1 自主的な避難行動の促進について 2 持続可能な建設産業の構築に向けた取組について 3 将来を見据えた介護提供体制の構築について 4 暮らしに密着した気候変動対策について 5 クマ対策について 6 GXの推進について
───◆─・──◆──── 午後一時開議 副議長(河野亨君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十八号まで 副議長(河野亨君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十八号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 山手康弘君。 〔山手康弘君登壇〕(拍手) 山手康弘君 自由民主党の山手康弘です。 最初に、一言申し上げます。 私は、先月、委員会の県外視察で、沖縄県先島諸島である石垣市に初めて訪れました。天候の関係で、自分が思っていた、透き通るような空やエメラルドグリーンの海には出会えませんでした。晴天であれば、本当に楽園のような景色が眼下に広がっていたと思います。 視察の行程のさなか、現地の方から、もしものときは山口県さん、よろしくお願いしますねと声をかけられました。そのとき、私はふと我に返ったように感じました。台湾から二百七十キロ、沖縄本島まで四百キロ、そして尖閣諸島は石垣市に属しており、外国との国境に近い日本の領土の一つなのです。 現在、石垣市では、訓練上の想定として、山口県を避難先とした住民避難計画の策定に取り組んでおられ、本県とのつながりを改めて強く認識した次第です。 私たちが思っている以上に、世界情勢は目まぐるしく変化をしています。それを国境付近の離島で暮らす人々は、肌で感じているのだと思いました。 私が改めて気づかされたことがあります。日本は島国であり、海洋国家です。鉱物等のエネルギー資源に乏しく、国際情勢の影響を大きく受けます。 生前、安倍元総理が提唱されていた、自由で開かれたインド太平洋構想、そのすばらしさ、それを基にした積極的外交を実践し、日本の安全保障を守り抜いていかなければなりません。 それを可能としているのが、強固な日米同盟を基軸とした抑止力と、この海域や空域で昼夜を問わず、日本の自衛隊、海上保安庁が二十四時間、警戒監視に当たっていることで堅持できているのだと感じました。 改めて、命をかけて崇高な任務の遂行に当たっていらっしゃる自衛隊、海上保安庁の皆様に感謝を申し上げ、通告に従い、質問をさせていただきます。 初めに、自主的な避難行動の促進についてお伺いいたします。 私は、これまで何度も、この議場において、防災・減災対策の質問をしてきました。 第一のきっかけは、平成二十八年に熊本地震の発生で、義理の妹が熊本に嫁いでおり、その際の苦労話をいろいろと聞かされてからです。 次に、平成三十年の西日本豪雨災害です。そのときには私の地元岩国市においても線状降水帯が発生し、断続的に豪雨が続いたせいで、崖崩れや土砂災害が発生し、島田川の水位上昇により、バックウオーター現象が起こり、家屋の床下・床上浸水が発生しました。そして、この豪雨では、三名の方がお亡くなりになりました。 それ以来、災害はいつでも、どこでも、誰にでも起こり得るものとして、何回もその対策等について質問をさせていただいた次第です。 いかなる人工的な構造物を据えたとしても、自然の猛威を克服するのは困難です。自分自身が居住する地域の洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域等をハザードマップで事前に確認しておくのはもちろんのことですが、近年の多発、激甚化する自然災害から命を守るためには、県民一人一人が自らの命は自らが守るといった意識を持ち、自らの判断で適切な避難行動を起こすことが重要であり、行政もこれを全力で支援する必要があります。 先週の県の総合防災訓練においても、岩国市の愛宕山ふくろう公園等を会場として、自衛隊、消防、警察、海上保安庁、医療機関が参加し、地域住民による避難所開設訓練が実施されました。その中で、海上自衛隊のUS2や防災ヘリ「きらら」やドクターヘリが実際に出動し、スターリンクを使用してのオンライン会議等、実戦さながらに訓練が行われました。 