1 知事の4期目の県政運営について 2 物価高対策について 3 成長の基盤となる「強い産業」の実現について 4 持続可能で強い農林水産業の推進について 5 幹線道路網の整備について 6 教育行政について
───◆─・──◆──── 日程第一 代表質問 日程第二 議案第一号から第六十四号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、代表質問を行い、日程第二、議案第一号から第六十四号までを議題とし、質疑に入ります。 代表質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 西本健治郎君。 〔西本健治郎君登壇〕(拍手) 西本健治郎君 おはようございます。自由民主党の西本健治郎です。 令和八年三月定例会に当たり、自由民主党会派を代表して、県政の諸課題について、知事、教育長に質問をいたします。 質問に先立ち、一言申し上げます。 村岡嗣政知事におかれましては、このたびの知事選挙におきまして厳しい選挙を戦い抜き、圧倒的な得票で当選を果たされましたことを、心からお祝い申し上げます。(拍手) 私ども自由民主党は、山口県の新たな未来に向かって、次なる四年間の県政のかじ取りを託すことができるのは村岡知事をおいてほかにいないとの思いで、知事と共に全力で戦ってまいりました。 このたびの選挙戦では、知事は、県内各地域を駆け回り、県民の皆様の声に真摯に耳を傾けられるとともに、御自身の県政にかける熱い思いをしっかりと訴えてこられました。 前回の知事選を大きく上回る投票率となった選挙で、堂々の再選を果たされましたことは、村岡知事のこれまでの実績に対する高い評価と今後の県政運営に対する大きな期待の表れであります。 村岡知事におかれましては、こうした県民の大きな期待に応え、山積する課題に立ち向かい、成長と安心の好循環を成し遂げて、県民が将来に希望を持って暮らすことができる県づくりを実現すべく、挑戦をし続けていただきたいと思うものであります。 そして、同日行われた衆議院総選挙において、我が党は結党以来、過去最多議席となる歴史的大勝を収めました。圧倒的な信任の下、国民の大きな期待に応えるため、謙虚に、しかし大胆に政権運営に当たると、高市総理は決意を示されています。 強く豊かな日本を実現していく中で、地域の持続的な発展を目指し、安心して暮らし、働き、育てることができる社会をつくり上げていくため、国と地方で軌を一にし取り組むことが必要であります。 私ども自由民主党会派としましても、日本の国と国民・県民生活を守り抜くために、真摯に政策を実現していくことに全力を傾けてまいる所存であり、このことにより、県政のさらなる発展につなげていく決意であることを申し上げ、通告に従い質問をいたします。 初めに、今期の県政運営についてお尋ねいたします。 村岡県政の四期目がいよいよ始まります。これまでの成果を土台に、山口県をさらなる高みへと押し上げ、本県の将来を確かなものにしていくことを訴えられ、県民の皆様から四年間の県政運営の負託を受けられました。県民一人一人が山口県の発展や将来への道筋を実感し、希望あふれる山口県にしていくための大変重要な四年間となります。 この四年間の県政運営について、知事は、本県の強みを生かした「稼ぐチカラ」を押し上げる取組と、人生百年を安心して歩み続けることができる取組の二本柱で、これからの山口県を実現していく方向を示されました。 今、世界情勢は不透明さを増し、ウクライナ情勢をはじめとする地政学的リスク、エネルギー・食料・資材の物価問題、我が国最大の問題である人口減少等が県民生活と経済活動へ影響を及ぼしています。また、デジタル化や脱炭素化など社会構造の変化が加速化し、持続可能な成長に向けた取組が不可欠な状況です。 特に本県では、人口減少が急速に進み、あらゆる分野での担い手不足が深刻であります。知事もこのたびの知事選で県内各地域を回られる中で、県民の皆様の様々な声に触れられ、より一層その思いを強くされたことと存じます。 このような中、国では昨年、高市総理大臣が誕生し、人口戦略本部の設置による人口減少対策の総合的な推進や、AI・半導体などの戦略十七分野を設定するとともに、地方の生産性向上に力点を置いた地方創生に関する総合戦略を取りまとめて、強い経済の実現に向けた取組を強力に進められるなど、これからの国の将来を見据えた力強い政治への期待が高まっております。 