1 持続可能な地域医療提供体制の確保について 2 中小企業支援の充実について 3 県民の食を守る農地利用の促進について 4 空き家対策について 5 公共土木施設の予防保全型メンテナンスの推進について
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(河野亨君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第三 一般質問 日程第四 議案第一号から第六十四号まで 副議長(河野亨君)日程第三、一般質問を行い、日程第四、議案第一号から第六十四号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 平岡望君。 〔平岡望君登壇〕(拍手) 平岡望君 未来創政の会、平岡望です。よろしくお願いいたします。 質問に入る前に、まずは村岡知事、御当選おめでとうございます。これからの四年間も、山口県が抱える様々な問題に果敢に挑戦し、山口県の未来が希望の持てる明るいものとなるよう、村岡知事の強いリーダーシップに期待をいたしております。 そして、今日は、三月十一日、東日本大震災発生から十五年となりました。マグニチュード九・〇、最大震度七の地震と、それによる津波によって、一瞬にして町全体がなくなりました。お亡くなりになられた方や、被害に遭われた皆様に、改めてお悔やみとお見舞いを申し上げます。あの震災を教訓とし、これからのまちづくりや、日々の生活に生かしていかなければならないと思っております。 それでは、通告に従い、順次質問させていただきます。 まず、持続可能な地域医療提供体制の確保についてお尋ねをします。 昨年八月、山口県医師会が記者会見を行い、医療機関の経営危機について訴えられました。全国的に医療機関が赤字に苦しみ、医療機関の倒産や休廃業が過去最多を更新するなど、医療機関の経営が成り立っていない現状が報告をされ、このままでは、医療の質の低下や、県民の健康への脅威につながるという悲痛な訴えでした。 山口県内の医療機関の経営状況について、令和五年から七年までの三年間を対象としたアンケート調査の結果、病床二百床以上の病院では収入は僅かに増えているが、支出も増えており、年間を通してみると大きな赤字となっていることや、二百床未満の病院でも年を追うごとに悪化してきており、無床診療所においても似たような状況になっているということが分かりました。景況感についても、三年前と比較して経営が悪化したとする医療機関が八割程度を占めています。 県医師会は、この医療機関の経営危機に対して診療報酬制度の不十分さを指摘しています。診療報酬は国が定めた公定価格のため、患者のために丁寧に時間をかけた説明を行っても評価されませんし、物価上昇により必要な治療薬や診療材料費、委託料等に対応できていません。 さらに、賃金上昇や人手不足、高齢化、後継者の不在などの問題がのしかかり、このままでは地域医療の衰退につながることは明白です。 国は、こうした現状に鑑み、二〇二六年度診療報酬改定において、経営崩壊を防ぐため、医療機関の収入となる本体部分を三・〇九%引き上げることを決めました。三%を超えるプラス改定は一九九六年度以来、三十年ぶりの高水準であり、私としても評価していますが、公定価格は物価高を価格に転嫁したものではなく、今回の引上げでも、これまで積もりに積もったコスト増を完全には相殺できないと思います。 さらに、物価高や賃金引上げの機運は今後とも継続することが予想され、これを単発で終わらせず、引き続き、物価高に合わせた診療報酬の引上げがなされるよう、国に求めていかなければなりません。 あわせて、医療DXの推進により、業務の効率化を進め、物価高の中で医療の質の維持向上とコスト削減を両立させる取組も求められます。 さらに、県民に対しては、医療費が高額にならないよう、平素から検診を推奨し、早期発見・早期治療につなげることや、かかりつけ医を持っていただくことなど、県民自身の健康を守る意味でも協力を促していく視点も重要であると思います。 そこでお尋ねをいたします。