1 危機管理体制の強化について 2 自治行政の見直しについて 3 家庭の脱炭素化推進について 4 県民の健康リテラシーの向上について 5 AI時代における主体的に学ぶ力の育成について 6 人口減少・高齢化社会における地域警察力の維持・強化について
午後一時開議 副議長(河野亨君)休憩前に引き続き会議を開きます。 ───────────── 日程第一 代表質問 日程第二 議案第一号から第十八号まで 副議長(河野亨君)日程第一、代表質問を行い、日程第二、議案第一号から第十八号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。 小田村克彦君。 〔小田村克彦君登壇〕(拍手) 小田村克彦君 やまぐち県政会の小田村でございます。会派を代表して質問させていただきます。 その前に一言申し上げます。 先般、令和七年の国勢調査の速報値が公表されました。これによりますと、本県人口は百二十六万四千人となり、この五年間で約七万八千人、率にして五・八%減少し、減少数、減少率ともに過去最大となりました。 人口減少は地域経済の縮小、あるいは人手不足の深刻化、公共交通や医療・福祉サービスの維持、さらには地域コミュニティーのそもそもの存続にも影響を及ぼしまして、本県の将来を左右する最大の課題であります。 とりわけ深刻なのは、若い世代の県外流出と少子化が同時に進行していることです。人口減少のスピードは、今後さらに加速をする可能性があり、従来の延長線上の対策だけでは対応が困難な局面に入ってきております。 県は、これまで若者アンケートを活用し、若者の声を予算に反映させる取組を行ってこられましたけれども、これをさらに強化する取組が必要だと考えております。人口減少対策は、若者や女性、子育て世代自らがその声を政策へ反映していくことが肝要だというふうに思います。 私どもやまぐち県政会も、様々な場で若者、女性の声にしっかりと耳を傾け、働く人の環境、あるいは整備を進めていけるように、若者に選ばれる山口県づくりに共に取り組むことを申し上げて、質問に入ります。 まず一番目には、危機管理体制の強化についてお尋ねをします。 ここ数年、世界情勢は大きく変化をしています。かつては冷戦終結後、国際社会は平和と安定の時代に向かうものだと、多くの皆さんが少し安心をされてきたと思いますけれども、ロシアによるウクライナ侵攻や中東地域における軍事的緊張の高まりなど、残念ながら二十一世紀においても国家間の対立や武力衝突が現実のものとなっています。 こうした国際情勢の変化は、我が国から遠い海の向こうの出来事ではなく、資源のない我が国では、エネルギーや食料、原材料の多くを海外に依存しており、本県の県民生活や地域経済にも大きな影響を及ぼしています。 原油価格の上昇による燃料費や電気料金の高騰、物流コストの増加、さらには生活物資や産業資材の供給不安など、その影響は幅広い分野に及んでおります。 また、新型コロナウイルス感染症の拡大時には、マスクや医療用手袋をはじめとする医療資材が不足し、現場に大きな混乱が生じました。 今回の中東情勢でも、特に医療現場の一部において医療用手袋等の資材不足があり、私の友人の歯科医から、手袋が不足している状況や、国の放出以外に山口県での備蓄や供給に向けた支援がないかなど、そういった相談を受けましたけれども、確認をしましたところ、本県独自の備蓄は行っていないということでした。 日常的に使用されてきている医療用の手袋であっても、資材の海外依存が高い我が国では、国際情勢の変化により供給が不安定になるなど、平時には見えにくいサプライチェーンの脆弱性を改めて浮き彫りにしたものだというふうに思います。 さらに、本県においては瀬戸内沿岸部に化学産業などの製造業が集積をしているとともに、中山間地域や離島も抱えており、エネルギー供給や物流の停滞は、今後ますます県民生活だけではなくて、地域経済全体に大きな影響を与えるものと考えます。 そんな中、国においては、国家備蓄石油の放出や燃油価格の対策、さらには医療用手袋をはじめとする医療物資の放出と併せて、医薬品・医療物資等確保対策本部を設置されるなど、供給不安の解消に取り組まれていますけれども、本県でも依然として、様々な県民生活や地域経済の観点からも、先の見えない状況となっております。 山口県におかれても、原材料の高騰や調達の長期的な不透明感から、中東情勢に関する山口県庁内情報連絡会議を四月十七日から設置をされ、政府のこれまでの対応や情報連絡会議、特別相談窓口の設置、中小企業への資金支援や地元産業への影響調査などを随時実施されるなど取組をしてきておられますけれども、今次、令和八年度一般会計補正予算では、県独自の個別対策としては組まれていないと認識をしています。 