1 空き家対策について 2 人材確保につながる移住定住対策について 3 安全で持続可能な秋吉台の山焼きについて 4 JR美祢線のBRTによる復旧について 5 学びの多様化学校について
議長(柳居俊学君)中本喜弘君。 〔中本喜弘君登壇〕(拍手) 中本喜弘君 皆様、おはようございます。自由民主党の中本喜弘です。 まず、七号、八号のダブル台風の影響による大雨、冠水、土砂崩れなどで被害をお受けになられた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。 さて、去る四月二十三日、美祢市全域をエリアとするMine秋吉台ジオパークが、長年の市民の願いの下、ユネスコ世界ジオパークに認定されました。これまで、県から力強い御支援を賜りましたことに、地元を代表して、心から感謝を申し上げます。 また、その翌日の認定報告会には、柳居議長、村岡知事、二人おそろいで駆けつけていただき、篠田市長をはじめ、参加の皆さんと喜びを共有でき、大変ありがたく、厚くお礼を申し上げます。 このユネスコ世界ジオパークの認定を新たな出発点として、美祢市のみならず、山口県全体へ観光、交流、教育、地域振興の好循環が広がることを大いに期待し、今後とも一層のお力添えをお願い申し上げます。 それでは、通告に従い質問をいたします。 御案内のとおり、我が国は本格的な人口減少社会を迎えており、本県においても、少子高齢化と若年層の流出が同時に進む中で、地域社会の基盤そのものが揺らいでいます。 担い手不足、空き家の増加、地域公共交通の維持、医療、介護、保健、建設等の人材確保、さらには教育環境の多様化への対応など、課題は暮らしのあらゆる場面に及んでいます。 人口減少は、単に県民の数が減るという問題ではありません。地域経済、生活サービス、交通、教育、防災といった社会を支える機能が縮小し、地域の持続可能性そのものが問われる、重大な課題であります。 一方で、本県には、豊かな自然、歴史、文化、観光資源、そして地域を支えてきた人々の力があります。だからこそ、現実を直視しつつ、地域資源を生かした戦略的な政策を重ねていくことが重要であります。 そこで本日は、人口減少社会における持続可能な地域づくりを大きな柱として、空き家対策、人材確保につながる移住・定住対策、安全で持続可能な秋吉台の山焼き、JR美祢線のBRTによる復旧、そして学びの多様化学校について、それぞれ質問をいたします。 まず、空き家対策についてお尋ねいたします。 総務省の令和五年住宅・土地統計調査によれば、本県の総住宅数は七十二万六千四百戸、そのうち空き家は十四万七百戸、空き家率は一九・四%で、全国平均の一三・八%を大きく上回り、全国で八番目に高い水準となっております。 とりわけ、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く、いわゆる実質的な放置予備軍とも言える空き家率は一一・一%で全国七位にあり、利活用の見通しが立たない住宅が県内各地に相当数存在している実態が浮かび上がっております。 空き家問題は、単なる住宅の未利用という問題ではありません。適切に管理されない空き家は、倒壊、火災、害虫の発生、不法侵入、景観の悪化など、防災、防犯、衛生面に深刻な影響を及ぼします。 さらに、改正空家等対策特別措置法では、特定空家等に至る前の段階として管理不全空家等が新設され、早期対応の重要性が制度上にも明確になりました。 特に中山間地域では、人口減少、高齢化、相続未登記、管理人材の不足が重なり、空き家が発生してから対処するのでは間に合わない状況も増えています。空き家対策は、地域の再生と生活環境の保全を両立させる総合政策として進める必要があります。 先般、土木建築委員会で、茨城県ひたちなか市の空き家対策を視察いたしました。同市では、平成二十八年に空家等対策推進室を設置し、現在では正職員五人、会計年度職員二人の七人体制で、発生抑制、実態把握、利活用の促進、除却を含めた管理不全状態の解消の取組を一体的に進め、所有者への早期接触や専門職との連携により、管理不全化を防ぐ仕組みづくりを構築し、切れ目ない、細やかな対応で取組を進めておられました。 取組の一部を紹介すると、発生抑制のため、固定資産税納付通知書に、空き家のこと考えてみませんかと題したリーフレットを同封し、御自身の所有物件の状況をチェック、空き家バンクへの登録や解体の費用の概算額、土地の売却価格の調査、相談などそれぞれQRコードで簡単に情報にアクセスできるようにして、所有者の問題喚起を行っています。 