1 やまぐち未来躍進プランについて 2 中東情勢に関する対応について 3 幹線道路網の整備について 4 地域の未来を切り拓く産業力の強化について 5 教育行政について 6 警察行政について
───◆─・──◆──── 日程第一 代表質問 日程第二 議案第一号から第十八号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、代表質問を行い、日程第二、議案第一号から第十八号までを議題とし、質疑に入ります。 代表質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 塩満久雄君。 〔塩満久雄君登壇〕(拍手) 塩満久雄君 おはようございます。自由民主党の塩満久雄でございます。 令和八年六月定例会に当たり、会派を代表して、知事、教育長及び県警本部長に質問いたします。 質問に先立ち、一言申し上げます。 さて、今、世界に目を向けてみますと、中東情勢は国際秩序やエネルギー供給、さらには、我が国の経済や暮らしにも大きな影響を及ぼしております。 不確実性の時代にあって、地方においても危機管理と持続可能な発展への備えがこれまで以上に求められております。 こうした時代だからこそ、私たちは改めて郷土山口の原点に立ち返る必要があります。 幕末の動乱期において、高杉晋作は、時代は自ら動かすものとの気概を持って、新たな日本の扉を切り開きました。その志は、今を生きる私たちにも受け継がれているはずです。 現在、村岡知事の県政運営の礎となっている総合計画は、まさにその精神を現代に体現するものであります。 人口減少、産業構造の変化、地域間格差といった課題に真正面から向き合い、活力ある地域づくりを両立させる取組が進められております。 現場の声に耳を傾け、対話を重ねながら政策を前に進め、地域の実情に根差した、実効性ある施策を展開していくことが重要であります。 多くの県民の皆様方の信託を得て、四期目の県政運営をスタートされた村岡知事には、ぜひとも実のある成果を導き出していただきたいと思います。 本日は、こうした視点を踏まえ、県政の諸課題について御所見をお尋ねいたします。 初めに、やまぐち未来躍進プランについてお尋ねします。 村岡知事は、さきの三月定例会で、四期目の県政運営に当たり、強い産業による経済成長の成果を県民の暮らしの安心へつなげ、次なる成長へと導く、成長と安心の好循環の創出に決意を示され、その指針となる新たな総合計画の策定を表明されました。 依然続く、我が国の急激な少子化や、中東情勢で浮き彫りになった国民生活に混乱を起こすリスクの増大、経済安全保障を背景にしたソブリンAIの需要の高まりなど、県政を取り巻く環境は複雑・高度化しています。 国においては、高市内閣の、日本列島を強く豊かにするとの基本方針の下、責任ある積極財政を踏まえた骨太の方針や日本成長戦略を取りまとめ、政策の方向性を示される予定です。 インテリジェンス機能の強化など、国の根幹に関わる重要政策の大転換にも果敢に挑戦されています。 このような中、先日示された新たな総合計画の骨子案では、産業力の強化と安心の確立に向けて十二のプロジェクトが設定され、新たな県づくりを戦略的に進めていくことが示されました。 社会経済環境が大きな転換期を迎える中、社会全体を持続的に発展させ、県づくりを新たな段階へ押し上げようとする知事の強い意志を感じました。 このやまぐち未来躍進プランが、文字どおり機能するためには、本県の将来像や多くの主体の参画による県づくりの重要性等について、県民の皆さんとしっかり共有するとともに、速やかに実行に移し、県内の様々な地域、分野で生まれる取組成果がさらなるステップアップへつながる好循環をつくり出す必要があります。 新たな県づくりに向けて県民一人一人の力が一つにまとまり、大きなうねりとなるよう、知事には力強いリーダーシップを発揮していただきたいと思います。 そこでお尋ねします。県づくりを新たなフェーズへ導く総合計画の策定に、今後どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、中東情勢に関する対応についてお尋ねいたします。 ホルムズ海峡の事実上の封鎖に端を発した、原油価格の高騰や物資供給網の混乱は、本県の地域経済にもその影響を広げつつあります。 