これら県民生活や地域経済への打撃を最小限に抑えるためには、行政各部門が連携をして取組を継続し、必要な対策を適宜行っていくことが、非常に重要だと感じています。 私たちは過去に石油ショックや東日本大震災、そしてコロナ禍の経験を振り返れば、様々な危機に対しては、いかに平時からの備えが重要であるかということを改めて今回示すものだというふうに思います。 今回の中東情勢の緊迫化を契機として、個別の事象への対応だけではなく、予測困難な国際情勢の変化や様々な物資の供給が途絶えるリスクに対して、本県がどのような危機管理体制を構築しておられるのか、あるいはこれまでの経験を生かした見直しをどうされてきているのか、改めて確認をすることが重要だと感じています。 そこでお尋ねをいたします。県では、コロナ禍や近年の国際紛争等の経験を踏まえ、食料、エネルギー、医療資材など県民生活に不可欠な物資の安定確保や供給不足に備え、どのような危機管理体制の整備や見直しを進めてこられたのか。また、このたびの中東情勢について、今後さらに長期化、不安定化し、物資不足やエネルギー価格の高騰などが発生した場合に備え、県として、どのように県民生活や地域経済を守るための対策を講じていかれるのか、知事の御所見をお伺いをいたします。 次に、自治行政の見直しについてお尋ねをいたします。 平成十二年の地方分権一括法により、国と地方は上下・主従の関係から、対等・協力の関係へと改められました。 また、住民に身近な行政は基礎自治体である市町村が担うとの考えの下、多くの権限や事務が市町村へ移譲されてまいりました。 しかし、地方分権改革から約四半世紀が経過をした今、当時とは社会経済状況が大きく変わってきており、特に人口減少や少子高齢化の進行により、多くの自治体では職員の確保が困難となってきています。 とりわけ、土木、建築、情報システム、あるいは保健医療などの専門人材の確保は、年々困難となっており、小規模自治体においては、それらの行政サービスの維持そのものが課題となりつつあります。 一方で、国においては、デジタル・ガバメントの推進や自治体情報システムの標準化、ガバメントクラウドの活用など、行政運営の効率化に向けた取組が進められています。 そして、第三十四次地方制度調査会では、これまでの市町村優先を基本とした地方分権の考え方を維持しつつも、人口減少社会に対応するために、都道府県による市町村への垂直補完や広域連携の強化、さらにはデジタル技術を活用した行政運営の再構築について議論が進められています。 人口減少が続く中、これまでの県から市町へという地方分権の方向性だけでは、行政サービスの維持が難しくなる分野も出てくるわけですけれども、特に技術職員やデジタル人材など専門性の高い分野については、県でも採用困難の状況が続く中、市町単独での確保も厳しい状況にあると聞いています。 東日本大震災以降、総務省は技術職員を都道府県で確保し、市町村を支援する制度として復旧・復興支援技術職員派遣制度を整備をしようとしてきましたけれども、報道によりますと、令和七年春の時点で、土木や建築などの技術系職員は必要数の四割程度の確保にとどまっており、三十四の道府県で確保の見通しが立っていない状況となっています。 一方で、第三十四次地方制度調査会では、人口減少社会を見据え、人口減少と人材不足がさらに深刻化する中、そもそも市町村が担っている事務自体を県や国が担うべきではないかという議論が始まっています。 国、県、市町村の役割分担の見直し、市町村事務の県移管、共通性の高い事務の集約化、道路管理の一元化など論点とされており、市町村事務そのものの在り方や都道府県との役割分担の見直しが議論をされています。 今後は単なる支援や応援にとどまらず、県が広域自治体として人材や行政機能を集約し、市町と共有する新たな行政運営の仕組みを検討すべき時期に来ていると考えます。 これからは単に権限を移譲するだけでなく、限られた行政資源を有効活用しながら、住民サービスを持続的に提供する仕組みづくりが求められているものと考えます。 例えば道路行政を考えてみますと、住民にとっては県道であれ市町道であれ、日常生活や地域経済を支える社会基盤であることに変わりはありません。しかしながら、現在は管理主体の違いにより、点検や補修、維持管理、災害対応などが別々に行われております。 今後、人口減少や技術職員不足がさらに進行する中で、県道と市町道を含めた道路ネットワーク全体を一体的に捉え、広域的かつ効率的に維持管理していくという視点が必要となってくるのではないかというふうに思います。 また、道路に限らず、上下水道、あるいは公共施設、情報システムの運用などについても、県と市町村がそれぞれ個別に担うのではなく、共同化や広域化を進めることで、行政サービスの持続性を高めるということができると考えます。 