医療機関の経営危機が叫ばれる中、県民の健康を守るため、将来にわたって持続可能な地域医療提供体制を構築していかなければならないと考えますが、県は、今後どのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。 次に、中小企業支援の充実についてお尋ねをします。 先日発表された、昨年の全国の倒産件数は、十二年ぶりに一万件を超えました。中でも、物価高や人手不足を理由とする倒産は、過去最多を更新したとのことであります。大手シンクタンクの実施する景気動向調査では、今、国内景気は改善傾向にあるとの報道もありますが、県内の中小企業は、依然として厳しい経営環境に置かれています。 知事も、今回の選挙戦で県内各地をくまなく回られ、多くの中小企業から苦しい現状をお聞きになったのではないかと思います。知事が選挙戦で強く訴えておられたように、工業県山口における地域経済の主役は中小企業であります。その中小企業の皆さんが、臆することなく成長に向けて果敢にチャレンジできる経営環境を整備することこそが、今、県に求められている大きな役割であると思います。 さて、私は、令和四年十一月定例会において、中小企業支援について一般質問を行いました。当時は、まだコロナ禍にありましたが、ちょうど行動制限の緩和と経済活動の維持、いわゆるウイズコロナへの転換が進みつつある頃でありました。 これまで中小企業の資金繰りに大きな効果を発揮してきた新型コロナ関連融資の返済がこれから本格化するということで、地元の中小企業に高まる不安の声を聞き、県に対し、その経営支援に係る最大限の対応を求めたものであります。 その結果、知事の御英断により、新たな借換え保証制度や金融機関等による伴走支援など、中小企業の資金繰りを強力にサポートしていただきました。 そして、それから時は流れ、国の政策は、コロナに対する延命的な緊急支援から、経営改善や再生支援、事業の発展に軸足を置くなど、支援のフェーズが変わってきています。 そして、物価や資材価格の高騰、金利の上昇、人手不足、賃上げ対応、米国による関税措置など、今や中小企業が対処すべき課題は、複雑かつ多様化しており、地元の中小企業からは、ようやくコロナを乗り切ったと思ったら、次から次に畳みかけるように新たな課題が襲ってきて、コストカットは、これ以上は厳しいという声をお聞きしています。このままでは、いずれ中小企業が限界を迎え、本県経済全体に大きく影響しかねません。 こうした先行きの見えない現状の中で、本県の中小企業が課題を乗り越え、事業の再生・発展にチャレンジするためには、物価高や人手不足対策、関税対策などの総合的な支援に加え、経営危機が表面化する前の段階からの、早め早めのきめ細やかな経営支援も必要だと思います。 そこでお尋ねをいたします。コロナ禍を乗り切った中小企業が現下の厳しい経営環境に打ちかち、その発展を確かなものとするため、さらなる支援の充実に取り組むべきではないかと考えますが、県は、今後どのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。 次に、県民の食を守る農地利用の促進についてお尋ねをします。 農業・農村は、国民に食料を安定供給するとともに、その営みを通じて国土の保全などの役割を果たす国の基であります。しかしながら、昨今、農業従事者の減少・高齢化は一段と進行するとともに、人口減少によって、国内市場は縮小の一途をたどり、農業従事者は将来への事業拡大や投資意欲をそがれるなどの課題があります。また、過疎地や中山間地域においては、スーパー等の閉店などにより食品アクセス問題が生じ、農村における地域社会自体の維持も懸念される事態となっています。このように、我が国の農業・農村は深刻な状況に直面しています。 こうしたことを背景とし、国は、従来の食料・農業・農村基本法に基づく政策の検証や評価、今後二十年程度を見据えた課題の整理を行い、一昨年度、改正法が施行されました。改正法では、食料の安定供給の確保や農業の持続的な発展等、四つの基本理念に基づき、食料安全保障の強化等に向けた農業の構造転換を集中的に推進することとしており、その主要な取組の一つに地域計画の策定・実行があります。 