1 地域公共交通のリ・デザインについて 2 空間情報資産の利活用について 3 菅野ダム運用高度化の試行・検証について 4 AIの社会実装の促進について 5 南海トラフ地震に備えた広域応援体制等の実効性について
───◆─・──◆──── 日程第三 一般質問 日程第四 議案第一号から第六十四号まで 議長(柳居俊学君)日程第三、一般質問を行い、日程第四、議案第一号から第六十四号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 福田吏江子さん。 〔福田吏江子さん登壇〕(拍手) 福田吏江子さん おはようございます。すずらんの会、福田吏江子です。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 まず、地域公共交通のリ・デザインについてお尋ねいたします。 令和八年度当初予算案において、地域公共交通のリ・デザイン推進として、山口県地域公共交通ビジョン(仮称)の策定や運転士確保に向けた就業環境整備への集中支援、さらなるDX化に向けたシステム整備への集中支援といった官民一体で地域公共交通の将来像を検討・共有されることを示されております。 このたびのリ・デザインは、本県にとって地域公共交通の構造転換を図る重要な機会であると思いました。 私は、これからの地域公共交通を考える上で、これまでの大量輸送や移動の延長線上ではなく、個別最適な移動の形が求められていると考えます。どのような人にとっても、自分で自由に移動することができるということは、豊かな暮らしの中で大切なことであると思います。 特に、送迎に関するお悩みの声をよくお聞きいたします。高齢者となった親の病気や介護、子供の学校や部活動などの送迎で疲弊する現役世代の声です。 ある会社勤めの女性からは、親の介護と子育てのダブルケアの状況で送り迎えは、現場に出る仕事の夫と会社内にいる自分では、結局、自分が仕事を抜けて送迎している。介護施設と保育園が同じ場所にあると送迎が楽になるのにと思ってしまうという御意見を頂き、また、中山間地域に住まわれている御家族からは、子供が学校に行くためには、一旦、徳山駅までのバスに乗って、また駅からバスを乗り換えて学校へ向かう。バスだと一時間四十分ぐらい時間がかかり、自家用車だと三十分ぐらいなので親が送迎することが多いのだというお話をお聞きしました。 また、部活動の地域展開で、放課後の時間に活動場所への送迎が必要になってくるのではないかという御心配のお声もお聞きいたします。 また、ある御高齢の男性の方からは、プレミアムつき商品券を利用したくても、これまでも近くで使えるお店がなかった。使えるお店まで行くのが大変だから、現金のほうがうれしいという御意見を頂きました。 物価高騰の影響を緩和したいという目的で、どなたにも御活用いただきたいと思っていても、利用可能な店舗が身近にない、あるいは移動が困難であるという理由から、商品券を活用できないというように、居住地や移動の制約によって行政サービスの受けやすさに違いがあるということを改めて考えさせられました。 また、医療的ケア児のデイサービスをされている事業者の方からは、自宅から施設まで送迎する運転手さんの存在の重要性についても教えていただきました。 また、ある医療関係者の方から、在宅介護の実現についてお話を伺う中でお聞きしたのは、リハビリによりトイレ動作や食事動作が自立し、自宅内での日常生活が可能なレベルまで身体機能が回復しても、家族による通院や外出の送迎支援が確保できないことを理由に、自宅退院が実現できないケースがあるという現状です。身体機能の回復だけでは在宅生活は成り立たず、家族の支援体制、とりわけ移動手段の確保が大きなハードルとなっているというお話です。 移動できないという課題は、生活問題であると同時に、医療経済の問題、医療費の構造そのものに影響するということです。 子供たちの通学や習い事、高齢者の通院・買物、そして、観光・交流人口の移動といった目的別・属性別に最適化された移動設計は、これからの地域公共交通を考える上で必要ではないでしょうか。 地域交通課題への対応の一つとして、近年、超小型モビリティーが注目されています。 静岡県浜松市では、ヤマハ発動機と岐阜大学との共同で、中山間地において、低速超小型モビリティーを用いた移動支援の実証実験を実施されました。