また、後期高齢者医療保険料納付通知書に、住まいの終活始めませんかと、空き家になる前の段階で相談しやすいよう周知しています。 また、民間事業者と連携し、AIによる解体費用シミュレーター、解体後の土地売却査定価格が分かるアプリの活用も行っておられます。 それから、独自の特定空家等認定基礎調査票、管理不全空家等認定基礎調査票を用い、定期的に現地調査を行って、現状把握に努めておられました。 本県においても、空き家バンクなどの取組は進められておりますが、今後は利活用だけでなく、管理不全化の抑制、除却の円滑化、所有者把握の迅速化までを含めた、一段踏み込んだ対策が必要ではないでしょうか。 私は、県内の空き家情報を市町と共有できる県域レベルの情報基盤の整備、市町が行う除却・活用事業への県独自の支援、司法書士、宅地建物取引士、建築士等の専門家と連携したワンストップ相談体制の構築、さらには移住・定住施策と連動した空き家活用の対策強化も検討すべきと考えます。 空き家対策は、人口減少社会における地域政策そのものであり、市町任せではなく、県の広域的な支援と調整機能が極めて重要であります。 そこでお尋ねいたします。空き家の発生抑制、利活用の促進、除却を含めた管理不全状態の解消の取組を一体で進める施策について、知事の御所見をお伺いいたします。 また、放置空き家や管理不全空家等の発生抑制、解消を図るため、県として今後どのように取組を進めていくお考えか、併せてお伺いいたします。 次に、人材確保につながる移住・定住対策についてお尋ねをいたします。 近年、本県では、移住相談体制の整備や就業支援が進められておりますが、人口減少の流れを反転させるには、単に移住者数を増やすだけではなく、地域や産業を支える人材をどう呼び込み、どう定着していただくかという視点が不可欠であります。 また、移住希望者の側面から見ても、移住の入り口として山口県の魅力を伝えることは大切ですが、さらに御自身のキャリアを生かして社会貢献が可能であることや、移住によって夢の実現やキャリアアップにつながる、あるいは家族を伴っての移住であれば、家族の明るい未来や幸せがシミュレーションできるなど、移住希望者に業種ごとの就業カテゴリーの細分化や、より深く幅広い情報を提供し、移住・定住先の選択を明確化していくことが必要です。 山口労働局の雇用情勢でも人材確保は重要課題であり、とりわけ医療、介護、保育、建設、農林水産、交通、デジタル分野など、地域生活を支える分野で担い手不足が続いております。そうした意味では、山口労働局や実際に仕事をあっせんするハローワークとの協定や一体的な取組も必要不可欠と考えます。 社会貢献と自己実現を目指し移住してくる側、受け入れる本県にとっての人材確保、おのおのの目標達成に近づく双方の視点を大切にすることが重要です。 県外から美祢に移住して活動している若い方々と話をしていると、そうした思いがしっかり伝わってくるのです。 高学歴で大都市圏の優良企業に就職していながら、職を辞して期限つきの地域おこし協力隊として、公設塾minetoで子供たちの自立自走に向けた教育プログラムを運営する、梨農家とペットと泊まれるペンションを経営する、大学を一年休学し、教育委員会のスタッフとして学校現場で教職員と新たなカリキュラムに挑戦する、地域おこし協力隊OBで、その後も美祢に残り、起業し、新たな移住・定住や地域振興に取り組んでいるなど、様々な若者が美祢市をフィールドに活躍してくれています。 彼らは自分のやりがいに正直に向き合い、受け入れてくれた地域と共生し、力強く、生き生きと活動し、地域の元気を創造してくれています。 私は、これからの移住政策に必要なことは、人数よりも人材の視点であると考えます。地域課題の解決に資する専門性や経験を持つ方、地域で起業、承継、就業に挑戦する方を呼び込むことが、持続可能な地域づくりにつながります。 県では、移住就業支援金制度を設け、東京圏等から県内へ移住して就業する方に対し、単身で最大六十万円、世帯で最大百万円の支援を行っておられます。こうした制度を、より人材確保戦略と結びつけ運用するべきであります。 しかし、移住はゴールではありません。移住者が地域に根づき、働き、地域社会の一員として力を発揮していただくためには、仕事、住まい、子育て、地域とのつながりを一体で支える仕組みが必要であります。