地域計画は、農業者の減少や耕作放棄地が拡大をし、地域の農地が適切に利用されなくなることを防ぐため、農地の集約化等により農地利用を促していくものであります。各市町において、農業者や県、農業委員会、農地バンク、JA、土地改良区等、地域の関係者での話合いにより、地域農業の十年後を見据えた目標地図を作成し、農地利用の明確化を行う。それによって、将来にわたる適正な農地利用の確保や農地の集約化を通じた生産性向上を図り、持続可能な農業の実現に向けた絵姿を描くことができるとされています。 そうした中、昨年九月、全国の地域計画の策定状況が発表されました。本県でも、着実に策定は進んでいるようですが、将来の受け手が位置づけられていない農地は約一万七千ヘクタール、全体の四七・一%と半分近くを占めています。 今後、こうした空白地帯が少しでも少なくなるよう、地域での話合いを継続し、計画をさらにブラッシュアップしていかなければならないと思います。 また、将来の受け手が確保できたとしても、目標地図に描いた農地利用が本当に実現できるのかという課題も出てきます。農地所有者の中には非農家の方もいるだろうし、農外利用への関心も高いとお聞きします。実際に担い手の確保や集約化が実現できるのか、現場をきめ細やかにフォローしていく必要があります。 加えて、十年間の計画期間中も農業者の高齢化は着実に進行していき、そのため、新規就農者の確保に一層力を入れなければならないと考えます。 地域計画は市町が策定・実行するものでありますが、県民の食を守るため、広域的な視点で地域の特性に応じた技術普及や指導、担い手確保、農地保全等を行う県としても、市町と連携し、計画が絵に描いた餅にならないよう推進していただきたいと思います。 そこでお尋ねをいたします。県民の食を守る農地利用の促進に向けて、県は、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、空き家対策についてお尋ねをします。 経済活動、産業構造の変化や、少子高齢化、人口減少等の社会構造の変化などにより、全国的に空き家は、数、率ともに増加の一途をたどっています。空き家の増加は、単に建物が放置されているという問題にとどまらず、防災、安全上の課題や治安の悪化、周辺地域の資産価値の低下、衛生面の問題、景観の悪化、地域コミュニティーの衰退など、地域社会全体に深刻かつ多岐にわたる悪影響や問題を引き起こしています。 昨年、大分県佐賀関で発生した大規模火災では、細い路地が入り組む木造家屋の密集地であると同時に、約一・五キロメートル離れた蔦島にまで飛び火するほどの強風で、消火活動が難航し、約二百棟と広範囲に延焼し、そのうち約四割の家屋が空き家であったとのことでした。こうした状況に、人口減少が進む木造住宅密集地での深刻な課題を目の当たりにしました。 赤間防災担当大臣は、この火災を受け、全国で空き家が増える中、どういう形で火災を予防できるかは大きな課題とし、関係省庁と連携して空き家対策に取り組む姿勢を示されました。 本県も、漁村集落など数多くの木造住宅密集地を抱えており、令和五年に実施された総務省の住宅・土地統計調査によると、空き家率は全国平均を上回る一九・四%、全国八位であり、まだまだ増加が続く、深刻な状況となっています。私の実家がある長門市油谷でも、市内の空き家のうち三二%を占めるなど、多くの空き家が見られ、私も帰省のたびに、こうした状況に不安を感じています。 空き家対策には、大きく利活用と除却の二つの手段が考えられます。住宅や店舗等で活用できるものは、活用が進むよう施策を推進すべきですが、火災防止や延焼抑止、大規模災害時の避難路確保など、地域住民の生命、身体または財産を保護するという観点から、活用見込みのない空き家については、可及的速やかに除却を進めていくべきではないかと思います。 空き家の適切な管理や行政機関の責務、関連事務について定めた空家等対策の推進に関する特別措置法では、基本的に、空き家に関する対策は市町が担うこととされていますが、財源や人手不足等の問題から、市町単独での抜本的な解決は難しいと考えます。そこで、人命や財産が関わるこの重大な課題へのアプローチについて、市町間で取組に大きな差異が生じないよう、広域自治体である県の役割として、知事の強力なリーダーシップが求められていると思います。 