地域活性化と高齢者のQOL向上から、地域の実情に合った高齢者の日常的で自立的な移動手段の実装を目指すものです。 また、広島県のスタートアップ企業が開発した一人乗り超小型EVmibot。これはミニマムなモビリティーロボットの略称としてネーミングされたものですが、mibotは、地方の未来を支える持続可能な移動を目指すもので、mibotの企画・開発者である楠一成氏は、自分たちがやろうとしていることは、移動の選択肢を増やすことである。既存の四人乗りや八人乗りの自家用車やバス、電車も含めたいろいろな交通の移動の手段がある中で、欠けているピースを埋めていきたいと、小型モビリティーロボット開発への思いを述べられていました。 さらに、自動運転の取組も始められており、既存の公共交通との接続といった自宅から接続地点へのラストワンマイルと、そのもう少し先を含めた選択肢を考えられているとのことでした。自動運転技術は、交通課題の何を解決するために、何のために導入するのかということは重要な点であると思います。 私は、これからの地域公共交通において、送迎や日常生活の移動を支える柔軟な交通サービスの導入というような、県民お一人お一人の移動の自由を支える、個別最適な移動保障モデルの構築が求められているのではないかと考えます。 国土交通省においては、交通空白の解消等に向けた地域交通のリ・デザインの全面展開として、複数の自治体、交通事業者等の共同化・協業化やデマンド交通・公共ライドシェア等の移動手段確保の後押し、観光地の二次交通の高度化・円滑化、自動運転の事業化促進など、地域の実情に応じた移動手段の確保・維持の取組を進めるとあります。 県として、地域公共交通の将来像や課題についてどのように考え、地域公共交通のリ・デザインを推進していくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、空間情報資産の利活用についてお尋ねいたします。 現在、山口県では、航空レーザー測量等で取得した三次元点群データなどの空間情報資産を既に保有され、主に土砂災害リスク解析や河川氾濫解析、公共土木施設の維持管理などの土木分野で活用が進められています。 一方で、土地の境界を確定する地籍調査の話になりますが、県全体では約六四%と全国平均を上回る水準にあるものの、市町間で進捗にばらつきがあり、特に周南市では進捗率が約一八%にとどまっている状況です。 市街地の複雑性や財政、人員体制など様々な事情があると推察いたしますが、地籍の未整備は、用地取得の長期化、災害復旧の遅延、将来のモビリティー導入時の調整コスト増大につながる可能性があると考えられます。 国土調査事業十箇年計画の中間見直しに向けた委員会報告では、地籍調査の円滑化・迅速化と地理空間情報の利活用の推進が明記されており、さらに国土交通白書では、地籍調査の進捗が災害からの迅速な復旧やインフラ整備の円滑化等に貢献することが示されております。 また、先ほどの地域公共交通のリ・デザインについての質問の中で、今後の地域公共交通は、単なる路線再編や運行効率化にとどまらず、県民お一人お一人の生活課題に寄り添う個別最適な移動保障モデルへと進化させていく必要があるのではないかということを述べさせていただきました。 そして、このような高度なサービスの実現には、自動運転やデマンド交通、超小型モビリティー、ライドシェアなど次世代モビリティーの導入も欠かせませんが、これを安全に、効率的に、そして、持続可能な形で実装していくためには、運行制度や事業スキームだけでなく、それらを支えるセンチメートル級の高精度地図や統合された空間情報基盤が必要不可欠となり、道路幅員や歩道との関係、建物や私有地との境界、安全に停車・乗降できる位置、災害時の通行可能ルートといった情報が統合的に把握されている必要があると言われております。 実際に、県と周南市、さらにNTT西日本及び防長交通が連携して、周南市の市街地で行った自動運転実証実験では、走行ルート全域を撮影し、三次元点群データや空間情報を実証車両で活用できるよう加工した上で、車両搭載センサーの情報と突合することで、実際の道路環境における走行可能領域を精密に把握する手法が取られました。 国土交通省の、地域公共交通のリ・デザインの全面展開においても、交通空白の解消やデマンド交通、自動運転の導入促進が掲げられており、そのためには統合された空間情報基盤が必要とされています。 