ナフサから石油化学製品を生成することを中核事業としているコンビナートにとって、ナフサの調達はまさに生命線であります。 また、ものづくりを支える中小企業からは、資材価格の高騰や原材料そのものの入手が困難になっているとの苦しい状況を伺っております。 公共交通機関においても、値上げが必要となるなど、事業活動や日々の県民生活に様々な影響が生じているのでございます。 こうした情勢を踏まえ、国においては今夏の電気・ガス料金支援について、昨年度以上の負担軽減を行うとともに、ガソリンなどの価格抑制のための補正予算が、先般、成立いたしました。 かつてのオイルショックのような市場の混乱を回避するためには、官民が正しい情報に基づき、しっかりと協力し、個々の状況にきめ細かく対応しながら、この困難を乗り越えていかなければなりません。 現在、県では、中東情勢を受けて速やかに設置された特別相談窓口などにより、課題を把握し、常時対応を検討されております。 また、このたびの補正予算では、国の支援策に速やかに呼応し、LPガス料金などの負担軽減を図ることとされたところでございます。 しかしながら、日々情勢が変動し、今後の経済への影響も不透明な中で、多くの県民や事業者の皆さんが不安を抱えておられます。 物資の供給状況や支援制度に関する情報を分かりやすく発信し、必要な支援が確実に行き届くよう国と連携し、丁寧かつ機動的な対応が不可欠であります。 そこでお尋ねします。中東情勢の影響から県民の暮らしや事業を守り抜くため、県はどのように対応されるのか、知事の御所見をお伺いします。 次に、幹線道路網の整備についてお尋ねいたします。 幹線道路網は、本県の産業力強化や県域を越えた交流の促進を支えるために必要不可欠なインフラであります。 こうした観点に加え、近年、全国各地で豪雨や地震などの自然災害が頻発化・激甚化している状況の中、国土強靱化の観点からも、その整備促進の重要性は一層高まっております。 そのため、これまでも我が会派が率先し、議会、執行部及び関係団体が一丸となり、山陰道の全線開通や、下関北九州道路の早期事業化、岩国大竹道路の事業促進などを国へ強く訴えてまいりました。 こうした活動もあり、私が議連の会長を務める下関北九州道路については、平成二十九年に計画の凍結が解除されたことを皮切りに、その後の粘り強い要望活動を経て、今年一月、その在り方等の調査審議のための国の有識者会議が設置されました。 そして、四月には、当会議で本県に対するヒアリングが行われるなど、今まさに事業化に向けた動きが加速的に進んでいます。下関北九州道路の一刻も早い事業化、そして、早期実現を強く願うばかりであります。 また、こうした動きに限らず、村岡県政下においては、山陰道の県内における全ての優先整備区間の事業化や、直近では国道二号富海拡幅の全線開通、国道二号長府トンネル改修の新規事業化など、県内の様々な箇所において成果が生まれております。 こうした中、県では、今年度、新たな道路整備計画の策定を進められるとのことです。さきに述べた自然災害の頻発化・激甚化など、道路を取り巻く状況の変化にも的確に対応し、策定を進めていただくとともに、新たな計画に基づき、全県的な幹線道路網の整備について、一層強力に取り組んでいただきたいと思います。 そこでお尋ねします。本県のさらなる産業力強化や交流の拡大、国土強靱化を図るため、幹線道路網の整備について、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、地域の未来を切り開く産業力の強化についてお尋ねします。 先ほども触れましたが、中東情勢の影響により、原油や石油化学製品、各種資材等、サプライチェーン全体に供給不安が広がっております。これに、足元の物価高や人手不足も重なり、本県経済の先行きの不透明感が増しております。 こうした中、高市政権は、強い地域経済を構築すべく地域未来戦略の取りまとめを進めております。 将来にわたって活力ある日本社会を維持していくため、地方の持つ伸び代を生かし、各地域の特性に即した産業クラスターの形成や、新たな技術、ビジネスの創出を後押しするものです。本県もこれに呼応し、この難局を打開できるような産業力を培っていかなければなりません。 