1 荒廃農地の解消に向けた取組について 2 県産花きの振興について 3 消防体制の充実強化について 4 高齢者が安心して暮らせる介護提供体制について 5 防災・減災対策の推進について 6 AYA世代のがん患者に対する支援について
議長(柳居俊学君)高井智子さん。 〔高井智子さん登壇〕(拍手) 高井智子さん おはようございます。自由民主党の高井智子でございます。 村岡知事におかれましては、四期目の御当選、誠におめでとうございます。ますます山口県の発展にお力を注いでいただき、より住みよい県へとお導きください。 それでは、通告に従い質問をさせていただきます。 初めに、荒廃農地の解消に向けた取組についてお伺いいたします。 国が実施した統計データにより、本県の耕地面積は約四万二千五百ヘクタールであり、うち約三万六千ヘクタールが水田として活用されており、さらに農業産出額の約三割を米が占めるなど、全県的に米を基幹とする農業構造が見てとれます。 一方、県土の七割を中山間地域が占める本県の地理的特性と、全国を上回るスピードで進む高齢化による農業の担い手不足、さらには近年の生産資材の価格高騰などにより、本県の荒廃農地は約八千二百三十五ヘクタールと依然として高い水準にあり、農地の有効活用という観点で大きな課題を抱えています。 私の地元である宇部市において、農業者の方々からお話を伺う中で、続けたいけれど将来が見通せない、子供に継がせられる環境を整えてほしいといった農業経営の継続への不安の声を多く耳にし、農地を守り続ける努力への敬意とともに現場の厳しさを実感しており、このままでは農業経営の悪化によって、農業をやめられる方がさらに増加し、荒廃農地がより一層拡大する可能性もあるのではないかと心配しております。 そのため、県ではこれまで、規模拡大や新たな事業展開を目指す意欲ある担い手への経営強化支援や、農地の集積・集約化を図るとともに、米、麦など農地利用作物の需要に応じた生産体制の強化、生産量向上に向けた生産方法等の技術指導、区画整理や水田高機能化など生産基盤の整備による産地の維持・拡大、農地の保全に向けた活動支援などに取り組まれてきました。 しかしながら、意欲ある農業者が経営規模の拡大を志す中で、荒廃農地の再生には多大な費用と労力を要することから、その活用に踏み出せない現状があるとともに、新規就農希望者が就農計画の策定を断念する一因にもなっているとも聞いています。 荒廃農地の増加は、県民に安心・安全な食料の安定供給を図る上で影響を及ぼすとともに、雨水の貯留による洪水や土砂崩れ防止といった国土保全機能の低下、さらには豊かな自然環境の保全や良好な景観形成にも大きく作用します。 私は、人々の暮らしを支える重要な基盤である農地を守り、次代に引き継いでいくためには、荒廃農地の解消に向けた現場の農業者の方々の負担を軽減する取組の充実が不可欠であると考えております。 そこでお尋ねします。荒廃農地の解消に向けて、意欲ある農業者が農業を続けていくため、今後どのように取り組んでいかれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、県産花卉の振興についてお伺いいたします。 花卉とは観賞用植物の総称です。花卉は、その見た目の美しさや鮮やかさによって見る者に癒やしを与えるとともに、特別な日を彩り、私たちの生活に潤いを生み出すなど、心豊かな生活の実現には欠かせないものであり、日本を代表する伝統文化である生け花としても親しまれています。 また、花卉の生産は、農地の利活用や担い手の確保を図る上で重要であるとともに、花卉の販売・加工、国内外への輸送・流通を通じて、地域産業の活性化にも寄与しており、農業振興のみならず社会経済にも重要な役割を担っています。 そのため、国は、花き産業及び花きの文化の振興に関する基本方針に基づき、生産基盤の強化、流通販売の高度化、需要拡大、輸出促進、さらには文化としての花卉の普及など、花卉産業及び花卉文化の振興に取り組んでいます。 しかしながら、コロナ禍以降の社会の行動変容による需要の変化や安価な切り花の輸入の増加、燃料価格の高騰、近年の夏場の高温など異常気象への対応、さらには担い手の減少など、花卉の生産・供給体制や国際競争力の強化が緊要な課題となっています。 