私は、様々な分野において、取組の効率化・高度化に寄与する空間情報資産の利活用を積極的に進めるべきと考えており、利活用の例として挙げた地籍調査や地域公共交通など、様々な分野への利活用につなげていくため、まずは、現在、先導的に進められている土木分野の取組をさらに進めていく必要があると考えます。また、県により、こうした取組を進めることは、単独での対応が難しい市町の支援、取組格差の是正にもつながるものと考えます。 そこでお尋ねいたします。県として、三次元点群データなどの空間情報資産の利活用について、どのように進めておられるのか、また、今後どのように進めていかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、菅野ダム運用高度化の試行・検証についてお尋ねいたします。 企業局の令和八年度当初予算案において、渇水対策として菅野ダムの運用高度化に関する試行・検証を実施する予算案が計上されております。周南地域における慢性的な水不足の解消につながる実効性のある施策となることを、私といたしましても心から期待しているところです。 菅野ダムは、工業用水だけでなく、発電や環境保全といった多目的機能を有しており、地域の生活や産業を支える重要なインフラであると理解しております。 特に、周南コンビナート企業の皆様の自主的な節水の御努力により、上水や農業用水に影響が出ない運用が保たれていることは大変ありがたいことなのだと認識しております。企業の皆様が自主節水に追われることなく、持続可能で安定した操業を周南地域で続けていただけることを願っております。 今回の菅野ダム運用高度化は、地域の生活、産業、農業、発電、環境、経済の全体に配慮した水資源マネジメントであると捉えています。地域住民が安心して水道水を日常的に利用できること、断水や給水制限を回避できること、農作物の生育に必要な水が確保され、農業用水への影響を最小限に抑えられること、ダムの発電機能が安定的に稼働し、地域の電力供給や産業活動を支えること、河川の水量や生態系への負荷が過大にならず、自然環境の保全が図られること、渇水による生産停滞や事業損失を防ぎ、地域経済の持続性や雇用の安定に寄与すること、こうした多面的な視点を踏まえ、科学的根拠に基づく運用改善を行うことが、地域の持続可能性と安定性を支える鍵であると考えています。 国際的にも、AIや流入予測を活用して多目的ダムの運用を最適化する事例が増えています。 例えばですが、水不足が大きな課題となっていますカリフォルニア州では、都市用水、農業用水、発電のバランスを取りながら、渇水に強い運用の確立が検討されています。 このたびの試行・検証によって、運用高度化の技術的な視点だけでなく、地域社会や生活、農業、産業、河川環境への影響を実際に確かめる貴重な機会であり、地域に具体的な成果を示していただけることを心から期待しています。 そこでお尋ねいたします。菅野ダムの運用高度化の試行・検証に当たり、周南地域の渇水リスクや既存の利水課題、発電への影響、さらに、周南コンビナート企業の自主節水に頼らず、持続可能で安定した操業が可能となる視点を踏まえ、具体的にどのような運用を想定され、気象予測や流入予測の高度化を活用した年間を通じた貯留水管理の最適化を図り、渇水耐性向上や発電安定化をどのように見込まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、AIの社会実装の促進についてお尋ねいたします。 現在、山口県では、NTTが開発する国産大規模言語モデル、tsuzumi2を活用した自治体業務の実証実験に取り組まれております。 私は、この取組は大変意義深いものであると捉えております。行政の現場において、国産生成AIの活用可能性を具体的に検証することは、単なる業務改善の枠を超え、我が国の技術基盤の強化に資する重要な試みであると考えます。 今、世界において、生成AIをめぐる熾烈な競争の時代に入っております。生成AIは、行政効率化にとどまらず、産業構造の高度化、研究開発の加速、医療・教育分野の質の向上など、社会全体の生産性を底上げする技術基盤として位置づけられています。主要国は、これを経済安全保障上の重要技術と明確に位置づけ、巨額の財政支援や制度整備を進めております。 