本県が様々な課題・難題に直面している今、これまでの歩みを止めることなく、より高い次元の段階へと本県を押し上げていくためには、県民の皆様の声をすくい上げ、力を合わせて山口県の将来に向けた取組を進めていくことが何よりも重要です。 国が進める人口減少対策や成長戦略などともしっかり連携しながら、本県の強みを発揮し、日本を成長軌道に押し上げていく地方となるべく、取組を進めていかなければなりません。 そのため、知事の力強いリーダーシップの下、四期目のスタートとなる本年が、山口県の新たな挑戦や飛躍につながる重要な年となることを期待しており、我が自民党も、責任をしっかりと果たしてまいります。 そこでお尋ねいたします。四期目のスタートに当たり、今期の県政運営の基本的な考え方と、その一年目となる令和八年度当初予算の考え方について、御所見をお伺いいたします。 次に、物価高対策についてお尋ねをいたします。 現在、物価の上昇が長期化しており、県民生活や地域経済に様々な影響を及ぼしている中、我が自由民主党にも多くの県民やあらゆる分野の事業者から、その苦しい現状を訴える切実な声が届いています。 知事も、選挙を通じてそういった声を直接耳にされたのではないでしょうか。 燃料費や食料品、さらには生活必需品全般のみならず、教育や子育てに関わる負担も上昇しており、県民の生活を脅かしています。 さらに、地域経済においても、原材料費や燃料費の増加が企業の経営を圧迫しており、人件費や物流費の上昇も重なることで、多くの事業者が困難な状況に直面する中、コスト上昇分を価格に転嫁することが難しいケースも多く、利益の確保すら困難な状況が広がっています。 その影響は、医療、福祉などあらゆる分野に及び、経営体制が厳しい状況に陥っており、地域の安心・安全の確保にとっても深刻な影響を与えているのです。 また、賃上げは物価高への持続的な対応として不可欠ですが、物価が上昇する一方で、賃金の伸びが物価に追いついていない現状も大きな課題となっています。 こうした状況が続けば、県民の生活や地域産業の基盤が揺らぎ、地域の雇用や活力の低下を招くおそれがあり、物価高への対応は、まさに足元の差し迫った喫緊の課題であることから、早急かつ効果的な対策を講じ、県民生活や事業者への支援を拡充する必要があると思うのであります。 国においても、こうした状況に対し、昨年、閣議決定された、強い経済を実現するための総合経済対策において、物価高への支援や地域経済の活性化に向けた取組が進められております。 十一月補正では迅速な対応をしていただきましたが、県民の実感に根差し、力強い支援策を迅速に展開する必要があると考えます。 我々自由民主党県連の次年度予算に対する超重点要望においても、物価高対策を最優先に掲げ、知事に要望したところであり、このたびの予算で、県民の切実な声にしっかりと応えていかなければなりません。 そこでお尋ねをいたします。知事は、選挙において、まずは、大変厳しい状況にある物価高に対する家計や事業者への支援を行うと訴えてこられたところですが、県民生活や地域経済に深刻な影響を及ぼしている物価高への対応について、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、成長の基盤となる、強い産業の実現についてお尋ねいたします。 政府は、産業脱炭素化を加速化するため、このほどGX戦略地域制度を創設し、我が国競争力の源泉であるコンビナート等において、集中的な支援と規制・制度改革に取り組もうとしています。 我が自民党会派は、これまで、本県産業の屋台骨を担う瀬戸内のコンビナート企業群の産業脱炭素化と国際競争力の確保を一貫して訴え、県の取組を強力に後押ししてまいりました。 GX戦略地域は、そうした積み重ねの上に立ち、真に競争力の高いGX型の産業クラスターを創出するというかつてない挑戦であり、本県産業の浮沈がかかっていると言っても過言ではありません。 県におかれましては、何としても選定を勝ち取り、世界で勝てるGX産業拠点を実現していただきたいと強く願うものであります。 そして、このように国を挙げ、GXに取り組む背景には、構造転換が進む激動の世界経済があります。