そこでお尋ねをいたします。県は、今後、国や市町と連携しながら、空き家対策にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、公共土木施設の予防保全型メンテナンスの推進についてお尋ねをします。 埼玉県八潮市で発生した大規模な道路陥没事故から一年以上が経過しました。道路陥没により、トラック運転手の方が車両ごと落下し死亡するという痛ましい事故となり、道路は今も復旧作業で通行できない状況が続いています。 本事案は、県道地下に設置後四十年以上経過した下水道管路の老朽化が原因であったようです。地下占用物の老朽化等により、人命に危険が及び得ることはもちろん、道路の損傷や交通への影響が発生し得ることなど、深刻なリスクが顕在化しました。 昨年八月に国土交通省が発表した路面下空洞調査の結果によると、二〇二四年に調査した直轄国道三千七十九キロメートルのうち、四千七百三十九か所で地下の空洞が確認をされ、うち百十九か所は陥没するおそれが高いとのことでした。陥没リスクの高い箇所については、直ちに対策が講じられたようですが、空洞が生じた要因としては、付近の老朽化した上下水道管からの漏水や地下水の影響、地盤の強度不足などが挙げられています。 こうした事例に見てとれるインフラの老朽化の現状を踏まえ、国は、国民の安全・安心を守るとともに、良好なインフラを次世代に継承する観点から、インフラ長寿命化基本計画などに基づき、不具合が発生する前に修繕等の対策を講じる予防保全型メンテナンスへの転換を推進しています。国内のインフラは、高度経済成長期に整備されたものが多く、今後、建設後五十年以上経過するものの割合が加速度的に増加することになり、一斉に老朽化するインフラを戦略的に維持管理・更新していくことが求められています。 当然ながら、こうした状況は本県も同様であり、県では、山口県公共施設等マネジメント基本方針や、道路など施設ごとの長寿命化計画を策定し、インフラの老朽化対策を進めておられます。道路でいえば、県内には、直轄国道だけでなく、県や市町など自治体管理の道路も張り巡らされており、AIやドローン等の新技術も積極的に活用しながら、早急かつ計画的な対応を進めていくことが急務であると思います。 そこでお尋ねをします。まず、県内の県管理道路の路面下空洞の状況について、県は、どのように把握をされ、対応されようとしているのか、お伺いをいたします。 また、老朽化は、こうした道路の問題に限ったものではなく、公共土木施設全般における課題であると言えますが、県は、今後、県民の安全・安心を守るため、公共土木施設の予防保全型メンテナンスへの転換にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをし、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(河野亨君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)平岡議員の御質問のうち、私からは、持続可能な地域医療提供体制の確保についてのお尋ねにお答えします。 県民誰もが、住み慣れた地域で健康で安心して暮らし続けていくためには、将来にわたり、質の高い医療サービスを提供できる体制を確保することが極めて重要です。 このため、私は、地域医療構想に沿って、持続可能な地域医療提供体制の整備に取り組んでいるところであり、これまで、医療資源の集約化による急性期医療の機能強化や、在宅復帰を目指してリハビリ等を行う回復期病床の確保などが図られています。 しかしながら、物価や人件費の高騰の長期化により、医療機関は深刻な経営難に直面しており、早急に対策を行わなければ、医療サービスの提供体制の維持が困難となることが懸念されたところです。 こうした状況を踏まえ、私は、さきの政府要望において、直近の物価・賃金の上昇を踏まえた診療報酬等の改定や、今後予想される物価高騰等が適切に反映される仕組みの導入等について、国に要望したところであり、診療報酬の大幅改定など、一定の成果が得られたものと認識しています。 