一方で、我が国においては、基盤モデルやクラウド環境の多くを海外企業に依存している現状があります。この状況は、短期的には利便性をもたらしますが、長期的視点に立てば、情報主権の確保や国内産業の競争力強化の観点から、国産技術基盤の確立を急ぐ必要があると考えます。 政府は、AI戦略やデジタル社会の実現に向けた重点計画において、AIを我が国の成長と競争力の源泉と位置づけ、特に、国産大規模言語モデルの開発支援、計算基盤の整備、国内データの活用促進を重点施策として掲げられております。 また、経済安全保障の観点からも、重要技術の自律性確保とサプライチェーンの強靱化が明確に示されております。 とりわけ、生成AIの基盤モデルについては、日本語性能の高度化、安全性・信頼性の確保、透明性の担保が強調されており、これは単なる技術開発にとどまらず、国家戦略上の重要課題であることを意味しております。経済産業省や総務省が中心となり、国内基盤モデルの高度化を後押ししていることは、周知のとおりであります。 こうした国家的な取組が進む中で、地方自治体の役割も決して小さくないと考えます。行政実務の現場で国産生成AIを活用し、その実装力や安全性を検証し、改善を重ねていくことは、結果として国産技術の成熟度を高めることにもつながります。また、自治体が率先して国産技術を活用する姿勢を示すことは、市場全体に対する明確なメッセージともなり得ます。 私は、日本の持続的な成長と地方の自立的発展を実現するためには、国産生成AIの育成・強化が不可欠であると考えます。その観点から、山口県としても、国産生成AIの積極的活用を今後の行政運営の中でどのように位置づけていくのかが重要であると考えます。 そこでお尋ねいたします。AIは、経済安全保障や情報主権の確保、さらには将来世代の地域産業競争力の観点からも極めて重要な技術であると考えますが、国が進めるAI戦略等としっかり連携しながら、山口県として今後どのようにAIの社会実装の促進に取り組まれ、デジタル改革を進めていくお考えでしょうか。御所見をお伺いいたします。 最後に、南海トラフ地震に備えた広域応援体制等についてお尋ねいたします。 本日、三月十一日、東日本大震災の発生から十五年となりました。毎年この日を迎えるたび、被災された方々の声を報道でも多く目にいたします。 被災された方々が、当日どのような状況の中におられたのか、どれほどの不安や恐怖、悲しみ、絶望の中におられたか、そして、その後の日々を懸命に歩んでこられたか、かけがえのないお一人お一人の人生と命の貴さを深く思います。 改めまして、震災により貴い命を失われた多くの方々に心より深い哀悼の意を表しますとともに、御遺族の皆様、そして、被災された全ての方々にお見舞い申し上げます。 そして、今後三十年以内に高い確率で発生が想定されている南海トラフ地震は、西日本一帯が同時に被災する未曽有の広域災害となる可能性が指摘されております。本県においても、津波被害に加え、広域停電、物流網の寸断、燃料不足など、社会経済活動の根幹を揺るがす深刻な影響が懸念されております。 とりわけ本県は、三方を海に囲まれ、瀬戸内海側と日本海側の双方に港湾を有する地理的特性を持つ一方、陸路が寸断された場合の孤立リスクも現実的な課題であります。こうした状況下において、県庁をはじめとする行政機能が停止することは、県民生活に直結する重大な課題であると理解しております。 国においては、災害時に被災自治体を支援する対口支援など、応援自治体の割当てを含む広域応援の枠組みが整備されていると承知しております。しかしながら、南海トラフ地震のような広域同時被災においては、応援を想定されている側の自治体自体が被災する可能性も否定できません。 本県は、被災県となる可能性と同時に、他県を支援する応援県としての役割も担うという、二つの責任を前提に備える必要があります。したがって、自県の安全と行政機能を守り抜くための人的・物的資源の確保と、広域同時被災を前提とした現実的な広域応援体制の確立は、本県にとって極めて重要な課題であると考えます。 そこでお尋ねいたします。南海トラフ地震による広域同時被災を具体的に想定した上で、本県の行政機能の確保及び広域応援体制をどのような基本方針の下に構築し、その実効性をどのように検証し、改善を図っていくお考えでしょうか。御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)福田議員の御質問のうち、私からは、AIの社会実装の促進についてのお尋ねにお答えします。 