1 孤立の問題について 2 部活動の地域展開について 3 高度な技術を備えた産業人材の育成・確保について
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第六十四号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第六十四号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 林直人君。 〔林直人君登壇〕(拍手) 林直人君 皆さん、おはようございます。自由民主党の林直人です。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 まず、孤立の問題について、それぞれのライフステージに起因する課題を三つほど質問いたします。 一つ目は、在宅医療・介護環境についてです。 結婚していようがいまいが、誰でも最後は独りになる、老後の独り暮らしは全く怖くないし、むしろ住み慣れたおうちで死ぬことができる。 百三十万部を超えるベストセラーとなった著書「おひとりさまの老後」は、多くの読者に共感と安心を届けました。著者で社会学者の上野千鶴子さんは、このように話されています。 介護保険ができてから二十数年間、現場をずっと歩いてきて、つくづく分かったことがあります。「家にいたい」は年寄りの悲願。「家にいたい」は「家族と一緒にいたい」という意味ではありません。たとえ誰もいないおうちでも、ごみ屋敷みたいなおうちでも、お年寄りは、設備の整った施設より、おうちが好きということがつくづく分かりました。「おうちにいたい」という年寄りの悲願が、かなえられない理由は何か。それは「家族に迷惑をかけたくない」から。迷惑をかける家族がいないおひとりさまは、むしろラッキー。 上野さんは、おひとりさまの孤立状態が幸せだと伝えているのではありません。結婚しても子供がいても、配偶者に先立たれたり、子供と疎遠になったりすることが決して珍しくない時代、家族がいれば安心と過信せず、地縁・血縁以外のネットワークを持つことが大切、介護保険など公的サービスを堂々と利用し、依存先を増やすことが現代社会の自立だと述べています。 ここで問題となるのは、東京や福岡などの都市部と同様に、必要な介護保険サービスを地方の里山暮らしでも利用できるのかという問題です。お年寄りが、最後まで住み慣れたおうちで過ごすためには、二十四時間対応してくれる訪問介護と訪問看護、そして訪問診療が必要となります。上野さんが幸せだと提唱する「おひとりさまの老後」が、高齢化率全国第六位の山口県でもかなえられるように、全力で取り組んでいかなければなりません。 そこでお伺いします。本県では来年度、第八次やまぐち高齢者プランの最終年度となっていますが、在宅医療・介護連携の推進はどの程度充実してきているのか。そして、提供体制の充実は図られているのかをお聞きします。里山暮らしを続けたいお年寄りが、在宅医療・介護サービスがないために、施設入所や家族の住む都市部に移住せざるを得ない現状をお聞きします。人生の最終章を後悔なく、幸せに過ごせるような山口県であることを願います。 二つ目は、親の介護に起因したひきこもりなどへの対応についてです。 六十五歳以上の総合相談窓口である地域包括支援センターでは、日々多くの在宅介護相談を受けています。例えば、「父が排せつ時に服やベッドを汚してしまいます。もう施設にお願いしたいのですが、父は「誰にも世話にならん」と言い、サービスを利用しようとしません。私も仕事があるし、まだ子育てもしていますし、どうしたらいいでしょうか。」、二つ目は、「ばあさんは腰が悪いけえ、ベッドだけ借りたい。介護はわしがしとるけえ、心配要らん。介護保険も要らんし、わしが帰って介護しとるから誰の世話にもならん。」、三つ目は、「義理の母からファクスが届き、「息子はあんたの言いなり。私のことはどうでもいいと思っちょるんじゃろう。こんなに困っちょるのに誰も心配する者はおらん。」と書かれていました。心配なので母のところへ行ってみてもらえますか。」等、相談は様々です。 相談者とはコミュニケーションを図り、御苦労に寄り添います。一つの相談から多種多様な課題が波及し、各種専門職と連携をして解決の糸口を探ります。 