産業脱炭素化などエネルギー転換の加速化はもちろんのこと、デジタル化の進展や生成AIの劇的な進化は半導体需要の急拡大を生み、ロシアのウクライナ侵略や米国の関税措置、中国の輸出管理強化や経済的威圧など、地政学的リスクへの対応やサプライチェーンの再編は急速に進展しつつあります。 こうした先行きの見えない世界経済の荒波の中で、本県産業が生き残るためには、萎縮し守りに入るのではなく、逆に世界に打って出て果敢に挑戦することが必要です。それは、脅威に負けないレジリエントな産業、すなわち成長の基盤となる強い産業の実現であります。 本県では、これまでカーボンニュートラルの推進や半導体・蓄電池産業の集積、再生医療等の実用化、企業誘致の推進、スタートアップの創出・育成など、世界的に需要が高く、世界と勝負できる産業力の育成に着実に取り組んできました。 今般のGX戦略地域に加え、村岡知事が三期十二年で培った、この「稼ぐチカラ」を飛躍させ、本県を世界レベルの産業県に押し上げていかなければなりません。 そして、忘れてはならないのは、本県経済を土台から支える中小企業の存在であります。現下の物価高や人手不足、米国の関税措置など、厳しい経営環境に苦しむ中小企業に対し、価格転嫁対策の徹底や「稼ぐチカラ」の強化、省力化投資の支援、安定的な人材の育成・確保等を通じ、その経営基盤を強くたくましくしていかなければ、知事の目指す、成長と安心の好循環は望むべくもありません。 そこでお尋ねをいたします。世界的に産業構造の大転換期を迎える中、世界と戦える産業の集積促進を図るとともに、地域経済を支える中小企業の経営基盤を確立するなど、成長の基盤となる強い産業を実現する必要があると考えますが、県は今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、持続可能で強い農林水産業の推進についてお尋ねいたします。 農林水産業は、世界的な食料情勢の変化に伴う食料安全保障上のリスクの高まりや、地球環境問題への対応など、我が国の農林水産業を取り巻く状況が大きく変容する中、私たちの生活に欠かせない安心・安全な食料の安定供給といった重要な役割を果たしています。 そのため、国は、農林水産業従事者の急激な減少が見込まれる中、生産基盤の強化や生産性向上に向けたスマート技術の開発、海洋環境の変化に対応した高精度の資源評価など、農林水産業の構造転換による成長産業化と我が国の食料安全保障の強化を図ることとしています。 これまで県では、強い農林水産業の育成に向け、日本一の担い手支援による新規就業者の確保・定着をはじめ、農地の大区画化や水産物市場の高度衛生管理化といった生産基盤の強化、収益性向上に向けたICT等を活用したスマート農林水産業の推進、需要に応じた産地育成・ブランド化、地産地消に加え、大都市圏・海外への積極的な販路拡大など様々な取組を展開し、多くの成果を上げてこられました。 しかしながら、近年の本県農林水産業を取り巻く環境は、少子高齢化、後継者不足等による就業者の減少や、それに伴う作付面積の縮小などの生産基盤の脆弱化、地球温暖化などの気候変動による生産量や品質の低下、国内市場の縮小と海外市場での競争激化など、大変厳しい状況にあります。 この局面を乗り切るためには、国の農林水産業の成長産業化や食料安全保障の強化に向けた取組に呼応し、担い手の確保・育成対策や持続可能な生産供給体制の確立、戦略的な需要拡大、産地の維持・拡大に向けた基盤整備といったこれまでの取組をより一層強化し、生産体制の維持のみならず、所得の向上、新規雇用の創出、さらなる生産拡大といった好循環を生み出す、持続可能で強い農林水産業の推進が必要ではないでしょうか。 とりわけ、近年の不安定な国際情勢や円安等による物価高騰に伴い、肥料や飼料、燃料といった農林水産業に欠かせない生産資材の経費急増が経営を直撃し、我が会派には、このままでは生産拡大どころか、経営継続自体が困難であるといった切実な声が多く届くなど、食料の安定供給に向けた生産活動に深刻な影響を及ぼしかねない状況にあり、生産者が意欲を持って経営の維持・発展に取り組めるよう、足元の物価高騰にも対応できる経営強化の取組も重要と考えております。 そこでお尋ねをいたします。