AIは、創造力や発想力を高めるとともに、日常生活の利便性や仕事の効率性を大きく向上させる役割が期待されており、私は、これを県づくりの幅広い分野で積極的に活用していくことが重要と考えています。 このため、本県では、デジタル改革基本方針にAIの活用を盛り込み、公共インフラの維持管理をはじめ、利便性の高いデマンド交通など、全国に先駆け、数々の取組を進めてきました。 さらに、今年度からは、民間企業での導入・活用の促進に向け、「Y─BASE」の伴走支援体制を強化しており、熟練技能の円滑な承継に寄与する活用モデルが誕生するなど、成果が現れてきているところです。 一方で、先般策定された国のAI基本計画に示されているように、投資の出遅れなどにより、我が国では諸外国に比べ、AIの実装が遅れている現状があります。 また、現在利用されているAIの多くが外国製のため、日本語特有の曖昧な表現等の理解が難しく、意味検索の精度が低下したり、不自然な文章が生成される等の課題も指摘されているところです。 こうした課題を克服し、AIの活用と技術革新との好循環をつくり出すため、国においてAI活用を加速的に推進するとともに、経済安全保障の観点から国産生成AIの開発・活用に取り組むとされており、本県としても、こうした方向性に沿って取組を進めることとしています。 AI活用の加速に向けては、来年度、機密情報も扱える機能を有し、日本語性能が高い大規模言語モデルを備えた生成AIを庁内で本格導入し、業務活用の幅を広げるとともに、生成AIの効果的な利活用に資するデータ基盤を「Y─BASE」に整備し、市町も活用できる環境を整えます。 また、国産生成AIについては、専門性の高い相談にも的確に対応していけるよう、引き続き、tsuzumi2を活用し、社会福祉分野等での業務の実装に向けた取組を進めます。 私は、AIをはじめとするデジタル技術の実装による地域課題の解決等の取組を着実に進め、人口減少が進む中にあっても、県民誰もが住み慣れた地域で、便利で快適な暮らしを続けられるよう、デジタル改革を推進してまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)木安観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 木安亜紀江さん登壇〕 観光スポーツ文化部長(木安亜紀江さん)地域公共交通のリ・デザインについてのお尋ねにお答えいたします。 地域公共交通は、地域住民の日常生活に欠かせない重要な基盤ですが、利用者の減少や運転士不足、さらにはこれらに起因する路線の廃止が進むなど、取り巻く環境は一段と厳しさを増しており、地域住民等の移動手段の維持・確保が課題となっています。 このため、県では、利便性や持続可能性の高い地域公共交通の実現に向け、官民一体で本県の地域公共交通が目指すべき将来像を検討・共有する、山口県地域公共交通ビジョンの策定に取り組むこととしたところです。 また、あわせて、学生や高齢者をはじめとする地域住民や観光客等の多様な移動ニーズに応じた交通政策を実施できるよう、県内全域の交通データ等を収集し、可視化、分析できる基盤を構築していきます。 さらに、運転士確保やさらなる業務効率化を図るため、短時間勤務職員の第二種免許取得への補助など、これまでの取組に加え、来年度新たに、交通事業者による労働環境の整備や運行管理システムの導入等への集中的な支援を行うこととしています。 県としては、今後とも市町や交通事業者等と緊密に連携し、県民一人一人の移動を支える交通手段が確保できるよう、地域公共交通のリ・デザインを推進してまいります。 議長(柳居俊学君)仙石土木建築部長。 〔土木建築部長 仙石克洋君登壇〕 土木建築部長(仙石克洋君)空間情報資産の利活用についてのお尋ねにお答えします。 県では、土木分野において、山口県建設DX推進計画に基づき、建設現場の生産性向上やインフラメンテナンスの高度化・効率化などに取り組んでいます。 具体的には、まず、建設現場の生産性向上については、三次元モデルを活用して、測量・設計、施工、維持管理を行うなど、ICT技術を用いた工事等を推進しているところです。 