そんな中でも、私たち福祉職が最も困難ケースと認識しているのが親の介護の抱え込みであり、先ほどの事例二つ目のケースです。遠方にいた五十代、六十代の息子が単身で実家に戻り、親の介護を抱え込みます。親の介護のために退職して実家に戻ったと話されますが、自身の生活費は少なく、親の年金を当てに生活せざるを得ない状況のケースです。家事能力の低い男性は生活環境を整えることができず、結局は年老いた母親が食事の支度から洗濯まで行っています。母親にとっては、どんなに苦労を強いられても耐えられるかわいい息子。定期訪問して、安否を確認することぐらいしかできないのがこのケースです。 就職氷河期世代といわれる一九七〇年生まれから一九八四年生まれの方は、今年で年齢が四十二歳から五十六歳になります。その中でも、超氷河期世代は二〇〇〇年前後の卒業生で、当時の実就職率は約五五%、現在の九〇%を超える率と比較すると、まさに天と地の状況でした。不況の中、企業は人件費を抑えるために、正社員の仕事を非正規に置き換えることで、不本意非正規が増大し、年々正社員採用が難しくなるスパイラルに陥りました。その都会暮らしで社会的孤立を強いられた世代が、田舎に戻り親の介護を担います。誰にも素性を知られたくないために、地域との交流を避け、親の介護に固執、依存し、孤立を深めていきます。 本県では、このような八〇五〇問題に対しても危機感を持ち、全国に先駆けて包括的な相談体制を整えています。中学校区ごとに設置している地域包括支援センターや、生活サポートセンター下関などの生活困窮者自立相談支援、山口しごとセンターや、宇部市のふらっとコミュニティなどのPPP(官民協働)は、高い評価を受けています。福祉人は孤立する介護者に手を差し出し、あなたは独りではないのだからとコミュニケーションを図りますが、目に見える早期の成果物はありません。しかし、多くの知見から風を読み、SOSを察知する能力は孤立を助け、自殺を防ぎます。本県には、引き続き、相談援助に対し、御理解を賜り、孤立の現場に身を置く福祉人に対しまして適切な評価を頂きたいとお願いいたします。 そこでお伺いします。親の介護のために引き籠もるケースをはじめ、ダブルケアやヤングケアラーなど、福祉的課題が複合化・複雑化している世帯が増加していますが、支援プロセスには、多職種連携の重層的支援の視点が必要であると考えます。私は、クライアントにアウトリーチし、相談援助できる福祉人材の育成と拡充が重要であり、福祉人を増員する手だてが最も必要だと考えますが、県は、どのようにしてこの難局を乗り越えていくのか、御所見をお伺いいたします。 三つ目は、若者の自殺対策についてです。 日本の自殺者数は、二〇〇三年の三万四千四百二十七人が最多で、昨年、二〇二五年は、警察庁の速報によると、一万九千九十七人となりました。二〇〇三年当時は自殺者の半数以上が中年男性で、借金、生活苦等の経済問題が原因であり、国は、個人の問題ではなく、社会問題と捉え、相談窓口の拡充や多重債務者への法的支援、再就職支援など、中高年の自殺者対策を講じ、少しずつ減少に転じました。 しかし、近年増えているのが十代から二十代の自殺です。厚生労働省人口動態統計によると、不慮の事故や悪性新生物等の死亡率は減少しているのに対して、自殺死亡率だけが漸増しており、死因順位一位となってしまっています。 国の、いのち支える自殺対策推進センターは、自殺は、人が自ら命を絶つ瞬間的な行為としてだけではなく、人が命を絶たざるを得ない状況に追い込まれる、プロセスとして捉える必要がある。自殺に至る心理は、様々な悩みが原因で心理的に追い詰められ、自殺以外の選択肢が考えられない状態に陥ったり、社会とのつながりの減少や、生きていても役に立たないという役割の喪失感、また与えられた役割の大きさに対する過剰な負担感から、危機的な状態にまで追い込まれてしまったりする過程と分析をしています。 日本の小・中・高生は、一週間で約十人自殺しています。世界的にも類はなく、G7各国における十歳から十九歳の死因において、自殺が一位になっているのは日本だけです。文部科学省の調査では、自殺の背景は不明が半数を占めており、手だてがないのが現状です。