1 中小企業の持続的な賃上げ支援について 2 デスティネーションキャンペーンを契機とした地域の観光力の強化について 3 持続可能な漁業について 4 総合的な土砂災害対策の推進について 5 医療提供体制の強化について 6 選ばれる県立高校づくりについて
───◆─・──◆──── 日程第一 一般質問 日程第二 議案第一号から第十八号まで 議長(柳居俊学君)日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十八号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がございますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 岡生子君。 〔岡生子君登壇〕(拍手) 岡生子君 皆さん、おはようございます。自由民主党会派の岡生子でございます。通告に従いまして質問をさせていただきます。 初めに、中小企業の持続的な賃上げ支援についてお尋ねいたします。 物価高が長期化し、家計が大きく圧迫される中で、賃上げは県民所得の向上や生活水準の維持向上の観点から、官民一体となって持続的に取り組むべき最重要課題の一つであります。 本県においては、これまで村岡知事のリーダーシップの下、政労使の強力な連携体制の構築や価格転嫁対策、各種財政支援等により、中小企業における賃上げ機運の一層の醸成に努めてこられました。その結果、本県では、令和三年から賃上げ率が右肩上がりで上昇を続け、令和八年の春闘も今のところ四%台半ばの高い水準であります。 一方で、上昇を続ける物価は依然深刻な状況にあり、実質賃金は令和七年まで四年連続のマイナスとなるなど、厳しい現状にも直面しています。持続的に物価高を上回る賃上げの実現に向け、今後とも絶え間なく取り組んでいかなければなりません。 こうした中、中東情勢がせっかくの賃上げ機運に冷や水を浴びせかけています。原油や石油関連製品等の流通の目詰まりが表面化し、もともと高かったインフレ圧力がさらに強まっています。 私の地元萩市でも、原料や資材調達など供給に対する不安の声、食材や資材、燃料費、輸送費の高騰に苦しむ声が、日増しに高まっています。特に、萩市をはじめ山陰側は、観光業や飲食業、農林水産業を中心に、建設業や製造業、小売業など幅広い業種で中小・小規模の事業者が多く、賃上げの停滞が大いに危惧されているところです。 そして、賃上げは、人材定着の面でも重要な意味を持ちます。 先日、県が発表した二○二五年国勢調査の速報値では、この五年間で人口が約七万八千人減少し、減少率は過去最大の五・八%となりました。 県内大学生等の就職内定率は九七・二%と過去最高を記録する一方、県内就職率は四割に満たない状況にあり、大都市を目指す若者の県外流出に歯止めがかかっていません。ただでさえ人材確保に苦慮する状況の中で、業績の停滞により賃上げもままならないとなれば、人材確保はもとより、今の従業員をつなぎ止めることも困難です。 特に、山陽側に比べ大規模な企業の少ない山陰においては、人材の定着は地域の未来に関わる深刻な課題であります。 資材やエネルギー価格の高騰、流通の機能不全、人手不足など、経営環境が厳しさを増す中、大企業に比べ資金力や経営基盤の脆弱な中小企業はさらに影響を受けやすく、危機的な状況に置かれています。 厳しい経済状況が続く今だからこそ、賃上げの持続と一層の改善に向け、そのバックボーンとなる「稼ぐチカラ」の底上げ、強化も含め、県として最大限の支援が求められます。 そこでお尋ねいたします。中東情勢の影響から賃上げ機運の減速、後退が懸念される中、県は持続的な賃上げの実現に向けてどのように取り組むのか、御所見をお伺いいたします。 次に、デスティネーションキャンペーンを契機とした地域の観光力の強化についてお尋ねいたします。 いよいよ、本年十月から全国JRグループ六社とタイアップして行う、国内最大級の観光キャンペーン、山口デスティネーションキャンペーンが九年ぶりに開催されます。これは、本県の豊かな自然や歴史、文化、グルメなどの魅力を、余すことなく国内外に発信する絶好の機会であります。 さらに今、本県の観光はホットな話題が続いています。令和四年から令和七年にかけて行われた国宝瑠璃光寺五重塔の大改修や海峡のデザイナーズホテル、リゾナーレ下関の開業、Mine秋吉台ジオパークのユネスコ世界ジオパーク認定、ピックルボール世界大会の成功など、国内外の注目度は最高潮に達しております。 