今後は、市町村が担うべき住民に身近な行政サービスと、県が広域的に担うべき専門的・共通的な業務を改めて整理し、場合によっては専門人材の共同確保や事務処理の共同化、デジタル基盤の共同運営など、新たな県と市町の連携体制を構築していく必要があると思います。 そこでお尋ねをいたします。人口減少と人材不足が進行する中、今後の県と市町村との役割分担をどのように考えておられるか。また、デジタル技術の活用や行政事務の共同化、専門人材の確保・共有などを通じて、市町と共有する広域マネジメント型の行政運営が今後必要になってくるというふうに考えますけれども、市町村への支援機能を今後どのように強化をされていこうとしておられるのか、知事の御所見をお伺いをいたします。 次に、家庭の脱炭素化推進についてお尋ねをいたします。 国は、二○五○年カーボンニュートラルの実現に向け、GX──グリーントランスフォーメーションですけれども、これを経済成長と環境対策を両立させる国家戦略としての位置づけをして進めております。 山口県においても、本県経済を支える瀬戸内コンビナートの国際競争力の強化を図ることを目的として、平成二十七年五月に企業や関係機関で構成する山口県コンビナート連携会議を設置をされ、全県的な連携体制の構築や各地域のコンビナートにおける企業間連携を進めてこられました。 そして、本年二月十日には経済産業省に対し、コンビナート等再生型GX戦略地域計画申請書を提出され、四月二十四日には有望地域としての選定を受けられました。 この計画申請書は、周南コンビナートを中心に、宇部・山陽小野田、周南、そして岩国・大竹の三つのコンビナートを核として、水素やアンモニアの利活用、素材産業の脱炭素化、新たなGX関連産業の創出などを進め、県内産業の競争力強化や雇用の創出にもつなげようとするものであり、大きな、先進的かつ本県の将来に向けて、大いに期待をしているところであります。 一方で、脱炭素化は産業部門だけではなく、家庭などの民生分野での脱炭素も重要であります。 昨今の国の取組重点は、住宅の断熱化や高効率給湯器の導入、太陽光発電や蓄電池の普及促進など、家庭における脱炭素化を重要な柱として位置づけております。 環境省が行う先進的窓リノベ事業に代表されるように、住宅性能の向上は温室効果ガスの削減だけでなく、光熱費負担の軽減、快適な住環境の実現、さらにはヒートショック対策にもつながる取組として令和五年度から導入され、本年も引き続き実施をされておりますけれども、注目はされているものの、残念ながら予算の執行率は六〇%程度と低迷をしていると聞いております。 隣の広島県では、国の補助金に県独自の上乗せの支援によって、先進的窓リノベ事業を進めていることで、産業部門もさることながら、家庭部門での取組を今以上に推進をしていると聞いております。 本県においても、ぶちエコやまぐち県民運動としてライトダウンや緑のカーテンなど、県民の皆さんに日常生活での実践を呼びかけ、みんなのおうちに太陽光など太陽光発電や蓄電池設置に向けた取組が進められ、直近ではぶちエコやまぐち省エネ家電等購入支援キャンペーンとして、家庭におけるエネルギー費用等の負担軽減や、熱中症対策、家庭からの温室効果ガス排出削減などに資する、省エネ性能の高い家電製品等の購入支援を始めておられます。 県民の皆さんが脱炭素化に自らが取り組んでいるという効果を実感をする機会をつくるということはとても重要なことであり、県民の皆さんが脱炭素の取組成果を日常生活の中で実感できる機会を積極的に進め、産業部門のGXの推進と併せて、県民の皆さんへの住宅断熱化や窓リノベーション、再生可能エネルギーの導入の促進、省エネ住宅の普及など、暮らしにおける脱炭素化を着実に進めていくことが重要だと考えます。 そこでお尋ねをいたします。光熱費負担の軽減や快適な住環境の実現などに向けて、家庭での脱炭素化を今後どのように進め、県民が取組の効果を実感できる脱炭素化を実現をしていかれるのか、知事の御所見をお伺いをいたします。 次に、県民の健康リテラシーの向上についてお尋ねをします。 我が国では二人に一人ががんに罹患すると言われており、がんは県民の生命と健康に直結する極めて重要な課題であります。 本県においても、がんは依然として死亡原因の上位を占めておりますけれども、県が公表している山口県がん対策推進計画や各種統計資料を見ますと、がんの検診の受診率が全国最低水準にあることや、早期発見・早期治療により救える可能性がある命が失われているという現状など、憂慮すべき状況が明らかになっています。 