食料の安定供給といった重要な役割を担う本県農林水産業の現状についてどのように認識され、持続可能で強い農林水産業を推進していくために、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、幹線道路網の整備についてお尋ねいたします。 道路は、県民の生活や企業の経済活動等を支える最も身近で基礎的な社会基盤であります。その中でも、高規格道路等で構成される幹線道路網は、企業の競争力強化や県域を越えた交流の拡大を支える礎であり、その整備促進は本県のさらなる成長のために必要不可欠です。 また、近年、全国各地で自然災害が激甚化・頻発化しており、こうした非常時の救急活動や物資輸送等の際にもしっかりと機能する道路ネットワークの構築が、これまで以上に求められております。 加えて、特に山陽側における都市部の幹線道路では、いまだ慢性的な交通渋滞が発生する箇所もあり、周辺住民の利便性の向上等のための対策も求められています。こうした防災対策や渋滞対策の観点からも、幹線道路網の整備は極めて重要です。 こうしたことから、これまでも我が会派は、山陰道の全線開通や下関北九州道路の早期事業化、岩国大竹道路や国道二号富海拡幅の事業促進などを強く訴えてきたところであり、これまでの村岡県政においても、執行部、議会及び関係団体が一丸となり、国への要望活動にも取り組んでまいりました。 こうした活動もあり、山陰道については、令和元年に長門・俵山道路が開通したほか、現在五区間で事業着手されており、中でも国道百九十一号の代替路となる木与防災や、防災面のほか観光面での周遊性の向上も効果として期待される俵山・豊田道路では、沿線から目に見える形で工事が進んでおります。 また、老朽化が進行する関門橋及び関門トンネルに次ぎ、関門海峡をつなぐ新たなルートとなる、下関北九州道路については、粘り強い要望活動等もあり、平成二十九年、国が計画の凍結を解除し、国の補助を受けて地元二県二市による調査検討が始まったことを契機として、ついに今年一月、国の審議会で同道路について議論するための有識者会議の立ち上げが方針決定されるなど、事業化に向けた動きが一層加速してきたと強く感じております。 そのほか、先週に全線が開通した、国道二号富海拡幅など、これまでの取組を通じて多くの成果が生まれています。知事には、既存道路の適切な維持管理に努めていただくとともに、引き続き、他の幹線道路を含め、より一層強力に、全県的な幹線道路網の整備を推し進めていただきたいと思うのであります。 そこでお尋ねをいたします。本県のさらなる産業力強化や交流拡大、国土強靱化、県民の安心・安全の確保を図るため、下関北九州道路等の幹線道路網の整備に、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、教育行政についてお尋ねをいたします。 学校施設は基本的な教育条件の一つであり、教育水準の維持向上の観点から、その安全性や快適性を確保し、児童生徒の発達段階に応じた安心・安全で質の高い教育環境整備を行う必要があります。 また、社会情勢の変化や地域の実情を踏まえ、教育内容・方法の変化に対応し、多様な学習活動に適応していくことが重要であります。 しかしながら、本県の県立高校を含む全国の公立学校施設については、建設からかなりの時間を経過して老朽化が深刻な状況となっている学校も多く、適切な対策を講じることが喫緊の課題となっております。 さらに、今日では、産業構造や社会システムの急激な変化、生徒の学習ニーズの多様化、生徒数の減少、情報化や国際化の進展などの社会状況の変化を踏まえた、新たな時代に対応した学校施設の機能・性能の向上が求められております。 これら学校施設を取り巻く様々な課題を解決するためには、中長期的な視点の下、学校施設の計画的な整備を行うことが必要であり、県教委は、これまで校舎の長寿命化や耐震化、バリアフリー化などに取り組んでこられました。 一方で、これからは国による高校授業料の無償化や、それに伴う高校教育改革などにより、これまで以上に生徒から選ばれる学校を目指して、県立高校の再編や教育環境の整備を進め、魅力向上を図っていくことが必要となってきます。 県教委では、県立高校再編整備計画後期実施計画の素案を示し、県民の意見も聞いた上で計画の策定を進められているところでありますが、高校教育の質の確保・向上を図るためには、こうした意見も参考にしながら、生徒にとって健康的で快適な学習・生活空間を備えるなど、より充実した学びの環境をつくっていく必要があると考えます。 