こうした強烈な追い風の中、今回のDCは、本県観光のハイシーズンである秋が舞台です。我が国の訪日外客数は、昨年、過去最高を更新しました。 本県の延べ宿泊者数においても、韓国や台湾など東アジアや米国を中心に増加しており、私の地元の萩でも外国人観光客を目にする機会が多くなりました。 ぜひ本県もDCで過去最高の観光客数を記録し、その後の本県観光の持続的発展につなげていただきたいと願っております。 さて、県はこれまで市町との強力な連携の下、山口ならではの企画や期間限定キャンペーンなど、DCに向けた準備を進めてこられました。 私の地元萩市でも、市が中心となって自慢の観光素材を多数御用意しております。例えば、着物を身につけ、秋の美しい町並みや和を楽しむ、着物ウィークin萩や、萩の旬を地酒とともに味わう、萩の食と地酒のペアリングなど、歴史や食、体験等、萩の強みを存分に生かしたものとなっています。 中でも、笠山風穴(ヒヤシ)を活用した日本酒熟成プロジェクトは、笠山の風穴(ヒヤシ)の冷気で萩の日本酒を夏の間熟成させ、秋の蔵出しを予定しています。これは、地元企業が主催し、萩の六つの酒蔵と萩市、地域の方々が連携してつくり上げた、まさにほかにはない萩ならではの観光素材であります。 これらは、地域の方々が愛し、誇りに思うスポットや食材、伝統文化等を、地域の方々自身が主体となって売り出すもので、地域の観光力の底上げにつながっています。 そして、こうした隠れた逸品を見いだし、育てるのは、地元に精通した市町にほかなりません。市町の観光素材の発掘や磨き上げを支援し、それを県の戦略的なプロモーションにより全県規模で打ち出してやれば、DCの大成功はもちろんのこと、一過性に終わらず地域の宝となって観光力を強化することにつながると思います。 そこでお尋ねいたします。国内外に本県観光の魅力を売り込む、千載一遇のチャンスである山口DCを成功に導くとともに、それを契機として地域の観光力を強化するため、県は市町と連携し、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、持続可能な漁業についてお尋ねいたします。 漁業は、我が国の伝統的な基幹産業として、国民へ豊富な水産物を供給するといった食料安全保障を支える役割を担っています。 三方を海に開かれた本県では、地域ごとに多種多様な水産物が水揚げされ、私の地元の萩・阿武地域では、まさに旬を迎えている萩沖の天然礁や岩瀬といった、いわゆる瀬にすみつき育ったマアジの瀬つきあじをはじめ、マフグやアマダイ、ケンサキイカなど高品質で豊かな魚介類が水揚げされます。 しかしながら、水産資源の減少や海洋環境の変化によって、漁獲量は不安定化と長期的な減少傾向にあり、このままでは水産物の安定供給にも大きな影響を及ぼしかねません。 そのため、国は漁業法を改正し、本県の重要な魚種であるマアジ、スルメイカなどに加えて、新たに我が国の漁獲量の八割が漁獲可能量を定めて管理するTAC魚種になるよう、その導入を進めています。 TAC管理は、漁獲量の長期的な減少に歯止めをかけて、水産物を安定的に供給するための重要な制度であり、資源が回復や安定に向かうなど、管理の効果が現れつつありますが、一部の魚種では、漁業者から漁獲枠を増やすなど柔軟な対応ができないかなどの声も届いており、地域の実情を踏まえながら進めていくことも求められるのではないでしょうか。 他方、県では、公益社団法人山口県栽培漁業公社と連携し、魚介類を人の手で卵から稚魚まで保護・育成し、自然の海へ放流する栽培漁業に取り組み、水産資源の維持・増大を図っています。 これまで海域ごとの特性に応じて、ヒラメやトラフグ、キジハタなどの放流をしていますが、その水産資源については、漁業者等の要望を踏まえた新たな魚種も採用されています。 近年では、本県が全国で初めて種苗の大量生産に成功し、希少性が高く、市場で高価格に取引されているシロアマダイの種苗放流が開始され、放流後の種苗の移動などを把握する技術開発にも取り組まれており、高く評価するとともに、いち早く漁業者の漁獲につながることを願っています。 そのような中、顕著になってきた地球温暖化等による海洋環境の変化により、漁獲量の減少や主要魚種の不漁、さらには放流した稚魚等の生育の場としての役割がある藻場の減少などが生じています。 