感できるようなデジタル実装をどのように推進していかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、移住支援についてお尋ねします。 政府は本年六月十三日、新しい地方経済・生活環境創生本部を開催し、今後十年間で集中的に取り組む、地方創生二・〇基本構想を示しました。 東京圏から地方への人の流れをつくり出すため、地方に転出する若者の割合を倍増する目標を設定し、地方の担い手不足が深刻化する中で、国の成長率を維持し、持続可能な社会を目指す考えを打ち出し、基本構想の中では、人口減少が進む中でも、都市も地方も安心・安全に暮らせる持続可能な社会をつくっていく必要があり、十五歳から二十九歳の若者が東京圏から地方へ転出する割合を、令和六年(二〇二四年)の二・五%から、令和十六年度末(二〇三四年度末)までに五%にすると目標を掲げています。 本県でも人口減少の流れは全国地方自治体と同じ状況にあり、昭和三十三年(一九五八年)の約百六十二万人をピークに人口が減少し、令和五年(二〇二三年)には初めて百三十万人を下回りました。最新の推計では、令和七年(二〇二五年)五月一日現在の山口県の総人口は百二十六万七千八百十二人で、現在も年間一万人超で自然減プラス転出超過となっており、人口構成を見ても六十五歳以上が増加し、高齢化率が上昇していることも同様であります。 私は二月下旬、東京有楽町の東京交通会館にある、ふるさと回帰支援センターを訪ねました。私が住む山口市にも当センターで、相談・情報収集され移住された方や地域おこし協力隊経験者の案内で移住し、協力隊として活躍している方もおられます。 また、新山口駅北口のKDDI維新ホールに併設する、アカデミーハウスで毎月開催される、異業種の方が集まるランチ会にも話題提供者として、たくさんの移住者、地域おこし協力隊の方が山口市はじめ、本県を舞台に活動する模様を紹介されています。 当センターでは、地方への移住相談件数、令和六年(二〇二四年)六万一千七百二十件と過去最高となる中、山口県への新規移住相談件数は全国で十位、セミナー新規参加者数は全国で六位と、いずれも本県への関心の高さを示しています。 本県での地域おこし協力隊員数は、推移を見てみますと、一年以上隊員期間を有する協力隊員が当該年度に在籍した人数は、平成二十二年(二〇一〇年)三人に対し、令和三年(二〇二一年)に百四人と最高となり、令和六年(二〇二四年)には八十四人と、本県に対する関心の高さがうかがえます。 本県では、本年五月、「住んでみぃね!ぶちええ山口」県民会議を開催し、令和六年度の移住に関する事業の実績を整理されています。大都市圏での移住関連フェアなどへの出展として、六月から十二月の間、計九回、参加者数は約三万六千人、相談者数千四百十二人と、その関心の高さが全国順位にも表れております。 そこでお尋ねいたします。人口減少が続く中、若者の転出超過、そして十代、二十代の女性の県外流出が喫緊の課題であります。ただし、大都市圏で開催されている移住関連フェアでの山口県への関心の高さは、さきに示したとおりでございます。この流れを逃すことなく、さらなる移住支援にどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。 次に、野生鳥獣対策についてお尋ねします。 令和六年度(二〇二四年度)の野生鳥獣による農林業被害は、平成二十二年度(二〇一〇年度)の約八億円から減少傾向にあり、約三億五千万と大幅に減少したものの、過疎化や人口減少、耕作放棄地の増加などにより、野生鳥獣の生息域が拡大しております。 本県の主な野生鳥獣の生息数は、ニホンジカが令和五年度、推定約五万頭、ニホンザル、令和二年度、推定二千八百頭から三千七百頭、ツキノワグマ、令和二年度、推定約千三百頭、イノシシについてはデータなしと報告されています。 とりわけ、ニホンジカについては、昨年度捕獲数は前年度より四・五%増加し、速報値で過去最高となる一万九百四十三頭でしたが、推定生息数は年々増加しており、被害金額は前年度より減少したものの一億円を超え、被害金額全体を占める割合も増加傾向にあります。 