知事も、さきの知事選では新たな政策ビジョンとして、学びの内容と設備を充実させながら、専門高校の魅力を高めることや、特別教室や体育館の空調設置、トイレの改修を速やかに実施し、快適に学べる環境をつくることを掲げられました。 厳しい財政状況を踏まえながらも、子供たちに投資をすることが本県の未来に投資をすることにつながると考えますので、より一層の教育環境の充実に取り組んでいただきたいと思うのであります。 そこでお尋ねをいたします。学びの基盤となる学校施設の整備は、新たな時代にふさわしい姿を目指していくことが重要であると考えますが、社会の変化に応じた豊かな教育環境を実現していくための安心・安全で質の高い学校施設の整備に向けて、どのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いし、自由民主党会派を代表しての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)西本議員の代表質問にお答えします。 まず、私の四期目の県政運営についてのお尋ねです。 深刻さを増す人口減少やこれに伴うあらゆる分野での人手不足など、本県は多くの課題に直面するとともに、デジタル化や脱炭素化等の社会変革への対応も急務となっています。 これらの難題に立ち向かい、厳しい状況を乗り越えて、本県の活力を維持向上させ、県民が安心して希望を持って暮らし続けられる山口県をつくり上げていかなければなりません。 これを成し遂げる道は、強い産業が雇用の創出や所得の向上をもたらし、経済を成長させ、その成果を県民の暮らしの安心へとつなげることで、人材の確保・定着や経済活動の拡大を生み、次の成長へと導いて、社会全体が持続的に発展をしていく、成長と安心の好循環の実現にこそあると考えています。 私は、このサイクルをしっかりと構築してまいります。 そのために、産業の力をさらに高めていきます。これまでの取組の成果を基盤に、ものづくり産業の集積など、強みを最大限に生かし、より一層伸ばして、GX産業拠点の形成など、世界と戦える成長産業の集積に取り組みます。 また、農林水産業や観光など、あらゆる産業の高付加価値化等を進めるとともに、地域経済の主役である中小企業の経営基盤の強化や成長を後押しし、山口県の「稼ぐチカラ」をさらに押し上げてまいります。 こうした産業力の強化で得られた成長の果実を、子育てや教育、医療、福祉、地域交通など、県民生活を支える様々な分野へ確実に行き渡らせ、県民誰もが、人生のどの段階においても不安を感じることなく歩み続けられる、人生百年を支える安心を確立していきます。 そして、今年度からスタートした行財政改革を着実に推進し、新たな県づくりを支える行財政基盤を一層強化してまいります。 こうした考えの下、令和八年度予算は、成長と安心の好循環に向けた取組を速やかに始動させる予算として編成しました。 まず、「稼ぐチカラ」の強化においては、本県にとって大きなチャンスである国のGX戦略地域の選定に向け、官民一丸の取組を強力に推進するとともに、産業基盤の整備などにも着実に取り組みます。 また、山口デスティネーションキャンペーンなどを契機として、観光客数の拡大や魅力ある観光地域づくりを一層進めるとともに、農林水産業においても、生産力強化や国内外での需要拡大に積極的に取り組んでまいります。 安心の確立においては、全国トップクラスの子育て支援など、当事者に寄り添ったきめ細かな支援を講じるとともに、県立高校の特色化・魅力化を推進するため、専門高校の実験・実習設備の充実や空調の前倒し整備にも取り組みます。 また、人口減少が進む中でもデジタル実装によって必要なサービスを守り支えていくため、自動運転バスの社会実装に向けた取組や、介護現場でのICT等の導入を一層進めるとともに、南海トラフ地震の被害想定を踏まえた災害に強い県づくりの取組なども着実に推進します。 さらに、地域での暮らしの基盤となる公共交通や医療提供体制の確保に向け、官民一体となって将来あるべき姿を検討するとともに、その検討を踏まえた施策を今後しっかりと構築していく考えです。 