そのため、漁獲量の安定と増大に向けて、資源管理や栽培漁業のみならず、海洋環境の劇的な変化にも対応していく必要があるのではないでしょうか。 そこでお尋ねいたします。漁獲量が長期的な減少傾向にある中、持続可能な漁業を推進していくため、今後、県はどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、総合的な土砂災害対策の推進についてお尋ねいたします。 近年、気候変動により、豪雨が激甚化・頻発化しており、本県においても、大雨の際には、県内各地で土砂災害や道路のり面の土砂崩れといった被害が頻繁に発生しています。 昨年五月、私の地元萩市木間地区でも、災害後には速やかな復旧を図っていただきましたが、大雨により市街地に向かう県管理道ののり面の土砂が崩れる被害が発生しました。 また、平成二十五年七月には、上小川地区において、豪雨による崖崩れが発生し、斜面直下の家屋が潰れるなど、大きな物的被害が発生しており、大雨の際に発生する土砂による災害には強い恐怖を感じます。 以前は治水対策について伺いましたが、このような意識の下で、このたびは土砂災害への対策に焦点を当てて質問をいたします。 本県は、県土の約八八%が山地や丘陵地で占められているという地形的・地理的特性から多くの土砂災害危険箇所を有しており、現在、約二万六千か所の土砂災害警戒区域が指定されています。 その一方で、冒頭で申し上げたとおり、近年では気候変動に伴い豪雨が激甚化・頻発化しており、土砂災害警戒区域外での土砂災害も全国で多く発生しており、土砂災害対策における大きな課題となっています。 こうした状況に対応するため、令和二年度、国は土砂災害防止法第三条に基づく基本指針を変更し、土砂災害警戒区域の指定に当たっては、高精度な地形情報を活用し、土砂災害が発生するおそれのある箇所の抽出に努めるものとされました。 このような国の動きを受け、県においては、前議会における我が会派の一般質問に答弁されたように、土砂災害のリスク情報を周知し、警戒避難体制の強化を図るため、箇所の抽出作業を進められています。 私の地元である萩市は、地形的・地理的な特性上、土砂災害警戒区域の指定数は県内でも上位となっていることに加え、冒頭申し上げたような甚大な土砂災害も発生していることから、県には、箇所の抽出作業を完了させた上、一刻も早く、県民のより的確な避難行動につなげるための情報周知に努めていただきたいと思います。 また、今月は土砂災害防止月間でもありますが、県には、これまでに述べた土砂災害警戒区域の指定に係る取組はもとより、引き続き、土砂災害防止に関する普及啓発活動に取り組み、県民の意識向上に努めていただきたいと思います。 加えて、県内に対策が求められる箇所は多くあると思いますが、ハード対策としての土砂災害防止施設の整備についても、当該箇所の危険性等を考慮しながら、引き続き、着実に進めていただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。土砂災害被害の防止を図るため、ソフト・ハードの両面で、今後どのように総合的な土砂災害対策を推進していかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、医療提供体制の強化についてお尋ねいたします。 本県唯一の県立総合病院である県立総合医療センターは、がん患者やハイリスク妊産婦、重篤な新生児等への高度な専門医療の提供、第二次救急医療機関では対応できない重篤患者の受入れに加え、巡回診療、代診医派遣などによる僻地医療の支援や災害医療の提供など、他の医療機関では担うことが困難な高度専門医療や不採算医療に対し、県全体の医療を支える中核的医療機関として重要な役割を担っておられます。 また、世界中で猛威を振るった新型コロナウイルス感染症への対応では、重症者や妊婦等、多くの患者を受け入れて治療に当たられ、本県唯一の第一種感染症指定医療機関として責務をしっかりと果たされたことは、記憶に新しいところです。 加えて、山口大学等と連携した医療人材の確保・育成など、県全体の医療提供体制の充実に向け、積極的に取り組んでおられます。 こうした中、少子高齢化の進行や医療技術の高度化等、本県においても医療を取り巻く環境の変化は著しく、また、それに伴い医療ニーズが複雑化・多様化しており、県民誰もが住み慣れた地域で暮らし続けるためには、安心・安全な生活の基盤となる医療提供体制を確保し、さらに強化していくことが重要です。 