次に、インフラメンテナンスの高度化・効率化については、三次元点群データを活用して、離島架橋などの変状や河川地形の変化などを計測することで、施設の状況等を的確に把握し、適切に対応しているところです。 さらに、こうした取組が県内市町にも広がるよう、市町職員を対象にしたセミナーの開催や、県が開発した橋梁の点検・診断システムの提供などの技術的な支援を行っています。 今後は、三次元点群データの活用により、用地取得に係る土地の境界確認の円滑な実施や、道路管理の基礎となる道路台帳の効率的な作成などの取組を行うこととしており、これにより、土地の形状や境界に関するデータ、道路の幅員や外側線、中央線等のデータが得られることとなります。 これらの取組により取得したデータは、随時公開することとしており、将来的に様々な分野で三次元点群データなどの空間情報資産が利活用されることも期待されます。 このため、県としては、まずはこうした土木分野での取組を進めることとしております。 議長(柳居俊学君)大川総務部長。 〔総務部長 大川真一君登壇〕 総務部長(大川真一君)南海トラフ地震に備えた広域応援体制等の実効性についてのお尋ねにお答えいたします。 高い確率での発生が懸念される南海トラフ地震については、本県が見直しを進めている独自の被害想定においても、人的・建物被害やライフライン等に大きな被害が生じることが示されると同時に、行政機能への影響も危惧されるところです。 このため、発災時に、本県の行政機能を適切に確保することに加え、被災県への応援を機動的に実施できるよう、あらかじめ実効性のある広域応援体制を構築しておくことが重要であると認識しています。 具体的には、まず、行政機能の確保については、速やかに災害対応に当たるとともに、県民生活等に必要な業務を継続する体制を整備するため、平成二十四年に山口県業務継続計画を策定し、南海トラフ地震の被害想定も踏まえながら、適宜、見直しを行ってきたところです。 本計画では、災害に伴う応急業務や優先度の高い通常業務を特定し、これらを継続するための執行体制の確保や、電力、通信等の執行環境維持に必要な対策等を定めており、これに基づき、発災直後から行政機能を適切に確保することとしています。 次に、広域応援体制については、全国知事会等の枠組みと併せ、地域ブロック単位でも災害時における協定を締結し、相互に応援できる体制を構築しています。 こうした中、昨年三月、国において、南海トラフ地震における応急対策職員派遣制度アクションプランが策定され、主として応援を受ける重点受援県、発災直後から応援を行う即時応援県、自県の被害状況に応じて応援の可否を判断する被害確認後応援県が定められました。 本県は、被害確認後応援県に位置づけられ、南海トラフ地震の発生後は、自県の災害対応を優先した上で、応援が可能な場合には、国等の調整に基づき被災県の支援を行うこととなります。 この新たなプランを踏まえ、国や近隣県等と定期的に合同訓練を実施し、課題の把握や実効性の検証を行うなど、機動的な応援体制の構築を図ることとしています。 県としては、今後も本県の行政機能の確保はもとより、国や近隣県等と連携を図りながら、広域応援体制を構築すること等により、南海トラフ地震への対策を一層強化してまいります。 議長(柳居俊学君)坂本企業局長。 〔企業局長 坂本和彦君登壇〕 企業局長(坂本和彦君)菅野ダム運用高度化の試行・検証についてのお尋ねにお答えします。 企業局では、工業用水を安定的に供給するため、水資源・渇水対策に取り組んでおり、とりわけ、水不足が慢性化している周南地区において、島田川工業用水道の整備や下松市からの応援給水など様々な対策を実施してきました。 これらに加え、今年度からは、土木建築部と連携し、菅野ダムにおいて水力発電等に活用できる貯留水を増やし、渇水対策にも資する、いわゆるダム運用高度化の導入について検討を進めているところです。 具体的には、菅野ダムの洪水調節容量に一時的に貯留した流水を、最新の気象予測技術を活用して緩やかに放流し、水資源の有効活用を図りながら、工業用水や発電などに利用してまいります。 この取組により、渇水の緩和や増電につながるものと考えており、利水面へ見込まれる効果等について、来年度、試行・検証を行うことにより把握することとしています。 企業局としては、引き続き、関係機関等と緊密に連携し、菅野ダム貯留水の確保に努めるなど、周南地区の渇水対策の強化に取り組んでまいります。