先ほど申し上げた空き家対策とも連動させ、住まいの確保を移住・定住施策の中核に位置づけるべきであります。また、首都圏の若者だけでなく、都市部の専門人材、副業・兼業人材、地域での起業や事業承継を志す方々に対するアプローチも強化する必要があります。 そこでお尋ねいたします。本県の将来を支える人材確保の観点から、どのような移住・定住施策を進めていくお考えか。また、移住後の定着支援を、仕事、住まい、地域参加の面からどのように強化していくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、安全で持続可能な秋吉台の山焼きについてお尋ねをいたします。 秋吉台の山焼きは、先人から受け継がれてきた本県を代表する伝統行事であり、草原景観と貴重な自然環境を維持するために欠かすことのできない取組であります。約千百ヘクタールを超える草原を守るこの営みは、環境保全、水源涵養、地域文化の継承、観光という面でも極めて大きな意味を持っております。 昨年十一月定例会で国定公園の持続可能な保全と活用についてとして、秋吉台国定公園についても言及いたしました。その成り立ちから、毎年十一月頃から始まる火道切りと呼ばれる防火帯をつくる、広範囲にわたる草刈り作業や二月の山焼きの火入れ作業など、多くの人が介して、その特異ですばらしい自然環境が維持されています。しかし、人口減少や高齢化により、作業や消防団の出役が山焼きに関わる地域ごとでは年々困難になっており、常設の防火帯の設置や林道、管理道の整備などをするべきではないかと提案をいたしました。 所管の答弁は検討していくとのことで、残念ながら具体的な取組については言及がありませんでした。 その後、年が明けて今年二月の山焼きでは、消防団員の方が亡くなられる重大事故が発生し、美祢市では第三者を含む事故検証が進められております。二〇一七年にも死亡事故が発生しており、自然環境の保全と安全確保をどう両立させるのかが、改めて厳しく問われています。 加えて、従事者の高齢化や担い手不足も進んでおり、従来の経験や慣習だけに依拠した運営には限界があります。今後も山焼きを安全に継続していくためには、科学的、組織的な安全管理体制を構築し、危険を見える化した上で、役割分担や行動基準を明確にすることが必要です。 例えば、気象条件や地形を踏まえた事前シミュレーション、ドローン等を活用した監視体制の強化、危険区域の指定、従事者の安全教育、装備の充実や連絡体制の見直しに加え、延焼や退避に対応するための台上への管理道の設置や避難帯の設置、防火帯である火道の舗装化など、現場の安全性を高める実効性ある対策を総合的に講じるべきではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。安全で持続可能な秋吉台の山焼きの実施に向け、台上へ通ずる管理道の設置や避難帯の設置、防火帯である火道の舗装化について、国定公園の管理者として、どのように取り組んでいかれるのか、改めてお伺いをいたします。 次に、JR美祢線のBRTによる復旧についてお尋ねをいたします。 昨年の十一月定例会で、県全域を視野に入れた地域公共交通計画策定の重要性に鑑み、山口県でも取り組むべきではないかと提案しましたが、残念ながら新たな地域交通モデル形成に関する取組方針の改定で対応するとの答弁でした。 しかし、本年三月定例会で、村岡知事はその重要性を認識され、新たに山口県全域の地域公共交通計画の策定に向けてかじを切られました。このことは山口県の地域振興に大きな意味を持つものと、提案した私も今後の展開に大変期待をしております。 さて、御案内のとおり、令和五年七月豪雨によりJR美祢線は甚大な被害を受け、現在も代行バスでの運行が続いております。沿線住民にとって美祢線は、通学、通院、買物、通勤などを支える重要な公共交通機関であり、その影響は極めて大きいものであります。 被災当時から県、沿線三市の見解は、鉄道事業者であるJR西日本が鉄道による早期復旧をするべき、復旧と在り方は別の問題として要請してきました。 その後、JR西日本から、鉄路での復旧は最短でも約十年、復旧費は五十八億円以上、年間運営費は五億五千万円以上を要する、一方、BRTでの復旧は期間が約三年から四年、復旧費は五十五億円程度、年間運営費は二億五千万円程度と試算が示され、被災後の早期復旧、鉄道との運賃面やダイヤ面での親和性、定時性、速達性、利便性という総合的な観点から、鉄道復旧ではなく、地元自治体も苦渋の決断としてBRTでの復旧を選択され、知事要望もされたところであります。 