こうした中、県では、花弁が小さくフラワーアレンジメントなどに向いているユリのプチシリーズや、ほかの産地と比べ長く楽しめるリンドウの西京シリーズといった県オリジナル品種の育成や、生産者団体や市場関係者等と連携したPR活動、大都市圏等への販路拡大など県産花卉の振興を図られてきました。 さらに、昨年、山口きらら博記念公園において新たに中国地方最大級のフラワーガーデンがオープンするなど、子供から高齢の方まで多くの方が花に触れ、親しむことができる環境が充実し、県産花卉の振興の追い風となっています。 ぜひとも、県におかれては、このような時期を逃すことなく、県産花卉の魅力を県内外に向けて発信する機会と捉え、県産花卉の振興にしっかりとつなげていただければと思います。 こうした中、私も理事を務める山口県花き振興促進議員連盟が設立され、県議員自らが県産花卉のPRや生産者を含む関係団体との意見交換を通じて、県産花卉の積極的な利用の機運醸成などに取り組むことで、本県花卉産業の振興や花卉文化の活性化を図ることとしており、県と一緒になってその取組を加速化していきたいと考えています。 そこでお尋ねします。本県の花卉産業の持続可能な発展には、県産花卉の安定的な生産・供給とともに、様々な場面での需要拡大が必要でありますが、今後、県産花卉の振興についてどのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、消防体制の充実強化についてお伺いします。 総務省消防庁が示している市町村の消防の広域化に関する基本指針は、平成三十年の改正を経て、令和六年四月時点において、全国の消防本部数は平成三年のピーク時の九百三十六本部から七百二十本部となるなど一定の進展を見せております。 広域化を進めた消防本部では、人員配置の効率化や装備の充実、組織基盤の強化を通じ、住民サービスの向上といった成果が現れているとされており、地域によって懸念されていた消防力の低下や自治体との関係の希薄化も認められていないとの報告がなされております。 一方で、依然として管轄人口十万人未満の小規模消防本部が全体の約六割を占めており、広域化が十分に進んでいるとは言い難い状況にあります。 人口減少が続く中、生産年齢人口の減少による財政制約や人材確保の困難さが強まり、消防団員の担い手不足も含め、地域の消防体制を将来にわたり守り続けていくことへの不安を感じる声も少なくありません。現場を支える方々の御苦労に思いを致しますと、この課題への丁寧な対応が求められていると感じております。 また、人口の低密度化が進む中でも、住民の安心のために必要な署の数を大きく減らすことは難しく、即応体制の維持には一層の工夫が必要となります。高齢化の進展に伴い、自力避難が困難な方が増え、予防業務の重要性が高まるとともに救急需要も拡大しており、地域を守る消防力の強化はますます重要なテーマとなっております。 さらに、自然災害の激甚化・頻発化を考えますと、大規模災害に備えた体制整備は避けて通れません。 令和六年の能登半島地震のような災害発生時には、応援部隊到着前の初動体制の確保や、緊急消防援助隊との連携体制の構築が求められ、一定の職員数や指揮体制の確保が不可欠となります。 また、感染症拡大時には、救急体制への負担増や人員不足への対応も必要となり、柔軟な組織運営が可能な体制づくりの重要性が改めて認識されたところであります。 加えて、女性活躍の推進やハラスメント対策など働きやすい職場環境の整備、災害対応ドローンの活用やDX推進といった新たな行政需要への対応、専門人材の育成など、多様化する課題に向き合うためにも、組織基盤の強化は欠かせない視点であると考えます。 消防力の整備状況を見ても、小規模消防本部ほど職員数や資機材整備の面で厳しい状況が示されており、広域的な連携による補完の重要性が浮き彫りになっております。 こうした現状を踏まえますと、地域の安心を将来にわたり守り続けるため、国、都道府県、市町村が心を一つにしながら消防の広域化を着実に進め、小規模消防本部の体制強化を図ることは極めて大切な取組であると考えております。 そこでお尋ねします。山口県におかれましては、人口減少社会の進展や災害対応力の確保といった観点を踏まえ、市町消防の広域化の必要性についてどのように受け止めておられるのか。 また、地域の実情に寄り添いながら消防力の持続可能な確保を図るため、今後どのような方向性で関係市町と連携し、消防の広域化を進めていかれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、高齢者が安心して暮らせる介護提供体制についてお伺いします。 