そのためには、地域医療の最後のとりででもある県立総合医療センターが、その役割を将来にわたり安定的に果たしていけるよう、さらなる機能強化を図っていく必要があり、県は、我が会派のこうした思いも踏まえ、昨年、県立総合医療センター施設整備基本計画を策定され、その実現に向けた取組を進めておられます。 一方で、施設整備計画の推進に当たっては、人口構造の変化をはじめ、不安定な国際情勢を背景とした資材の高騰や不足、建設業界における人材不足など、環境が刻々と変化しており、そうした多くの課題に直面していることと想像します。 現に、全国的にも施設整備計画の変更を余儀なくされているケースがあることも承知しています。 県には、こうした状況をしっかりと踏まえながら、施設の老朽化や医療技術の進歩への対応といった、県立総合医療センターが抱える課題の克服に向けて、新病院の早期完成を目指し、取組を前に進めていただきたいと思いますし、今回の建て替えを契機に、生命に関わる高度急性期医療への対応はもとより、災害や感染症などの脅威から、県民の命をしっかり守り抜く医療機能の強化を確実に実現していただきたいと思うのです。 そこでお尋ねいたします。医療提供体制の強化に向けて、県立総合医療センターの施設整備計画の推進に、県は今後どのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。 最後に、選ばれる県立高校づくりについてお尋ねいたします。 国の授業料無償化の拡充により、保護者の教育費負担軽減が期待される一方で、県立高校と私立高校の競争環境は大きく変化すると考えます。 保護者にとっては、学費よりも学校の特色や教育内容で高校を選ぶ時代になります。そのため、県立高校は私立高校との差別化を明確にしていく必要があります。 一方で、私の地元である萩市・阿武町地域を含む地方部の高校においては、少子化の影響に加え、そうした教育費の負担軽減による都市部の高校への通学のハードルが下がることにより、県立、私立を問わず、生徒確保が一層厳しくなっていくことが予想されます。 今後、地方部の県立高校が生き残っていくためには、私立高校との差別化だけにとどまらず、都市部の高校との差別化や特色化を進めていくことも重要になってくると思います。 そのことを踏まえ、全国では、地域みらい留学や公営塾、地域課題解決型学習などにより、小規模校であっても全国から生徒を集める事例が多く生まれています。 また、私たちの地域は農業や漁業の盛んな地域でもあり、地域の企業や事業者との連携による体験活動が授業の一つとして行われています。 少子化が進む中、今後の高校教育においては、学校を維持する、再編するといったことや、どの学校に入るかという視点だけではなく、保護者や生徒から選ばれる学校づくりという視点が重要になると考えます。 これからの学校づくりは、何を学びたいのか、またどのような未来を描くかによって、自分らしさが出せる学校、自分らしく過ごせる学校や、保護者が安心できて子供が通いたいと思う学校を、特色を持った学校としてどう差別化をしていくかが重要だと考えます。 全国においても、保護者は子供の将来につながる教育環境や進路支援を重視し、生徒自身も特色ある学びや将来の夢を実現できる学校を選択する時代になっています。 県内においても、山口県立大学附属周防大島高校では、県立大学が附属高校化することにより、進学も含めた大学との連携や県外からの受入れを拡大するなど、ほかにはない特色化を進め、志願者数が七十六名から百八十四名に、県外からの入学者も十一名から十八名に増加するなど、一定の効果が見られます。 今後、より一層の生徒数の減少が見込まれる日本海側の高校においても、このような思い切った取組により、他地域の子供たちに行きたいと思わせる学校づくりを行うことが必要だと考えます。 そこでお尋ねいたします。授業料の無償化や少子化の影響により、地方部の高校の置かれた状況が厳しさを増す中、地域の県立高校が果たすべき役割をどのように考え、保護者や生徒から選ばれる学校となるため、どのような特色づくりや魅力向上策を進めていく必要があると考えるのか、お伺いをいたします。 以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 議長(柳居俊学君)村岡知事。 〔知事 村岡嗣政君登壇〕 知事(村岡嗣政君)岡議員の御質問にお答えします。 