厚生労働省による令和四年度の国民生活基礎調査では、子供の貧困率も三年間で三ポイント改善、貧困率の高いとされる、独り親と未婚の子供のみ世帯の平均所得も十万円近く改善しています。このように、社会保障制度が充実し、表面的には豊かになっている日本ですが、片や児童虐待事件は五年間で倍増、ひきこもり状態の若者も二倍を超え、SNSが起因する犯罪は後を絶ちません。公的なセーフティーネットのたもとで、生きづらさを感じ、もがいている方々のSOSは、支援者が立ち止まっていてはキャッチができず、孤立を深めます。「物で栄えて心で滅ぶ」、奈良薬師寺管長であった高田高胤さんは、戦後の高度経済成長の中で日本が豊かになっていく一方、日本人が大切な心を失っていくことに強い危機感を抱いていました。便利になればなるほどに、人は感謝の気持ちや謙虚さを忘れがちになります。私は、デジタルネーティブ時代を生きる若者に必要なのは、学校教育で幼少期から育まれる、豊かな心だと感じています。 一九九四年、教育現場で集団的ないじめが深刻化すると、集団ではなく、個人の尊重が叫ばれ始めました。それまでは好むと好まざるとにかかわらず、人は集団に入らざるを得ませんでしたが、一転、どういう人と付き合うのかを選ぶ自由を手に入れました。集団にいてもいい、誰と付き合ってもいい、一人で生活してもいい、そんな社会はとても魅力的に感じますが、意外と簡単ではなく、相手から拒否されることもあり、孤立しないためには努力を要し、気を遣い不安を抱く、孤立不安社会の到来となりました。二十四時間いつでもどこでも交流できてしまう過剰なつながりは、精神の疲労を招き、誰にも嫌われたくないと思えば思うほどに希薄なコミュニケーションとなり、孤立を深め、相手との信頼関係は築けず、自尊心が削られていきます。私は、幼少期からデジタルデバイスに触れる時間が長くなり過ぎて、リアルな体験が不足していることに危機感を感じています。遊びの中で生まれる衝突や共感の繰り返しが豊かな心を育んでいくと思いますが、リアルが詰まったオフラインの遊びは、はやりではありません。二〇二五年、電通の調査では、十代の約六五%がAIを親友や母と同等に、感情を共有できる存在とみなしているそうです。否定されない安心感、気を遣わなくていい手軽さ、二十四時間いつでも隣にいる存在と信頼されています。理想の反応しか返さないAIに依存した若者は、現実の人間関係を苦痛に感じることは容易に理解でき、現実からの乖離はとめどなく進行します。AIとの関係は自分自身の感情だけであり、まさしく孤立した状態。現実のコミュニケーションにはノイズがあり、相手の体調や機嫌、利害関係などが混ざり合います。社会には摩擦ゼロの環境などなく、現実に戻るためのリハビリには、多職種のつながりが重要になります。 本県では、国の自殺総合対策大綱を踏まえ、子供、若者、女性の自殺対策を強化されました。第四次自殺総合対策計画では、孤独・孤立対策やゲートキーパー養成などを実施。相談窓口として二十四時間無休対応のこころの救急電話相談や、SNSを活用した、こころのLINE相談@やまぐちを設置されています。昨年は自殺対策の土台として、こどもの居場所サポートブックをNPO法人山口せわやきネットワークとの協働により発行されました。現場で様々な課題と向き合っている専門職の皆さんは、子供の居場所は、人とのつながりだと話されています。社会は時に激しくバッシングをしたり、失敗に対し、個人に強く責任を求めたりする風潮があります。子供や若者が地域コミュニティーの中で育つことが困難となっている今、私たち大人が信頼づくりの手本を示していかなければなりません。 そこでお伺いします。本県では、山口県教育振興基本計画を策定し、豊かな心の育成に取り組んでおられますが、教育現場の中でどのように展開されていますか。そして、国は、昨年、自殺対策基本法を改正し、関係者との連携を図りつつ、子供の自殺の防止に努めることが学校の責務とされました。子供の自殺防止に向け、自殺の危機にある子供を早期に見つけ、対応するため、今後どのように取り組んでいくのか、県教委の御所見をお伺いいたします。 次に、部活動の地域展開について質問いたします。 部活動の地域展開には、保護者の経済的負担や送迎の負担、地域クラブの不足などの課題があり、現在、各自治体で試行錯誤している状況下にあります。