私が掲げる、成長と安心の好循環の実現に向けては、本県が目指すべき姿と施策の方向性を定め、多様な主体と共有し、計画的かつ戦略的に取り組むことが重要です。 このため、私は、これからの県政運営の指針となる新たな総合計画を、来年度、県議会や県民の皆様の御意見も伺いながら策定したいと考えています。 この四年間は、山口県の未来を形づくる上で極めて重要です。これからの挑戦は、厳しく困難なものとなることを覚悟していますが、国の政策としっかりと連携するとともに、あらゆる主体の力を結集して、山口の未来を切り開いてまいります。 私は、必ずや成長と安心の好循環を創出し、安心で希望と活力に満ちた山口県を実現する、この強い決意で今後の県政運営に全力で取り組んでまいります。 次に、物価高対策についてのお尋ねにお答えします。 原材料や食料品などの価格高騰、人手不足による人件費や物流費の上昇など、長引く物価高が県民生活や事業活動の大きな負担となっています。 私自身、このたびの選挙戦を通じ、物価高で生活や事業活動が苦しい、厳しい経営環境の中で賃上げに踏み切れないといった、切実な状況を県民の皆様から直接伺ってきたところです。 こうした地域の実情を踏まえ、私は、来年度予算において、足元の物価高や賃上げ環境の整備にしっかりと対応する必要があると考え、国の重点支援地方交付金を活用し、約九十億円の集中的な支援を講じることといたしました。 具体的には、まず、賃上げが一層広がり、実質賃金の上昇へとつながるよう、賃金引上げを行う中小企業への奨励金について、対象者の拡大や上限の引上げなど内容を大幅に拡充し、賃上げの裾野拡大を図ります。 あわせて、多様な雇用ニーズを踏まえ、従業員を正規社員に転換する中小企業に対し、新たに奨励金を給付し、賃上げをさらに後押ししていきます。 また、生活者支援としては、家計の大きな割合を占める食材費と光熱費の上昇に焦点を当て、県産米購入時の増量キャンペーンや、省エネ家電購入時のポイント還元を実施することとしました。 これにより、幅広い家計の負担軽減につなげると同時に、県産米の需要拡大や省エネ促進による中長期的なエネルギーコストの削減など、県の政策目的にも資する形で支援を行っていきます。 さらに事業者に向けては、医療・福祉施設等の光熱費や食材料費の高騰に対し、厳しい経営状況を踏まえ、引き続き支援を行うとともに、農林水産業におけるコスト上昇への緊急的な緩和策も講じるなど、きめ細かな支援を行います。 こうした集中的な支援に加え、中小企業の適切な価格転嫁へのサポートや、いわゆる教育無償化に対する予算措置も講じたところであり、これらの支援策が迅速に行き届くよう、スピード感を持って事業を実施してまいります。 また、緊迫化する中東情勢などにより、今後の物価や地域経済への影響も懸念されることから、情勢の推移や国の対応を十分に注視してまいります。 私は、来年度予算による物価高・賃上げへの支援策を着実に推進し、県民生活や事業活動をしっかりと支えるとともに、その力を土台として、成長と安心の好循環を実現できるよう、全力で取り組んでまいります。 次に、成長の基盤となる、強い産業の実現についてのお尋ねにお答えします。 県経済の持続的な成長を実現するため、私は、本県の強みである産業力の強化が重要と考え、積極的に取り組んできた結果、企業誘致での新規投資額が三年連続で過去最高を更新したほか、半導体・蓄電池関連企業の集積やコンビナートの企業間連携の取組が進むなど、大きな成果を上げています。 このように、次の時代に求められる分野の産業集積を積み重ね、産業力を高めてきた本県にとって、GXやDXの急速な進展など、世界的な産業構造の変化は決して脅威ではなく、成長と安心の好循環の原動力となる「稼ぐチカラ」を飛躍させる大きなチャンスだと考えています。 折しも、国は、責任ある積極財政を掲げ、強い経済を実現するとしており、私は、国の政策と軌を一にし、本県の「稼ぐチカラ」を高めるため、世界と戦える成長産業の戦略的集積と、地域経済を支える中小企業の強化に向けた取組を加速していきます。 まず、成長産業の戦略的集積に向けては、GX戦略地域の選定に挑戦しており、先月申請した計画書では、次世代エネルギーや素材の一大供給拠点の形成等を目指す、十七のGX関連事業の展開により、二○四○年度までの累計で県内に約一兆四千億円を超える経済波及効果を見込んでいます。 