医療技術の進歩により、早期発見・早期治療によって治癒が期待ができるがんも増えており、その意味では、がん対策において最も重要なことの一つが、定期的ながん検診の受診であるということは言うまでもありません。 しかし、本県のがん検診の受診率は全国的に見て低い水準にあり、乳がんや子宮頸がんなど女性特有のがん検診については、受診率の低迷が長年の課題となっているほか、胃がんや大腸がん、乳がん、子宮頸がんなど、本来であれば検診による早期発見・早期治療によって高い確率で治癒が期待できるがんについても、依然として多くの県民が命を落としているというのが現状であります。 医療技術が進歩し、治療法が大きく発展した今日においても、このような状況が続いていることは、医療提供体制の問題ではなく、県民一人一人が健康に関する正しい知識を持ち、自らの健康を守る行動につなげることができているかという健康リテラシーの課題が背景にあるのではないかと考えます。 実際に、健康長寿県として知られる長野県では、行政が情報を発信するだけではなく、県民がその情報を理解し、行動に移す力を高めてきたことが、健康寿命の延伸や疾病予防の成果につながっているというふうに言われています。 県民が健康で長く暮らすためには、医療機関の充実や検診体制の整備に加え、県民の健康リテラシーの向上こそが重要であるというふうに考えます。 がんをはじめとする、疾病にかかってから支える対策というのではなく、疾病を予防し、早期に発見、重症化を防ぐ、そのための県民運動へと発展させていく必要があると思います。 そこでお尋ねをいたします。県は、これまで進めてきたがんをはじめとする疾病への対策や検診受診率向上の取組について、どのように評価をされ、これからの疾病予防、早期発見、重症化防止と健康寿命の延伸に向けて、県民の健康リテラシーの向上に今後どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いをいたします。 次に、AI時代における主体的に学ぶ力の育成についてお尋ねをいたします。 近年、生成AIの急速な発展により、私たちの社会は大きな変化を迎えております。 学校教育の現場においても、GIGAスクール構想の推進により、一人一台端末の環境が整備をされ、子供たちはインターネットやAIを活用しながら学習を進める時代となりました。 生成AIは、調べ学習や文章作成、情報収集などにおいて大変便利なツールであり、今後の社会を生きていく子供たちにとっても、適切な活用能力を身につけることは重要だと考えます。 しかし一方では、AIが示す答えが常に正しいとは限らず、誤った情報や偏った見解が含まれる場合も多々あるものと思います。 また、何でも簡単に答えが得られる環境の中で、自ら考えて調べ、判断する力が弱まるのではないかと危惧する声も聞かれます。 これまでの学習は辞書を引き、図書館で資料を探し、複数の文献を読み比べながら、知識を深めていく、自らが情報整理をして、真偽を見極め、自分なりの考えを形づくる力が培われてきたというふうに思います。 先日報道で、AI開発の最先端を行きますアンソロピックは、AIが人の手を借りずに自らが性能を自律的に高める段階に近づいたと指摘をし、暴走して制御不能になる可能性をも示唆をしています。 AIが普及する今だからこそ、このような主体的な学びの重要性はむしろ重要なのではないかというふうに思います。 文部科学省が示している生成AIの利活用に関するガイドラインにおいて、AIを使う能力だけではなく、情報活用能力や批判的思考力、複数の情報を比較検討する力を育成する、このことの重要性が示されております。AIの回答をそのまま受け入れるというのではなく、その内容を検証し、自ら判断する力こそ、これからの時代に求められる資質・能力ではないかというふうに考えます。 本県においては、読書活動の推進や探究的な学習にも取り組まれておりますけれども、まさに知識を得るだけではなく、問いを立て、自ら調査研究し、他者と議論をしながら答えを導き出す力を、今後しっかりと育成していくことが重要だと感じています。 そこでお尋ねをいたします。生成AIの活用が進む中、本県教育委員会として、子供たちがAIに過度に依存することなく、読書や調査研究を通じて主体的に学び、情報の真偽を見極め、自ら考え判断する力を、どのように育成をしていこうと考えておられるのか、教育長の御所見をお伺いをいたします。 次に、人口減少・高齢化社会における地域警察力の維持・強化についてお尋ねをいたします。 本県では、人口減少と少子高齢化が急速に進行しており、山口県の七割を占める中山間地域においては、若年層の流出や高齢化の進展により、また、旧市内においても空き家や留守宅が増加をしております。 同時に独居高齢者の増加や地域コミュニティーの弱体化も進んでおり、これまで地域で培われてきた見守りの機能や防犯機能の維持が難しくなりつつあります。 