昨年十月には、県主導の下、沿線三市、事業者のJR西日本など、関係者で構成する美祢線沿線地域公共交通協議会が発足し、BRTによる復旧で将来にわたり持続可能で魅力的な、住民にとって使いやすい地域公共交通をどう実現するかで議論が進んでいます。 去る六月四日に開かれた同法定協議会では、美祢線沿線地域公共交通計画の素案が承認されました。前回の協議会では専用道を整備しないことが決まっており、既設の道路を使い、移設や新設を含む停留所の具体案が示され、長門市駅から厚狭駅間で現在運行中の代行バスより七か所増やし、二十一か所の停留所が設けられる案を基に、十月から来年三月まで実証運行が行われるとのことでした。 また、山口デスティネーションキャンペーンに合わせ、土日祝日の一部ダイヤで道の駅センザキッチンまで延伸する実証運行も実施されるようです。 県には今後も沿線自治体の先頭に立って、JR西日本との間に立ち、地域の将来像を見据えた調整役として主導的な役割が求められます。協議の過程を地域住民に丁寧に説明することも必要です。 さらに、BRT導入の際にJR西日本が説明された、刷新感のある魅力的な鉄道に代わる恒常的な交通手段として、鉄道以上の利便性を目指す姿勢が必要であります。運行本数、定時性、速達性、他交通との接続、駅周辺とのアクセス、駅舎等の改築や観光利用など、利用者目線で詰めるべき論点は数多くあります。 昨年十二月中旬に美祢市内三か所で開かれた住民説明会で、JR西日本からBRT化に向けての説明がありました。私も三か所とも出席し、説明をお聞きしましたが、利便性の向上に資するバス停留所の増設や、駅舎やその周辺整備など、いかにもJR西日本が行うような説明がありましたので、多くの住民は前向きに捉えておられます。 現実的には、JR西日本としては、国の補助制度を活用する方向性であることから、自治体負担を伴う制度設計となっています。しかし、現在では、それを誰がどのように費用負担していくのかも、協議は進んでいないように感じています。 初期整備費、維持管理費など沿線三市にこれから大きくのしかかる費用負担について、JR只見線やJR肥薩線のように、その軽減策を講じるため、県の負担や支援はもちろんのこと、さらに県が主体的に国、そしてJR西日本提案のBRT化であればなおさら、事業者であるJR西日本の積極的な支援や負担を引き出す協議を重ねるべきではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。法定協議会やこれまでの協議において、県はどのような姿勢で議論に臨んできたのか。沿線三市の負担軽減のため、県としての支援策やJR西日本との交渉など、さらに、BRT導入後の利便性向上に向け、県としてどのように関与していくお考えか、知事の御所見をお伺いいたします。 最後に、学びの多様化学校についてお尋ねいたします。 文部科学省の令和六年度調査では、国公私立の小中学校で年間三十日以上欠席した不登校児童生徒数は三十五万三千九百七十人の十二年連続増加し過去最多、高等学校は前年度比九百八十八人減り六万七千七百八十二人となっており、いずれも高い水準にあり、不登校支援は我が国全体の喫緊の教育課題となっております。 山口県の不登校児童生徒数(令和六年度国公私立計)は、小学校千四百十二人、千人当たり二十三・四人の二・三四%、中学校・中等前期課程は二千百六十一人で、千人当たり六十五・三人の六・五三%、小中合計は三千五百七十三人で、千人当たり三十八・三人の三・八三%、高校・中等後期課程四百五十八人、千人当たり十五・五人の一・五五%となります。 前年度との比較は、小学校で千二百八十四人から千四百十二人で百二十八人増、中学校で二千二百八十六人から二千百六十一人で百二十五人減、小中合計で三千五百七十人から三千五百七十三人で三人増、高校では三百八十七人から四百五十八人で七十一人増と小学校と高校で増加し、中学校では減少しましたが、小中合計では過去最多の三千五百七十三人となっています。 全国との比較では、小学校は全国平均をやや上回り、中学校は全国平均を下回り、小中合計ではほぼ全国並みです。高校は全国平均を大きく下回るという状況です。 