1 観光振興について 2 クルーズ戦略および日韓海上航路の活用とインバウンド戦略について 3 地域公共交通について 4 新たな犯罪形態への対応と地域防犯基盤の強化について
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(河野亨君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第六十四号まで 副議長(河野亨君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第六十四号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 酒本哲也君。 〔酒本哲也君登壇〕(拍手) 酒本哲也君 やまぐち県政会の酒本哲也です。通告に従いまして、順次質問いたします。 まず、観光振興について、関門地域、下関市のブランド力向上と県の役割についてお伺いいたします。 観光産業は、本県の地域経済を支える重要な基幹産業であります。交流人口の拡大は、宿泊業や飲食業のみならず、交通、物販、農林水産業など幅広い分野へ波及し、地域に新たな活力を生み出します。人口減少が進む中にあって、観光は外から稼ぐ力として、県経済の持続的な成長を支える重要な柱であります。 関門地域、とりわけ下関市の唐戸周辺は、近年、観光客であふれ返っております。金曜、土曜、日曜ともなれば、唐戸市場、あるかぽーと地区を中心に多くの観光客が訪れ、周辺道路では長時間の交通渋滞が発生しています。 実際、唐戸市場前に事務所を構える私自身も、週末は渋滞に巻き込まれるため事務所には徒歩で向かうほどであり、現場では観光客が増えていることを肌で実感しています。 一方で、受入れ体制も着実に強化されています。あるかぽーと地区には星野リゾートが運営するリゾナーレ下関が開業し、旧東京第一ホテルも大坂屋ホテルへと再生され、宿泊受入れ能力は向上しました。さらに、関門エリアはグリーン・デスティネーションズ トップ百に選出され、持続可能な観光地として国際的評価も受けました。 今、関門地域、特に下関市には、明らかに追い風が吹いております。しかし、この追い風を、下関市単独の成果にとどめるのではなく、本県全体の観光戦略へと波及させていく視点が必要であります。 観光は点ではなく、面で稼ぐ時代であります。関門を県西部の戦略拠点とし、位置づけ、そして、そのブランド力を、萩、長門、山口市など県内主要観光地へとつなげる広域導線設計を、県が主導すべきであると考えます。 一昨年、山口市がニューヨークタイムズ紙に取り上げられ、世界的評価を受けました。その後の受入れ体制や広域周遊への波及、消費単価向上への効果については、成功例と課題を冷静に検証し、次の政策へと生かしていく必要があります。 観光は、当たれば終わりではありません。評価をどう持続させ、どう波及させるかが問われております。 加えて、デスティネーションキャンペーンも始まります。この好機を生かし、関門のブランド力を高め、県全体の観光消費拡大へ結びつける戦略が不可欠であります。そのためには、週末に発生している渋滞への対応を含めた交通マネジメントの高度化を図るとともに、観光地間を円滑につなぐ二次交通の強化が不可欠であります。 あわせて、ナイトコンテンツの充実により滞在時間を延ばし、消費機会を創出していく取組や、クルーズ客を県内各地へと導く広域周遊ルートの設計も重要であります。さらに、関門地域の特色を明確に打ち出した一貫性あるブランド戦略を構築し、県全体の観光価値向上へとつなげていくことが求められております。 関門地域は、本県観光の西の玄関口であります。ここをどう活用するかが、県全体の観光成長の鍵を握っていると思います。 そこでお伺いいたします。関門地域、とりわけ下関市の観光振興について、県はこれまでどのように位置づけ、どのような役割を果たしてこられたのか。また、グリーン・デスティネーションズ トップ百選出やデスティネーションキャンペーンといった好機を捉え、広域周遊の強化や滞在型観光への転換も見据えた上で、今後、関門のブランド力をどのように高め、それを県全体の観光振興へと波及させていくのか、県の方向性をお示しください。 