災害発生時、住民が自らの判断で危険を感じ取ることが、その後の適切な避難行動につながると感じます。その自主的な避難行動の判断材料となるのが、気象庁が発表する防災気象情報であり、極めて重要な情報の一つです。 こうした中、先月、気象庁は、住民自らが避難行動を適切に判断できるよう防災気象情報を抜本的に見直し、新たな運用を開始しました。これまでの大雨警報といっても、どの程度の警戒レベルかが分かりにくかった、伝わりにくかったという課題を踏まえ、レベル三大雨警報というように、警戒レベルを付した気象情報を発表することになりました。県民に新たな防災気象情報を正しく理解してもらい、自主的な避難行動につなげていくことが重要と考えます。 そこでお尋ねいたします。県は、新たな防災気象情報の周知も含め、県民の自主的な避難行動の促進に向け、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、持続可能な建設産業の構築に向けた取組についてお伺いいたします。 本県の建設産業は、県民生活や経済活動を支える道路や港湾などの社会インフラの整備の担い手であり、地域経済や雇用を支える基幹産業です。 また、豪雨などの自然災害が激甚化・頻発化する昨今、災害発生時には被災現場での応急対応や復旧工事を担う地域の守り手として、また、今後急速に高まることが予想されるインフラメンテナンスの需要に対応していくためにも、その役割は一層重要となっていると考えます。 このように、建設産業は社会的に大変重要な役割を果たしており、まさに必要不可欠な産業ですが、近年、少子高齢化といった要因により、様々な産業において人手不足が叫ばれる状況にあって、建設産業の有効求人倍率は他産業を大きく上回っており、深刻な状況が続いていると言えます。 そうした中で、私の周辺では、父の会社を継ぐために、私と同年代や、それより下の若年層がちらほらとUターンして事業継承をしてくれていることは頼もしい限りです。 しかしながら、まだまだ人手不足であることは変わりはありません。 県においては、担い手確保のために、建設産業における若年者比率を成果指標とし、学生を対象とした出前授業や現場見学会、職業体験イベントの実施など、建設産業の魅力発信に取り組んでおられます。 現状では、就業者数の減少傾向や施策の成果指標を好転させることまではできていませんが、継続性が必要とされる取組ですので、情報発信の対象等にも留意しながら、取組を続けていただきたいと思います。 また、担い手の確保や育成のためには、企業における就業環境の改善を進める必要もあり、そのためには公共工事の入札・契約に係る制度の適宜の見直し等も重要となります。 先般、持続可能な建設産業の実現に向け、建設業法が改正されるなど、就業環境の改善を促進するための取組が進んでいます。 また、昨今の状況としては、中東情勢に伴い、様々な建設資材の価格高騰が生じています。発注者としての県においては、企業が担い手の確保等につなげていけるよう、引き続き、受注者の適正な利潤の確保等のための、制度の適宜見直し等に努めていただきたいと思います。 また、一定の労働人口の減少が避けられない中、担い手不足を補うためには、建設産業全体の生産性の向上も必須です。 現在、県では産学官が連携して建設DXの取組を進められ、建設現場での作業の効率化が図られているところですが、県内業者に広く新たな技術が浸透するよう、取組を加速化させていただきたいと思います。 県においては、建設産業で働く人たちが、今後もやりがいと誇りを持って仕事を続けられるよう、また新たに就業される方が増えるよう、引き続き、各種の取組を推し進めていただきたいと強く思うのです。 そこでお尋ねいたします。本県の基幹産業である建設産業が、将来にわたってその社会的な役割を果たしていけるよう、持続可能な建設産業の構築に、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、将来を見据えた介護提供体制の構築についてお伺いいたします。 今月初めに、厚生労働省が二〇二五年の出生数は約六十七万人と過去最少を十年連続で更新と発表しました。これは、国の推計よりも十五年早く少子化が進行しているということで、危機的状況にあるように感じています。 