一方で、近年では犯罪の形態も大きく変化をしています。 県内では、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺などの特殊詐欺に加え、悪質な訪問販売など、高齢者を狙った犯罪がますます巧妙化をしています。 また昨今では、高齢者だけでなく、若い世代さえも被害に遭うケースが見られ、従前の対策だけでは対応が難しくなってきており、県民の安心・安全を守る警察の役割はますます重要になっています。 さらに交通の分野においても、高齢運転者や高齢歩行者が関係する事故が増加をしており、令和六年の山口県内の交通事故死者数は五十一人で、前年の三十五人から大幅に増加をし、そのうち六十五歳以上は三十八人であり、約七五%を高齢者が占めております。 高齢者の事故の増加は、単なる交通事故の問題だけではなく、特に中山間地域では公共交通の維持が難しく、やむを得ず自家用自動車に依存しなければならない状況であり、移動手段の確保と交通安全の両立という難しい課題にも直面しているものと思います。 こうした中、警察においても警察官の確保が課題となる中で、交番や駐在所の運営体制の見直しが全国的に進められており、本県でも駐在所や交番の統合、再編が行われてきましたけれども、地域の住民からは警察官の姿を見る機会がないことなどから、不安の声も聞かれます。何よりも大切なのは、県民が必要とするときに、警察による安心・安全が適切に提供され、地域の治安が確保されているかということだと思います。 そのためには、パトロール活動の充実はもとより、防犯カメラやICT、AIなど新たな技術の活用や、地元の自治体や自主防犯組織などの団体との連携強化、さらには高齢者の見守り活動など、地域全体で安心・安全を支える仕組みづくりが必要になると考えます。 また、本県では中山間地域や離島などもあり、人口減少がさらに進行する将来を見据えれば、従来と同じやり方だけで地域の警察活動を維持することは難しくなることも予想をされます。 今後は限られた人的資源の中で、いかに警察力を維持し、さらには向上させていくかという視点が求められているというふうに思います。 そこでお尋ねをいたします。県民がどこに住んでいても安心して暮らし続けることができる地域社会を実現するため、人口減少や高齢化が進む中にあっても、地域警察力を低下させることなく、時代の変化に対応した警察活動をどのように展開をしていこうと考えておられるのか、また、そのためには今後どのような取組を進めていかれるのか、警察本部長の御所見をお伺いをして、代表質問とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 副議長(河野亨君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)小田村議員の代表質問にお答えします。 まず、危機管理体制の強化についてのお尋ねです。 近年、地政学的な緊張の高まりや新型コロナウイルス感染症の蔓延などは、世界規模で供給網の混乱を引き起こし、重要物資の供給を海外からの輸入に依存する我が国、そして本県にも、様々な影響を及ぼしています。 私は、予測困難な危機から県民生活や地域経済を守るためには、全庁的な初動体制を迅速に確立するとともに、国等と連携し、的確に対応することで、可能な限り早期に収束させることが重要であると認識しています。 こうした認識の下、これまでもお示しの様々な危機事象に際し、速やかに部局横断的な危機管理体制を構築するとともに、国や関係団体等ともしっかりと情報共有しながら、具体的な対策を講じてきたところです。 また、事態収束後には、一連の対応状況を整理の上、その過程で得られた知見や課題等を関係者間で共有するとともに、対応手順や情報共有の在り方について必要な見直しを行うことにより、組織的な対応力の向上に取り組んでまいりました。 このたびの中東情勢の緊迫化においても、刻々と変化する状況に的確に対応するため、情報連絡会議を立ち上げ、国や県の対応状況、事業者への影響などについて情報共有を図ることにより、部局間の連携体制を強化してきたところです。 また、エネルギーや原材料の価格高騰等による県内経済への影響に対応できるよう、県や支援機関等による特別相談窓口を設置するとともに、県制度融資による金融支援など、事業者の経営を下支えする体制を整えています。 加えて、国の電気・ガス料金支援に呼応し、事業者や県民の負担軽減を図るため、特別高圧の電気料金やLPガス料金高騰分に対して、このたびの補正予算により支援することとしています。 