次に、クルーズ戦略及び日韓海上航路の活用とインバウンド戦略についてお伺いいたします。 二〇二五年、訪日外国人旅行者数は年間約四千二百六十八万人と、過去最高を更新し、初めて四千万人を超えました。訪日需要は本格的な拡大局面に入っており、日本を訪れる段階から、どの地域でどれだけ消費してもらうかという質の競争へと移っています。 こうした中、本県西部の玄関口である下関は、海からの国際観光拠点として大きな可能性を有しています。 下関港新港地区の人工島、長州出島は、本県観光の国際拠点としての役割を担い得る施設であります。加えて、下関─釜山を結ぶ関釜フェリーは、毎日一便の定期運航が行われ、韓国との安定的な人的往来を支える重要な航路であります。 仮にクルーズ船一隻が二千人規模で寄港し、一人当たりの消費額を二万円と仮定すれば、一回の寄港で約四千万円の経済効果が見込まれます。年間二十回寄港すれば、約八億円規模の消費効果となります。これは決して小さな数字ではありません。 しかし、現状では、多くのクルーズ客やフェリー利用客が唐戸周辺に滞留し、県内各地への周遊や滞在時間の延伸に必ずしも結びついていないとの指摘もあります。 今後は、単なる寄港地ではなく、滞在拠点として位置づける戦略が必要であります。 そのためには、高付加価値型体験商品の造成を進め、単なる見学型観光から体験型・消費型観光へ転向すること、歴史資源や食文化をさらに磨き上げ、付加価値の高いプログラムとして商品化すること、下関を起点に萩、長門、秋吉台、山口方面へと広がる県内周遊パッケージを体系的に構築すること、多言語対応やキャッシュレス対応など受入れ環境のさらなる高度化を図ること、そしてクルーズ、フェリー、空路を一体的に組み合わせた誘客戦略を構築すること、こうした総合的な取組が不可欠であります。 また、インバウンド市場の構造にも目を向ける必要があります。二〇二五年の国・地域別では、全国的に中国市場が再び大きな存在感を示しております。しかしながら、国際情勢や外交関係の影響により、特定国依存のリスクは常に存在します。 そのため、特定の市場に依存し過ぎないバランス戦略が必要であります。中国を含め、韓国、台湾、東南アジア、欧米豪市場など、多角的な市場構築が不可欠です。 その観点からも、宇部空港から韓国・ソウル便の定期就航の再開は極めて重要になります。海路と空路を組み合わせることで、東アジア圏からアクセスを多層化し、リスク分散と誘客強化を同時に図ることが可能となります。 下関は、本県観光の西の玄関口であります。この玄関口を、単なる通過点ではなく、消費拠点、周遊起点、国際戦略拠点へと昇華させることが、今後の観光政策の鍵を握ります。 そこでお伺いします。まず、下関港長州出島のクルーズ船受入れ及び関釜フェリーをはじめとする日韓海上航路の活用について、県はこれまでどのような戦略の下、取組を進めてこられたのか、また、下関市を県西部の国際観光拠点としてどのように位置づけ、今後どのように機能強化を図っていかれるのか、県の方向性をお示しください。 次に、クルーズ船寄港客や釜山からのフェリー利用客の増加、山口宇部空港─韓国・ソウル便の定期就航再開に向けた取組を、本県全体の観光振興につなげるため、滞在時間の延伸や消費単価の向上、県内各地への周遊促進をどのように進めていかれるのか。また、東アジア市場を見据えた誘客戦略の構築について、県としてどのような方向性で取り組まれるのか。また、特定市場への依存リスクも踏まえ、多角的なインバウンド戦略をどのように構築していかれるのか、県の見解をお示しください。 次に、地域公共交通について、深刻化するバス運転士不足への対応について質問いたします。 地域公共交通、とりわけバスは、高齢者や学生、自家用車を持たない県民にとって、生活そのものを支える移動手段であります。通学、通院、買物、さらには地域経済活動を支える基盤であり、その維持は行政の重要な責務であります。 しかし、現在、県内のバス事業者は、燃料費や物価高騰を上回る、より深刻な運転士不足という構造的課題に直面しております。 