ツキノワグマについては、昨年度、県内で三件の人身被害が発生し、県東部、県中央部だけでなく、最近では県西部でも人里に出没していることをニュースなどで目にするようになりました。 中山間地域では耕作放棄地も多くなり、人が山に入らなくなったことから、人と野生鳥獣の生息域の間に緩衝地帯が少なくなったため、農林業被害の高止まりや人身被害の増加といった、野生鳥獣と人とのあつれきが深刻化しているものと考えます。 一方、全国で見ると、狩猟免許所持者数については、昭和四十五年度の約五十三万人から、平成二十四年度には約十八万人まで減少し、平成二十八年度はやや持ち直して約二十万人に、ただ平成二十年度以降は六十歳以上の狩猟者が全体の六割と依然高齢化が進んでいます。 山口県の狩猟免許所持者数は、ピークの昭和五十一年度には約九千三百人いたのが、令和六年度には約四千百人に減少し、六十歳以上が六割超と高齢化が進んでいます。 このような状況の中、捕獲の担い手の確保や育成が課題となっています。例えば、銃火器に覚えのある自衛隊OBや警察官OBを人材として活用するスキームをつくり、担い手を確保することはどうでしょうか。 また、今まで電波が届きにくかった中山間地域でも、衛星とスマホの直接通信ができるようになったことから、新しい捕獲技術の研究やICTを利用したわな作動通知システム等、デジタル技術も活用した効率的な捕獲方法の導入などが有効ではないかと考えます。 そこでお尋ねします。県では、捕獲の担い手の確保・育成、効率的・効果的な捕獲方法の導入・普及など、野生鳥獣対策にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、中小企業・小規模事業者の働き方改革についてお尋ねします。 令和三年の全国の企業数は約三百三十七万者、そのうち中小企業・小規模事業者は九九・七%の約三百三十六万者、平成二十八年の約三百五十八万者と比較すると、一年当たり約四万者減少していることになります。 政府は、六月の経済財政諮問会議で雇用の七割を占める中小企業の賃上げ原資を増やすため、令和十一年度までの五年間、中小企業・小規模事業者の賃金向上推進五か年計画を推進するとしています。官民で六十兆円程度の生産性向上に投資するほか、飲食や宿泊など人手不足の深刻な十二業種の個別支援も進め、二〇二〇年代に最低賃金を全国平均千五百円へ引き上げるため、たゆまぬ努力を継続すると強調していますが、その中小企業・小規模事業者の賃上げを実現するために、従業員の働き方改革が大切であります。 コロナ禍を経て経営者の悩みは、一つ、人手が足りず現場が回らなくなり、残業を削減したくても人がいないなど、少人数で事業を回している企業にとって切実。二つ、IT導入、人事制度改革、外部専門家の活用などはコスト負担が大きい上、投資に見合う効果が出るのか不安。三つ、改革しようにも何から手をつけていいか分からない、就業規則の変更など自社に合った制度設計・運用ノウハウがない。四つ、せっかく制度をつくっても使われず、社員の意識改革が進まない。五つ、経営者自身が、自分がやらなければという責任感から、経営者自身が長時間働いている。六つ、法改正が頻繁で内容が難しく感じられ、法改正への対応が後手になりがちになっているなど、多岐にわたる専門的・実践的な課題であり、社内改革が進みにくい働き方改革を進める上で非常に重要な視点であります。 こうした中、山口県では、中小企業・小規模事業者の働き方改革の実現に向けて、時間や場所にとらわれない新しい働き方の導入を支援するため、ワークショップの開催や伴走支援に取り組まれています。 また、KDDI維新ホール三階の山口しごとセンター内に設置されている、やまぐち働き方改革支援センターでは、企業や従業員からの相談にワンストップで対応する窓口として、アドバイザーが企業からの依頼に応じて、直接訪問して助言や提案を行うアウトリーチ支援を行っています。 一方、国の委託事業、働き方改革推進センターは、全国均一なレベルで、より専門的・実践的な支援ができる全国社会保険労務士会連合会が受託し、全国四十七都道府県に設置されています。 