こうした中、物資供給に関しては、国によると、原油調達先の多角化等により、我が国全体として必要な量は確保されているものの、先行き不安による過去の取引実績以上の発注などにより、現場レベルでは、物資不足が発生しているとされています。 このため、県では、物資の安定供給を図るため、事業者等から寄せられる目詰まりや偏り事案については、国の相談窓口である中東情勢関連対策ワンストップポータルにつなげるなど、きめ細かに対応しているところです。 さらに、県の特設サイトにおいて、国が公表する物資供給の状況や目詰まり解消事例等をタイムリーに発信することにより、県民や事業者の不安感の軽減を図ることとしています。 私は、今後とも様々な危機事象による県民生活や地域経済への影響を最小限に抑えるため、国や関係団体等とも緊密に連携しながら、危機管理体制の強化に取り組んでまいります。 次に、自治行政の見直しについてのお尋ねにお答えします。 我が国では、地方分権改革以降、住民に身近な行政は基礎自治体である市町村が担うことを基本として、行政サービスが提供されてきたところであり、市町村の自主性や自立性を尊重しながら、県が広域自治体としての役割を発揮することが基本的な考え方とされています。 近年、人口減少や少子高齢化の急速な進行に伴い、自治体において、技術職員や専門職員をはじめとした職員の確保が課題となる中、県では、これまで、限られた人材等の行政資源を有効活用するため、市町間での事務の委託や一部事務組合の設置など、事務の共同処理を推進してきました。 今後さらに、人材の不足が深刻化することが見込まれており、各自治体が社会構造等の変化に対応しながら、必要な行政サービスを提供し続けていくためには、地方分権の基本的な考え方は維持しつつ、より効率的で効果的な手法の検討が必要となっています。 こうしたことから、現在、国の地方制度調査会において、将来にわたり、地域の特性に応じて、持続可能な行政サービスを提供していくため、国、都道府県、市町村間の役割分担、その他の必要な地方制度の在り方について、調査審議が行われているところです。 お尋ねの、今後の県と市町村との役割分担や、市町村への支援機能の強化については、国の検討の動向を踏まえ、今後適切に対応していく必要がありますが、私は、市町村が当面する課題に対応し、必要な行政サービスを提供できる体制づくりを、県として支援していくことは重要と考えています。 このため、市町の専門人材の育成・確保への支援として、山口県人材育成・確保基本方針に基づき、大規模災害時における市町への派遣を見据えた、土木や林業等の技術職員の採用や共同研修の実施、市町のニーズを踏まえた相互交流などに取り組んでいます。 加えて、デジタル分野では、市町の課題やニーズに応じた専門的知見を有するデジタル人材を人材プールとして確保、派遣する取組を行っているところです。 また、県や市町の枠を超えた連携の取組として、インフラの維持管理について、周南地域の三市と連携し、道路の異状に関する通報などの情報を一元化するシステムを構築し利活用を進めるなど、業務の効率化等を図っています。 さらに、県全体で、デジタル技術を活用した効率的な行政運営が図られるよう、AI議事録作成ツールや電子申請システムを共同調達・共同利用するなど、県、市町間での情報システム、デジタルツール等の共同化に向けた取組を進めています。 私は、人口減少、少子高齢化が進行する中にあっても、持続可能な行政サービスの提供が可能となるよう、国の動向や市町のニーズを踏まえながら、取組を進めてまいります。 次に、家庭の脱炭素化推進についてのお尋ねにお答えします。 近年の急激な気温上昇や頻発化・激甚化する自然災害等に見られる気候変動が、社会経済活動や日々の暮らしに大きな影響を及ぼしており、その原因となるCO2などの温室効果ガスの削減が急務となっています。 このため、私は、本県における二〇五〇年カーボンニュートラルの達成に向け、産業部門におけるGXの推進のみならず、家庭などあらゆる部門での脱炭素化に取り組んでいます。 とりわけ、家庭部門においては、県民自らが率先して、暮らしの中で脱炭素化に取り組むことが重要となるため、県の地球温暖化対策実行計画に基づき、家庭での実践活動を支援しているところです。 具体的には、二〇五〇ゼロカーボン・チャレンジと銘打った県民運動において、節電や季節に応じた服装の工夫など、暮らしにおける省エネ活動を提案、推奨することにより、県民の脱炭素につながる行動変容やライフスタイルの転換を後押ししています。 また、実践活動の効果をCO2削減量として見える化できる県独自のぶちエコアプリの活用について、脱炭素の取組に協賛するスーパーと連携し広く働きかけるなど、取組の効果を実感できる機会の創出に努めています。 