子供と保護者の混乱を招き、地域も主体が定まらないことへの不満によって、いらいらが募っています。学校教育の転換期であり、仕方がないと寛容に受け止めなくてはならないのでしょうが、立ち止まり、経過する年月があまりにも長過ぎて、その間の子供たちには、かける言葉もありません。これはまさしく政治の責任であり、教員や保護者、地域の責任ではありません。県や市町の関係団体には、信頼あるリーダーシップによって道筋を示し、早急に歩んでいかなければなりません。 部活動にはスポーツ部と文化部のカテゴリーがありますが、スポーツ部に比べ、文化部の地域展開が遅れているように感じます。吹奏楽部や美術部は、学校独自の設備を使用しており、学校以外の場所で地域展開するのが困難となっています。それでも、周南市では、百五十以上の地域クラブの登録のうち、約六十団体もの文化活動が登録してくれています。遅れている文化部の地域展開には珍しく、来年度末までの完全移行を目指し、積極的に取り組んでおられます。今年度で、国が定めた改革推進期間は終了し、来年度からは本格展開へと向かいますが、県としても、文化部の地域展開が円滑に進むよう、広域的視点から取組を進めていただきたいと考えています。 次に、スポーツ部ですが、県内では、様々な取組がスタートしています。例えば、防府市は、今年三月末までに、平日を含めた全面移行を明確に示し、進んでいます。学校部活動の終了スケジュールを掲げ、学校の枠を超えた交流を促進していることから、子供や保護者には大きな安心感となっているようです。十六時以降の指導者確保に課題がありますが、防府市の熱いリーダーシップに応えてくれる指導者が少しずつでも現れるのではないかと期待ができます。 次に、地域性の異なる長門市は、市営クラブ、Nクラ(NAGATOスポーツ・カルチャークラブ)を設立し、昨年八月に市内全ての中学校部活動を廃止しました。これも休日だけではなく、平日も含めた全面的な移行です。Nクラでは、競技ごとに拠点を設け活動し、生徒の移動には送迎バスを運行させています。人口規模の少ない中学校ではできなかった活動を創出し、生徒の思いを形にしています。 このように、先進している地域には共通点があり、市町全体で生徒の新しい放課後の居場所づくりを進めています。部活難民や部活移住とも言われるように、自治体の存続にも関わる社会問題となっています。ただ単に先生の代わりを探すのではなく、ポジティブな視点で、熱量あるリーダーシップを発揮されている自治体に、地域が動かされる好循環を、ぜひ他の市町にも波及させていただき、県全体の活力としていただきたいと願います。 本県でも、やまぐち部活動改革応援バンクを設置し、指導者の発掘と把握、マッチングの仕組みを整備しました。まだまだ登録団体や指導者も少ないようですが、今後広域に展開されていくと期待しています。 私が懸念する課題は、スポーツ・文化離れと体験機会の消失です。これまでは、まるで学校の授業のように活動していた部活動が有料になり、場所も離れてしまいます。何となく放課後を学校部活動で友人と過ごせていたニーズも、専門の先生が教える場となれば、ハードルも上がり、敬遠され、生徒は居場所を失うでしょう。 部活動は非認知能力を学ぶ最適な場所であり、協調性に忍耐力、主体性に社会性は、部活動で学んだという大人も多いのではないでしょうか。私は、今までの部活動にあったような生徒の居場所を地域クラブにも担っていただけるよう、対策を講じる必要があると考えます。そのためには、保護者と団体への経済的支援と活動場所支援、そして物品支援が必要であり、対策が急がれます。 そこでお伺いします。改革推進期間は三月で終わり、四月からは本格展開となりますが、市町に対する具体的な支援策なども踏まえ、県は、部活動の地域展開に向けて、今後どのように取組を進めていかれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、高度な技術を備えた産業人材の育成・確保について質問いたします。 山口県の高校卒就職内定率は全国トップクラスの常連であり、県内の工業・商業高校では、資格取得や技術習得に加え、挨拶や礼儀、規律といった社会人に必要なスキルを熱心に教育し、即戦力で活躍できる人材育成を行っています。