我が国においては、団塊ジュニア世代が六十五歳以上となる二〇四〇年頃には高齢者人口のピークを迎えると見込まれる一方で、このような急速な少子化の進行により、生産年齢人口は今後さらに減少が加速するなど、本格的な少子高齢化・人口減少時代に直面しています。 こうした中で、医療・介護の複合的なニーズを有する高齢者や高齢単身世帯、認知症の方などの増加が見込まれ、誰もが住み慣れた家庭や地域で安心して暮らしていくためには、将来を見据えた介護提供体制の構築が重要です。 増大する介護需要に対応するためには、まずは介護の担い手の確保を図ることが必要ですが、生産年齢人口の減少により、既に全国的に見ても不足している介護現場での働き手の確保は一層難しくなることが予想されます。 そのため、介護職員の処遇改善に加え、生産性向上等を通じた職場環境の改善に向けた先進的な取組の推進などにより、拡大し多様化する介護ニーズに的確に対応し、さらなる介護サービスの質の向上を図る必要があります。 県では、昨年度、生産性向上のための介護テクノロジー機器の導入に係る補助制度を大幅に拡充し、事業者への支援を推進しており、活用した事業者からは大変好評だったと聞いている一方で、まだまだ多くの事業者が生産性向上の取組が道半ばであり、さらに加速度的に環境整備を推進していただきたいと思います。 また、今月からの介護報酬期中改定により、介護職員の処遇改善などが行われていますが、他産業での大幅な賃上げの流れにあっては、介護人材の確保が困難な状況が続くものと考えられ、来年度の介護報酬改定に向けても、引き続きプラス改定が実現するよう、しっかりと国への働きかけを行っていただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。今後ますます少子高齢化が進行し、増大する介護ニーズに対応するため、県では、将来を見据えた介護提供体制の構築について、どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、暮らしに密着した気候変動対策についてお伺いいたします。 本年も四月下旬の時点で、全国各地で三十度を超える真夏日が続き、五月には三十五度以上の猛暑日を記録した地点もありました。 また、五月の半ばには、私の所管する農林水産委員会で視察に赴いた石垣島の方から、年間を通じて温暖な気候で、最高気温が三十二度を超えることはないと聞き、驚いた次第です。 気象庁では、最高気温が四十度以上となる日を酷暑日と定めたほか、最近発表した向こう三か月の天候の見通しでは、地球温暖化の影響等により、全国的に平均気温が平年より高く、厳しい暑さになる見込みとされていますし、エルニーニョ現象などで一旦地球の気温が上がってしまうと、その後、下がらないとする見解もあります。 また、夏期の気温上昇により熱中症のリスクがこれまで以上に高まっており、県内でも熱中症の疑いにより救急搬送された方の数が近年増加傾向にあります。加えて、特に高齢者や子供などは重症化しやすいとされており、私たちの暮らしに気候変動の影響が広がりつつあると感じています。 こうした気候変動に対しては、温室効果ガス削減の緩和策と既に進んでいる温暖化に対応していく適応策の両輪で取り組んでいくことが必要です。 県が令和五年に改定した山口県地球温暖化対策実行計画では、県民、事業者、NPO等民間団体、そして行政が一丸となって、緩和策と適応策を両輪とする施策を総合的かつ計画的に推進していくこととされています。 計画では、家庭部門における取組として、省エネや節電の実施、省エネ家電への買換え等を意識した行動を呼びかけており、先月二十九日から開始されたぶちエコやまぐち省エネ家電等購入支援キャンペーンでは、これまでに四千七百件を超える申請がなされており、活況を呈しています。 しかしながら、今回のキャンペーンは物価高対策の側面もあるため、私の元には、県が家電への助成を開始したが、どのような手続をしたらいいのかといった声が多く、気候変動対策としての目的が十分に伝わっていないのではないかと心配しています。 私は、キャンペーンを契機として、県民自らが気候変動への関心や理解を深め、様々な取組への参加を促すことができればと考えており、県の主体的な取組に期待をしているところです。 