高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる社会の実現に向け、その基盤となる介護提供体制の確保は極めて重要な課題であります。 本県においても人口減少と高齢化が急速に進行しており、総人口は令和元年度の約百三十五万七千人から令和六年度には約百二十八万一千人へと減少を続けております。こうした人口構造の変化の中で、介護需要の増大と担い手不足への対応は、県政の重要課題であると考えます。 将来推計によれば、本県の要介護・要支援認定者数は二○三五年頃には約九万八千人でピークを迎え、二○二五年と比較して約八%増加する見込みとされております。 また、今後十年間で増加する認定者のうち約三割が要介護三以上の重度者と見込まれており、より専門性の高い介護サービス需要の拡大が想定されております。 一方で、現場からは人材確保の困難さが強く指摘されております。 山口県老人福祉施設協議会の要望においては、近年、一般企業の賃上げ率が五%前後で推移する中、介護分野の賃上げ率は約二・五%にとどまり、処遇格差が人材流出を招いていると指摘されております。 さらに、介護老人福祉施設の収支差率はマイナス一%と厳しい経営状況にあり、特別養護老人ホームの四割以上が赤字という実態も示されております。 このように、需要増加と人材確保難、そして事業所経営の逼迫が同時進行している現状は、本県の介護提供体制の持続性に影響を及ぼしかねない重大な課題であると受け止めております。 処遇改善に加え、若年層への就業促進、資格取得支援、ICT・介護ロボット導入による負担軽減、外国人材の受入れ環境整備など、多角的な対策の一層の推進が必要ではないでしょうか。 誰もがいずれ支えられる側となる社会において、介護提供体制の確保は県民の安心そのものに直結するため、将来にわたり持続可能な介護提供体制の確保に向けた力強い取組が必要だと思います。 そこでお尋ねします。今後、さらに要介護認定者の増加が見込まれる一方で、生産年齢人口の減少に伴い、介護人材の確保がますます困難となる中、また、物価上昇や賃金動向が事業所経営に影響を与える中、本県の将来を見据えた持続可能な介護提供体制を確保していくため、県は、今後どのような具体的施策を展開していかれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、防災・減災対策の推進についてお尋ねします。 昨年の八月初旬、本県は、県西部や中部を中心として大雨に見舞われ、県内各地で河川の護岸崩壊等の公共インフラの被害や、床下浸水等の被害が発生いたしました。 その際、私の地元である宇部市では、真締川下流域の市内中心部において、広範囲に内水氾濫が発生し、多数の家屋等が浸水被害を受け、災害救助法の適用を受けることとなるなど、甚大な被害が発生しました。その際には、迅速な御対応ありがとうございました。 近年、全国各地で自然災害が激甚化・頻発化していますが、その中でも水害の恐ろしさを間近で実感した出来事でした。 こうした水害への対策として、県では、流域のあらゆる関係者が協働して水害対策を推進する流域治水の考えに基づき、河川改修事業や治水ダムの整備などの従来からのハード対策や、洪水浸水想定区域図の策定など、住民避難の円滑化に寄与するソフト対策に取り組んでおられます。 そうした中、昨年に宇部市で発生した浸水被害は、内水氾濫によるものではありますが、その対策には、内水の放流先となる真締川の河川改修が必要となると聞いております。県には、地元の関係者の意見もしっかり聞きながら、検討を含め、対策に取り組んでいただきたいと思っております。 また、大雨の際の自然災害といえば、土砂災害も頭に浮かびます。県では砂防堰堤の整備や土砂災害警戒区域等の指定などの対策に取り組まれており、本県では幸いにも近年は大規模な土砂災害は発生していませんが、平成三十年七月の豪雨では、岩国市や周南市において、貴い人命が失われた甚大な土砂災害が発生したことを忘れてはなりません。 昨年十二月に宇部市の小野小学校で、どこでもトークが開催され、私も地元議員として参加いたしましたが、その際にも意見交換のテーマとして、土砂災害対策が上がりました。 