一方で、その産業を支える人材確保は難題の一つでございます。 先日発表された国勢調査から、人口減少の深刻な実態が改めて明らかになりました。少子化対策、子育て支援はもちろんのこと、中長期的かつ構造的な視点からも対応していく必要があります。 それは、県外流出の著しい若者や女性に選ばれるような、未来に夢や希望を持てる地域となること、すなわち地域を力強く牽引し、人を引きつける強い産業を育てることであります。 まさに産業は、本県発展の礎であります。知事が訴える強い産業を原動力とした、成長と安心の好循環の考え方とも符合いたします。 物価高や資材流通の機能不全、人口減少、GX、デジタル化への対応など、本県産業を取り巻く課題は複雑・多様化し、混迷の度合いを増しております。そうした中で、本県が持続的な発展を遂げていくためには、本県産業の強みや地域資源などの伸び代を最大限に生かし、地域の未来を切り開く産業力の強化が必要です。 そこでお尋ねします。知事は、四期目の県政運営に当たり、今後、本県の産業力をどのように強化していこうとされているのか、御所見をお伺いいたします。 次に、教育行政についてお尋ねします。 今、世界規模で産業構造や社会システムの激しい変化やAIの実装など、デジタル技術の目まぐるしい発展が止まることのない時代に突入しております。 労働人口減少、AI・DXの進展等による産業構造転換に対応するためには、新たな価値創造やAI・DX等を駆使した生産性向上を実現する産業イノベーション人材をはじめとして、これからの社会に求められる人材の育成が急務であります。 地域人材育成の一翼を担う公立高校においては、こうした社会変化に対応した教育を実現するとともに、多様な学習ニーズに対応した教育機会を確保することなどが求められております。 加えて、私立高校への授業料支援が拡充され、私立高校への進学を希望する生徒の増加が見込まれる中、公立高校への進学者数が減少する可能性が指摘されております。 このような中、国においては、社会状況が大きく変化する二〇四〇年を見据えて、今年二月に高校教育改革に関する基本方針を公表し、都道府県における地域の実情に応じた創意工夫ある取組の充実を図るとともに、その取組を強力に後押しすることとしています。 本県においても、県立高校の再編統合が進められている中、各高校ならではの特色化・魅力化を図ることがますます重要となっております。加えて、より質の高い教育を進めるために必要な一定の学校規模の維持という観点だけにとどまらず、文理の区分にとらわれない学びや科学的思考力の育成など、生徒が将来を見据え、新たな価値を創造できる力を育成することも必要だと考えます。 そこでお尋ねします。国が、本格的に高校教育改革を進めようとする中、社会や産業界のニーズに即応しつつ、生徒の可能性を広げ、能力を伸ばす教育を実現するため、今後、県教委において、どのように高校教育改革を進めていかれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。 最後に、警察行政についてお尋ねします。 本年三月末の人事異動により、第四十一代目の山口県警察本部長として秋本泰志警視長が着任されました。 新本部長は、着任時の記者会見において、様々な治安課題に丁寧かつ迅速に取り組み、県民の皆様と力を合わせて良好な治安を確保していくと心強い抱負を語られました。 この意気込みを頼もしく感じるとともに、県民が真に安心して暮らせる地域社会の実現に向けて、県警察をしっかりと牽引していただきたく、大きな期待を寄せているところでございます。 さて、県内の治安情勢に目を向けますと、長年減少傾向で推移していた刑法犯認知件数が近年は増加に転じ、SNS型投資・ロマンス詐欺をはじめとする特殊詐欺や、ストーカー・DV事案といった人身安全関連事案など、全世代が犯罪の被害対象となり得る深刻な状況が続いております。 特に、最近全国では、匿名・流動型犯罪グループが関与する凶悪事件が多発しており、これらは全国警察が一体となり取り組むべき最優先事項であることは言うまでもありません。 一方、交通情勢につきましては、昨年、交通事故死者数が大幅に減少したものの、死者数に占める高齢者の割合は高水準を維持し、本年も厳しい状況が続いていることから、関係機関等と連携した実効性の高い抑止対策が重要です。 