そこでお尋ねいたします。まず、ぶちエコやまぐち省エネ家電等購入支援キャンペーンも含めて、県民生活に影響の大きい熱中症対策に向けてどのように取り組まれるのか、そして家庭部門における気候変動対策に、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、熊対策についてお伺いいたします。 近年、九州・沖縄を除いた全国各地で話題になっているのが、人里や農場、そして市街地に出没する熊による被害です。被害は人的被害から農作物や家畜の被害、また熊の出没による、一時的な公共施設の休館などに及びます。 日本にはヒグマとツキノワグマの二種類が生息しており、ヒグマは日本に生息する陸上最大の哺乳類であり、雄は体長約二メートルから二・八メートル、体重は二百五十キログラムから五百キログラムに達することもあるとされております。 また、本州及び四国に生息するツキノワグマは、胸にある白い三日月模様が特徴で、雄は体長約一・二メートルから一・八メートル、体重が五十キログラムから百二十キログラムに達します。 熊は古来より生息していた動物ですし、我々日本人は熊を狩ることで、山の恵みとして様々に利用してきました。以前は山に人が山仕事として定期的に入ることで、山を利用してきました。生活する上で欠かせない燃料の確保、まきや炭作り、そして山野草や季節ごとの山の恵みを採取することで、山が人の手で整備され、美しい森林を保っていました。その頃には、人里と野生動物が生息する境界が保たれ、絶妙な距離感で熊と人間は共生をしていました。 こうした中、年月が過ぎていき、人里には様々な変化が現れ、絶妙な距離感を保ってきた熊と人間の関係に大きな変化が生じてしまいました。 まずは、里山で生活や活動する人が減少してしまったことです。 過疎化や高齢化が急速に進んでいる中山間地域の集落では、生活や活動している人の数が大きく減り、以前のように熊が山で人を見かけなくなりました。そのため、熊の人への警戒心が低下し、だんだんと熊の生息域が人里に近づいてきたとされています。 また、かつては利用されていた田んぼや畑が荒れ放題となっていったことも要因に挙げられます。 それまでは、米や野菜が育てられていた多くの田んぼや畑が、人間が減り、手入れが行き届かなくなってしまったことで、やぶや茂みの場所がだんだん増えていき、熊が隠れることのできる場所に変わり、人目につくことなく人里の近くまで移動できるようになったとされています。 こうして、熊をはじめとした野生動物が自分の生息域が分からなくなるとともに、人の手入れがなくなってしまった山は荒廃し、人里に誤って出てしまう個体、そして最近では人里に下り、食料残渣や果実などに出会い、味を知ってしまったアーバンベアなどが聞かれるようになりました。 一昨年頃より、私の地元でも防災ラジオで熊の出没情報が流れますし、実際にイノシシの箱わなに体長一・五メートルの熊がかかったり、養蜂場付近では頻繁に熊が出没しています。 岩国市の玖北地域においては、朝校庭に熊のふんがあったり、頻繁に出没するので、切りがないので通報はしなくなっているそうです。最近は柳井地域にも熊が出没し、柳井市の人々を驚かせています。 しかしながら、冒頭に述べたように、体格の大きさ、力の大きさとスピードのある野生の熊と人間は一緒に暮らせません。互いにいい距離感を保ちつつ、出会わずに済むのが一番いいと考えるところです。 県警察におかれましては、従前よりくまっぷなどで情報を発信し、熊の出没に関し注意喚起をされてこられました。これは県民の安心・安全を守るという上で、まずは県警察が取り組んでこられたことに感謝を申し上げます。 このたび、県におかれましては、熊の頻繁な出没に総合的に対応するため、パッケージによる対策を推進されるとお聞きいたしました。 そこでお尋ねいたします。県では、県民と熊との距離を保ち、熊被害を未然に防ぐための、具体的にどのような熊対策を進めていかれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、GXの推進についてお伺いいたします。 先日、本県はGX戦略地域の有望地域に選定されました。