具体的には、小野小学校の体育館は土砂災害警戒区域に入っているため、災害時の避難所として使用ができないというお話であり、地元における活動を通じて、対策が求められる箇所もいまだあると実感したところです。 地元である宇部市での事例を交えながらのお話でしたが、県内様々な場所で、同じように対策が求められている箇所があると思います。 土木分野に限らず、様々な行政課題がある中で、限られた予算ではあると思いますが、大雨などの自然災害の際に県民の生命に直結する治水対策や土砂災害対策に、ソフト面も含め地元と対話を重ね、引き続き取り組んでいただきたいと思います。 そこでお尋ねします。県民の生命や財産、安心・安全な生活を守るため、治水対策や土砂災害対策といった防災・減災対策について、県は今後どのように取り組んでいくのか、県の御所見をお伺いいたします。 最後に、AYA世代のがん患者に対する支援についてお尋ねいたします。 近年、医療の分野において、AYA世代と呼ばれる思春期・若年成人期の方々への支援の重要性が高まっております。 十五歳から三十九歳までのこの世代は、進学や就職、結婚や出産など人生の基盤を築く大切な時期であり、疾病、とりわけがんに罹患した場合、若くしてがんに罹患したことへの不安に加え、学業継続、就労機会、経済的負担、将来設計などに大きな影響を与えます。 AYA世代は、年間約二万人の方ががんと診断され、十九歳までは小児に発症しやすい血液のがんである白血病やリンパ腫、胚細胞腫瘍が多く、二十代からは甲状腺がんや子宮頸がんが増加し、三十代では乳がんと子宮頸がんが上位を占めています。 このようなAYA世代のがんについて、特に課題として指摘されているのが、治療に伴う生殖機能への影響であります。精巣がんや子宮頸がん・体がん、卵巣がんだけでなく、白血病やリンパ腫などに対する化学療法や放射線治療等により妊孕性が低下・喪失する可能性があることから、妊娠や出産を希望される方々にとっては心配される問題の一つとなります。 また、将来の結婚や恋愛関係における不安、そして、人生そのものを設計する上での困難を感じて苦しむ患者さんも少なくありません。 このような方たちのために、がん治療前に精子や卵子等を凍結保存する妊孕性温存療法が重要視されておりますが、その費用は保険適用外であり、AYA世代にとって妊孕性を温存するための費用が大きな負担となっております。 こうした課題に対し、例えば、京都府においては、平成二十九年度から生殖機能温存療法への助成事業を実施し、将来に希望を持って治療に臨める環境づくりが進められております。 また、福岡県でも、治療費の一部助成制度を整備し、若い患者が希望を持って治療に取り組めるよう支援が行われております。 さらに、福島県では、国事業に基づく助成を通じ、経済的負担軽減とともに臨床データの蓄積や療法普及にも取り組まれております。 加えて、温存後の生殖補助医療まで対象とする制度を整備する例もあり、将来設計を見据えた継続的支援が広がっております。 若い世代が病気によって将来の可能性を閉ざされることのないよう、地域の実情に応じた支援体制を整えることは極めて重要であります。若い世代が困難な状況にあっても、未来への希望を持ち続けられる社会の実現は、地域の持続可能性にも直結する課題であり、温かく切れ目のない支援体制の充実が求められていると考えます。 そこでお尋ねします。AYA世代が抱える特有の課題を踏まえ、妊孕性温存への支援、相談体制の充実、関係機関との連携強化などについて、どのような施策展開をしていかれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 以上で、私からの質問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)高井議員の御質問のうち、私からは、県産花卉の振興についてのお尋ねにお答えします。 彩りある花は、私たちの生活に安らぎや潤いを与えてくれるなど、心豊かな県民生活の実現に大きな役割を果たすとともに、農家の所得向上につながる収益性の高い品目として、本県の農業振興のみならず、地域産業の活性化を図る上において極めて重要です。 このため、私は、ユリのプチシリーズやリンドウの西京シリーズなど、県産オリジナル花卉の育成とともに、中国地方最大級となるフラワーガーデン等の拠点整備や東京等大都市圏におけるフェアの開催など、県産花卉の生産拡大並びに需要拡大に積極的に取り組んできたところです。 