こうした実践活動に加え、家庭の脱炭素化を進める上で、その基盤となる住宅の省エネ化が不可欠です。 このため、既存住宅への太陽光発電設備や災害時の電源確保にも資する蓄電池の設置について、市町と連携し、一括調達によるスケールメリットを生かした共同購入により支援を行っています。 さらに、太陽光発電設備や高い断熱性を有するZEHの普及に向けては、多くの方にその省エネ・快適性を体感していただけるよう、気候変動対策の支援機関や住宅メーカーとの共催で啓発イベント等を開催しており、現在、本県の新築住宅におけるZEHの割合は全国トップクラスとなっています。 こうした中、私は、家庭での光熱費の上昇対策として取り組む省エネ家電製品等の購入支援を、脱炭素化をさらに進める上での好機と捉え、省エネ性能の高い製品の普及拡大に向けて取り組んでいるところです。 具体的には、一定程度以上の省エネ性能を有する製品をポイント交換の対象とするとともに、電器店等の協力を得て、店頭で省エネ製品が電気代だけでなくCO2排出削減にもつながることをきめ細かく説明することで、より性能の高い製品への買換えにつなげています。 現在、省エネ製品の購入も着実に進んでおり、このキャンペーンを通じ、県民一人一人が取組の成果を実感でき、それがさらなる実践活動につながるよう取り組んでまいります。 私は、今後とも、市町や関係団体、関連事業者と連携し、暮らしや住宅の省エネ化による行動変容やライフスタイルの転換を通じて、県民自らが取組の効果を実感できる家庭の脱炭素化を推進してまいります。 次に、県民の健康リテラシーの向上についてのお尋ねにお答えします。 県民誰もが生涯を通じて健康に暮らしていくためには、健康寿命の延伸に向けて、死亡原因の上位を占める、がんや心筋梗塞などの生活習慣病の早期発見や重症化予防に取り組むことが重要です。 このため、私は、本県の健康づくり施策の指針となる健康やまぐち21計画に基づき、生活習慣病の早期発見や重症化予防に不可欠な検診の受診率向上に向け、お示しの健康リテラシーの考え方の下、健康に関する正確な情報の発信と、習得した情報の活用を促す環境整備に取り組んでいるところです。 まず、情報の発信については、県ホームページの健康やまぐちサポートステーションや県民フォーラムなどにおいて、がんや心筋梗塞などの疾病に関する基礎知識や予防方法、検診の必要性等を自分事として捉えられるよう、イラストやグラフも用い、分かりやすく伝える取組を行っています。 また、環境整備については、働く方々が、がん検診を受診しやすいよう、県医師会や市町等と連携し、平日夜間や休日の検診体制を構築するとともに、やまぐち健幸アプリに検診案内や、検診受診でポイントを付与するインセンティブの機能を備えるなど、県民の受診行動につなげる支援を行っています。 こうした取組などを実施した結果、本県の肺がん及び胃がんの検診受診率は、直近の約十年間で二〇%台から四〇%台へ、また、特定健診の受診率は、三〇%台から四〇%台に上昇するなど、一定の成果が現れているものと認識しています。 しかしながら、依然として、本県の検診受診率は、全国平均を下回っている状況にあることから、受診促進に向けた取組の一層の強化が必要であり、県民一人一人の健康リテラシーをさらに高めていくことが重要であると考えています。 このため、情報発信の新たな取組として、包括連携協定企業と協力し、企業が有するヘルスデータと、その分析によるエビデンスを活用し、より深く理解しやすい受診勧奨リーフレット等を作成、配布することで、これまで健康づくりや検診に関心の低かった方などへの受診の動機づけを高めてまいります。 また、環境整備のさらなる充実に向け、今年度から、健康経営に取り組む企業等の事業主や従業員を対象として、セミナーや個別相談を実施し、働く世代の検診の必要性について理解を促すとともに、当該企業に対して、勤務時間内での検診受診に配慮いただくよう、働きかけていくこととしています。 私は、県民誰もが生涯を通じて健康な生活を送ることができるよう、今後とも、市町や関係団体、企業と連携し、県民自らが健康を守る行動につながる健康リテラシーの向上に努め、がんなどの生活習慣病対策の強化・充実を図ってまいります。 副議長(河野亨君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)AI時代における主体的に学ぶ力の育成についてのお尋ねにお答えします。 生成AIによるデジタル分野の急速な技術革新など、社会が大きく変化し、将来の予測が困難な時代を迎える中、変化を前向きに捉え、主体的に未来を切り開いていく子供たちを育てていくことが重要であると考えています。 