GX戦略地域は、国家戦略であるGX二〇四〇ビジョンを地方レベルで実現するため、地域を厳選して支援と規制・制度改革を一体的・集中的に展開し、地方において真の競争力の高い産業クラスターを創出するものです。 村岡知事はちょうど一年前、昨年六月議会で我が自民党会派の質問に対し、GX戦略地域への選定を目指すと表明されました。 その後、直ちに、新事業創出・育成タスクフォースを立ち上げ、タスクフォースメンバーや県内企業と共に、本県GX産業のあるべき姿について検討を重ねてこられました。 そして本年一月には、企業等四十五者から成る山口県GX戦略地域推進コンソーシアムを組織し、宇部・山陽小野田、周南、岩国・大竹の三つのコンビナートの強みとポテンシャルを生かした、十七の珠玉のプロジェクトを取りまとめられたところです。 私は、これまでの県の強力なリーダーシップに敬意を表するとともに、地元岩国選出の議員の一人として、また、脱炭素社会における産業競争力強化特別委員会の委員の一人として、今後の展開に大いに心躍る思いであります。 さて、今回、本県と共に有望地域に選定され、最終審査を争うのは、千葉県、川崎市、兵庫県、香川県、岡山県の五地域であります。いずれも国内外に名の知れたコンビナートであり、各地域が誇る企業、インフラ、技術等の産業力を結集したすばらしい計画を打ち出しています。 相手にとって不足はなしでありますが、これらライバルとの競争を勝ち抜き、本県がGX戦略地域に認定されるためには、これまで以上に強固な企業との連携と国への効果的な折衝、本県こそが世界で勝てるGX戦略地域にふさわしいと思わせる、洗練されたプロジェクトが必要です。 そして認定後、県はどのようなGX産業クラスターを目指されるのでしょうか。 今世界では、地政学リスクの影響やDXの進展等による電力需要の増加、経済安全保障上の要請によるサプライチェーンの再構築など、カーボンニュートラルを取り巻く環境は不確実性が高まるばかりであり、その対応は待ったなしです。 GX戦略地域はあくまで手段で、最終的なゴールではなく、それを着実に本県産業の競争力につなげていかなければなりません。私は、GX産業クラスターは、本県に持続的な成長をもたらす産業力の基盤となり、その形成は、知事の訴える成長と安心の好循環の核心的な取組であると考えています。 そこでお尋ねいたします。今夏に予定されているGX戦略地域の最終審査を勝ち抜くため、現在、県はどのように取り組んでおられるのか。認定に向けた知事の決意とともに、認定後の本県GXの推進にかける思いについてお伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。 御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) 副議長(河野亨君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)山手議員の御質問にお答えします。 まず、自主的な避難行動の促進についてです。 自然災害が頻発化・激甚化する中、災害から県民の生命と財産を守り、被害を最小限に抑えるためには、県民一人一人が自らの命は自らが守るという意識を持ち、主体的に避難行動を取ることが極めて重要です。 このため、私は、適切な避難行動の礎となる防災意識の向上や、地域住民が相互に協力して自主的に避難行動を取るための体制づくりを積極的に推進しているところです。 具体的には、まず、県民一人一人の防災力を高めるため、災害時の心構えや具体的な行動を記した防災ガイドブックを作成、配布するとともに、災害時に取るべき行動を具体的かつ視覚的に認識できる動画を作成、公開しています。 また、市町や自主防災組織が行う防災訓練等で活用いただいている災害体験VR機器に、新たなコンテンツとして発災後に身を守る行動を追加するなど、より実践的に考える機会を提供することとしています。 こうした中、このたび気象庁において、気象警報等と住民が取るべき避難行動との関係を、直感的に理解しやすいよう見直された新たな防災気象情報の運用が開始されたところです。 