まず、中小企業の持続的な賃上げ支援についてです。 長引く物価高に加え、中東情勢に緊張緩和の動きが見られるものの、不透明な状況が続く中、県民の暮らしを守り、企業の生産活動を支えるには、企業の「稼ぐチカラ」を高め、その収益で賃上げを実現し、人材の確保・定着により、経営基盤をさらに強化する好循環の流れをつくることが重要です。 特に、県内企業の大多数を占める中小企業は、資材価格の高騰などから経営環境が悪化する中にあっても、人材確保の面から防衛的賃上げを余儀なくされるなど、大変厳しい状況に置かれています。 このため、私は、新たな総合計画の骨子案において、産業を支える中堅・中小企業の成長支援をプロジェクトの一つに掲げ、事業者の持続的な成長に向け総合的に取り組むこととしており、今年度は賃上げしやすい環境整備と、「稼ぐチカラ」の底上げや強化に重点的に取り組んでまいります。 まず、賃上げしやすい環境整備に向けては、様々な奨励金制度を創設し、中小企業における賃上げやそれにつながる行動計画の策定、処遇改善に資する正社員化の取組を促進するとともに、企業の奨学金返還支援制度創設を後押しします。 特に、賃上げの奨励金については、より多くの中小・小規模事業者が活用できるよう、今年度から対象を全年齢に拡大するとともに、新たにパート労働者も対象に加えることで、賃上げの一層の裾野拡大を目指します。 次に、中小企業の「稼ぐチカラ」の底上げや強化に向けては、生産性向上や適正な価格転嫁の促進の取組を進めます。 まず、生産性の向上については、企業ニーズに応じたデジタル化やロボット導入等の成長投資を支援するとともに、地域の産業特性を生かした農商工連携の推進により新事業展開を後押しするなど、物価高等の外部環境の変化にも耐え得る経営基盤の強化を図ります。 また、適正な価格転嫁の促進については、経済団体に対し、年二回実施している要請に加えて、改めて協力を要請するとともに、小規模事業者等の交渉術習得を目的としたセミナー開催や専門家派遣等により、価格転嫁の実現と転嫁率のさらなる向上につなげます。 私は、厳しい経営環境の中にあっても、賃上げの流れを後退させることのないよう、県内中小・小規模事業者の賃上げしやすい環境づくりと、「稼ぐチカラ」の底上げや強化を一体的に支援し、持続的な賃上げの実現に全力で取り組んでまいります。 次に、医療提供体制の強化についてのお尋ねにお答えします。 少子高齢化の進行や医療ニーズの多様化・複雑化など、医療を取り巻く環境が大きく変化する中、県民の命と暮らしを守り抜くためには、高度専門医療や政策的医療において、本県の中核を担う県立総合医療センターの機能強化を進めることが重要です。 このため、私は、昨年三月、県立総合医療センターの一層の機能強化に向けた施設整備基本計画を策定し、現在、この計画の具現化に向け、基本設計業務を進めているところです。 設計においては、高度急性期など医療の質の向上に加え、患者ニーズに配慮した療養環境や職員の働きやすい環境の整備に向け、病院スタッフや患者の意見のほか、病院建設の最新の知見を取り入れるとともに、災害時の防府市広域防災広場との連携を考慮するなど、内容の充実を図っています。 こうした中、施設整備計画の推進に当たっては、人口構造の変化や資材の高騰、建設業界における人材不足など、医療のみならず様々な環境変化を注視し、状況に応じて的確に対応していくことが必要であり、このたび、基本計画について所要の見直しを行うことといたしました。 具体的には、基本計画に示した高度急性期医療や政策的医療の充実強化のほか、療養環境の向上や院内感染対策の強化に資する全室個室化など、整備に向けた基本的な考え方や施設整備方針については、新病院建設の柱となるものであり、引き続きこれを堅持してまいります。 その上で、病床数については、厚生労働省の患者調査など最新のデータを基に算出した将来の入院患者数を踏まえ、適正な病床数を再精査し、当初計画の五百十二床から四百五十二床に変更します。 さらに、病床数の見直しに伴う設計変更に加え、これから策定が本格化する新たな地域医療構想との整合や、建設業界の働き方改革に伴う工期の長期化等への対応が必要であり、こうした状況を踏まえ、開院目標時期について、当初計画の令和十二年度末を令和十四年度末とします。 