このような中で、学びの多様化学校は、不登校児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程を編成できる学校として位置づけられており、令和八年四月に開校の小学校一校、中学校十八校、小中一貫校三校、高校三校の二十五校が指定され、全国三十四都道府県の八十四校まで広がっています。 新たな指定を受けた中に、下関市立文洋中学校の関西分校が新設され、県内初の学びの多様化学校となり、今春一年生三人、二年生十人、三年生七人の二十人が入学、転入されました。 下関市教育委員会は、ここに二〇一五年から不登校の児童生徒を受け入れる文洋中学校の分教室を置いてきましたが、不登校の児童生徒の実態に配慮した特別な教育課程を編成できる、文部科学省指定の学びの多様化学校に発展改組されました。 午前九時頃の登校、午後三時頃の下校とし、全学年とも年間授業時間数を二百十時間減らし、八百五時間と余裕を持たせ、常駐教職員も四人から十人に増員したとのことです。 子供たちを取り巻く環境や価値観は多様化しており、学校復帰のみを唯一の目標とするのではなく、一人一人の状態に応じて学びを保障し、社会的自立につなげていく視点が重要であります。 県教育委員会でも今年度、ステップアップルームを新たに小学校に設置、中学校で増設し、専属教員を配置することや、未然防止、早期発見、早期対応の対策として、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによるオンライン相談、カウンセリング等、きめ細やかな施策を推進されておられます。 文部科学省資料では、校内教育支援センターの整備も進み、公立小中学校で一万五千八百七十四校に設置されておりますが、それでもなお、学校の枠組みだけでは対応が難しい子供たちがおられます。だからこそ、学びの多様化学校を含む複線的な学びの場の整備が求められています。 また、不登校支援は教育だけの課題ではなく、福祉、医療、家庭支援とも連携した包括的な取組が必要です。本県においても、市町教育委員会や関係機関と連携しながら、学びの多様化学校の設置や、それに準ずる支援体制の在り方を検討していく必要があると考えます。 そこでお尋ねいたします。学びの多様化学校に対する県教育委員会の認識と、本県における今後の検討、取組の方向性について、教育長にお伺いいたします。 以上で、私の質問を終わります。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)中本議員の御質問のうち、私からは、人材確保につながる移住・定住対策についてのお尋ねにお答えします。 本県の最重要課題である人口減少が一層厳しさを増し、地域の担い手不足や活力低下など、様々な分野において、その影響の深刻化が懸念されています。 その克服に向けては、移住・定住の取組を強力に進め、本県への人の流れを拡大するとともに、県内への定着を図ることが大変重要と考えています。 このため、私は、市町や関係団体等とで組織する県民会議を核に、効果的な情報発信はもとより、大都市圏での移住相談窓口の整備やきめ細かな対応、移住就業フェアの開催など、移住・定住の促進に向けた取組を積極的に進めてきました。 その結果、本県への移住者数は九年連続で増加し、移住された方々が多様な就業を得て地域で活動されるなど、着実に成果も現れています。 今後、人口減少の中にあっても地域活力を向上していくためには、地域を担う人材を確保し、確実な定着を促進する視点が重要であり、移住者が希望する地域で活躍できる取組を充実させるとともに、安心して住み続けられるよう定着支援を強化していく必要があります。 まず、移住者が活躍できる取組については、スキルや経験を生かせることが重要であるため、地域のニーズや課題を踏まえながら、相談窓口によるきめ細かな対応や、様々な業種や就業形態を対象としたセミナーを大都市圏で開催するなど、より幅広い選択肢を提供し、的確なマッチングを図ります。 また、移住するには住みよい居住環境が不可欠であることから、相談窓口による情報提供をはじめ、市町と連携して県の移住支援サイトに空き家バンクの情報を集約し提供することで住居の確保を図るなど、仕事と居住両面からの取組を充実させてまいります。 次に、移住後の定着支援については、生活上の様々な悩みに対応するアドバイザーを配置するとともに、今年度から、女性のスキルアップや居場所づくり等への支援を行うほか、若者の住宅ローン金利の支援を最低五年間に拡充するなど、不安や経済負担等の軽減を図っていきます。 