こうした中、お示しのとおり、コロナ禍以降の社会の行動変容による需要の変化や、国際情勢等の不安定化による燃油や資材価格の高騰、近年の猛暑等気候変動への対応など、花卉生産農家においても厳しい状況が続いています。 このため、私は、山口県花き振興計画を本年三月に改定し、担い手の確保・育成をはじめ、需要拡大や生産体制の強化など、計画に沿った取組を着実に進めるとともに、県産花卉の新たな需要の創出と生産拡大に向けた取組を強力に推進します。 具体的には、まず、新たな需要の創出として、山口DCの開催に合わせて、首都圏のシニア層を主なターゲットとしたフラワーツーリズムの誘致や、来年横浜で開催される国際園芸博覧会への出展等により、大都市圏や海外への販路開拓を進めます。 また、本県の花卉文化の醸成に向け、フラワーガーデンをはじめ、県内の花の交流拠点におけるフラワーアレンジメント等の体験イベントなどを通じて、子供から大人まで県民誰もがこれまで以上に花に触れ、親しむ環境を創出し、花の消費拡大につなげます。 次に、生産拡大に向けては、県内外で評価の高い本県オリジナル花卉の増殖体制を構築するため、オリジナルユリ百万本の生産を目標とし、種苗増殖圃場の拡大による優良種苗の供給体制を強化します。 また、夏の高温障害の対策として、生産現場における徹底した技術指導やオリジナルリンドウ西京の夏鈴など耐暑性に優れた品種の導入に加え、遮光・遮熱資材や冷房機器等の導入促進により、県産花卉の品質向上を図ります。 私は、今後とも、心豊かな県民生活の実現に向け、花卉文化の醸成を図るとともに、JAや花卉関係団体等と緊密に連携しながら、県議会の皆様とも協働して、本県の花卉振興に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)岡本農林水産部長。 〔農林水産部長 岡本章生君登壇〕 農林水産部長(岡本章生君)荒廃農地の解消に向けた取組についてのお尋ねにお答えします。 県民への食料の安定供給や、農業・農村の多面的機能を維持するためには、担い手による農地利用を促進するなど、暮らしを支える農地の維持・確保を図ることが重要です。 このため、県では、市町が策定した地域計画に基づき、担い手への農地の集積・集約化を促進するとともに、意欲ある担い手の経営安定に向けて、収益性の高い品目の導入や省力化技術の普及などを進めてきたところです。 しかしながら、お示しのように、近年の高齢化の進行に伴う担い手不足等により、中山間地域等の条件不利地域を中心に、荒廃農地の増加が懸念されることから、県としては、その解消や発生防止に向けた取組の強化を図ることとしています。 具体的には、まず、荒廃農地の解消については、このたび、拡充整備された国の農地集積・集約化等対策事業を活用し、農地中間管理機構が行う遊休農地解消対策による農地の再生整備や、規模拡大に取り組む意欲ある担い手への農地集積を促進します。 また、中山間地域等直接支払制度を活用し、引き続き、草刈りや樹木の伐採など、地域における農地の共同再生活動等による取組を支援します。 次に、荒廃農地の発生防止については、現在の地域計画において、将来の担い手が位置づけられていない農地の利用集積を図るため、市町や地域の農業委員会等と連携し、関係者による活発な意見交換を通じて、地域計画の見直し、ブラッシュアップによる新たな担い手へのマッチングを促進します。 さらに、新たに農地を引き受けた担い手が、将来にわたって持続可能な生産活動を営めるよう、スマート農機等の導入に対応した農地の大区画化や品質・収量の安定化に向けた水田高機能化などの整備を加速します。 県としては、市町や中間管理機構等と連携し、地域農業の維持・発展に向けた荒廃農地の解消や発生防止に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)大川総務部長。 〔総務部長 大川真一君登壇〕 総務部長(大川真一君)消防体制の充実強化についての二点のお尋ねにお答えいたします。 まず、市町消防の広域化の必要性に係る県の受け止めについてです。 人口減少や高齢化が進行する中にあっても、持続可能な市町消防の体制構築に向け、限られた人的・物的資源を活用し、行財政上のスケールメリットを発揮できる消防の広域化は、極めて重要です。 消防の広域化については、頻発化する大規模災害等に的確に対応できる消防体制の確立に向けて、国が平成十八年に策定した指針を踏まえ、本県では平成二十年に消防広域化推進計画を策定し、取組を進めてきました。 