こうした中、来年度、策定に着手する新たな地域医療構想においては、二〇四〇年とその先を見据え、外来・在宅、介護連携等も新たに対象とし、全ての地域、世代の患者が、適切に医療・介護を受けながら生活できる医療提供体制の構築を目指すこととされています。 県としては、今後、国から示される新たな地域医療構想に係るガイドラインに基づき、国の医療DXによる業務効率化の動向や、かかりつけ医による疾患の早期発見・早期治療などの観点も踏まえ、医療提供体制の確保に資する構想となるよう、関係者の意見を伺いながら策定を進めます。 私は、県民の皆様がいつまでも住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、引き続き、医療機関の経営面にも配慮しながら、市町や関係団体等と緊密に連携し、持続可能な地域医療提供体制の確保に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(河野亨君)永田産業労働部長。 〔産業労働部長 永田明生君登壇〕 産業労働部長(永田明生君)中小企業支援の充実についてのお尋ねにお答えします。 人口減少による人手不足や賃上げへの対応、長引く物価高など、中小企業を取り巻く経営環境は厳しい状況が続いています。 このため、県では、地域の経済と雇用を支える中小企業の支援として、人材確保や経営基盤の強化に取り組むこととしています。 まず、人材確保の強化については、賃上げ環境の整備に向け、賃上げを実施した中小企業に対する奨励金の支援対象を全年齢に拡大し、上限額も三百万円へ大幅に引き上げるとともに、新たに従業員の正社員化に取り組む中小企業を支援します。 また、就職先の選定に際して重要性が高まっているインターンシップについて、参加に伴う旅費の実質全額支援に加え、新たに、企業の魅力ある受入れプログラムの構築支援や、AIを活用した学生と企業のマッチング強化等により、県内企業での受入れを促進し、県内就職を後押しします。 次に、経営基盤の強化については、専門家による経営課題診断や「Y─BASE」でのDXコンサル、新たにロボットの導入も対象とするデジタル化の段階に応じた補助、さらには物価高等の影響を受け厳しい経営環境にある事業者の省力化に資する設備の導入支援等により、生産性の向上を促進します。 また、新たに、このたび改正された中小受託取引適正化法に関するセミナーや価格交渉のベースとなる原価計算等のワークショップの開催、専門家派遣等により、適正な価格転嫁への取組を支援するほか、全国規模の展示会や商談会を通じ販路拡大を支援するなど、中小企業の収益力の向上を図ります。 さらに、金融面においても、県制度融資の原油価格・物価高騰対応資金や賃金引上げ・価格転嫁支援資金等により、企業の経営安定をサポートしてまいります。 特に、お示しのように、経営状況の変化を早期に捉え、対応することが重要であるため、来年度予算では、経営改善・再生支援資金にモニタリング強化枠を追加し、税理士等の認定支援機関等と連携して定期的な経営状況の把握に努め、的確な支援に結びつけることとしています。 県としては、関係機関と緊密に連携し、中小企業が厳しい経営環境に打ちかち、持続的に成長・発展できるよう、中小企業支援の充実に積極的に取り組んでまいります。 副議長(河野亨君)岡本農林水産部長。 〔農林水産部長 岡本章生君登壇〕 農林水産部長(岡本章生君)県民の食を守る農地利用の促進についてのお尋ねにお答えします。 県民への食料の安定供給を図るためには、持続可能な強い農業の育成に向け、新たな担い手を確保・育成するとともに、農地の集積・集約化等による経営基盤の強化が重要です。 このため、県では、相談から定着までの一貫した担い手支援に取り組むとともに、地域計画に基づき、必要な施設整備や機械の導入等、生産者の経営安定に向けた取組を推進してきたところです。 こうした中、お示しのとおり、現在の地域計画においては、十年後の担い手が位置づけられていない農地が半数近くを占めており、地域農業への影響が懸念されています。 