山口県の高校生は返事がよく、現場でかわいがられると高い評価を得ており、その信頼は県内だけではなく、多くの県外有力企業から注目されているために、残念ながら引き抜かれてしまっている現状もあります。高い技術を持ち、働く意欲のある若者を育成し、県内で満足して働ける環境づくりに取り組まなければなりません。 県内には、日本屈指の製造拠点である瀬戸内コンビナートが存在し、化学、鉄鋼、造船、鉄道車両が集積しています。インフラは巨大で、国際拠点港湾は下関港と徳山下松港の二港、重要港湾は小野田港、宇部港、三田尻中関港、岩国港の四港、地方港湾も二十三港あり、火力発電所に近い柳井港ではLNGの輸入も行われています。複数の国際拠点港湾を有するのは本県のほかに北海道と福岡しかなく、重要港湾以上の港湾数でも、北海道に次いで山口県が多くなっています。 山口県の製造品出荷額は、二〇二三年で約七・八兆円でありますが、その約半分を化学工業、石油製品等製造業が占めているのも特徴です。化学工業地帯が近接している徳山下松港や宇部港では、原材料となるバルク貨物輸送が大きな存在となっており、国から国際バルク戦略港湾に選定されています。大型船が入港できる本県の港湾インフラ環境はバルク輸送に欠かせず、石炭などの産業の基礎材料を安定的に、そして安価に輸入する広域拠点として全国屈指の高い価値を持っています。 山口県は、これからGX戦略地域として、このコンビナート地域を中心に、未来をつくるエネルギー拠点としてのリーダーシップを取っていく存在となることが期待されます。エネルギー安定供給確保と経済成長、脱炭素の同時実現を目指すグリーントランスフォーメーションには、クリーンエネルギーの供給拡大が必要不可欠ですが、本県産業には、水素とアンモニア製造のポテンシャルがあり、カーボンリサイクルやバイオ由来燃料の精製・供給にも既存インフラが活用できます。国の後押しを頂き、GX型コンビナートに向けた設備投資への経済的支援が拡充されることで、一層の産業力強化につながります。また、瀬戸内のコンビナート企業群を中心とした化学、石油、鉄鋼などの基礎素材型産業や、周辺の高度なものづくり技術を持つ中堅・中小企業は、世界的に需要が急拡大している半導体・蓄電池の分野における本県の大きな強みとなっています。 そして、こうした成長産業を支えるのは、高度な技術を備えた本県自慢の産業人材です。厳しさを増す激動の世界経済の中で、本県が将来にわたって地域の雇用と経済の活力を維持・創出していくためには、本県産業の未来を見据え、県内企業や高校・高専、大学等との連携をしながら、産業人材の育成・確保を強力に推進していかなければなりません。 そこでお伺いします。GX型コンビナートの関連企業や半導体関連産業等の成長産業が、今後県内に新たな雇用を創出することが期待される中、高度な技術を備えた産業人材の育成・確保に、今後どのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いし、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)林議員の御質問のうち、私からは、高度な技術を備えた産業人材の育成・確保についてのお尋ねにお答えします。 GXの進展など世界的な産業構造の変化が進む中、本県の産業力を強化し、成長と安心の好循環の原動力となる「稼ぐチカラ」を高めるためには、半導体・蓄電池等の成長産業の集積やGX産業拠点の形成等を加速させることが重要です。 そのためには、高度技術を有する人材が不可欠であることから、私は、深刻な人手不足の中でも、県内企業が人材を確保できるよう、その育成と県内定着に向け、積極的に取り組むこととしています。 まず、半導体・蓄電池分野では、部素材の世界シェアを有する企業など、県内に集積する関連企業の認知度向上等に向け、企業や高専、大学と連携し、今年度は三校の高専の学生を対象に、業界研究や県内企業による講演と座談会、企業視察をパッケージにしたプログラムを実施したところです。 これに対し、参加した企業や学生から高い評価を得たことから、来年度は、対象を大学生にも広げるとともに、さらに効果的なものとなるよう、企業での実習体験など新たなメニューの追加等について検討を進めていきます。 