本県でも、働き方改革サポートオフィス山口として、さきに述べたように様々な悩みを抱えている経営者の方々に対し、社内改革のための相談窓口を開設し、テレワーク導入、助成金活用等、働き方改革の個別課題に特化したサポートや診断ツールの提供、改善計画の策定支援、セミナーや研修の開催支援を行っており、両者の連携が重要と考えています。 私は、賃上げや生産性向上、人材の確保・定着など、本県中小企業・小規模事業者を取り巻く課題に対処するため、国との緊密な連携により働き方改革を推進する必要があると考えています。 そこでお尋ねいたします。県では、働き方改革が思うように進まない中小企業・小規模事業者の相談窓口として、県のやまぐち働き方改革支援センターと、国の働き方改革サポートオフィス山口が設置されていますが、県はこの両者を中心に、今後どのように働き方改革を推進していかれるのか、御所見をお伺いし、私の一般質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)曽田議員の御質問のうち、私からは、移住支援についてのお尋ねにお答えします。 少子高齢化の進行と若年層を中心とする県外への人口流出により、本県の人口減少が一段と深刻さを増す中、その克服に向けては、移住・定住の取組を強力に進め、本県への人の流れを拡大していくことが重要です。 このため、県では、市町や関係団体等と組織する県民会議を中心に、効果的な情報発信や移住相談窓口でのきめ細かな対応、本県の魅力を伝えるセミナーの開催など、移住の促進に向けた取組を積極的に進めてきました。 その結果、昨年度の移住者数、移住相談件数は、ともに過去最高を更新し、また、国内最大規模の移住情報サイトの人気移住地域ランキングでも全国四位に選ばれるなど、本県への関心と評価は着実に高まっています。 今年度は、こうした成果を基盤に、本県への移住に関心を寄せる若い世代が本県での暮らしへの理解を深めることで、移住へと踏み出せるよう、若者のニーズに応じた支援策を進めていきます。 具体的には、本県への移住関心層に向けた情報発信として、豊かな自然や食など、本県ならではの魅力の発信に加え、県内在住のインフルエンサーを活用し、移住後の生活がイメージできるショート動画を作成し、SNSで発信していきます。 また、本県での暮らしへの理解を一層深める取組として、移住者でもある地域おこし協力隊の知見も活用しながら、都市部の若者が繰り返し地域を訪問し、課題解決等に取り組む新たなプログラムを県内四地域で実施し、愛着心を醸成することで、関係人口からその先の移住へとつなげていきます。 加えて、若者が、年齢や職業等の垣根を越えて交流する、サードプレイスのモデルづくりに取り組み、地域にゆかりのある県内外の大学生と若手社会人との交流を図ることで、若者の県内定着やふるさと回帰を促進していきます。 さらに、より深く地域での生活を体験でき、移住にも結びついている、県営住宅を活用したお試し暮らし住宅の一層の活用など、市町と連携した取組を進めてまいります。 こうした取組に加え、本県からの転出超過が最も多い福岡県から、若い世代を呼び込むため、来月下旬に、暮らしと仕事の相談拠点を新たに福岡に設置し、この拠点を核として、移住者の増加に努めていきます。 私は、今後とも市町や関係団体等と緊密に連携しながら、本県への関心の高まりをしっかりと捉え、若者の移住・定住の促進に積極的に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)大川総務部長。 〔総務部長 大川真一君登壇〕 総務部長(大川真一君)山口県の照明の二〇二七年問題への対策状況に関する御質問のうち、県有施設のLED化についてのお尋ねにお答えします。 県有施設のLED化は、省エネルギーによる地球温暖化防止や、職員の働きやすい職場づくりなどの観点から重要であると考え、これまで老朽化したものや故障したものから逐次、LED照明への切替えを行ってきたところです。 こうした中、議員お示しのとおり、令和九年十二月末までに、全ての一般照明用蛍光灯の製造や輸出入が禁止されることから、照明設備のLED化について、早期に対応することが求められています。 このため、今年度から工事を行っている県庁舎については、照明器具の多くが受注生産品であることから、昨年度、本県独自の手法として、あらかじめ製造業者を決め、工程の一部である設計や試作品の作成を事前に実施することにより、工期の短縮を図るなど、着実に進めているところです。 