お示しのとおり、本情報は自主的な避難行動の重要な判断材料であることから、県としては、県政放送や出前トークのほか、小学校で行う防災体験学習など、あらゆる機会を通じて、気象情報の内容や適切な活用方法について、理解の促進を図り、適切な避難行動へとつなげてまいります。 あわせて、地域住民が相互に協力して自発的に行う率先避難や呼びかけ避難の体制づくりに向けて、市町と一体となって、専門的な知識を有する自主防災アドバイザーを養成、派遣し、地域における災害リスクの把握や避難訓練等の実施を促進していきます。 さらに、災害リスクが高い地域において、こうした体制づくりが着実に波及、展開するよう、課題の共有や先進事例の紹介を行うなど、引き続き市町の主体的な取組を支援することとしています。 私は、いつでも、どこでも起こり得る災害から県民の命と暮らしを守るため、今後とも市町や関係機関と連携し、県民一人一人の防災意識の向上や自主的な避難行動の促進に取り組み、地域防災力の一層の強化を図ってまいります。 次に、GXの推進についてのお尋ねにお答えします。 国際情勢の不安定化など、経済の不確実性が高まる中、成長と安心の好循環の原動力となる産業力を強化していくためには、本県のポテンシャルを生かした成長分野の産業集積を一層加速させることが極めて重要です。 このため、私は、昨年六月にGX戦略地域の認定を目指すと表明し、これまで約一年間、官民一丸となって検討を進めてきたところであり、有望地域に選定された現在は、国の伴走支援を受けながら、最終審査に向けた申請内容の洗練を図っているところです。 具体的には、まず、有望地域選定以降、国との面談を約二十回行っており、この中で、本県が申請に盛り込んだ全体構想やGX関連事業等に関し、特徴を際立たせるべき点や、より具体性を補強すべき点等の助言を受けています。 また、こうして得られた知見を、共に検討を続けてきた金融機関やコンビナート企業等にフィードバックし、何度も協議を重ねながら、申請内容の充実を図っています。 さらに、GX関連事業等の検討を行っている事業者は、当初予算で措置したGX戦略地域牽引プロジェクト推進事業による補助金を活用して、各事業の実現可能性に関する精緻な検証を進めています。 こうした取組に加え、さきの政府要望では、私自ら経済産業省に赴き、何としても認定を得るという強い覚悟を伝えるとともに、認定後の強力な支援を求めたところです。 夏頃とされている最終審査に向け、残された時間を有効活用し、国との折衝や関係企業等との調整を精力的に行うなど、必ずや認定を勝ち取れるよう最大限の努力をしてまいります。 また、認定後は、コンビナートの構造転換やGX新産業の創出・育成を推し進める計画であり、例えば、岩国・大竹地域では、高い技術力を有するスタートアップ企業の進出をきっかけとして、国内有数のリサイクル拠点への転換を目指すこととしています。 こうしたコンビナートの取組とともに、水素利活用や中小企業の脱炭素化など、県独自の産業脱炭素化戦略に基づく取組を充実強化させながら一体的に推進することで、GX産業集積の動きを県内全域に広げていきたいと考えています。 私は、本県の持続的な成長を生み出す産業力の強化に向け、産学公金の総力を結集してGX戦略地域の認定を勝ち取り、世界で勝てるGX産業拠点の形成と県内全域への波及に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 副議長(河野亨君)田宮土木建築部長。 〔土木建築部長 田宮佳代子さん登壇〕 土木建築部長(田宮佳代子さん)持続可能な建設産業の構築に向けた取組についてのお尋ねにお答えします。 建設産業は、社会資本の整備や維持管理、災害発生時の応急復旧などを担う中核的な存在であり、地域経済や雇用の下支え役としても重要な役割を果たしています。 こうした中、少子高齢化により、特に若者の就業者が少なく、近い将来、社会資本整備や災害対応等に支障を来すおそれがあることから、持続可能な建設産業を構築することが重要と考えています。 このため、県では、建設業団体や関係機関と連携し、お示しの魅力発信や就業環境の改善、生産性の向上の取組を通じ、担い手の確保に努めているところです。 具体的には、まず、魅力発信については、中高生を対象としたやまぐち建設産業魅力発見フェアをはじめ、親子現場見学会や全世代を対象としたやまぐち建設フェス!