その実現に向け、来年度予算では、本県こそが世界で勝てるGX産業拠点にふさわしいと国にアピールできるよう、コンビナート企業等が取り組む事業計画の精緻化への補助制度を新設するなど、官民一丸となった万全の対策により、必ずや選定を勝ち取ります。 加えて、先進的な実証試験や設備投資等への補助制度を拡充し、カーボンニュートラルコンビナートへの転換を加速するとともに、戦略的な企業誘致のほか、半導体・蓄電池、再生医療等の成長産業の研究開発や、水素サプライチェーン構築に向けた実証への支援などを強化していきます。 次に、中小企業の強化に向けては、物価高などにも耐え得る収益基盤を構築するため、新たに、適切な価格転嫁をサポートする専門家の派遣や販路多角化への支援を行うとともに、生産性の向上を後押しするため、省力化や自動化に資するロボットの導入等を支援します。 また、深刻化する人手不足への対策として、賃上げ奨励金の最大三百万円への拡充や正規社員への転換を促進する支援制度の創設など、賃上げ環境整備を支援するほか、新たにAIを活用した学生と企業のマッチング強化等により、インターンシップの受入れを促進し、県内就職を後押しします。 私は、県議会や経済界、国との連携をしっかりと図りながら、本県の強みを生かし、「稼ぐチカラ」を大きく飛躍させ、本県の成長の基盤となる、強い産業の実現に向け、全力で取り組んでまいります。 次に、持続可能で強い農林水産業の推進についてのお尋ねにお答えします。 農林水産業は、県民に食料を安定供給するという基本的な役割に加え、県土や自然環境の保全などの多面的な機能を有しており、その振興は、県民の暮らしを支える上で大変重要です。 私は、これまでも生産性と持続性を両立した強い農林水産業の育成に取り組んできたところであり、その結果、知事就任以降、二千二百名を超える新規就業者を確保するとともに、農林漁業の産出額は、令和五年には八百八十億円を超えるなど、着実に成果が出ているところです。 しかしながら、高齢化に伴う担い手の減少や生産資材の高騰、気候変動による生産の不安定化など、本県農林水産業を取り巻く環境は一層厳しさを増しており、今後の持続的発展に対する影響が懸念されます。 こうした厳しい状況を乗り越え、本県農林水産業のさらなる飛躍を図るため、私は、来年度予算において、未来をつくる「稼ぐチカラ」の強化を掲げ、次代を支える担い手の確保・育成や生産力の強化、県産農林水産物の国内外での需要拡大を一層強化してまいります。 まず、担い手の確保・育成に向けては、SNS等を活用した若者への情報発信力の強化や、新規就業者に対する支援金の拡充など、日本一の担い手支援策の強化により、誰もが安心して就業できる環境を整備します。 次に、生産力強化に向け、気候変動下においても、収益力の向上が見込まれる高温耐性品種の導入や、県内製材所のJAS認証取得による県産木材の品質向上、収益性の高い大型クロマグロ経営への転換支援など、県産農林水産物の付加価値向上の取組を促進します。 また、国内外での需要拡大に向け、JA等と連携し、道の駅などの農産物直売所を核とした新たな物流体制を構築するとともに、拡大する世界の食品市場の開拓に向け、輸出コミュニティーの取組を推進するなど、魅力ある本県農林水産物の「稼ぐチカラ」を強化します。 さらに、お示しの物価高騰対策については、引き続き、肥料や飼料等の価格高騰分の補助を行うとともに、物価高に苦しむ県民の暮らしや生産者の負担軽減に向け、集中的な対策を新たに講じることとしています。 具体的には、生活者への対策として、米価が高止まりする中においても県産米をたくさん食べていただけるよう、五キロ袋の購入に対して一キロ増量サービスを実施するとともに、生産者への対策として、県産材の利用促進や漁業者に対する省エネ支援などに取り組みます。 私は、本県のさらなる飛躍を図り、成長と安心の好循環の実現に向けて、今後とも市町や関係団体等と連携しながら、持続可能で強い農林水産業の推進に全力で取り組んでまいります。 次に、幹線道路網の整備についてのお尋ねにお答えします。 私は、お示しのように、企業の競争力強化や県域を越えた交流の拡大に資するとともに、能登半島地震など、近年頻発する大規模災害時にも機能する信頼性の高い道路ネットワークの構築が必要不可欠と考えています。 