また、GX分野では、製造現場に必要な技術的知識だけでなく、国内外のエネルギー情勢や規制・制度、企業経営、さらにはデータやAIの活用など、様々な知見を必要とするため、広範かつ専門的な知識を有する人材を育成することが必要です。 このため、コンビナート企業や大学、高専等との連携をより強固なものとし、社会人向け技術経営プログラムやデータサイエンティスト養成課程、地元企業との共同研究制度等を連動・充実させるなど、各教育機関の強みを生かした実践的なGX人材の育成・確保の仕組みづくりを進めていきます。 さらに、理系大学院修了者等を対象とする奨学金返還補助制度等も活用し、高度な専門知識を有する優秀な人材が県内で活躍できるよう取り組んでいきます。 加えて、こうした取組を推し進め、一層高まっていく本県の産業力や県内企業の魅力を、私自らも積極的に発信し、高校生をはじめとする若い世代に、本県産業を支える人材として働く未来に魅力を感じてもらい、将来の高度産業人材の裾野の拡大につなげていきます。 私は、強い産業の実現に向け、県内企業や教育機関としっかりと連携し、本県の産業力を支える高度産業人材の育成・確保に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)石丸健康福祉部長。 〔健康福祉部長 石丸泰隆君登壇〕 健康福祉部長(石丸泰隆君)孤立の問題についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、在宅医療・介護環境についてです。 高齢化が進行し、医療や介護の需要の増大・多様化が見込まれる中、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、医療、介護、予防、住まい、生活支援を一体的に提供する地域包括ケアシステムを推進していくことが重要です。 とりわけ、中山間地域等においては、人口減少や高齢化の急速な進行により、医療や介護などの必要なサービスやその担い手の不足が生じていることから、県では、高齢者プランに基づき、市町と連携して、在宅医療・介護提供体制の充実や、連携の推進に取り組んでいるところです。 まず、在宅医療・介護提供体制の充実については、訪問診療を行う病院・診療所や、訪問看護事業所、二十四時間対応で訪問介護と訪問看護を併せて行う事業所の整備を計画的に進め、おおむね順調に増加しています。 また、事業所の経営基盤の安定に向け、賃上げや備品購入、光熱費等に対する財政支援を行うとともに、業務効率を高めるICTの導入や、訪問介護員の採用活動等への支援を拡充することとしています。 次に、在宅医療・介護連携の推進については、全市町で医療・介護関係者が参画した会議が開催され、例えば、要介護者の急変時対応ガイドが作成されるなど、連携が進んでおり、県においても、中山間地域をはじめ各地で連携強化が図られるよう、専門職派遣や研修の実施により支援してまいります。 また、現在、国において、中山間地域における介護サービス提供体制の維持に関する検討が行われていることから、その動向の把握に努めるとともに、引き続き、市町や関係団体等と連携しながら、在宅医療・介護環境の充実に積極的に取り組んでまいります。 次に、親の介護に起因したひきこもりなどへの対策についてです。 地域におけるつながりが希薄化し、支え合い機能の低下が進行する中、社会的な孤立やヤングケアラーなど、複合化、複雑化する福祉的課題に的確に対応するためには、誰一人取り残さない包括的な支援体制を整備することが重要です。 このため、県では、市町に対し、内容を問わない相談対応をはじめ、アウトリーチを含む継続的な伴走支援や、地域社会への参加支援、住民同士が交流できる多様な居場所づくりの促進等を一体的に行う、重層的な支援体制の構築が図られるよう、支援しているところです。 こうした体制の構築に当たって、市町については、社会福祉協議会、地域包括支援センターの職員等、多職種との連携が重要であることから、県としては、複合化した福祉的課題の解決手法等について、研修を実施するとともに、先進事例の情報提供を行っています。 さらに、重層的な支援体制の中核として相談援助を担う社会福祉士や精神保健福祉士等、専門的な知識を有する福祉人材を配置する市町に対し、財政的支援を行っているところです。 