私が聞き取りを行ったサンデン交通では、現在の運転士数は約二百二十名で、その年齢構成を見ると、五十歳以上が約七〇%、六十歳以上が約三〇%を占めております。 年齢構成から見ても、今後、数年のうちに大量退職が見込まれ、このままでは地域公共交通としての役割を十分に果たせなくなるとの強い危機感が示されました。 さらに、賃金水準は全産業平均と比較して約二割程度低いとされており、若年層の確保が難しい一因ともなっております。働き方改革による労働時間規制の強化も重なり、現場の負担は限界に近づいております。 実際、下関市においても、運転士不足の影響により最終便の時刻が繰り上がるなど、住民生活に直接的な影響が生じております。これは一企業の問題ではなく、地域全体の移動基盤が揺らぐ重大な課題であります。 こうした中、県は燃料価格の高騰に対応する支援をしております。しかし、今後の税制変更により支援水準が縮小する可能性も指摘されております。さらに、現在、アメリカとイランの関係悪化など、中東情勢の緊張が高まっており、原油価格の上昇が懸念されます。燃料のみならず、人件費や整備費など、あらゆる経費が上昇している現状を踏まえれば、燃料・物価高騰対策としての継続的な支援が不可欠であります。 また、人材確保策としての免許取得支援についてですが、現在、短時間就業者限定の制度はありますが、バス業界の実態には必ずしも適合しておりません。再雇用者の多くは既に二種免許を保有しており、制度の活用余地は限定的であります。 二種免許を持たない新入社員に対し、事業者が最初に取得費用を負担した場合にのみ補助金を支給する、こういった仕組みを導入している例もあります。しかし、実際には、本人が一旦取得し、その後、一定期間の勤務を条件として会社が段階的に費用を返金する方式を採用している事業者も少なくありません。単なる取得時点の支援にとどまらず、定着促進までを視野に入れた制度が必要であります。さらに、安全確保と人材定着を両立させる観点も重要であります。 昨今、健康に起因する事故件数も増加傾向にあります。事業者によっては、脳ドック費用等を自ら負担し、安全対策を講じておりますが、厳しい経営環境の中で、その対応が経営を圧迫している実情もあります。運転手の高齢化が進む中、安全運行を安定的に支えるための健康管理体制についても、公的な支援の在り方を検討すべき時期に来ているのではないでしょうか。 地域公共交通は、地域社会を支える基盤インフラであり、その維持には、燃料支援、人材確保、定着支援、安全対策といった、複数の支援を総合的に組み合わせる必要があります。 そこでお伺いします。深刻化するバス運転士不足に、県としてこれまでどのように対応してこられたのか。また、燃料・物価高騰対策の継続、人材確保に向けた免許取得支援制度、安全確保のための健康管理支援などを含め、今後どのような方向性で地域公共交通を支えていかれるのか、県のお考えをお示しください。 最後に、新たな犯罪形態への対応と地域防犯基盤の強化について質問いたします。 近年、SNSを通じて犯罪の実行役を募る、いわゆる匿名・流動型犯罪、通称トクリュウが全国的に拡大しています。実行役と指示役が直接対面することなく、短時間で募集、犯行、解散を繰り返すこの犯罪形態は、従来型の組織犯罪とは異なり、匿名性と流動性を特徴としております。うそ電話詐欺、強盗、窃盗など、その犯行は多様化し、若年層が闇バイトとして巻き込まれる事案も後を絶ちません。 こうした状況を受け、本県警察本部では、匿名・流動型犯罪の広域性・多様性に対応するため、匿名・流動型犯罪対策官を新たに設置し、うそ電話詐欺や強盗など幅広い分野の捜査を横断的に指揮する体制を構築されました。このような横断的な体制整備は、犯罪の変化に的確に対応する重要な取組であり、評価すべきものと考えます。 本県警は、これまでにも特殊詐欺対策や街頭犯罪抑止に向けて、高齢者への注意喚起、金融機関、コンビニエンスストアなどとの連携強化、地域安全推進員や防犯ボランティアとの協働、重点パトロール実施などの様々な施策を進めてこられました。 