また、新病院が機能を十分に発揮するためには、安定した病院経営が不可欠であることから、建設事業費については、経営への過度な負担とならないよう、このたびの見直しや建設コストの動向、診療報酬改定の影響等を総合的に勘案しながら、今後の設計の中で改めて精査してまいります。 私は、今後とも、県立総合医療センターが将来にわたり、本県医療の中核的な役割を果たせるよう、施設整備を着実に進め、県民の皆様が安心できる医療提供体制の充実強化に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 議長(柳居俊学君)木安観光スポーツ文化部長。 〔観光スポーツ文化部長 木安亜紀江さん登壇〕 観光スポーツ文化部長(木安亜紀江さん)デスティネーションキャンペーンを契機とした地域の観光力の強化についてのお尋ねにお答えします。 山口DCは、本県の豊かな自然や歴史、文化、グルメなど多彩な魅力を国内外に発信する絶好の機会であり、この好機を逃すことなく、DCを成功に導き、本県観光の持続的発展につなげていくことが重要です。 このため、県では、市町との連携の下、全県を挙げた推進体制を構築し、地域ならではの観光資源を開発するとともに、誘客拡大に向けた戦略的なプロモーションを展開することにより、地域の観光力の強化を図ることとしています。 具体的には、まず、お示しの着物ウィークin萩や萩の食と地酒のペアリングなど、地域の方々が愛し、誇りとする伝統文化や食材を生かした観光素材の開発や、磨き上げを支援することにより、県内全域で二百を超える観光コンテンツを創出したところです。 また、こうして生まれた観光コンテンツを誘客の起爆剤としていくため、旅行会社に対し新たな商品の造成を働きかけるとともに、様々なメディアを活用した情報発信や首都圏や関西圏等におけるPRイベントの開催など、戦略的なプロモーションを展開していくこととしています。 さらに、地域の観光力の強化に向けては、地域住民のおもてなし意識や郷土愛を高めていくことが重要であることから、訪れた方々との心の籠もった交流や、観光地の環境美化などを実践する、おもてなしクルーを市町と共に広く募り、DCへの県民参加を促進することとしています。 県としては、DC開催の成果が地域の宝となり観光力の強化につながるよう、今後とも、市町や関係団体等と緊密に連携しながら、本県観光の振興に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)内藤農林水産部長。 〔農林水産部長 内藤雅浩君登壇〕 農林水産部長(内藤雅浩君)持続可能な漁業についてのお尋ねにお答えをします。 三方を海に開かれた本県において、新鮮で多彩な水産物を安定的に供給していくためには、本県漁業を将来にわたって発展させていくことが重要です。 このため、県では、漁獲量の安定と増大に向け、漁獲可能量の上限を定めるTAC管理を推進するとともに、漁業者の懸念となっているトラフグTACの西日本への先行導入や、クロマグロの漁獲枠について、このたびの政府要望において、地域の実情を踏まえた対応を強く求めたところです。 また、キジハタ等の種苗放流と、稚魚の生育場となる藻場の保全や整備を一体的に進めるとともに、県内うどんチェーン店から提供される昆布を餌としたウニの養殖技術を開発するなど、漁獲と養殖の両面から生産の維持・拡大を図ってきました。 しかしながら、お示しのように、海洋環境の激変により、魚群の分布や回遊が大きく変化し、不漁の継続や藻場の減少が顕著になっていることから、持続可能な漁業を実現していくため、海洋環境の変化への対応と資源管理の強化に重点的に取り組むこととしています。 まず、海洋環境の変化への対応については、効率的かつ安定的な操業が可能となるよう、これまで蓄積した海水温や漁場等のデータを活用し、マアジなどの漁場予測や漁獲情報を見える化する操業支援システムの実装を加速します。 また、温暖な条件下でも生育するシロアマダイなどの種苗放流を拡大するとともに、今年度から新たな取組として、海水温上昇の影響を受けにくい深い場所などに藻場の整備を進めることとしています。 次に、資源管理の強化に向けては、持続的かつ最大限の漁獲量が確保できるよう、漁業調査船による海洋観測等の科学的データに基づき、重要魚種の資源量をより正確に把握した上で、漁業者の理解を得ながら、本県の実態に即したTAC管理を推進してまいります。 