こうした考え方の下、県教委では、全県的に生成AIを利活用できる環境を整え、個別最適な学びや協働的な学びを充実させることで、学習の質の向上を図ってきたところです。 一方、お示しのように、生成AIが示す回答には、誤った情報や偏った見解が含まれる可能性があることから、児童生徒が生成AIのメリットやデメリットを理解し、自分で判断することの重要性を学ぶことが必要です。 このため、県教委では、探究的に学ぶ中で、情報を適切に活用しながら、自ら課題を見つけ、よりよく解決していく児童生徒の育成を目指し、これまでの教育実践と先端技術を効果的に組み合わせた教育活動を進めているところです。 具体的には、小中学校においては、各教科や総合的な学習の時間の中で、児童生徒が課題解決に向けて、他者との対話や調査活動、図書館やインターネットを活用した情報収集や分析を行うといった探究的な学習を行っています。 こうした学習の中で、児童生徒自らが考える過程を重視した生成AI・学習アシスタントアプリも活用しながら、主体的・対話的で深い学びの充実を図っているところです。 また、高等学校においては、文理探究科設置校やDXハイスクール事業の指定校を中心に、生成AI等を活用し、問いや考察を深めるなど、探究活動の深化を図るとともに、その取組や成果を県内に横展開することで、全県的な探究活動の高度化に取り組んでいます。 県教委といたしましては、生成AI等を適切に活用しながら、子供たちが主体的に学び、自ら考え判断する力など、これからの時代に求められる資質・能力を育成する教育活動の推進に努めてまいります。 副議長(河野亨君)秋本警察本部長。 〔警察本部長 秋本泰志君登壇〕 警察本部長(秋本泰志君)人口減少・高齢化社会における地域警察力の維持・強化についての御質問にお答えいたします。 県警察においては、警戒の空白を生じさせないための組織運営として、令和五年度から昨年度までの間、サイバー空間における対処能力の強化、匿名・流動型犯罪グループに対する戦略的な取締りの強化、特殊詐欺に係る広域的な捜査連携の強化など、直面する諸課題について、人的リソースの重点化等により抜本的に体制を強化の上、対応してきたところです。 一方、ここ数年の間にも、治安情勢及び社会情勢は目まぐるしく変化し、警察を取り巻く環境は一層厳しさを増しており、例えば、特殊詐欺は、昨年、その被害金額が過去最悪となり、被害が幅広い世代に及ぶほか、社会全体のデジタル化の進展に伴い、サイバー空間の匿名性が様々な犯罪で悪用されるなど、重要な治安課題は、ますます、専門化、高度化、広域化しています。 このような直面する重要な治安課題への対処に加えて、議員から御指摘のとおり、県内の社会情勢の変化を踏まえ、将来にわたっても、県警察が、県民が必要とするときに、安全・安心を提供し、地域の治安を確保することができる組織であり続けるための取組を進めることも、重要な課題であると認識しています。 今後の取組に関してですが、まず、少子高齢化や人口減少の進行に合わせ、県警察における警察官の採用について、近年、受験者数や競争倍率が低下していることを踏まえ、県警察の人的基盤を維持するため、優秀な警察官の確保に注力してまいります。 具体的には、県民の安全・安心の確保や治安の維持という社会にとって不可欠な責務を担っていることへの誇りと使命感といった、警察官の業務が持つ魅力について、SNSを活用するなどして、若い世代への発信力の強化に取り組んでいます。 加えて、今年度から、多くの民間企業が選考に活用しているSPI等を導入した社会人経験者対象の採用区分を新設するなど、採用の間口拡大に向けた取組も進めているところです。 また、五年後、十年後の社会状況を見据えつつ、時代の変化に対応した各種警察活動を行うためには、県警察の組織構造の弾力化や業務のさらなる高度化、合理化、効率化が必要となります。 こうした観点から、人口、交通量、事件・事故の発生状況など、治安情勢や社会情勢の変化に応じて、限られた警察力を合理的かつ適正に配分できるよう、警察の行う業務について、幅広く、その在り方を不断に点検の上、先端技術の活用による業務の合理化、効率化や、自治体等の関係機関や地域におけるボランティアといった多様な主体との連携の強化などについても検討してまいります。 県警察としては、直面する治安課題に的確に対処し続けると同時に、将来を見据えた組織構造の弾力化などについても中長期的な視点で検討し、県民が安心して暮らし続けることができる地域社会の実現に向け、取組を進めてまいります。 副議長(河野亨君)これをもって代表質問を終わります。 ───◆─・──◆──── 副議長(河野亨君)以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会といたします。 午後一時五十三分散会