また、防犯カメラ設置に対しては、市町や自治会と連携した補助制度の活用や、商店街・主要駅周辺等における整備支援など、県民が安心して暮らせる地域づくりに寄与する取組が一定の前進を見せております。 しかしながら、犯罪は日々形態を変え、匿名・流動型犯罪はその典型例であります。犯行までのスピードが速く、犯行後に広域に移動するという特徴を持つこの犯罪に対峙するには、捜査体制の強化に加え、地域全体の防犯基盤を強化していく視点が不可欠であります。 私自身、下関市豊前田町に所有するビルの周辺で、この一年以内に三件の車上狙いが発生したことを受け、昨年末に防犯カメラを増設いたしました。本年二月十七日、再びビルの向かいで車上狙いが発生しましたが、警察からの要請により映像を確認したところ、犯人の姿が明確に記録されておりました。 この経験からも、防犯カメラは単なる抑止装置でなく、事件発生後の迅速な捜査や証拠確保、再犯防止に直結する、極めて重要な社会インフラであると痛感しております。 しかしながら、現状では、市町によって設置支援の内容や整備状況に差があり、地域間で防犯環境にばらつきが生じているのも事実であります。今後は、市町間の格差を是正する観点から、県として広域的な補助制度を整備し、県内全体で一定水準の防犯環境を確保していく必要があります。 また、設置の在り方についても、単発的・点在的な整備にとどまるのではなく、繁華街や通学路、観光地周辺など、人の往来が多く、犯罪リスクの高いエリアを重点的に選定し、面的に整備していく戦略が求められています。防犯カメラは点で設置するのではなく、面で整備することにより、初めて抑止効果が高まるものであります。 さらに、民間事業者が設置しているカメラとの連携体制を強化し、必要に応じて迅速に映像提供を受けられる仕組みを整えていくことも重要であります。地域ぐるみで見守る力を高める体制づくりが、今後一層求められます。 加えて、AI技術を活用した映像分析や不審行動の自動検知など、新たな技術を活用することで、限られた人的資源でも効率的に犯罪に対応できる体制を整えるべきです。もちろん、プライバシーの保護と適切なバランスを図ることを前提としながら、最新技術の導入に取り組んでいく必要があります。 匿名・流動型犯罪への対応体制が強化されつつある今こそ、人による取締りの強化と併せて、地域全体の防犯基盤を戦略的に推進していくことが必要であると考えます。 そこでお伺いします。県警では、新たに配置された匿名・流動型犯罪対策官をどのように機能させ、トクリュウ型犯罪に対峙していかれるのか。また、防犯カメラの設置促進や地域防犯基盤の整備を、市町との役割分担や面的整備、民間との連携体制の構築、さらにはAI技術を活用した高度化について、どのように進めていかれるのか、県としての方向性をお示しください。 以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(河野亨君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)酒本議員の御質問のうち、私からは、クルーズ戦略及び日韓海上航路の活用とインバウンド戦略についてのお尋ねにお答えします。 訪日外国人旅行者が増大する中、旺盛なインバウンド需要を確実に取り込み、地域の活性化へと結びつけていくことは、本県の観光振興を図る上で極めて重要です。 こうした中、本県の外国人延べ宿泊者数は、昨年、過去最多の十六万人に達したところであり、私は、この成長をより確かなものとするため、インバウンドの誘客拡大を戦略的に展開していくこととしています。 まず、直接、外国人観光客を呼び込むため、多くの良港に恵まれている強みを生かしたクルーズ船の誘致や、県内唯一の国際定期航路である関釜航路を活用した誘客の拡大、さらには、山口宇部空港と韓国、台湾を結ぶ国際線の誘致などに取り組んでいるところです。 とりわけ、本県の主要な玄関口である下関市については、クルーズ船寄港地としての高い機能や国際航路を有することから、これまでも、市と連携しながら、視察ツアーや現地セールスの実施などに取り組んできており、今後とも、誘客拡大に積極的に取り組んでいきます。 