また、地域住民との交流促進を図る移住倶楽部の開催等により、地域とのつながりを深めるよう取り組むなど、生活全般にわたるサポートを行ってまいります。 こうした移住から定着までの一連の支援を通じ、移住者と地域双方のニーズに寄り添うことで、移住者の地域での活躍につなげていきます。 私は、市町や関係団体等と一層連携を強化し、地域活力の向上に向けて、地域や産業を支える人材確保の観点から、移住・定住対策を強化してまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)田宮土木建築部長。 〔土木建築部長 田宮佳代子さん登壇〕 土木建築部長(田宮佳代子さん)空き家対策についてのお尋ねにお答えします。 本県の空き家率は全国平均を上回っており、衛生上や防犯上の問題などにより、周辺住民に深刻な影響を与えている空き家も多くあることから、その対策は喫緊の課題です。 空き家対策を進めていくためには、お示しのとおり、市町と連携し、空き家の発生抑制から利活用の促進、除却を含めた管理不全状態の解消までの取組を切れ目なく進めることが重要であると考えています。 このため、県では、平成二十六年に、関係部局、警察本部及び市町で構成する山口県空き家対策連絡会を設置し、空き家の発生抑制や、利活用等に関する、優れた取組の横展開を図ることにより、対策の実施主体である市町と緊密に連携しながら、一体的に取組を進めているところです。 こうした連携体制の下、お示しの対策のうち、まず、県域レベルの情報基盤の整備や、移住・定住施策と連動した空き家活用の対策強化については、各市町の移住者向け物件情報を掲載した空き家バンクをはじめ、発生抑制、適正管理、利活用等の情報を集約したポータルサイトを開設し、情報発信しています。 また、市町が行う除却・活用事業への県独自の支援については、市町等が、空き家を改修して交流拠点にするなど、特定の目的に利活用する場合には、その経費を補助し、財政的な支援を行っています。 さらに、専門家と連携したワンストップ相談体制の構築については、司法書士会や弁護士会、建築士会等の関係団体と連携しながら、市町が開催する相談会等に専門家を派遣しています。 今後は、県内全市町へのヒアリングを実施し、それぞれの地域が抱える課題やニーズを丁寧に把握しながら、その課題解決に向け、必要に応じて専門家の派遣や技術的助言を行うなど、相談体制を強化し、きめ細やかな支援を行っていく考えです。 県としては、空き家の利活用とともに、放置空き家や管理不全空家等の発生抑制、解消が図られるよう、引き続き、市町や関係団体等と連携しながら、空き家対策の充実に努めてまいります。 議長(柳居俊学君)山本環境生活部長。 〔環境生活部長 山本毅君登壇〕 環境生活部長(山本毅君)安全で持続可能な秋吉台の山焼きについてのお尋ねにお答えします。 秋吉台国定公園は、日本最大級のカルスト台地の優れた景観や固有の生態系等の豊かな自然環境を有し、今年四月に世界ジオパークに認定されるなど学術的価値も高いことから、こうした景観や自然環境の保全に取り組むことが重要です。 このため県では、自然公園法に基づく開発の規制に加え、地質や生物等の有識者で構成する秋吉台学術専門家委員会に、土地の形質変更等に関する環境保全上の意見や希少種の保護の在り方への見解を聞くなど、科学的知見を取り入れた保全対策を講じています。 さらに、秋吉台の景観等を維持するために欠かせない営みである山焼きは、地域住民の長年にわたる御尽力により守られてきた伝統行事であり、県としても、美祢市秋吉台山焼き対策協議会に参画し、経費負担などの支援を行っているところです。 こうした中、今年二月の山焼きにおいて痛ましい事故が発生し、現在、美祢市の事故検証委員会において、事故原因や安全対策等について調査・検証が行われており、山焼き実施の可否については、検証委員会での議論を踏まえ、今後開催が予定される対策協議会において判断するとされています。 一方、長年にわたり守られてきた秋吉台の景観等を次の世代に引き継ぐためには、現行のように広範囲の草地を一斉に燃やすといった手法も含め、安全性を確保しながら継続できる保全の在り方について、幅広い観点から検討していかなければなりません。 このため、検証委員会において、地元の人口減少に対応するための持続可能な体制構築等についても検討されることから、まずはこの推移を見守っていきます。 