また、本年四月から、自転車運転者に対する交通反則通告制度、いわゆる青切符の適用が開始となり、社会的に大きな耳目を集めていることから、より多くの県民に対して、きめ細やかに交通ルールを周知し、思いやり、譲り合いの心を隅々まで浸透させていくことが求められております。 そこでお尋ねいたします。人口減少等の影響により、社会構造が変化する中、県民が安心して暮らせる地域社会の実現に向けて、今後どのように取り組まれるのか、警察本部長の御所見をお伺いいたしまして、自由民主党会派を代表しての質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)塩満議員の代表質問にお答えします。 まず、やまぐち未来躍進プランについてのお尋ねです。 私は、知事就任以来、本県が直面する課題に正面から取り組み、県民の安心と地域の活力の向上に向けて、県政運営を進めてまいりました。 その結果、三百件を超える企業誘致や八千人以上の新規雇用の創出、九年連続の移住者の増加など、県政の各分野で目に見える成果が上がっています。 また、第二子以降の保育料無償化をはじめとした全国トップクラスの子育て支援策など、県民の暮らしを支える基盤づくりも着実に前進してきたところです。 一方で、先日公表された国勢調査の速報では、本県の人口は約百二十六万四千人となり、日本全体の人口と同じく、減少数、減少率ともに過去最大となるなど、人口減少は厳しさを増しており、今後、経済規模の縮小や人材不足など、その影響は様々な分野において一層深刻化していくことが懸念されます。 私は、こうした状況に強い危機感を抱き、人口減少に歯止めをかけるとともに、本県の活力を維持向上させ、県民一人一人が安心して将来に希望を持って暮らし続けられる県づくりに向けて、決意を新たにしたところです。 また、AIをはじめとするデジタル技術の革新や脱炭素化の進展など、本県を取り巻く環境は急速に変化しており、こうした変化に的確かつしなやかに対応しながら、より一層の成長へとつなげていかなければなりません。 そのためには、本県の将来を担う若者や女性にも選ばれる魅力ある県づくりを積極的に推進するとともに、成長が安心を生み、その安心がさらなる成長を後押しする成長と安心の好循環の創出により、本県を持続的に発展させていくことが何より重要です。 私は、こうした考えの下、これまで築いてきた成果を基盤に、県づくりを次なるフェーズへと進め、人口減少の克服と持続的な発展を成し遂げることにより、本県のさらなる飛躍を目指してまいります。 その思いを込めて、現在、策定を進めている新たな総合計画の名称をやまぐち未来躍進プランとし、この計画に基づき、今後の県政運営を戦略的かつ計画的に推進していきます。 このたび取りまとめましたプランの骨子案においては、新たな県づくりに向けて好循環を生み出す成長と安心を政策推進の二本の柱に据え、本県が直面する様々な課題に戦略的に取り組むための十二のプロジェクトを展開することとしています。 成長に向けては、GX産業拠点の形成や成長産業の育成・集積、農林水産業の強化、観光産業の育成、産業人材、基盤の強化など、本県の強みを生かして「稼ぐチカラ」を飛躍的に伸ばし、産業力の強化を図ります。 また、安心に向けては、結婚、妊娠・出産、子育て支援や医療・福祉の充実、防災・安全対策の強化など、県民の暮らしを支える取組を総合的に推進します。 この計画を実効性のあるものとするためには、計画の策定段階から、県民をはじめ、市町や企業、大学、関係団体など、多様な主体が目指す方向を共有し、本県の将来を共につくり上げていく共創による取組が不可欠です。 このため、計画の策定に当たっては、私自身が直接、県民の皆様と意見交換を行う「元気創出!どこでもトーク」をはじめ、各分野における議論の場や若者、女性等を対象としたアンケート調査など、あらゆる機会を通じて、県民の皆様の声を積極的にお聞きし、計画や施策に反映してまいります。 私は、県づくりを次なるフェーズへと進め、安心で希望と活力に満ちた山口県が実現できるよう、県議会や県民の皆様の御意見もしっかりと伺いながら、やまぐち未来躍進プランを策定し、今後の県政運営に全力で取り組んでまいります。 次に、中東情勢に関する対応についてのお尋ねにお答えします。 