県としましては、誰もが住み慣れた地域で、社会的に孤立することなく、安心して暮らし続けられるよう、福祉人材の育成・拡充を図るとともに、多職種が連携した重層的な支援体制の構築に向けて取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)木安観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 木安亜紀江さん登壇〕 観光スポーツ文化部長(木安亜紀江さん)部活動の地域展開についてのお尋ねにお答えします。 少子化が進展し、学校単位での部活動の継続が困難な状況が生じる中、子供たちがスポーツ・文化芸術活動に継続して親しむことができる機会を確保することが必要です。 このため、県では、地域の実情に応じた部活動の地域展開に向け、これまでの部活動にあった生徒の居場所としての役割を地域クラブが担うことができるよう、主体となる市町の取組を支援することとしています。 具体的には、まず、お示しの防府市、長門市といった、平日も含めた全面移行が進んでいる県内の先進事例を市町等へ積極的に情報提供するとともに、地域クラブに専門コーディネーターを派遣し、それぞれの実情に応じた運営手法や指導者育成等に係る指導・助言を行います。 また、地域クラブの拡大には、指導者の確保・育成が重要であることから、指導者とクラブを結びつける人材バンクのマッチング機能を強化するとともに、新たな指導者の発掘を目的とした研修会を開催することにより、地域クラブの全県への普及を促進することとしています。 さらに、保護者や団体への経済的支援等に向けては、国事業を活用し、生徒の移動手段となるバス借り上げや、クラブで使用する備品の購入等、市町の取組を支援するとともに、学校施設等の活動場所の優先利用や物品の活用に係るルールづくりを市町に促し、地域クラブの持続的な運営につなげてまいります。 県としては、今後とも、県教育委員会と一体となって、市町や関係団体等と連携し、部活動の地域展開が県内全域で円滑に進むよう取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)若者の自殺対策についてのお尋ねにお答えします。 子供たちが自ら命を絶つようなことは、いかなる事情であれ、決してあってはならず、何よりも、自殺を未然に防ぐ取組が重要です。 このため、県教委では、かけがえのない命を大切にする児童生徒の育成を目指し、生きる喜びを育む道徳教育や一人一人を大切にする人権教育、好ましい人間関係を築くための体験活動など、豊かな心を育む教育を推進しているところです。 また、これまで様々な自殺予防に取り組んできた中、お示しのとおり、昨年、自殺対策基本法が改正され、子供の自殺の防止に取り組むことが学校の責務とされたことから、悩みや困難を抱える児童生徒の早期発見や早期対応の取組の一層の充実強化を図っています。 まず、早期発見に向けては、教員による積極的な声かけや生活アンケート等の実施に加え、今年度、全ての県立学校に導入した心の健康観察アプリなど、一人一台端末の活用等により、自殺のサインを見逃すことがないよう、児童生徒の不安や困り事の把握に努めています。 特に、児童生徒の自殺が増加する傾向にある長期休業明けの前後においては、保護者や地域と連携した見守り活動を実施するなどの取組を行っているところです。 また、不安などを抱える児童生徒を早期対応につなげるため、これまでもスクールカウンセラー等の配置時間の拡充など教育相談の充実に努めてきたところであり、さらに来年度は、やまぐち総合教育支援センターに正規雇用のスクールソーシャルワーカーを一人増員し、関係機関等と連携した支援を一層推進してまいります。 加えて、学校が自殺予防に組織的に取り組むため、校長等の研修において、今回の法改正の趣旨や学校の責務等を徹底し、校長をトップとする校内体制の強化を図ることとしています。 県教委といたしましては、児童生徒の貴い命を守ることができるよう、市町教委や関係機関等と連携し、豊かな心を育む教育の充実や相談支援体制の強化など、自殺対策にしっかりと取り組んでまいります。