さらに、こうした検討の結果を踏まえ、対策協議会において、今後の対応が審議されることとなるため、県としては、公園管理者として、秋吉台の景観等を人の手で守ることの重要性や、今後の保全の在り方についての議論を呼びかける考えです。 あわせて、具体的な手法についても、議員御提案の趣旨を踏まえ、自然保護の観点から専門家委員会の意見も聞きながら、市や地元住民等と共に検討を始めることを提案していきたいと考えています。 県としましては、秋吉台国定公園の管理者として、今後とも、市や地元住民等と緊密な連携を図り、安全で持続可能な秋吉台固有の景観と自然環境の保全対策に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)木安観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 木安亜紀江さん登壇〕 観光スポーツ文化部長(木安亜紀江さん)JR美祢線のBRTによる復旧についてのお尋ねにお答えいたします。 BRTによる復旧は、美祢線が担ってきた交通機能の早期回復はもとより、被災前に比べてよりよくなったと実感いただけることが重要であることから、県では、地元自治体の意向等を十分に踏まえながら、法定協議会等における議論を進めてきたところです。 また、BRTの早期整備について、費用負担は重要な課題であり、県及び沿線三市の負担軽減に向けて、県が主体となってJRと交渉を進めるとともに、国に対して、補助制度の優先採択や確実な予算措置等を働きかけているところです。 さらに、県と沿線三市の間の負担割合については、地元自治体からの要望や、BRT整備が三市にまたがる路線の災害復旧であること等を踏まえ、県が広域自治体としての役割を果たす観点から検討を進めています。 加えて、BRT導入後の利便性向上については、法定協議会での議論を踏まえ、快速便と通常便の二ルートでの運行や、運行本数の増加、停留所の増設などに取り組むこととしています。 県としては、今後とも、沿線三市等と緊密に連携しながら、美祢線を沿線住民の日常生活や、本県の観光振興に不可欠なBRTとして、一日も早く復旧し、住民にとって使いやすい地域公共交通となるよう、取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)学びの多様化学校についてのお尋ねにお答えします。 児童生徒を取り巻く環境が大きく変化する中、全国的に増加傾向にある不登校児童生徒への対応が喫緊の課題となっており、未然防止や早期発見・早期対応の強化はもとより、不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思ったときに学べる環境を整えていくことが重要であると考えています。 このため、県教委では、学びの場の確保に向けて、小中学校内に校内教育支援センターを設置する市町に対し、相談支援等を行う支援員の配置に係る補助を行うなど、その設置を促進しているところです。 また、専属教員を中心に、個に応じた学習支援等を行うステップアップルームについては、利用生徒の半数以上が教室に復帰するなどの大きな効果があることから、中学校に加え、今年度新たに小学校に拡大したところであり、好事例を県全域に展開し、不登校支援の取組の充実を図っています。 お示しの学びの多様化学校については、登下校の時間や各教科等の授業時間数を柔軟に設定できるなど、不登校児童生徒の多様なニーズに応えることができることから、学校に行きづらい児童生徒にとって、有効な学びの場の一つであると認識をしております。 このため、市町教委等との不登校対策の協議会において、今年度開校した下関市の学びの多様化学校における生徒の出席状況や校内での様子など、教育上の効果等を整理し、共有するとともに、市町教委と連携し、学びの多様化学校の設置の可能性について検討することとしています。 今後は、学びの多様化学校をはじめ、校内教育支援センターやステップアップルームにおける好事例を横展開するなど、一人一人のニーズに応じた子供の居場所づくりに努めてまいります。 県教委といたしましては、今後とも市町教委や関係機関と緊密に連携し、誰一人取り残されない多様な学びの場の確保に全力で取り組んでまいります。 ───◆─・──◆──── 議長(柳居俊学君)この際、暫時休憩をいたします。再開は、午後一時の予定でございます。 午前十一時三十八分休憩