中東情勢については、緊張緩和の動きが見られるものの不透明な状況が続く中、本県においても、コンビナートをはじめとする基幹産業や、地域経済を支えるものづくり企業、県民生活に不可欠な公共交通事業者などにおいて、原材料不足や価格高騰等の影響が顕在化しつつあります。 私は、こうした状況の中にあっても、県民や事業者が安心して活動できるよう、刻々と変化する状況に応じ、国ともしっかりと連携を図りながら、スピード感を持って適時適切に対応していくことが重要であると考えています。 このため、中東情勢の長期化が懸念され始めた段階から、困難な状況に直面する事業者向けの特別相談窓口を速やかに設置するとともに、県制度融資により事業者の資金繰りを支援するなど、経営の下支えに取り組んでまいりました。 また、日々変化する情勢への対応に万全を期すため、全庁的な情報連絡会議を立ち上げ、事業者への影響や国の新たな対策に係る情報を共有するなど、部局横断による連携体制の強化を図ってきたところです。 さらに、関係団体等を通じて、事業者の状況把握に努めるとともに、流通過程での目詰まりや偏りに係る個別事案に関しては、国の相談窓口である、中東情勢関連対策ワンストップポータルにつなげるなど、一つ一つきめ細かに対応してまいりました。 その上で、さきの政府要望においては、本県の実情を国に直接お伝えし、データに基づく具体的な物資の供給見通しに係る情報発信や、物資の安定供給の確保などについて強く要請したところです。 こうした取組に加え、国においては電気・ガス料金に係る支援措置が講じられており、県としてもこれに呼応し、このたびの補正予算において、特別高圧を受電する中小企業者等への電気料金やLPガス料金高騰分を支援することにより、事業者や県民の負担軽減を図ることとしています。 また、県の特設サイトにおいて、これまでの事業者支援メニューに加え、国が公表する物資の供給状況や目詰まり解消事例など、不安感の軽減につながる正確な情報を分かりやすく、タイムリーに発信してまいります。 私は、中東情勢の影響から、県民生活と事業活動をしっかりと守るため、国や関係団体等と緊密に連携しながら、状況の変化を的確に捉え、必要な対応を機動的に講じることにより、地域経済の活力の維持と県民の暮らしの安心確保に全力で取り組んでまいります。 次に、幹線道路網の整備についてのお尋ねにお答えします。 私は、お示しのように、本県の産業力の強化や県域を越えた交流の促進に資するとともに、近年、自然災害が頻発化・激甚化する中、強靱で信頼性の高い道路ネットワークの構築が必要不可欠と考えています。 このため、これまでも、地域の課題やニーズ等を踏まえ、道づくりの指針となる道路整備計画を定め、重点的・計画的に幹線道路網の整備を進めてきたところであり、国に対してもあらゆる機会を通じて、その整備促進を求めてまいりました。 先日の政府要望の際にも、柳居議長と共に、改めて下関北九州道路の早期実現や山陰道の整備促進などを強く訴えたところです。 とりわけ、下関北九州道路については、知事就任以来、議員連盟の皆様や関係県市、経済界と緊密に連携しながら、機会あるごとに、その必要性を訴えてまいりました。 こうした中、現在、国が設置した有識者会議において、本州─九州間の道路ネットワークの在り方等について検討が進められており、私自ら、本州と九州の連携強化の重要性等について意見を述べるとともに、地域の切実な思いを伝えたところです。 今後は、事業化に向けた手続が、切れ目なく着実に進むよう、引き続き国の取組に積極的に協力していくとともに、当該道路の整備効果が十分に発揮されるよう、交通の円滑化に資する交差点の改良等、周辺道路ネットワークの強化を図ってまいります。 さらに、来月二十一日に整備促進大会を開催し、当該道路の必要性や重要性を改めて広くアピールするとともに、地域の思いを一つにし、さらなる機運醸成を図るなど、引き続き下関北九州道路の早期実現に向け、積極果敢に取り組んでまいります。 山陰道については、山陰地域の活性化はもとより、地域のポテンシャルを伸ばし、人口減少に歯止めをかけるためにも、全線の早期整備が必要不可欠であり、引き続き事業中区間の整備促進と、豊田─下関間などの未着手区間の事業化を国に求めるなど、精力的に取り組んでいく考えです。 