策定当初は、全県一本部とする目標を掲げましたが、広域化に慎重な市長会の意見等も踏まえ、平成二十三年に宇部・山陽小野田地区及び周南地区の二地区での広域化を目指すこととし、宇部・山陽小野田地区は、平成二十四年に広域化を実現したところです。 次に、今後どのような方向性で関係市町と連携し、消防の広域化を進めるのかについてです。 現計画で定める周南地区では、将来の広域化につながる指令業務の共同運用が来月から開始されるなど、地域での連携が着実に進んでいることから、引き続き、広域化の実現に向け、その取組を後押ししてまいります。 また、現計画で広域化の対象となっていない四つの小規模消防本部については、計画の改正時から大きく社会情勢等が変化していることを踏まえると、改めて、広域化の重要性に対する理解を得ることが必要と考えています。 このため、今後は、全消防長が参加する会議等を活用し、広域化による行財政運営上のメリットや効果等について直接説明を行うこととし、市町の自主的な取組を促進してまいります。 加えて、広域化が困難な場合の選択肢として、将来的な広域化への足がかりとなる指令業務の共同運用についても、通信設備の更新時期等に合わせて検討が進むよう、各消防本部に働きかけていくこととしています。 県としては、人口減少下にあっても持続可能な消防体制の構築に向け、消防業務の主体である市町に寄り添いながら、引き続き、消防の広域化や指令業務の共同運用などに積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)石丸健康福祉部長。 〔健康福祉部長 石丸泰隆君登壇〕 健康福祉部長(石丸泰隆君)高齢者が安心して暮らせる介護提供体制についてのお尋ねにお答えします。 高齢化が進行し、介護の需要の増大・多様化が見込まれる中、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、必要な介護サービスを持続的に提供する体制の充実が重要です。 このため、県では、介護事業所が、将来にわたり質の高い介護サービスを提供することができるよう、介護人材の確保・定着や、近年の物価上昇等に対する安定的な経営に向けた支援に取り組んでいます。 まず、人材の確保・定着については、介護福祉士を目指す学生への修学資金の貸付けのほか、中高年齢者や他業種からの転職希望者等に対して、求職から就職までの一貫した支援等により、多様な人材の参入を図るとともに、職場定着に向けて施設従事者の資格取得経費への助成等を行っています。 加えて、来年度新たに、留学生の受入れに取り組む介護施設等に対して、受入れ手続等への伴走支援を行うとともに、海外での採用・広報活動等の経費や、留学生の生活環境整備費用を助成するなど、質の高い外国人介護人材の円滑な受入れに向けた切れ目ない支援を行ってまいります。 また、介護職員の賃金改善を促進するため、介護事業所を対象に処遇改善加算の要件や取得方法に関する研修会を開催するとともに、賃金体系の整備などの相談に対応する社会保険労務士等を個別に派遣しているところです。 次に、安定的な経営に向けた支援については、昨年十一月の国の総合経済対策に速やかに対応し、賃上げ、職場環境改善を行う事業所への支援や、備品購入費用等に対する補助などの財政支援に積極的に取り組んでいるところです。 また、物価上昇等の影響を受けている介護事業所の負担軽減を図るため、国の重点支援地方交付金等を活用し、光熱費や食材料費に対する支援を充実してまいります。 さらに、今年度、介護テクノロジーを活用した業務の効率化やサービスの質の向上に取り組む事業所への補助制度を充実させるとともに、事業所からの生産性の向上等に関する相談にきめ細かく対応する体制を整備したところであり、来年度はこうした取組をさらに拡充することとしています。 県としましては、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、関係団体等と緊密に連携しながら、介護提供体制の維持・確保に取り組んでまいります。 次に、AYA世代のがん患者に対する支援についてのお尋ねにお答えします。 子供を授かることを望む若い世代のがん患者にとって、がん治療による妊孕性の低下は、結婚や出産など、将来に関わる重大な問題であると認識しています。 