県としては、今後とも漁業者をはじめ、市町、関係団体と緊密に連携しながら、海洋環境の変化にも対応した持続可能な漁業の育成に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)田宮土木建築部長。 〔土木建築部長 田宮佳代子さん登壇〕 土木建築部長(田宮佳代子さん)総合的な土砂災害対策の推進についてのお尋ねにお答えします。 近年、気候変動に起因する記録的な集中豪雨等による災害が、全国で激甚化・頻発化している中、県では、土砂災害から県民の生命・財産を守るため、ソフト・ハード両面から土砂災害対策を進めていくことが重要であると考えています。 このため、土砂災害が発生するおそれがある箇所について、土砂災害防止法に基づく警戒区域等の指定を進めるとともに、過去に災害が発生した箇所、要配慮者利用施設や避難所が立地する箇所等、危険性や緊急性の高い箇所から重点的・計画的に土砂災害防止施設の整備を進めているところです。 こうした中、国の土砂災害防止対策基本指針の変更を受け、県では、令和三年度から高精度な地形情報を活用して、机上作業と現地調査を進めた結果、土砂災害が発生するおそれがある箇所として、新たに四千四百九十か所を抽出し、来月、公表することとしています。 また、公表に当たっては、お示しのように、県民のより的確な避難行動につなげるため、県のホームページの山口県土砂災害ポータルに位置と範囲を分かりやすく掲載するとともに、市町と連携し、県民への周知を図ってまいります。 さらに、県民の土砂災害に対する意識向上を図ることが重要であることから、引き続き、県や市町の広報誌による周知やテレビ、ラジオなどのメディアを活用した普及啓発を積極的に行ってまいります。 とりわけ、若い世代の防災・減災の意識を高めていくため、例えば、先月の萩市立大島小中学校での出前授業では、クイズや土石流の再現模型を活用し、土砂災害の危険性について理解と関心を深めてもらったところであり、今後はデジタル技術を活用するなど、さらなる内容の充実を図っていく考えです。 さらに、ハード対策として、災害リスクの実情や緊急性等を踏まえ、整備効果を早期に発現できるよう、土石流対策のための砂防堰堤や、崖崩れ対策のための擁壁等の施設の整備を着実に進めてまいります。 県としては、県民の安心・安全を確保するため、引き続き、ソフト・ハード両面から総合的な土砂災害対策の推進に積極的に取り組んでまいります。 議長(柳居俊学君)繁吉教育長。 〔教育長 繁吉健志君登壇〕 教育長(繁吉健志君)選ばれる県立高校づくりについてのお尋ねにお答えします。 少子化の進行や、いわゆる高校授業料無償化など、学校を取り巻く環境が大きく変化する中で、生徒や保護者から選ばれる学校となるよう、県立高校の役割を明確にし、特色化・魅力化を一層進めていくことが重要であると認識しています。 このため、県教委では、第三期県立高校将来構想の方向性に沿って、中長期的視点に立ち、県立高校における教育の質の確保・向上を図ることができるよう、学校・学科の再編整備と特色ある学校づくりを、年次的かつ計画的に進めてきたところです。 この構想の中で、目指すべき県立高校像に、主体的に未来を切り開いていく人材や、地域・社会に貢献しようとする人材を育成することができる学校を掲げ、各高校のスクール・ミッションにおいて、その存在意義や社会的役割等を設定しています。 お尋ねの地域の県立高校では、地元の小中学校や企業等とより密接に連携・協働した探究的な学びなどを通して、地域や社会に貢献する人材を育成していくことが重要な役割の一つであると考えており、例えば、萩高校や萩商工高校では、萩城下町や見島などを題材に、地域に根差した教育活動を展開し、地域・社会のつくり手の育成に取り組んでいるところです。 また、スクール・ミッションに基づく特色づくりや魅力向上に向けては、各高校が学校運営協議会において、保護者や地域関係者と共に毎年協議を重ね、教育活動の改善・充実を図るなど、地域と一体となった学校の特色化・魅力化を進めているところです。 さらに、今後の再編統合に当たっては、若者世代を含め、学校や地域の多様な関係者が参画する協議体を新たに設置し、これまでの取組の継承・発展と、新高校の魅力の創造に向けた議論を深め、学校と県教委が連携しながら、教育内容等の具体的な検討を進めてまいります。 県教委といたしましては、今後とも高校教育改革の取組を着実に進め、生徒や保護者から選ばれる学校となるよう、それぞれの地域の実情や特色を生かした魅力ある学校づくりに全力で取り組んでまいります。