など、世代に応じた体験型イベントを開催しています。 加えて、今年度から新たに、高校生の進路指導を担当する教職員を対象として、国内外で活躍する県内の建設業者の紹介や、現場における最新技術等の見学会を実施し、建設産業への理解促進を図ることにより、高校生の入職につなげていく考えです。 また、情報発信サイトやま建Naviに、実際に現場で災害復旧に従事された方のインタビューを交えた動画を掲載したところであり、今後も技能者の魅力を伝える特集を組むなどコンテンツを充実し、建設産業のイメージ向上を図ります。 次に、就業環境の改善については、受注者が、公共工事の品質確保や福利厚生の充実等に取り組めるよう、本年五月に入札・契約制度を改正するとともに、技能者の適正な賃金水準の確保に向け、国の改定に合わせ、労務単価を引き上げたところです。 なお、資材価格の高騰に対しては、スライド条項の適用等により、契約締結後も、その影響を請負金額に適切に価格転嫁しているところであり、引き続き、受注者からの協議の申出に速やかに対応してまいります。 次に、生産性の向上については、建設業団体等と協力しながら、小規模な工事での効率化・省力化につながるICTの活用事例を紹介し、体験してもらうセミナーを県内各地で開催するなど、引き続き、取組内容の一層の充実を図っていく考えです。 県としては、本県の基幹産業であり、地域の守り手である建設産業が将来にわたって、その社会的役割を担っていけるよう、引き続き、持続可能な建設産業の構築に取り組んでまいります。 副議長(河野亨君)石丸健康福祉部長。 〔健康福祉部長 石丸泰隆君登壇〕 健康福祉部長(石丸泰隆君)将来を見据えた介護提供体制の構築についてのお尋ねにお答えします。 高齢化が進行し、介護の需要の増大・多様化が見込まれる中、高齢者が、将来にわたり、住み慣れた地域で安心して暮らし続けていくためには、要介護者等のニーズに対応した、持続可能な介護提供体制の構築が重要です。 このため、県では、生産年齢人口が減少する中にあっても、介護サービスを支える人材の確保・定着が図られるよう、介護職員の処遇改善と働きやすい職場環境づくりの支援に、重点的に取り組んでいます。 まず、介護職員の処遇改善については、昨年の政府要望において、介護報酬の大幅改定や緊急的な財政支援を国に要望し、その結果、この六月に期中改定が実施されるとともに、賃上げ、職場環境改善を行う事業所への補助金交付などの財政支援が講じられています。 加えて、今回の政府要望においても、国に対し、賃金上昇等に対応した随時の報酬改定など、適時適切な経営支援を要望したところです。 また、介護職員の賃金改善に向けては、今後も、介護事業所の処遇改善加算の取得を促進するため、加算の要件や取得方法に関する研修会を開催するとともに、賃金体系の整備などの相談に対応する社会保険労務士等を、個別に派遣してまいります。 次に、働きやすい職場環境づくりについては、事業者がICT等を活用することで、職員の業務負担の軽減や、介護サービスの質の向上を図れるよう、昨年度、介護テクノロジー導入のための補助制度の大幅拡充や、事業者からの相談にワンストップで対応する窓口の設置を行ったところです。 介護テクノロジーの導入は、事業所内の情報共有による業務の効率化や、職員配置の改善といった効果が認められていることから、さらなる普及促進に向け、今年度は、予算額の増額や補助率の引上げなど、支援内容を拡充しています。 県としましては、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、将来を見据えた介護提供体制の構築に向け、事業所への支援の充実強化を図ってまいります。 〔石丸健康福祉部長の発言中、河野副議長に代わり、柳居議長が議長席に着く〕 議長(柳居俊学君)山本環境生活部長。 〔環境生活部長 山本毅君登壇〕 環境生活部長(山本毅君)暮らしに密着した気候変動対策についてのお尋ねにお答えします。 近年、猛暑日が著しく増加するなど、気候変動は県民の暮らしに様々な影響を及ぼしており、県では、地球温暖化対策実行計画に基づき、適応策と緩和策の両輪で、家庭部門での対策に取り組んでいるところです。 