このため、農地の受皿となる担い手の確保や、守るべき農地の円滑な集積・集約化を図るとともに、地域計画の核となる担い手の経営安定に向けた取組を推進します。 具体的には、まず、農地の受皿となる担い手の確保については、今後、毎年度行われる地域計画の見直しに向け、関係者による活発な意見交換を通じ、新たな集落営農法人の設立や連合体の形成を促進します。 また、地域外から、新規就農や企業参入を促進するため、引き続き、市町等と連携し、県内外の就農フェア等における積極的な募集活動を行うとともに、優良農地や必要な用水の確保に向け、地域住民との話合いによる合意形成を進めます。 次に、円滑な集積・集約化については、市町や中間管理機構等と連携し、地域における説明会を通じて、地権者と新たな担い手とのマッチングを促進します。 次に、担い手の経営安定に向けては、省力化や効率化を可能とするスマート農機の導入に加え、農地の大区画化を推進するとともに、コスト管理などの経営課題の解決に向けた専門家の派遣や、水稲の直まきなどの省力化につながる技術の普及を進めます。 県としては、市町や関係団体等と緊密に連携しながら、担い手に対する農地の集積・集約化による農地利用を促進し、持続可能な強い農業の育成に努めてまいります。 副議長(河野亨君)仙石土木建築部長。 〔土木建築部長 仙石克洋君登壇〕 土木建築部長(仙石克洋君)空き家対策についてのお尋ねにお答えします。 空き家は、長期間放置されると、倒壊の危険性や防災面、衛生面などから様々な問題が生じ、周辺住民の生活環境を損なうことから、県では、実施主体である市町と連携しながら、空き家の除却を含めた適正管理や利活用の取組を一体的に進めているところです。 具体的には、所有者等の意識醸成や主体的な取組を促すため、市町や司法書士会等の関係団体と連携し、空き家セミナーや相談会を実施するとともに、リーフレットや利活用事例集等を作成し、様々な広報媒体を活用して幅広く情報発信を行っています。 また、市町間の取組に大きな差異が生じないよう、全市町を対象に、国と連携して、空き家対策の支援制度や全国の取組事例などに係る研修会を開催し、職員のスキルアップに向けた支援を行っています。 さらに、全市町が参加する意見交換会を開催し、県内の好事例である、空き家に係るワンストップ窓口の開設による相談体制の強化や、除却費の算出ツールの活用による適正管理の促進、空家等管理活用支援法人の活用による事務負担の軽減などの取組や成果を共有し、横展開を図っています。 県としましては、引き続き、国や市町等と密接に連携しながら、空き家の適正管理や利活用など、空き家対策の充実に努めてまいります。 次に、公共土木施設の予防保全型メンテナンスの推進についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、県管理道路の路面下空洞の状況の把握と対応については、県では、日々のパトロールにおいて路面の変状の確認を行い、路面下空洞が疑われる場合には、速やかに詳細な調査を実施し、補修等の対応を行っています。 こうした中、昨年四月、国、県、市町の道路管理者や地下占用者等で構成する連絡会議が設置され、地下占用物に起因する道路陥没による交通への支障等に適切に対応するための体制が整えられました。会議の中では、相互の点検計画や点検結果、道路陥没対策に寄与する情報の共有を図っているところです。 引き続き、会議で得られた知見を生かし、路面下空洞の早期発見と速やかな対応を行うこととしています。 次に、公共土木施設の予防保全型メンテナンスへの転換については、県では、適切な維持管理の実施に加え、橋梁など施設ごとに策定した長寿命化計画に基づき、着実に老朽化対策を推進しているところです。 また、これらの取組をより効率的・効果的に進めていくため、AIなどのデジタル技術を活用したインフラメンテナンスの高度化・効率化にも取り組んでいます。 加えて、市町に対して、県が開発した橋梁の点検・診断システムを提供するなどの支援を行っているところであり、引き続き、こうした取組を着実に進めることとしています。 県としては、県民の安心・安全の確保に向け、引き続き、公共土木施設の適切な維持管理に努めてまいります。