このため、県では、AYA世代のがん患者を支援するため、お示しのとおり、妊孕性の温存に向け、治療費への助成やきめ細かく相談できる体制の確保、適切な医療を提供する医療機関の連携強化などにこれまで取り組んできたところです。 まず、治療費への助成については、患者の経済的負担を軽減するため、妊孕性温存療法は令和三年度から、また、温存後生殖補助医療は令和四年度から、県が費用の一部の助成を開始しており、これまで約五十名の患者に対し支援してきました。 次に、相談体制の確保については、県看護協会に設置している県のがん総合相談窓口や県内のがん診療連携拠点病院等のがん相談支援センターにおいて、AYA世代の患者の疑問や不安が解消されるよう、専門的な知見を有する看護師等による相談体制を構築しているところです。 さらに、医療機関の連携強化については、妊孕性温存療法を行う医療機関と、がん診療連携拠点病院等との間において、専門的な最新知見等について情報交換する場を設置するなど、妊孕性の温存を希望する患者が、がん治療に先立ち、円滑かつ迅速に温存療法を受けられる体制の整備に努めています。 今後は、こうした取組を着実に進めていくとともに、国の妊孕性温存療法等に係る動向を踏まえながら、県がん対策協議会等の議論を通じて、子供を持つことを希望するAYA世代の患者に寄り添った支援の在り方について検討していく考えです。 県としましては、引き続き、医療機関や関係団体等とも緊密に連携し、AYA世代のがん患者が希望を持ってがん治療に臨めるよう、しっかり取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)仙石土木建築部長。 〔土木建築部長 仙石克洋君登壇〕 土木建築部長(仙石克洋君)防災・減災対策の推進についてのお尋ねにお答えします。 近年、気候変動に起因する記録的な集中豪雨等による災害が全国で激甚化・頻発化している中、こうした災害から県民の生命・財産を守るためには、防災・減災対策を進めていくことが極めて重要です。 このため、県では、国の第一次国土強靱化実施中期計画を踏まえた予算等も活用し、河川や土砂災害防止施設の整備などの防災・減災対策について、計画的に取り組んでいるところです。 また、今後、これまで以上に水害リスクの増大が予測されていることから、こうした取組に加え、お示しの流域全体のあらゆる関係者が協働して水害を軽減する、流域治水の考えに基づき、ハード・ソフト両面から防災・減災対策の取組を進めています。 具体的には、ハード対策として、令和五年七月に甚大な浸水被害を受けた厚狭川等における河川改修や、平成三十年七月に大規模な土石流が発生した新造谷川等における砂防堰堤の整備など、地元の御理解を頂きながら、着実に実施することとしています。 さらに、昨年記録的な豪雨があった宇部市では、真締川の河川改修について、浸水被害の軽減を図るため、宇部市が実施する内水氾濫対策と連携しながら、早期の事業化に向けた検討を進めているところです。 また、小野地区の土砂災害対策について、小野小学校体育館を含む区域において、土石流から住民の生命や財産を守るため、地元関係者と調整しながら、事業化に向けた調査・検討を進めているところです。 こうした中長期的な取組に加え、短期的に効果を発現するしゅんせつについて、来年度予算を大幅に増額し、治水上の観点はもとより、地域のニーズも踏まえ実施することとしています。 次に、ソフト対策として、洪水のリスク情報の空白域を解消するため、全ての県管理河川の洪水浸水想定区域の指定を今年度末に完了させる予定です。 また、土砂災害のリスク情報を周知し、警戒避難体制の強化を図るため、現在、高精度な地形情報を活用して、土砂災害が発生するおそれがある箇所の抽出作業を行っているところであり、作業が完了し次第、土砂災害警戒区域等の指定に向けた詳細な調査を進めることとしています。 なお、これらの対策の実施に当たっては、より効果的・効率的に行えるよう、河川の変状や砂防堰堤の堆積土砂量の監視などに、ドローン等によるデジタル技術を活用した取組を進める考えです。 県としては、県民の安心・安全の確保のため、引き続き、あらゆる関係者と連携しながら、ハード・ソフト両面から防災・減災対策の推進に積極的に取り組んでまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時二十九分休憩