また、外国人観光客の滞在時間の延伸や消費単価の向上を図ることが、地域経済の持続的な発展にとって重要であることから、県内各地への周遊を促す取組を進めることとしています。 具体的には、本県の豊かな自然や歴史、文化等を生かした、山口ならではの観光コンテンツの磨き上げや高付加価値化を図るとともに、魅力的な周遊モデルルートの開発を行っていきます。 あわせて、観光コンテンツを組み合わせたデジタルチケットの販売を促進するほか、海外の旅行会社に対する県内宿泊を伴う旅行商品造成への支援を行うなど、本県により長く滞在し、魅力を満喫してもらうための取組を進めます。 また、本県外国人宿泊者の大半を占める東アジア市場においては、韓国、台湾等を重点五市場と位置づけ、それぞれに観光プロモーターを配置しており、旅行者ニーズを的確に捉えた戦略的なプロモーションを展開しています。 さらに、誘客地域の多角化を図るため、今後の拡大が見込まれる欧米豪市場に対しても、大手旅行サイトと連携し、予約に直結するターゲティング広告を展開するとともに、海外メディアを活用した情報発信を行うなど、本県の認知度を高め、誘客を促進してまいります。 私は、今後とも、市町や関係団体等と一層緊密に連携しながら、旺盛なインバウンド需要を確実に本県へ取り込み、地域の活性化に資する誘客促進に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(河野亨君)木安観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 木安亜紀江さん登壇〕 観光スポーツ文化部長(木安亜紀江さん)観光振興についてのお尋ねにお答えいたします。 本県観光の西の玄関口である下関市は、関門海峡をはじめとする豊かな自然環境や深い歴史、文化、フクに代表される多彩な食など、県内最大の集客力を誇る重要な観光地域です。 このため、県では、これまで市や観光事業者等と一体となって、関門エリアの特色を生かした新たな観光素材の開発や、国内外に向けた効果的な情報発信等に取り組んできたところです。 こうした中、新たなホテルの開業や観光地としての国際的な評価等も追い風に、関門エリアの注目は大きく高まっており、ここを起点に萩、長門、山口をはじめ県全域に波及効果を生み出していくなど、山口DCに向け、広域周遊の促進や滞在型観光の推進を図ることとしています。 まず、広域周遊の促進に向けては、公共交通機関と観光素材を組み合わせたデジタルパスの造成を行うほか、レンタカー割引キャンペーンの実施や、観光周遊バス「ふくの旅、山口号」の通年運行など、二次交通の強化を図っていきます。 また、謎解きをテーマに県内全市町を周遊する観光イベントや、各地域の古地図を使って街道や町並みを散策する歴史ツアーを開催するなど、観光客の周遊意欲を高めていくこととしています。 次に、滞在型観光の推進に向けては、本県の高いポテンシャルを生かした体験コンテンツの創出に加え、文化財のライトアップや工場夜景などナイトコンテンツの充実を図ることで、観光客の滞在時間の延伸を図っていきます。 さらに、こうした魅力あるコンテンツに、宿泊や温泉、グルメ等を効果的に組み合わせた旅行商品の造成を支援することにより、地域全体の観光消費の拡大につなげてまいります。 こうした取組とともに、山口DCを契機とした本県の認知度向上に向け、視察ツアーの実施やターゲティング広告の配信など、戦略的なプロモーションを集中的に展開することで、関門エリアをはじめ、県全体のブランド力の強化を図ります。 県としては、今後とも、市町や観光関係団体等と緊密に連携しながら、広域周遊の促進や滞在型観光の推進を通じた観光振興に取り組んでまいります。 次に、地域公共交通についての二点のお尋ねにお答えいたします。 まず、深刻化する運転士不足に対する、県のこれまでの対応についてです。 県では、運転士不足の解消に向け、国や関係機関等で構成する協議会を設置し、課題の共有や対策の検討を行いながら、交通事業者との連携の下、大都市圏で開催される就職イベントへのブース出展や、運転士体験会の開催等に取り組んできたところです。 