このうち、お示しの熱中症対策は、暮らしの安心・安全を守る重要な取組となるため、適応策の中心に据え、今年度から新たに、熱中症予防強化キャンペーンを実施し、特にリスクの高い高齢者と子供に焦点を当てた対策を進めていきます。 まず、高齢者向けには、訪問活動を行う事業者や社会福祉協議会等を対象としたワークショップを、市町と連携して開催し、効果的な呼びかけや涼みどころの利用などの好事例を学び、共有する機会を提供します。 また、子供向けには、親子で熱中症対策等が学べる、プロスポーツチームと連携した啓発イベントを開催するとともに、予防の目安となる暑さ指数計を部活動等に貸し出すなど、家庭やスポーツ活動等での実践を促していきます。 次に、緩和策では、ぶちエコやまぐち県民運動において、暮らしの脱炭素を後押しする国の取組と連携し、家庭での節電やエコドライブ、住宅の省エネ化など、暮らしの実践活動を支援しています。 こうした気候変動対策を持続的に推進していくためには、将来の担い手となる若者の関心を高めることが重要となるため、小中学生による脱炭素をテーマとしたディベート大会の開催に加え、今年度から、高校、大学生自らが対策を企画立案、提案する学習プログラムに取り組むこととしています。 さらに、取組のはずみとするため、省エネ家電等の購入支援事業では、熱中症対策として、エアコンの交付ポイントを高く設定し導入を促進するほか、強化キャンペーンと同時に開始することで相乗効果を図ることとしており、省エネ製品の普及拡大による脱炭素化とともに推進していきます。 また、この事業目的が県民に十分伝わるよう、エアコンの適正利用等による熱中症対策の重要性とCO2 削減効果について、店頭できめ細かな説明を行うとともに、SNS等を効果的に活用した情報発信により周知を図っていきます。 県としましては、今後とも、国や市町、事業者、関係団体等と緊密に連携し、適応策と緩和策の両輪による暮らしに密着した気候変動対策に積極的に取り組んでまいります。 次に、熊対策についてのお尋ねにお答えします。 県内における今年度の熊の出没状況は、現時点、目撃、捕獲数ともに、例年に比べ多くなっており、被害発生も懸念されることから、県民の安全・安心確保のため所要の対策に取り組むことが重要です。 このため、県では、本県の実情に即した対策を総合的に実施するため、緊急度に応じ、緊急、短期、中期の三段階に分けたやまぐち版クマ被害防止対策パッケージにより、市町や猟友会、県警察等と連携し、迅速かつ着実に取組を進めています。 一方、昨年度実施した熊生息状況調査では、生息域が瀬戸内海側などに拡大しており、また、生息域内でも人里での出没が頻発化しているため、熊を人里に寄せつけないための対策を中長期的な視点で講じる必要があり、パッケージの中期対策として実施することとしています。 具体的には、まず、柿や栗といった果樹など熊の誘引物の除去について、国の交付金を活用し、市町による果樹の伐採等を支援するほか、地域と連携した遊休農地の草刈りなどにより、熊が侵入しづらい環境づくりに取り組みます。 こうした取組とともに、人の生活圏と熊生息域を明確に区分して両者のすみ分けを図り、かつ、熊が人里に侵入してこないための対策を徹底することが必要です。 このため、生活圏と生息域の間に緩衝地帯を設け、そこでの侵入防止対策を強化するというゾーニング管理の考えを、今年度改定する熊管理計画に盛り込むこととしており、その策定に地元市町や住民等の意見を反映することで、取組の実効性を高めていきます。 さらに、ゾーニング管理は、国のガイドラインに即して設定、実行することとなるため、さきの政府要望において技術的な助言や対策の支援等を求めたところです。 加えて、緩衝地帯での熊の確実な排除に向けては、捕獲の担い手の確保・育成が重要となるため、銃猟免許取得者への助成金増額等による受験者の確保対策や、市町、猟友会等と連携した射撃訓練の実施等に取り組んでいきます。 県としましては、県民の安全・安心確保に向け、国や市町、県警察、猟友会等と緊密に連携し、人の生活圏に熊を寄せつけず、その被害を未然に防止するための対策に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)これをもって、一般質問及び提出議案に対する質疑を終結いたします。