また、慢性的な渋滞や多発する交通事故など、地域における課題の解消を図るため、関係市町と緊密に連携し、岩国大竹道路や、今年度事業化された国道二号長府トンネル改修などの整備促進を国へ強く働きかけるなど、幹線道路網の強化に向けた取組を進めてまいります。 一方、急速に進む人口減少や施設の老朽化、近年の自然災害の頻発化・激甚化、脱炭素化の動きやデジタル化の進展等に的確に対応するため、新たな道路整備計画を本年度中に策定し、時代の変化に応じた取組を推進していく考えです。 私は、安心で希望と活力に満ちた山口県の実現に向け、引き続き県議会の皆様方のお力添えを頂きながら、幹線道路網の整備に全力で取り組んでまいります。 次に、地域の未来を切り開く産業力の強化についてのお尋ねにお答えします。 人手不足や物価高、中東情勢に伴う影響などの課題を乗り越え、成長と安心の好循環を実現するためには、その原動力となる本県の産業力を、時代の変化や市場の成長性等を的確に見極めながら、一層強化していくことが極めて重要です。 このため、私は、これまでの取組の成果を基盤に、GXなどの世界的な産業構造の変化を新たな成長を生み出す好機と捉え、本県の強みを最大限に生かしていく「稼ぐチカラ」を大きく飛躍させていく考えです。 そして、お示しのとおり、強い産業を育てることで、若者や女性など、これからの本県産業を支える人材が、夢と希望を感じられる未来を示していきたいと考えています。 こうした考えの下、私は、産業力の強化に向けて、GXや半導体等の成長産業の集積促進と、本県産業を支える中小企業の成長支援や産業人材の確保に積極的に取り組んでまいります。 まず、成長産業の集積促進に向けては、GX戦略地域の認定をてこに、コンビナートの構造転換やGX新産業の創出・育成を一気に推し進めるとともに、県内企業の高い技術力を用いた水素利活用や中小企業の脱炭素化等を一体的に推進し、世界で勝てるGX産業拠点の形成と県内波及を目指します。 また、半導体・蓄電池や再生医療など、本県が強みを有し、今後も市場拡大が見込まれる分野においても、優れた立地環境等を生かした戦略的な企業誘致や、研究開発を起点としたイノベーションの促進に取り組んでいきます。 特に、国の戦略分野の一つである半導体については、県内に集積する、世界シェアを有する部素材メーカーや技術力の高い中小企業の一層の高度化や高付加価値化を支援し、産業クラスターの形成、拡大を図ることとしており、こうした取組の推進により成長産業の育成・集積を加速していきます。 次に、中小企業の成長に向けては、生産性向上を促進するため、企業の成長段階に応じたデジタル化やAI活用等の投資を支援するとともに、国内外への販路多角化や適正な価格転嫁に向けた支援などにより、環境変化にも耐え得る強固な経営基盤の構築につなげていきます。 また、本県産業を支える人材の確保に向け、若者や女性に選ばれる職場環境づくりや企業の魅力向上と情報発信の強化の促進、さらには、インターンシップの充実や企業との出会いの場の創出などに一体的に取り組むことにより、若者をはじめ多様な人材の県内就職と定着を後押ししていきます。 私は、県議会や経済界、国ともしっかりと連携しながら、本県の強みやポテンシャルを最大限に生かし、本県の未来を切り開く産業力の強化に全力で取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)教育行政についてのお尋ねにお答えします。 少子化の進行や急速な技術革新など、社会状況が大きく変化する中、高等学校においては、お示しのように、生徒が将来を見据え、新たな価値を創造する力を育成していくことが求められており、本県の未来を担う子供たちが、これからの社会に求められる能力を高め、将来、その力を地域で発揮できるようにしていくことが重要であると考えています。 このため、県教委では第三期県立高校将来構想において、主体的に未来を切り開いていく人材や、地域・社会に貢献しようとする人材の育成を目指して、高校の特色化・魅力化を推進しているところです。 こうした中、国においては、生産年齢人口の大幅な減少や、職種ごとの労働力の過不足などを背景とした産業構造や社会システムの激しい変化に対応するため、二〇四〇年に向けた高校改革の方向性を示した基本方針を策定するとともに、公立高校等への支援の拡充を図るための新たな財政支援の仕組みが構築されたところです。 