また、総合庁舎等の八施設については、劣化状況等を勘案し、順次、改修を進めてきた結果、今年度末までには、六施設で終了する見込みとなっており、残る二施設についても、早期のLED化を目指してまいります。 さらに、このほかの県有施設についても、各施設の特性や利用状況等を踏まえ、計画的かつ速やかに整備を進めることとしています。 県としましては、県有施設の有する公共機能に支障が生じることのないよう、引き続き、スピード感を持って、適切に対応してまいります。 次に、県職員のカスタマーハラスメント対策についてのお尋ねにお答えします。 カスハラは、個人の尊厳を傷つけるだけでなく、職場の公務能率や士気の低下を招くなど、組織運営に深刻な影響を及ぼすことから、組織として厳正かつ毅然とした対応を行うことが重要であり、これまで、各種研修の実施やハラスメント相談窓口の整備等に取り組んできたところです。 また、本年三月に策定した、人材育成・確保基本方針においても、働きやすい職場環境の確保に向け、職員からの声も踏まえながら、引き続き効果的な対策や取組の在り方を検討することとしています。 この考えの下、本年四月に出先機関の窓口担当者等を対象にヒアリングを行ったところ、これまで把握していた長時間に及ぶ苦情相談や威圧的な言動に加え、職員の対応等をインターネットやSNSへ書き込む、名札を写真に撮るなどの迷惑行為が報告されました。 こうした中、お示しのとおり、国においても労働施策総合推進法が改正され、本県においても、迷惑行為が多様化・深刻化していることから、カスハラ対策の一層の充実に努めることが急務となっています。 このため、現在、全職員を対象とした職員アンケートを実施しているところであり、今後、アンケートの結果も踏まえ、カスハラの判断基準や職員の対応の在り方、県民への周知方法等を整理した上で、予防と対策の両面から具体的な取組について検討を行うこととしています。 加えて、人材の確保と質の高い行政サービス提供の観点からは、カスハラを受けた職員のケアが重要となることから、相談・研修体制の構築についても検討を進めます。 今後、こうした取組を加速させ、国の動向も踏まえながら、本年中に県職員向けのカスハラ対応方針を策定したいというふうに考えています。 県としては、各種の迷惑行為から職員を守るとともに、安心して働ける職場環境の実現に向け、引き続きカスハラ対策にしっかりと取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)仙石土木建築部長。 〔土木建築部長 仙石克洋君登壇〕 土木建築部長(仙石克洋君)山口県の照明の二〇二七年問題への対策状況に関するお尋ねのうち、県営住宅のLED化についてお答えします。 県営住宅では、平成二十六年以降に整備した建物の照明を全てLED化しており、それ以前に整備した建物については、故障したものから逐次、LED照明への切替えを行ってきたところです。 こうした中、令和九年十二月末までに、蛍光管の製造や輸出入が禁止されることから、県では、その時期までの切替えを見据えて、今年度から計画的に取り組んでいます。 具体的には、LED化の対象が五百六十六棟、約一万一千五百戸と多いことから、照明設備の老朽化を考慮し、古い建物の割合が高い地域から順次行うこととしていますが、限られた期間内で施工を行うためには、入居者との円滑な調整が不可欠となります。 このため、まずは、県営住宅の指定管理者と密接な連携が取れる山口市内で、入居者へのアンケート調査などにより、施工時期等の調整を行い、そこで得られたノウハウを活用しながら、他の地域での工事を効率的・効果的に進めてまいります。 県としましては、入居者の方々が安心して住み続けることができるよう、引き続き、県営住宅のLED化に着実に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)池田総合企画部長。 〔総合企画部長 池田博之君登壇〕 総合企画部長(池田博之君)県民が効果を実感できるデジタル実装の推進についてのお尋ねにお答えします。 