また、今年度から短時間勤務職員の第二種免許取得に係る支援を行っており、交通事業者に対し、積極的な活用を働きかけるなど、運転士確保に向けた取組を進めています。 次に、今後どのような方向性で地域公共交通を支えていくかということです。 地域公共交通を取り巻く厳しい環境を踏まえ、県では、複数市町にまたがる幹線バス路線への運行支援や、燃料費に対する補助については、来年度も継続して取り組むこととしています。 また、人材確保に向けては、県の免許取得支援制度のさらなる活用を促すとともに、来年度新たに、事業者による労働環境を集中的に支援するなど、定着促進も見据えた取組を進めていきます。 さらに、安全確保のための健康管理支援については、これまでも、山口県バス協会と連携し、脳ドック等の検査費用の助成を行ってきており、引き続き、事業者のニーズを踏まえながら、支援に取り組んでいくこととしています。 県としては、今後とも、交通事業者等と緊密に連携しながら、こうした取組を着実に推進することにより、県民生活を支える地域公共交通の維持・確保に取り組んでまいります。 副議長(河野亨君)熊坂警察本部長。 〔警察本部長 熊坂隆君登壇〕 警察本部長(熊坂隆君)治安対策に関する数点の御質問のうち、まず、匿名・流動型犯罪グループ対策の体制強化についてお答えいたします。 議員お示しのとおり、近年、匿名・流動型犯罪グループの台頭は著しく、いわゆる闇バイトで募った実行犯による強盗事件をはじめ、うそ電話詐欺や違法風俗事犯など、多種多様な犯行手段によって違法な収益を獲得しており、これが県民の安全・安心に大きな不安を与えているところです。 このため、県警察では、これまでも体制を強化しながら、匿名・流動型犯罪グループ対策への取組を強力に推進している中で、このたび、刑事部に専任的な指揮権を有する所属長級の匿名・流動型犯罪対策官を新設し、犯罪捜査体制の強化はもとより、発生状況などを踏まえ、抑止面における生活安全部門や地域部門との連携を一層強化してまいります。 具体的には、新設する匿名・流動型犯罪対策官を効果的に機能させ、海外や首都圏を拠点として広域的に犯罪を敢行する匿名・流動型犯罪グループに対し、他の都道府県警察との合同・共同捜査を進めるなど、全国警察とも連携を密にしながら、被疑者の徹底検挙に努めるほか、警察本部の関係所属で構成するプロジェクトチームにより、防犯対策を含む匿名・流動型犯罪グループの壊滅に向けた取組を、組織横断的に推進してまいります。 次に、地域全体の防犯基盤の強化に関する御質問にお答えいたします。 防犯カメラの設置促進を目的に、令和七年度、県警察では、国からの地方創生臨時交付金を活用し、街頭防犯カメラ設置補助金交付事業を実施したところです。 これは、自治会などの地域住民で構成する団体が設置する防犯カメラの設置費用の一部を補助するもので、令和五年度に続き二度目となります。この二度の事業を通じて、繁華街、商店街、通学路など九十九か所に防犯カメラが設置され、これが地域の防犯対策に威力を発揮するものと期待しています。 議員お示しのとおり、防犯カメラは死角が生じないよう面で設置することが有効であることから、補助額の上限はございますが、一団体で複数台の補助も可能としたところであります。実際に複数台の防犯カメラを面で設置した地域もございます。 なお、本事業は令和八年度も継続の予定であり、引き続き地域の防犯基盤の整備を推進することとしています。 また、本事業に併せて、市町に対しても、犯罪発生実態を基に学校周辺や駐輪場などの犯罪リスクの高いエリアを示した上で、防犯カメラの設置を働きかけています。 なお、事案発生時には、早期に防犯カメラ映像が入手できるよう、県内の防犯カメラの設置箇所を把握し、管理者と良好な関係を図るなど、民間との連携体制の構築にも努めています。 さらに、昨年導入した映像解析等支援システムは、AI技術を活用し、複数の映像データから迅速かつ自動的に対象を抽出することが可能となり、事件の早期解決に効果を発揮しています。 引き続き、県警察では、組織力を強化した匿名・流動型犯罪グループ対策への対応と、自治体と協働した地域防犯基盤の強化に努めてまいります。