これを受け、県教委では、人口減少や若者の県外流出といった課題や、分散型都市構造、第二次産業の比率が高い工業県という本県の特徴を踏まえた上で、複数の県立高校を、改革を先導する拠点校とし、山口県ならではの高校教育改革に取り組んでいくこととしています。 具体的には、本県産業の未来を支えるデジタル人材やGX人材の育成を目指した専門高校の機能強化、理数系人材の育成に向けた探究活動の高度化、遠隔授業の導入による地理的制約の解消、不登校経験者等、多様な教育ニーズを有する生徒一人一人の状況に対応した学びの提供などを、類型ごとの拠点校において進めてまいります。 例えば、デジタル人材やGX人材の育成を目指す拠点校では、地元企業と協働した実験や実習を行うことができる最先端の設備を備えた新たな施設を整備し、GXに取り組む地元企業等と連携した課題解決型学習の実施や、企業におけるAIやロボット活用等の現状について理解を深める教員研修の充実などを図ることとしています。 今後は、国の基本方針を踏まえ、知事部局や県内市町、外部の有識者等と連携・協働しながら、年度内を目途に本県の高校改革を進めていくための実行計画を策定し、拠点校における取組を他校にも普及していきたいと考えています。 県教委といたしましては、こうした取組を着実に進めることで、これからの山口県をつくる子供たちに、より質の高い高校教育を提供できるよう、特色ある教育の一層の充実を図るとともに、県立高校がさらに魅力ある学校となるよう、高校教育改革に全力で取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)秋本警察本部長。 〔警察本部長 秋本泰志君登壇〕 警察本部長(秋本泰志君)県民が安心して暮らせる地域社会の実現を図るための取組についてお答えいたします。 議員お示しのとおり、県内では、令和五年以降、刑法犯認知件数が増加に転じ、とりわけ特殊詐欺は、昨年その被害額が過去最悪となり、被害が幅広い世代に及ぶなど、県内の治安情勢は大変厳しい状況となっております。 これらの治安課題への対処として、まず議員から御指摘のありました匿名・流動型犯罪グループが関与する凶悪事件につきましては、中核的人物の検挙に向け、他の都道府県警察との合同・共同捜査の推進など、全国警察とも連携を密にしながら取組を進めてまいります。 さらに、同グループがSNSで実行者を募集して敢行しているとみられる強盗、侵入窃盗事件は、人身への重大な被害を招きかねない犯罪であり、各種警察活動を通じて、いわゆる下見活動と思料される情報を把握するとともに、住民の安全確保や先制的な職務質問による被疑者の確保など、未然防止に向けた取組を徹底してまいります。 このほか、特殊詐欺について、国際電話の利用休止申込みの支援や、詐欺電話を遮断する機能を持つ警察庁推奨アプリの普及促進など、被害者への接触手段である電話対策を強力に進めてまいります。 人身安全関連事案については、被害者の安全確保を最優先とした対処を確実に実施し、県民の皆様が不安に感じる犯罪の検挙や抑止活動を推進してまいります。 次に、交通死亡事故抑止対策については、昨日現在においても、交通事故死者の半数以上を高齢者が占めていることから、県警察では、あらゆる高齢者が加齢に伴う身体機能の変化が行動に及ぼす影響等を理解し、自ら納得して安全な交通行動を実践できるよう、高齢者と関わりの深い団体をはじめ、関係機関と連携して各種施策を進めてまいります。 また、議員から御指摘のありました、自転車運転者に対する交通反則通告制度の導入に関連し、全ての自転車利用者が被害者にも加害者にもならないよう、県警察による交通安全教育を充実させるとともに、事業者や学校関係者など、地域における指導者を育成し、その指導者と連携しながら、自転車の安全利用に必要な技能、知識の浸透に努めてまいります。 これらの各種治安課題への対処に加え、将来にわたって警察力を維持し続けるため、人口減少下においても優秀な警察官を確保できるよう注力するとともに、県警察の組織構造の弾力化や業務のさらなる高度化、合理化についても検討してまいります。 県民が安心して暮らせる地域社会を実現するため、警察本部長として様々な治安課題に丁寧かつ迅速に対処してまいります。