誰もが安心して豊かに暮らせる持続可能な地域社会をつくっていくためには、生成AIなど革新が進むデジタル技術を積極的に活用し、本県が直面する様々な課題の解決につなげていくことが重要です。 こうした考えの下、県では、デジタル実装推進基金を活用し、県政の各分野において、県民の生活実感の向上等につながるデジタル実装の取組を集中的に進めているところです。 具体的には、お示しのインフラの維持管理の分野では、ドローン・AIを橋梁などの点検に積極的に活用し、業務の精度を向上させるとともに、活用により短縮した時間を他の維持管理業務等に充てるなど、効率化を図っています。 また、県民の利便性向上に向けて、配車や走行ルートをAIが最適化するデマンド交通アプリの導入や、遠隔通信機能等を搭載した車両を用いて、高齢者等の通院負担を軽減するオンライン診療など、様々な取組を進めているところです。 こうした中、先般、国においては、防災や医療・介護、モビリティーなどの分野を中心に、デジタルを最大限に活用し、公共サービスの維持・強化と地域経済活性化を進めるとの方針も示されました。 国の方針も踏まえ、今年度は、災害時に、ドローンを活用して、孤立した集落や避難所等に速やかに支援物資を届ける緊急物資輸送体制を構築するほか、DXの積極的な活用により、介護現場の生産性向上や中山間地域での見守り体制の充実を図るなど、取組を拡大していきます。 また、交通分野では、利便性の高い魅力ある地域づくりと運転士不足の解消等を目的に、周南市で進めている自動運転EVバスの実証を、レベル四での運行を目指す段階へとステップアップさせることとしています。 さらに、「Y─BASE」において、デジタル人材の育成プログラムを充実させ、生成AIの活用等に関するコンサル機能も強化したところであり、引き続き、先進事例の創出とその横展開を進めていきます。 県としては、県民の皆様にデジタル実装の効果を実感していただけるよう、市町や企業、関係団体等と連携しながら、県政の様々な分野で、デジタルを活用した課題解決の取組を積極的に推進し、着実に社会実装へとつなげてまいります。 議長(柳居俊学君)山本環境生活部長。 〔環境生活部長 山本毅君登壇〕 環境生活部長(山本毅君)野生鳥獣対策についてのお尋ねにお答えします。 野生鳥獣による被害は、農林業や県民生活に深刻な影響を及ぼすことから、県では、これまでも市町や猟友会等と連携し、被害防止と生息数管理の両面から捕獲に取り組んでいます。 一方、ニホンジカを中心に生息数が増加傾向にあると推定され、野生鳥獣対策の強化が求められる中、狩猟免許所持者の減少や高齢化が進んでおり、捕獲の担い手となる人材の確保・育成が喫緊の課題となっています。 このため、担い手の確保については、狩猟に興味のある方等を対象に、狩猟免許取得に向けた研修会を猟友会と連携して開催するほか、今年度からは、商業施設等での免許試験の広報や、SNSを活用した情報発信を行い、受験者の拡大に取り組んでいます。 さらに、人材の掘り起こしに向けても、銃の取扱いに慣れた自衛隊OB等への働きかけに加え、若い世代の協力が不可欠であるため、農業大学校や大学を訪問し、学生に狩猟の魅力等を伝えることで、幅広い担い手確保につなげたいと考えています。 次に、担い手の育成については、免許試験合格者を対象に、狩猟者登録に必要な経費の一部を助成するとともに、銃やわなの知識・技能や、狩猟マナー等に関する研修を行うなど、いち早く実践的な捕獲活動に取り組めるよう支援しているところです。 また、狩猟初心者等に対しても、猟友会協力の下、作成したマニュアルを活用し、ベテランの知識・技能を伝承する実地研修を開催するなど、中核を担う人材にステップアップできるよう取組を進めてまいります。 さらに、免許所持者が減少・高齢化する中でも捕獲を効果的・効率的に行うためには、新技術の活用が有効であるため、猟犬の代わりに鹿を追い込む効果が確認されたドローンを、今年度は猿追い払いの実証に活用することにより、さらに用途を広げていきたいと考えています。 また、鹿のわな猟における見回り等の負担軽減対策として、通信機能つきのセンサーカメラを活用して、リアルタイムに監視する捕獲方法を、今年度モデル的に実施することとしており、この成果を県内に横展開してまいります。 