また、成長と安心の好循環を実現するため、その基盤となる幹線道路網の整備に積極的に取り組んでいく考えです。 具体的には、山陰道については、政府要望等あらゆる機会を通じて、俵山・豊田道路などの事業中区間の整備促進と、豊田─下関間などの未着手区間の事業化を国に求めているところであり、引き続き、全線の早期整備に向け、積極的に取り組んでまいります。 次に、下関北九州道路については、これまでも、関係県市や経済界等と連携し、その必要性を訴えるとともに、事業化に向けた手続を進め、昨年末には都市計画や環境影響評価の手続を終えたところです。 こうした中、国が、今月二日に設置した有識者会議において、本州・九州間の道路ネットワークの現状・課題等が共有され、今後、地方自治体や関係団体等への意見聴取を経て、本年夏頃に基本方針を取りまとめることとされました。 私は、この取組に積極的に協力するとともに、早期実現に確実につながるよう、議員連盟の皆様をはじめ、関係県市や経済界と一体となって、国への働きかけをより一層強化するなど、積極果敢に取り組んでまいります。 また、その他の幹線道路については、今月五日、国道二号富海拡幅が全線開通し、交通混雑の緩和等の効果が見られたところであり、引き続き、岩国大竹道路や国道九号木戸山峠道路改修などの整備促進に向け、国や地元市町等と緊密に連携して取組を進めていく考えです。 とりわけ、慢性的な渋滞等の課題を有する国道二号長府トンネルの四車線化については、先月、地元期成同盟会と共同で、来年度の新規事業化を国に強く求めたところであり、引き続き、その実現を目指してまいります。 また、既存道路の適切な維持管理も重要なことから、来年度、関係予算を大幅に増額し、草刈りについては、基本的に年一回から年二回に拡充するとともに、区画線については、特に交通量の多い路線や主要な観光地へのアクセス道路等において、重点的に更新することとしています。 一方、急速に進む人口減少や施設の老朽化、近年の自然災害の激甚化・頻発化、脱炭素化の動きやデジタル化の進展等に的確に対応するため、新たな道路整備計画を策定し、時代の変化に応じた取組を推進していく考えです。 私は、本県の活力の源となる産業力の強化や交流の拡大、県民の安心・安全の確保に向け、引き続き、県議会の皆様方のお力添えを頂きながら、その基盤となる幹線道路網の整備に全力で取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)教育行政についてのお尋ねにお答えします。 社会が大きく変化し、主体的に未来を切り開いていく人材の育成が求められている中、子供たち一人一人の可能性を最大限引き出す教育を推進していくためには、学びの基盤となる学校施設の整備・充実が重要と考えています。 このため、県教委では、県立高校将来構想に沿った高校再編に伴う施設整備に取り組むとともに、子供たちが日中の大半を過ごす学校が、より安心・安全で快適な空間となるよう、校舎の耐震化をはじめ、改築や外壁改修、照明のLED化などに取り組んできたところです。 こうした中、お示しのように、いわゆる高校無償化により、県立高校の志願者のさらなる減少が懸念されることから、中学生が入学したい、学びたいと思える魅力ある学校づくりに向け、施設・設備においても一層の充実を図ることが必要です。 このため、来年度は、老朽化対策やトイレの洋式化などに、引き続き、計画的に取り組むとともに、専門高校においては、地域産業の実態に即した技術を学ぶことができるよう、新たな実習機械の導入等に係る予算を、大幅に増額することとしたところです。 また、空調についても、整備を終えた普通教室に加え、理科室等の恒常的に使用する特別教室について、来年度から五年間で集中的に整備するなど、良好な教育環境の確保に努めてまいります。 さらに、先月、国が公表した、高校教育改革に関する基本方針に沿って、来年度、県の高等学校教育改革実行計画を策定することとしており、この計画を策定する中で、それぞれの高校の特色や専門性に応じた、魅力ある教育活動に必要な施設についても検討することとしています。 県教委といたしましては、引き続き、社会の変化やニーズに即した、安心・安全で質の高い学校施設の整備を進めることにより、本県の未来を開く子供たちを育てていく、新しい時代の学びを実現する環境づくりに、全力で取り組んでまいります。