県としましては、今後とも、野生鳥獣による農林業被害の低減を図るとともに、県民の安心で安全な暮らしを確保するため、市町や猟友会等と連携し、さらなる野生鳥獣対策に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)永田産業労働部長。 〔産業労働部長 永田明生君登壇〕 産業労働部長(永田明生君)中小企業・小規模事業者の働き方改革についてのお尋ねにお答えします。 県内企業の人手不足が深刻化する中、中小企業や小規模事業者が持続的に成長するには、企業を支える人材の確保や定着に向け、ワーク・ライフ・バランスの実現など、働き方改革を推進することが重要です。 このため、県では、企業からの相談にワンストップで対応できる、やまぐち働き方改革支援センターを設置し、専任アドバイザーの企業訪問による課題解決に向けた支援や、働き方改革の普及に向けた各種セミナーの開催などに取り組んでいます。 また、支援センターを、県の就職相談窓口である、山口しごとセンターに併設させることにより、求人企業に対して職場環境改善の提案を行うなど、企業における働き方改革と人材確保を一体的に支援し、県内就職や職場定着につながる働きやすい職場環境づくりを進めているところです。 一方、国の働き方改革サポートオフィス山口は、アドバイザー全員が社会保険労務士の資格を有し、同一労働同一賃金の実現や長時間労働の是正等、労働関係法令を踏まえた労務管理に関する技術的な相談対応などの支援を行っています。 このように、県の支援センターは、企業の取組段階に応じた課題の解決策を提案するなど、働き方改革全般を幅広く支援するのに対し、国のサポートオフィスは、特に法律の専門知識が必要な分野を重点的に支援しており、それぞれが特色を生かしながら、企業に寄り添った支援を展開しています。 こうした中、企業は人材確保のため、労働者に選ばれる雇用環境づくりが求められるなど、働き方改革に対するニーズは高まっており、その内容も多様化・複雑化していることから、両者がより一層連携し、企業を支援していくことが重要です。 このため、これまでの両者間の相談案件や支援策の情報共有に加え、九月に支援センターが開催する、仕事と介護の両立支援セミナーでは、サポートオフィスが無料相談コーナーを設置するなど、両者が協力して企業を支援する予定であり、今後もこうした取組を広げていきたいと考えています。 県としては、今後とも、国の、働き方改革サポートオフィス山口との連携を深めながら、中小企業・小規模事業者の働き方改革に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)山口県の照明の二〇二七年問題への対策状況に関するお尋ねのうち、県立学校のLED化についてお答えします。 これまで、県教委では、国が進める公立学校施設の脱炭素化推進の観点を踏まえ、防災面も考慮しながら、照明設備の老朽化や故障による交換、あるいは学校施設の改築や大規模改修時に、適時、県立学校のLED照明への切替えを行ってきたところです。 その結果、現在、県立学校の屋内照明器具の約二〇%がLED照明となっていますが、議員お示しのとおり、照明用蛍光灯の製造や輸出入の禁止が令和九年末に迫っていることから、切替えを急ぐ必要があります。 このため、県教委では、LED化を重点施策に掲げ、今年度から集中的に県立学校及び県立の図書館、博物館などの社会教育施設におけるLED化の改修工事を行うこととしたところです。 また、工事に当たっては、各学校の行事や教育活動に十分配慮した上で、主に、放課後や夏休みなどの長期休暇の期間中に取替え工事を実施するとともに、地震などで照明が落下することのないよう、天井への直付けや、体育館等の高所に設置された器具への落下防止ワイヤの設置なども、併せて行います。 県教委としましては、スピード感が求められる照明のLED化と非構造部材の耐震対策による防災機能の強化に一体的に取り組み、引き続き、安心・安全で質の高い魅力ある教育環境づくりを推進してまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時四十五分休憩